クルマの出てくる映画と言えばそらもういっぱいありすぎて、どれだけあるのか数えきれないですし、『ベイビー・ドライバー』のようにクルマがストーリー上の重要なファクターを成すものもあれば、クルマそのものが重要な映画もあります。また普通の映画でも移動するためにでてくるし、主人公の愛車としてなど多種多様に自動車が使われています。まさにシネマ・モータリゼーション!ということで『クルマの出てくる映画』という雑な括りなタイトルにしましたが、『ベイビー・ドライバー』のエントリを書いたのを機に、このようないわゆるクルマがフィーチャーされた映画を5本ほどピックアップしてみました。
『ワイルド・スピード』
ベタですね(笑)でもスープラやダッジチャージャーなどアメリカ人大好きなでっかいクルマ、マッスルカーがいっぱいでてきてカーチェイス。友情、裏切り、そしてワイルド・スピードシリーズの根幹にある「ファミリー」など全ての要素がつまっています。監督はロブ・コーエン。脚本には『スーサイド・スクワッド』『エンド・オブ・ウォッチ』のデヴィット・エアーが参加しています。主演は潜入警官ブライアンにポール・ウォーカー、ストリートレーサーのドミニク(ドム)にヴィン・ディーゼル。他ミシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースターなど。ポールはこの後2の主演を務め、3をはさんで4から復帰、7まで主演。惜しくも交通事故で死亡してしまいました。ヴィンは4から復帰、以後「ワイルド・スピード」ファミリーを引っ張る座長としてストーリーを牽引しています。
シリーズ公式ロゴ/Wikipediaより/Universal Pictures - Universal Pictures, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=39375408による |
『ベイビー・ドライバー』との相似点はあまり無いですが、ドムは輸送トラック専門の強盗犯であり、卓越したテクニックを持つドライバーってところが似ているでしょうか。シリーズも後半になるとそのテクニックを見込まれちょっとヤバい任務をまかされちゃったり悪い連中がその腕を利用したりとか、どんどん話がミッションインポッシブル化していますが人気の高いシリーズになっています。
『バニシングin60’』
これまたベタですね。もはやクラシックという感じもありますが、この映画のカーチェイスは今でも語り草になるほどの凄いものでした。クルマがある意味主演で主役のH・B・ハリッキーというスタントドライバーが作り上げた自動車がメインの映画という話もあるくらいクルマがメインの作品です。マスタングベースのメーカーチューンド、シェルビー・コブラGT500をエレノアと名付けてる辺りにそれが表れていると思います。凄腕の自動車窃盗犯(ハリッキー)が(ルールがあって盗難保険に入っていないクルマは盗まない)依頼を受けて数々の名車盗んでいきますが最後のエレノアにとりかかったときに諍いのあった仲間からの密告で警察に追われることに。エレノアを駆りパトカーの包囲網を破り逃走するというストーリーです。
もう基本的にクルマをかっこよく走らせることに長けたスタントドライバーであったハリッキーがそれをしたくてやりましたというのが画面からにじみ出ている作品です。そういえば『ベイビー・ドライバー』のベイビーも元は自動車窃盗犯でしたね。「54号線の亡霊」?というあだ名で警察をふりきったとか。なんといってもこの映画の肝はエレノアです。シェルビーコブラGT500は知る人ぞ知る名車でありアメリカンマッスルカー好きにはたまらないクルマです。このクルマをチューンドしたのはキャロル・シェルビー(男性です)アメリカのレース界のレジェンドといっていい人で数々の伝説を遺した人です。この映画後に『60セカンズ』ってタイトルでニコラス・ケイジとアンジェリーナ・ジョリーでリメイクされましたがいまいちな評価をくだされています。ワイルド・スピードシリーズになりそこねた感のある映画になってましたね。ただニコラスの変な演技とエロいアンジーは凄く印象に残っています(笑)
『トランザム7000』
スタントマンだったハル・ニーダム監督がバート・レイノルズと組んだヒット映画です。主人公のバンディット(バート・レイノルズ)と相棒スノーマン(ジェリー・リード)はトラッカー。富豪親子の無謀な賭けにのり、ご禁制のクアーズビールを州をまたいで28時間で届けることになります。途中で保安官のバカ息子との結婚式から逃げてきたキャリー(サリー・フィールド)を拾った事から父親のビュフォード保安官(ジャッキー・グリーソン)率いるパトカー軍団からも付け狙われてしまい果たして時間通りに荷を届けられるのか?というストーリーです。
バンディットはトラッカーですがトラックを運転するのは相棒のスノーマンで、バンディットはポンティアック・トランザムで先行して検問などの取り締まり地点のチェックやパトカーを引き付ける囮役です。このコンビの無線のやりとりやジャッキー・グリーソン演じるビュフォードに対する挑発など。また成り行きで乗せたキャリーとの掛け合いなどコメディタッチで愉快な映画です。あまり『ベイビー・ドライバー』との関係はありませんけど、音楽という点ではスノーマンを演じているのがジェリー・リード。この人カントリーミュージシャンでこの映画のサントラの曲も何曲かやってるんですがこれがまたいいのです。実はtonbori堂、この映画のサントラLPレコードもっています(笑)
『ザ・ドライバー』
やっぱりこれは外せないですね。ゲッタウェイドライバーが主人公の映画です。全体的に硬派な作品で逃がし屋の「ドライバー」(ライアン・オニール)。彼を執拗に追う「ディティクティブ(刑事)」(ブルース・ダーン)。彼らに絡んでくる強盗犯の「グラス(眼鏡)」その相棒「ティース(歯)」。謎の女、カードプレイヤーの「プレイヤー」(イザベル・アジャーニー)など登場人物は本名で呼ばれたり名前がでてくることはありません。この作品ついては別にエントリを立てたいと思っているのですが、この手の映画としては必見映画と言ってもいいでしょう。当然『ベイビー・ドライバー』にもその影響は見て取れます。例えばカバーネームとか。あと豆知識ですが『ザ・ドライバー』のロケ地であったモールの映画館でこの映画の監督ウォルター・ヒルは『ベイビー・ドライバー』を鑑賞したとか。いい話すぎますね(笑)
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『ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー』
ピーター・フォンダ、スーザン・ジョージ、ヴィク・モロー出演のカーチェイス映画です。ピーター演じるレーサーのラリーと仲間の整備工ディークはレース資金のため大金を盗み出しラリーと一晩を共にしたメリーとともに逃走。警察は敏腕警部のフランクリンを押し立ててラリーを捕まえようとやっきになりますが、ダッジチャージャーを駆るラリーのテクニックと警察無線を傍受している彼らをあと一歩のところで取り逃がしてしまいます。無線を傍受されていることに気が付いたフランクリンはある一手を打つのですが、果たしてラリーたちは警察の包囲網を抜ける事ができるのでしょうか?というストーリーです。
この映画、地上波でずいぶん昔に観たんですが今でも鮮烈に覚えています。ピーター・フォンダのなんというか破滅的なカッコよさは実は『イージーライダー』よりこっちで先に知ったんですよね。また『コンバット』のサンダース軍曹ことヴィク・モローが警察のフランクリンを演じてて、ピーターに一杯くわされながらも徐々に追い詰めていくというのも凄かったですね。この映画もクルマがすごく印象的で基本イタリア車が好きなtonbori堂ですが、アメ車、特にマッスルカー好きなのは上の『トランザム7000』とこの映画のせいかもしれません。
最後に
5本の映画をご紹介しましたけど、これ以外にも『ミニミニ大作戦』(オリジナル&リメイク)とか『激突!』、『トランスポーター』、『ブルースブラザーズ』などクルマがフィーチャーされた映画はまだまだあります。
クルマが印象的かつカーチェイス映画ってなると『007』シリーズも全般的にそういう部分ありますね。その部分は現在本家もですが『ミッションインポッシブル』や上に上げた『ワイルド・スピード』シリーズにも引き継がれた感があります。
クルマをフィーチャーした映画やクルマをかっこよく走らせる映画はこれからもつくられていくんでしょうが、この先電気自動車や自動運伝なども現実に入り込んでくると予想されるので、事実そういうネタも徐々にでは入ってきていますよね(未来描写とかではなくクルマの電子部品にハッキングなど)どのような事になるかは分かりませんけど人間のテクニックで華麗に駆け抜けるカーチェイス映画はこれからも作られることを願ってやみませんということを書いてこのエントリをここで締めたいと思います。
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