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今期一番のドラマだと思う『刑事ゆがみ』、折り返しをすぎて【ネタバレ】|tonbori堂ドラマ語り

2017年11月14日火曜日

drama

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 適当なようで適当でないゆがみてきとう、いや適当と書いてゆきまさ。と羽生虎夫ってハニートラップらしいですわよ奥さんのコンビによるバディモノ刑事ドラマ『刑事ゆがみ』なんでも数字悪いらしいです。

刑事ゆがみ/ロゴはイメージです
刑事ゆがみ/ロゴはイメージです

 tonbori堂はもう最初から『陸王』とかはスルーしています。理由は「このクールは半沢メソッドはもういいかな」っていう理由なんですが、刑事ドラマだった『小さな巨人』は刑事ドラマが好きなtonbori堂としては半沢メソッドで刑事ドラマってのは面白いなと思ったからで、『陸王』は重厚で観たら面白んでしょうけど、モノ造りという話は『下町ロケット』で既に行われた話なのであまりアンテナが立たなかったというのも理由の一つです。ちなみに『ドクターX大門未知子』もご同様。ある種『水戸黄門』的にスカッとしたいというのはフジの『スカッとジャパン』が人気があるのとご同様に分かる話なんで、そちらがダメとは思っていません。ドラマの人気の重要なファクターだと思っています。


 もっともそれだけじゃないからドラマって面白い訳です。そういう意味では『刑事ゆがみ』は異色のドラマと言えるかもしれません。(tonbori堂は全然異色とは思っていませんが)なにせ犯人が誰?よりも何故に重点が置かれている部分はこれまでにも多くのドラマがありました。これはドラマ担当プロデューサーがインタビュー記事でもそう答えていました。

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 『緊急取調室』(キントリ)もそうですよね。逮捕された犯人の自白、何故殺したのか、罪を犯したのかの動機部分にフォーカスしていましたけど『刑事ゆがみ』は犯人逮捕に至る道程でその動機を洞察していくストーリーになっているのです。

見立て

 事件が起こったら、現場の状況、死体の検死報告、物的証拠、証言などの基づいて大まかなストーリーが浮かび上がります。いわゆる推理部分です。現実の刑事捜査というのは識鑑(被害者の人間関係の洗い出し、鑑取りとも)、地取り(その地域での被害者の行動、生活態度などの状況証拠につながりそうな証言や裏取り)を重ねていくのが本筋ですが、弓神は、現場でかすかに感じる違和感や関係者(容疑者ではない)に会った時に感じた違和感を基に捜査を進めます。


 この辺りは『相棒』の杉下右京警部と似ていますが、右京さんと違うのは容疑者にもあたっていくけれど、右京さんように正義というものをあまり信用していない点ですね。右京さんは己を律する絶対正義(法律も含む)を信じていますが、弓神は人を信用しているようでしていない、絶対の正義なんぞあるわけがない、そんな感じがします。ただ、うきよ署のメンバーはある程度信頼しているのじゃないかなとは思いますが。同期で自分の上司でもある菅能係長などの距離の取り方を見るとそんな感じが受けます。


 羽生との間柄は腹黒君や童貞君とかいじったり、彼にたかるためだけに行動確認したりとかストーカーなみですが、ある意味刑事として信頼しているのではないかということと、彼の中にある人としての正義感みたいなものに期待をしているのかなと思っているのですが、このバディの先行きがどうなっていくのか非常に気になる所です。ここも『相棒』の右京さんとは違うところで右京さんは揺るぎない正義が自分の中にありますが状況によったら弓神は罪を見逃しそうなんですけど、その判定を羽生にゆだねている?そういう部分もあるし、人間の白黒ってそんなに簡単につくもんじゃないぞという導師でもあるのかなと思うのです。

ヒズミ

 5話の折り返しで過去に弓神が犯人を追い詰めた連続殺人事件通称「ロイコ事件」の生き残りがヒズミということが示されました。「ロイコ事件」の模倣犯では?という事で過去に事件を解決した弓神が誘拐事件に呼び出されるという事で展開してきた今回の事件。誘拐事件の顛末自体はロイコ事件とは関係ないものの、ヒズミを事件から遠ざけておきたかった弓神にとっては気が気でない状況になりました。これは最終回に向かっての伏線となる展開でした。連続殺人犯は焼身自殺を遂げたというのも伏線というより布石ですがこれは最終回あたりの重要ワードになると思われます。

ゲスト・キャスト

 チョイ役で豪華なゲストが出たり、(リリー・フランキー、斎藤工)、犯人が深い闇を抱えていたり、事件が消滅したり(第2回)とかいろいろありましたが被疑者役の方々の熱演や人のちょっとしたゆがんだ情感が増幅されていったりする様がよく描けているし、それを追う弓神と羽生のコンビもどんどん進化してきている気がします。


 そこにこれまでのゲスト陣がまた上手くかみ合っているというか初回の杉咲花ちゃんや第4回は高梨臨、池端レイナ、飯豊まりえという布陣にはちょっと驚かされました。高梨臨と池端レイナがメインなんですが高梨臨の演技が非常に印象に残る回なのですが飯豊まりえは言えばチョイ役ながらしっかりと印象を残していくという美味しい役どころ。キャストの使い方が上手いのもこの『刑事ゆがみ』の良い部分です。


 第2回では様々な顔を見せる水野美紀、パブリックイメージではどちらかと言えば多彩でハンサムなイメージの彼女を干物女、しかも男性経験が未経験というかなり踏み込んだ部分の役というのも、ああこれは狙っているなと思って感心したものです。折り返しの5話にはヒズミを助けた謎の男にオダギリジョーなど今後も目が離せない展開とゲスト陣になりそうです。


 そもそも『刑事ゆがみ』のキャストってなかなか渋いんですよ。主人公に弓神に浅野忠信を。その相棒に刑事という役とは縁遠そうな神木隆之介を。この凸凹感が他には無いバディ感を産みだしておりまさにアンサンブルキャストとして成功しているではないかと。他に刑事課強行犯をまとめる菅能には稲森いずみ。彼女も最近の活躍は一皮むけてきたなという感じがあります。また強行犯の他の刑事には仁科貴に橋本淳。仁科貴は川谷拓三の息子で近年良いバイプレーヤーに成長してきました。お父さんとはまた違った意味でいぶし銀として活躍して欲しい俳優さんです。

最後に

 なぜ面白いのに視聴率がと嘆いても始まりませんが、やはり視聴層が『相棒』とかぶっているのかな?それでもこちらは全く違うと思うので『相棒』視聴層にも十分訴求できるし、弓神と羽生2人のバディものとしても十分楽しめる要素があると思っているのですが…。爽快感が要求されるのかな…難しいところですね。でもかなり頑張っているドラマなので最終回までしっかりを視聴をしていきたいと思います。第6話には最近改名で話題になった千葉真一の息子、新田真剣佑、大河ドラマでの子役でお馴染み、新井美羽など注目キャストが出演です。どんなストーリーになるのか楽しみです。

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