神々の黄昏『マイティ・ソー バトルロイヤル』|感想【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

神々の黄昏『マイティ・ソー バトルロイヤル』|感想【ネタバレ注意!】

2017年11月15日水曜日

MARVEL movie

X f B! P L

 ここまでフェイズ1『アベンジャーズ』を立ち上げるため製作されたマーベル・ヒーローのうちアイアンマンが3作、そして『キャプテン・アメリカ』3作と製作されましたが、順番で行くとキャップより先に作られた『マイティ・ソー』の3作目が本作です。『マイティ・ソー』トリロジーの3本目にしてこういうテイストを放り込んでくるとは。いやいろいろびっくりしましたが魅力的なキャラクターもあり、とにかくソーのターニングポイントになりそうな気がします。けれど…。まあそれはおいおいと【ネタバレ】も含めながら語ってみたいと思います。

 
YouTube|Marvel Entertainment|"Thor: Ragnarok" Official Trailer

ラグナロク

 ある意味、前作まで強かったヒロイックファンタジー色よりも『アベンジャーズ』で見せていたコメディリリーフ的な立ち位置と彼のヒーローとしての側面を強調した快作になって戻ってきたのが今作『マイティ・ソー バトルロイヤル』です。 見出しの『ラグナロク』は本来のタイトルで、邦題こそ『バトルロイヤル』でまあバトルロイヤル感もあるにはあるんですが、この邦題がスクリーンに映される事はありません。マーベルの宣言みたいなものでしょうか?これは『ラグナロク(神々の黄昏)』であると言う。そういえば『バトルロイヤル』に決まった時は何故?ってTwitterを中心にざわついたのも記憶に新しいところです。 その『マイティ・ソー ラグナロク』のかじ取りを任されたニュージーランド出身のタイカ・ワイティティ監督はその期待に応えこの作品をなんとチャーミングに生まれ変わらせたのです。 とは言えtonbori堂、ある一点がひっかかっておりましてファーストインプレッション時は100点満点で80点と渋い点を付けております。今は90点くらいになっていますけど(笑) それはおいおいご説明するとしてまずはストーリーから紐解いてみましょう。

アスガルド崩壊/ストーリー

ムスペルヘイム

 9つの世界のうち炎が燃え盛る灼熱地獄のような世界、ムスペルヘイムで囚われの身になっているソー。彼はインフィニティ・ストーンがこの世界に突如3つも出現したことに危機感を覚え宇宙を飛び回っていたのですが、その間に9つの世界では争乱が絶えなくなっており、アスガルドが炎に包まれる夢を見るようになりました。原因を探るためにムスペルヘイムに出向いたところを囚われになったのです。 鎖につながれたままムスペルヘイムの王、スルトの前に吊り下げられるソー。スルトはオーディンに倒された恨み、そして奪われたムスペルヘイムの力の源「永久の炎」を奪い返しアスガルドを滅ぼす「ラグナロク(神々の黄昏)」を告げます。 スルトの企みを聞き出すためにわざと捕まったソーはムジョルニアでスルトに立ち向かい彼の頭蓋と胴体を切り離し、アスガルドで厳重に保管する事にしました。

アスガルド

 ビフロストの門番はヘイムダルからスカージという男に変わっていました。スカージは門番の仕事を悪用してちょくちょく他の世界から物をとってきては戦利品としてコレクションしている小悪党然とした男でした。ヘイムダルの行方を問いただすソーでしたが門番の仕事を放り投げ今は追われる身となったと告げます。オーディンに謁見し彼の真意を問いただそうとするソーの前に王宮近くになんとロキの銅像がつくられているではありませんか。当のオーディンは先のダークエルフとの戦いで命を落としたロキを主人公とした劇を上演させてアスガルドの民とともに見物していました。


 それを見て全てを悟ったソーはオーディンに近寄りムジョルニアを放り投げその前にオーディンを立たせます。するとオーディンに化けたロキがその正体を現しました。ロキに父であるオーディンをどこにやったと問い詰めるとミッドガルド(地球)にと告げます。

ミッドガルド

 ニューヨークの取り壊された老人ホームに佇むソーとロキ。ロキは追放したオーディンをここに預けたといいますが既に取り壊され手がかりもなく途方にくれます。どこを探すかもわからずともかく探そうとする2人。すると突然ロキが魔法陣に飲み込まれました。一枚のペーパーがソーの前に舞い落ちて、そこには「ブリーカー街177A」という住所が記されています。その住所にある屋敷にはいると屋敷の主、魔法使いドクター・ストレンジがソーを迎えます。彼はソーの強大すぎる力を警戒し何をしに地球にやってきたのか詰問しますが、彼は地球にはロキによって追放されたオーディンを探しに来ただけだと告げます。そういう事ならとオーディンの居場所を教えてくれたストレンジは、そのままソーとロキをその地に送り届けてくれました。2人の前に立ち尽くす老人の姿。それはオーディンでした。オーディンはノルウェーの海岸に佇み最後の時を迎えようとしていました。元々神としての力は残り少なくなっていた彼は力を使い果たし次代に渡すときが来たのだと告げます。ただ一つオーディンの心配はソーの姉で死の女神、ヘラの事でした。


 強大な力を持ち、暴虐の限りを尽くすヘラを恐れたオーディンはその力を以って彼女を封じ込めていましたが、その力は尽き、ヘラがアスガルドに現れるのは時間の問題だと言います。ヘラはアスガルドがある限りアスガルドから力を得て無敵の存在になる。その前に彼女をロキとともに兄弟力を合わせて止めるのだとオーディンから託され、オーディンは光の粒子となって消えていきました。そこに暗黒の雲とともにヘラが現れたのです。オーディンの最後を見損ねて残念だと嘯くヘラ。ソーはムジョルニアを投げつけますが、なんとヘラにとってはムジョルニアなど取るに足らないと言わんばかりにひねりつぶしてしまいます。たまらずビフロストを開かせたロキ、その後を追うヘラはロキとソーを弾き飛ばしてアスガルドに帰還しました。

サカール

 ビフロストから弾き飛ばされたソーが次元の歪からワームホールを抜けて放り出されたのが人外と文明の境界にあり銀河中にある屑があるまる惑星サカールでした。サカールはその星に最初に降り立ったエルダー(長命種)グランドマスターによって統治された星で、彼の権力は絶対です。ソーは剣闘士を探してグランドマスターと取引しているスクラッパー142という女に拘束装置を付けられて捕まりました。そしてグランドマスターに剣闘士として売り渡される事に。自由の身になるには闘技場の絶対チャンピオンと戦い勝利する事。それは過去に誰もなしえなかった事で、現在のチャンピオンは全戦全勝の無敗。そして一足先にサカールにやってきていたロキはちゃっかりグランドマスターに取り入っておりソーの難儀にも知らんぷり。


 自慢の髪を切られ、剣闘士のペインティングをされムジョルニアもないソーは自由を勝ち取りアスガルドに帰還しヘラの暴虐を止めるためチャンピオンに挑戦する事になります。同じ囚われの岩石人間の剣闘士コーグに心配されますが、ソーには迷っている暇はありませんでした。

インクレディブル

 サカールの闘技場に引き出される前、控室の横にある酒場に来ていたスクラッパー、彼女の腕にある紋章からアスガルドのヴァルキリー族ということが分かりアスガルドの危機に手を貸してほしいと懇願しますがすげなく断られるソー。やがてメインエベントの時間がやってきます。闘技場に進むソーの前に雄叫びと共に現れた絶対チャンピオンは、ウルトロンとの戦い後、クインジェットとともに行方不明になっていたハルクでした。


 戦友に会った事で百万の味方を得た気分になったソーでしたが、当のハルクはやる気満々です。ソーの呼びかけにも無視して突進してきます。これにはソーも全力で当たるしかありません。ソーも善戦しますがやはりハルクの力はとてつもなくソーは翻弄されてしまいます。寸前のところまで追いつめられたソーに身体に変化が、雷撃を纏い、突如ハルクを吹き飛ばします。形勢逆転、ハルクを追い詰めますがハルクが敗れる事を嫌ったグランドマスターが勝負に水を差しました。


 ハルクの部屋で目を覚ますソー。どうやらハルクの部屋で介抱されていたようです。ハルクに一緒にアスガルドへいって助けてくれと頼みますが彼はそれにはにべもなく断ります。ここはハルクにとっては天国のような場所。誰もが称賛してくれる。そして自分は強いと首を振りません。やがてソーは窓の外にクインジェットがあることに気が付き一計を案じます。ハルクを通じてヴァルキリーを呼び出し拘束装置のスイッチを奪って彼女に助力を求めますがまったくとりあってくれません。次は部屋から脱出しクインジェットでこの地を脱する事ですがハルクがその後を追ってきます。暴れた拍子にブラックウィドウのビデオメッセージが流れてハルクはショックを受けてバナーへ戻ってしまいます。


 バナーはソーに驚き、自分の置かれた場所にも驚きパニックに。またハルクに戻られては話が面倒になるソーはともかくバナーを落ち着かせるためクインジェットにあるトニーの着替えをバナーに渡しその場を離れました。おりしも姿を消した絶対チャンピオン、ハルクを探し出し、彼を連れ出したソーを捕縛せよとの命令がグランドマスターより下され四面楚歌の状態。しかしヴァルキリーが現れ、協力してくれる事になりました。ヴァルキリーの過去を覗いたせいで彼女を怒らせ捕まったロキに空間を越えてヘイムダルに示された大きな空間の穴「悪魔の肛門」に突入できる宇宙船を奪取させる手伝いをさせることに話がまとまり、格納庫へ向かうソーとロキ。


 2人は互いの微妙な立ち位置を確認しつつも協力しながら先へ進みますが土壇場でやはりロキはソーを裏切ります。 しかしそれを見越してソーは自分に取り付けられていた拘束装置をロキに、麻痺させたロキをそのままにグランドマスターの宇宙船で格納庫を飛び出します。街ではヴァルキリーとバナーがコーグに武器を与え拘束を解いてクーデターを扇動させで混乱の中脱出する計画でしたがグランドマスターの側近、トパーズたちが宇宙船を追撃します。しかし合流したヴァルキリーの活躍により追撃を振り切り、悪魔の肛門に飛び込んだソーたち。 しかしアスガルドは完全にヘラが掌握し、スカージはヘラに寝返り彼女の手下になっていました。残った人々も風前の灯火。ヘラはヘイムダルが持つ、ビフロストの鍵である剣を手にいれ9つの世界へ進軍しようとしていました。事はアスガルドだけではなく9つの世界に及ぶと分かったソーはある決断を下します。果たしてソーはヘラを止められるのか?ラグナロクはどうなるのか?アスガルドの運命はソーの手に!

神々の黄昏【ネタバレ】

 結論から言うとラグナロクは起こります。北欧神話では神々の争いによりソーはフェンリルと相討ちになりますが、アベンジャーズ・インフィニティウォーに登場する訳なんで別に相討ちにはなりません。アスガルドをヘラの手から取り戻しラグナログを止めるために奔走する訳ですが何故起こるかはスクリーンでご確認を。それよりも最初から場面転換が上手いし前作あれだけ思わせぶりだったロキの入れ替わりをどうすんのよって思ったらそう来たか!っていう。特にいきなり冒頭から「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」的に話すとか、この映画、ライトタッチですよーって宣言しているわけです。


 『アントマン』もライトタッチでしたが、ワイティティは違うアプローチでコメディ化に成功したと言えると思います。とにかくこの冒頭で前2作とは違いますってきっちり宣言していますからね。 もともとソーは豪快かつ、細かいこたぁ、いいんだよタイプのキャラクター。随所にそういうくすぐりはあったんですが、今回はそこを深化させてきたという訳です。これは良い判断だったと思います。

ヴァルキリー

 今作から登場したソーの頼れる仲間。戦女神で日本でもお馴染みの存在ですよね。マクロスの可変戦闘メカやアメリカ軍の爆撃機にもその名が使われているほどの有名(一部で)な存在です。原典のコミックでは金髪の白人女性でしたが、この作品では黒人のテッサ・トンプソンがヴァルキリーを演じています。登場時から飲んだくれており、しかし敵には情け容赦なく腕っぷしも強い。そして頭の回転も速いというソーより強いんじゃないか?(笑)というキャラクターになっておりまして、とにかくカッコいい。そしてバックボーンの見せ方も上手いととにかく彼女推しな人が多いのも頷けます。かく言うtonbori堂もヴァルキリー推しです(笑) 劇中設定ではヴァルキリーはアスガルドのヴァルキリーと呼ばれる王の護衛をする一団のメンバーがそう呼ばれているということが分かりました。本名が別にあるかもしれませんが基本的にパンフレット、公式サイトなどではヴァルキリーの呼称で統一されています。原典ではブリュンヒルデと呼ばれていますが、さてこの名称が出てくるかどうか。今後のシリーズに期待ですね。

ハルクとバナー

 今回、ハルクは喋ります。もう喋りまくります。そしてバナーとハルクは完全に別の人格っていうのがはっきりしました。いや実際どういう感じなのか、今まではかなり微妙だったんですよね。でも2年間もハルクでいたことによりバナーの意識は小さなトランクに詰め込まれたようになっているとバナーは語りました。次に変身したときにはもうバナーには戻れないと…。本当にそうなるかどうかは分かりませんけど(ヲイ)


 もっともそのおかげでハルクとソーのやり取りとバナーとソーのやり取りで2度美味しい場面が頻出し、非常に見ごたえありました。特にハルクとソーがハルクにあてがわれた部屋でベットに腰かけて語り合うのは中学生かよ!っていうぐらいの感じでこれまたくすりとさせてくれます。バナーはバナーでなんかズレてるし(笑)でもそういう落差もこれまでもくすりとさせるところをフィーチャーして積極的に笑かしに来ている感じでした。ハルクはマーベル・シネマティック・ユニバースでは最強の超人ですが、ソーも雷神。正直キャップやアイアンマンよりその破壊力は群を抜いているわけで、その片鱗を見せるのにも今回のサカールという舞台はうってつけでした。

サカールとグランドマスター

 サカールは境界線にある惑星のようで次元の裂け目があちこちにあり、銀河中のクズが空から降ってくるというまるで宇宙の「夢の島」のような星です。グランドマスターはその星に最初に降り立った人物で街を作り上げた人物でサカールの支配者ということですが、とにかく先を読ませない人物です。あっさり裏切った人物を殺すかと思えばソーとハルクをやり合わせてみるとか、とにかく退屈しているのか面白い事を探しているそんな人物として描写されています。


 長命種(エルダー)な生命体の設定には時々そういう人物でてきますよね。それに近いと思いました。長い時間を生きてきてとにかく退屈しているから、全ては退屈しのぎという厄介な人種です。原典マーベル・コミックスでは兄弟であるコレクターとはマーベル・シネマティック・ユニバースでも兄弟設定だそうでアベンジャーズ・インフィニティウォーでもインフィニティストーン関係で何かをしでかしそうです。そんなグランドマスターをジェフ・ゴールドブラムが楽し気に演じてて多分彼がこれまでやった役の中で一番楽し気じゃないかなと思います(笑)

ロキ

 今回、ロキがオーディンに成り代わりアスガルドを統治していたわけですが、彼のしたことは自分の像を作り、自分を主人公にした劇を作り、アスガルドの民衆にロキという人物はいい人なんですよって思わせることをしていたようです(笑) いきなり圧政を強いたり、重税で民を苦しめるというような分かりやすいヴィランのふるまいではなく(むしろそれは今回のメインヴィランであるヘラの役回りでした)ある種、大店(おおだな)のちょっと荒っぽいけど出来る男前だが勘当されたボンボン(ソー)と養子でちょっと鬱屈しているけどもっと認めて欲しい若旦はん(ロキ)っていう、松竹新喜劇タッチを感じました(笑)


YouTube|Marvelソー&ロキ兄弟、連携技"助けて"炸裂シーン
映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』本編映像|シネマトゥデイch

 ところでロキが(オーディンとして)アスガルドでやらせていた演劇のカメオキャストが超豪華で、オーディンにサム・ニール(ジュラシックパーク)、ソーにクリヘムのお兄さんルーク・ヘムズワース、そしてロキにはなんとマット・デイモンが(笑)まさかこんな形でマット・デイモンがマーベル・シネマティック・ユニバースに参加するとは。クリス・ヘムズワースからの推薦だったとも聞きますがいや予想外に豪華なカメオ出演でした。

ソース|あの人気俳優が衝撃の姿に…!『マイティ・ソー バトルロイヤル』まさかのカメオはこうして実現した - シネマトゥデイ

オーディン

 今回の見せ場の一つでもあるのがオーディンの退場です。ソーとロキに後を託し見守るというのはこういったストーリーによくあるもので、例えばSTARWARSではヨーダやオビワンがそうですよね。そういったものは元々神話から来ているわけだからここはある意味直球ストレート勝負をかけてきたなと。 元々『フィッシャーキング』にならってNYでホームレスをしているオーディンという部分を考えていたそうですが紆余曲折の末ノルウェーの海岸となったそうです。この辺りは結果的にそれが功を奏したように思います。前2作ではソーとロキの父としてアスガルドの要であったオーディンが2人に後を託して舞台から去るにふさわしいシーンになったと思います。そのためその直後にあるヘラとのムジョルニアのあのショッキングなシークエンスが最初のティザートレーラーではNYの路地になっていたのが最終版のトレーラーではノルウェーの崖の上の草原となっているのはそういう経緯だそうです。このシーン変更はなかなか良かったのではと思っています。なにせノルウェーはマーベル・シネマティック・ユニバースにとって、いや地球にとっての始まりの場所です。もっともアスガルドとの縁が深いというか。それは『キャプテン・アメリカ ザ・ファーストアベンジャー』を観れば分かっていただけると思います。とは言えホームレスをしていたオーディンもちょっと観て観たい気もしますが。

ソース|Thor: Ragnarok – 12 Revelations From Director Taika Waititi, Feature | Movies - Empire

 このソースには他にもネタバレトリビアあるので英語ですが興味のある方は読んでみてはいかかでしょう。(tonbori堂もGoogle翻訳でだいたいのところを掴みました)

死の女神ヘラ

 「死の女神」って自分で言っていますが、どちらかと言えば復讐の女神です。オーディンの長子であり、ソーの姉。その力はアスガルドで最強であり最悪の死の女神。なんせムジョルニアを片手で受け止め砕くのですから。 そんな最強のヴィランでM.C.U始まって以来の女性メインヴィランを名優ケイト・ブランシェットが貫録たっぷりに演じています。そう言えば『インディジョーンズ・クリスタルスカルの王国』でもヴィランを演じていましたね。演技派なんですがご本人いたって茶目っ気たっぷりな方のようでしてこういった宣伝動画も。


 YouTube|Marvel Entertainment|「マイティ・ソー バトルロイヤル」 ケイト・ブランシェットによる”ラグナロク”講座(Thor: Ragnarok - Chris Explains What is Ragnarok)

 しかしヘラはの力はM.C.U史上では最強クラスに数えられる強敵です。如何にして倒すのかという部分でもラグナロクと密接につないでくる辺りは脚本のエリック・ピアソンいい仕事したなと思います。 アスガルドの人々 で、tonbori堂がひっかかっていたっていう部分なんですが、まあヘイムダルはビフロストの門番でいわゆるどこにいてもその眼を通して見通せるという便利キャラ。だからこその美味しい場面がきちんとありました。


 だけど…前作までのソーの盟友であり側近であり戦友でもあるウォーリアーズスリー、特にヴォルスタックとファランドルのあの顛末は…うーんどうなんでしょうね。浅野忠信演じるホーガンは、まだ見せ場がありました。これについては予想外で奮闘していたなと思ったんですが…。ヴォルスタック辺りは瀕死で生き残りソーに彼らの奮闘を伝えて亡くなるってのは…できなかったのかなあってそこがひっかかったポイントです。ファイギ自身は彼らはこれからも記憶に残る退場とかいってたらしいですけど…、いやそれは新しいキャラとハルクの件でパンパンだし(尺が)ヘラの強さを端的に表すための噛ませ犬でしかないわけですよ。

 いや噛ませ犬はいいんです。正直新ヴィランであるヘラの強さを印象付けるにはウォーリアーズスリーを手玉にっていうのは分かりやすいですからね。実際ホーガンはらしい感じで果敢に挑んでいったわけですから。でもヴォルスタックとファランドルなんかはビフロストのゲートで瞬殺ですからね…うーんってなりました。ホーガンだけやんっていうね。ヴォルスタックはけっこう面白キャラなんでもっと現行メンバーとの絡みがあってもなあって少し思ったもので。ただホーガン本当にクローズアップされたのはやられるにしてもうぉーってなりました。そこはちょっとワイティティ監督ありがとうって思いましたね。あとシフが出なかったというのは割とヴァルキリーとかぶるもんなあっていう感じで納得しているんですが…インフィニティウォーのは出るのかな?そこは気になります。


 そしてアスガルド人は基本体力は通常の人々よりあるそうで、ヘラの黄泉がえり軍勢と剣をもって闘ったりとか基本やる時はやるんだなってのはありました。もっとも大多数の人々は平和を愛する友好的な人類なんですけども。彼らは今後どうなるのか?エンディングのあのシーンを観るといろいろはよインフィニティウォー!ってなりますね。

最後に

 ウォーリアーズスリーの扱いでちょっと渋めの点数を最初につけてしまったわけですが基本的にはソーの冒険とハルクの珍道中、そこに絡んでくる紅一点という話では(ロキも絡んでの)全然200満点の(増えてる!)の映画なので是非是非とおススメできる作品です。しかもインフィニティウォーにも直接アスガルド関係は絡んできそうですしね。テッセラクトこと4次元キューブもそうですが、コレクターに預けたエーテルやムスペルヘイムの永遠の炎もあれインフィニティウォーに関係してきそうな気がします。


 またユグドラシルを中心とした9つの世界のバランスはどうなったんだよっていう部分も気になる所ですが…そこは細かいこたぁいいんだよってなりそうな気がしますね(笑) ともあれサイケデリックなカラーとド直球な選曲(レッドツェッペリンの「移民の歌」とか)アッパーながらも語るべき部分はしっかり語った『マイティ・ソー バトルロイヤル』まさかこういう形でマイティ・ソー3部作の掉尾を飾るとは思いもしませんでしたがよい締め方だったと思います。


 今後ソーの冒険がどうなるのかは分かりませんが(インフィニティウォーでは何人かのM.C.U卒業が仄めかされています)ワイティティ監督によるこのカラーはジェームズ・ガン監督の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』との相性も良く、この路線も保持してほしいなとちょっと思う訳です。それは『キャプテン・アメリカ』などのヘヴィな路線があってこそなんですが。 そしてまた新しい『ブラックパンサー』がM.C.Uにやってきます。これによってかなり次のフェイズ4はどこに向かうのか?はっきりしそうな気がします。そこも含めて『マイティ・ソー バトルロイヤル』エンディングとポストクレジット後がどうなったのか?気になるところです。

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