世界を救えるのは彼女だけ|『ワンダーウーマン』|感想【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

世界を救えるのは彼女だけ|『ワンダーウーマン』|感想【ネタバレ注意!】

2017年9月5日火曜日

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 『ワンダーウーマン』、『バットマンvsスーパーマン/ジャスティスの誕生』で颯爽と登場した彼女にほれぼれした人も多いんじゃないでしょうか。全米の熱い支持を受けて日本でも公開された『ワンダーウーマン』観てきました。

動画はYouTubeより|映画『ワンダーウーマン』本予告【HD】|ワーナー ブラザース 公式チャンネル

選ばれし者、ダイアナ。

 『ワンダーウーマン』観てきたので昨日は、他の方の感想も見たり(主にTwitter)したんですが(それまでは目に入れないようにしてたんですが)賛否両論?になってるみたいですね。宣伝の手法の事かなと思っていたのですが内容的にもどうもそんな感じのようです。tonbori堂はガル・ガドットの凛とした美しさと力強さに痺れてたんですがとりあえずファーストインプレッションをまず書いておきたいと思います。ちなみに毎度のことながら結末をストレートに書いたりはしないようにしていますがだいたい分かってしまうくらいにはネタバレしているかもしれないのでご注意ください。


 観ようか、どうしようか迷っているならまず観ることをおすすめいたします。ガルの毅然とした佇まいや、重層的なストーリーは楽しめるものだと思いますし、2時間超ではありますが迫力のあるシーンもあります。また世間知らずのお姫様が世間を知るという定石なストーリーもヒーロー映画と結びつくとこうなるのかと。当然気に入らない人もいるとは思いますがまずはその目で確かめて欲しいですね。

あらすじ

 太古の昔より外界と隔絶された一族全員が女性のアマゾン族が住む島セミッシラで唯一の子どもであるダイアナは幼い頃から戦士となって皆を守りたいと願っていたが母でアマゾンの女王であるヒッポリタはそれを禁じた。しかしヒッポリタの妹でアマゾン一の戦士であるアンティオペ将軍が運命に打ち勝つため彼女を戦士として育てるべきだとヒッポリタを説得。他の戦士の5倍、10倍の訓練を課して彼女を鍛える。

 やがて力強い戦士へと成長したダイアナ。そんな時に外界と隔絶されたセミッシラに結界をやぶって飛行機が不時着、水没する飛行機から搭乗員を救い出す。救い出された搭乗員を追ってきた軍勢は島へ上陸する。島を守るためにアマゾン族の戦士たちと戦闘になり、撃退するがアンティオペがダイアナを守るために銃弾を受けて亡くなってしまった。搭乗員はアメリカ外征軍のパイロットでイギリスの諜報部で働いているスティーブ・トレバー大尉。彼はトルコの帝政ドイツ軍のルーデンドルフ総監の秘密基地からドクター・ポイズンと呼ばれるイザベル・マル博士の毒ガスの機密ノートを奪い逃げてきたのだった。

 外界では長き戦争が続いていると知ったダイアナは、アマゾン族と長きに渡る因縁があり人間たちに嫉妬や憎悪の念を受け付けた軍神アレスの影を感じ取りトレバーとともに島を出て世界を救いたいと切望する。ヒッポリタはそれを禁じるが、止めても決意の揺るがない娘を見送るしかなかった。

 ダイアナは世界を救うため戦場に赴くが、世界は彼女の想像以上に混沌としていた。果たしてダイアナに世界を救う事は出来るのだろうか?


ファーストインプレッション

 このあたりは昨日鑑賞後にTwitterでつぶやいたものです。

 ちゃんとツイストもあるストーリー。時代設定も巧く、太古の昔の御伽のような世界と第一次世界大戦の世界と極めて限定的な戦地での話ではあるんだけど毒ガスというその時初めて使用された化学兵器を絡めたストーリー。そして女性主人公だけでなく、ヒロインに白人男性パイロット(しかもスパイ、パイロットでスパイというのはヒーロー属性がある感じですね)を配するなど、サブキャラクターに多用な人種を配した事も(あからさまに黒人でないところも巧いと思います。)なかなか深いなと。


 トルコ人の元役者のスパイ、大陸を追われて欧州で密輸をしている酋長(チーフ)、飲んだくれのPTSDの狙撃兵。戦争にかんしても人種に関してもTwitterでつぶやいたように上手くいれてきたなと。まあチーフにはしっかり台詞いれさせてましたが。セミッシラとパートと世界のパートがあるのでダイアナの世間知らずな部分とか(知識だけはしっかりある)部分。そしてダイアナが何故セミッシラで唯一の子どもだったのか?という謎の配置もクライマックスに向かうのに効果的でした。アクションシーンのCG使い過ぎ問題も確かにあるけど、アマゾネスたちの闘いっぷりはまさに肉弾戦の美。弓を使うアクションや狭い部屋でのアクションなどかなり考えられてると思います。『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』の頃には観られなかったまさに『ワンダーウーマン』のオリジンストーリーとしては完成されたものではないでしょうか。

アペンディックス

 『ワンダーウーマン』パンフレットに載っていましたが(これはガルのインタビューでもあちこちで書かれているので目にした人もいるかも)彼女度重なるオーディション疲れで引退を考えていたとか。もともと専業の俳優というわけではなくモデルとしてデビューし、その後祖国イスラエルでTVドラマや映画に出演、ハリウッドでのオーディションなどでサブキャラクターとして出演などもしていましたが、思うように役がつかめず、往復する生活に疲れていたそうです。


 で、これで最後のオーディションと思っていたのが『バットマンvsスーパーマン』のだったんだそうですがそこでワンダーウーマン/ダイアナ役を射止めたんだとか。いやザック偉い!(笑)よくぞガル・ガドットに決めてくれました(笑)そしてシャーリーズ・セロンがオスカーを獲った『モンスター』のパティ・ジェンキンス監督も『ワンダーウーマン』の監督を熱望していたとか。その他に『ライトスタッフ』のテストパイロット、チャック・イェーガーの伝記映画も計画していたそうですが、これは頓挫。いや凄く残念是非観たかった。もしかするとこのヒットで計画再起動するかも?いや分からないですが、パティ・ジェンキンス監督は『ワンダーウーマン』の続編の監督も決まったそうです。




続編の契約が決まった事を伝える映画.com公式アカウントのツイート

 続編はどうなるのは分かりませんが、オリジンを描いて、さらに『ジャスティス・リーグ』を経るわけですからストーリーもさらに深まるものになることだと思います。あとですね、直接この映画に関係ないけれど映画評論家の町山智浩さんがTBSたまむすびでおっしゃっていたところによると『ワンダーウーマン』の原作者の方がまた変わった人だそうで。なんでも嘘発見器の発明者だとか。なるほどダイアナの使う「真実の投げ縄」はそこからとか。それに原作者のマーストン教授まだまだ人間的にも面白い方だそうなので映画になったとか。興味のある方は是非チェックを。




町山智浩さんによるその映画の予告編を紹介するツイート

最後に 

 『ワンダーウーマン』はヒーロー映画のオリジン(誕生譚)として一本筋の入った映画だと思います。ここまで読んだ人なら既に観ていてそんなことは分かってるよって言われそうですが。またいや気に入らないっていう人もいるかもしれませんし、その意見に異を唱える気はありませんが少なくともオリジンに必要な発端、対立、解決もしっかりとあり、次への展開も予感させるものでした。次の『ジャスティス・リーグ』を経たダイアナがどんな活躍を見せてくれるのか期待が膨らみます。幸い全米でもヒット中でマーベルにリードを許している感のあるDCがここから盛り返せれるか?そこも含めて注視したいと思っています。

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