多くの人生が交錯する場所、それは…|『大空港』感想(1970公開|米)|tonbori堂映画語り-Web-tonbori堂アネックス

多くの人生が交錯する場所、それは…|『大空港』感想(1970公開|米)|tonbori堂映画語り

2014年3月28日金曜日

movie

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 買い物に出かけた時に、ハリウッドプライス980円だったので思わず買ってしまった。最初に観たのは淀川長治先生が解説していた『日曜洋画劇場』だった。あの名調子に映画本編のあのテーマ音楽は未だに忘れれなれない。名曲だと思う。


グランドホテル形式のオールスタームービー

 アーサー・ヘイリーのベストセラー小説を映画化し後に原題名『AIRPORT』の名前を冠した作品がいくつか作られ今作で飛行機整備士のジョー・パトローニで出演したジョージ・ケネディが全作に出演していることは有名だ。

大空港/DVD/ユニバーサル/tonbori堂所有
大空港/DVD/ユニバーサル/tonbori堂所有



 但しその他のエアポートシリーズは飛行機を主な舞台にした全くの別モノと言ってもいいもの、エアパニックに焦点をあわせているが、この作品は三谷幸喜の「有頂天ホテル」のようなグランドホテル形式(これも同名映画から来ているのだが)の作品でありプロフェッショナルのお仕事モノの側面も持ち合わせその上それぞれの人生が交錯するという映画である。ちなみに三谷さんもこの映画がお好きと見えて『大空港2013』というドラマを撮ってらっしゃる。

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 役者も豪華でリンカーン空港の空港長ベイカースフェルドにバート・ランカスター。その義弟でプレイボーイであり切れ者な機長バーン・デマレストをディーン・マーティン。この頃はもうアル中だったのだろうか?とはいえ相変わらず洒落者なところをうまく使って演じている。そのデマレストと不倫関係を持つキャビンアテンダント(この当時はまだスチュワーデスと言っていた)グエンにジャクリーン・ビセット。実は結構好き(笑)な女優さん。最近ではキーラ・ナイトレイの『ドミノ』にも出ているそうだ。でも『ディープ』とかほんと美人だったなあ。


 タダ乗り常習犯のミセスクォンセットのヘレン・ヘイズ。・・・・すんませんどういう人かよく知りません。けどまたチャーミングなおばあちゃんなんだコレが。しかも上手い具合にポンっとセリフを入れる。その間がまたイイ。そして自殺を事故に見せかけるために爆弾入りのトランクを抱えて飛行機に乗り込むゲレロ役のヴァン・ヘフリンも苦悩を抱え追い込まれた男を好演しているのだが、なんと翌年急死なされたためにこれが遺作になったそうだ。


 ジョージ・ケネディ。劇中では明言されていなんだけれど多分TWAの整備長かなんかで空港での困り事処理係(トラブルシューター)的な役回りを引き受けているジョー・パトローニを演じているのだがこれが相当カッコいい。基本的にはバート・ランカスターもカッコいいんだけど、それにアシストするのがジョージ・ケネディのいつもの役回り。けれどココでのパトローニは出番で確実に喰っている。それだけ自分の仕事をやり遂げるプロとしての矜持をもっている男を演じきったからに他ならない。プロの矜持と仕事はやっぱり誰が見ても惚れますよ。ええ。

Blu-ray出ています。吹き替え音源も収録とか。|Amazon.co.jp: 大空港 ユニバーサル思い出の復刻版 ブルーレイ [Blu-ray] : バート・ランカスター, ディーン・マーティン, ジーン・セバーグ, ジョージ・ケネディ, ジョージ・シートン: DVD 

テーマ音楽

 良い映画に欠かせないもの、テーマ音楽。これもまた古きよきアメリカ映画の映画音楽といった感じがするが音楽のアルフレッド・ニューマンもこれが最後の作品となっている。一度聞いたら忘れられないこのテーマ音楽は間違いなくおいら自身の映画音楽ベスト10に入る。まさに古きよきという言葉が随所に入るがそれだけでない丁寧な作品で今見ても充分面白い。いやもしかすると今の方が薄っぺらいものが増えているんじゃないかと思わせる名作。

※Amazonビデオにて配信中です。よろしければ是非ご覧になっていただきたい1本です。

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