押井守の同名映画の後日談の体裁を取りながらも実は再構築された『アヴァロン』というべき作品。映画『アヴァロン』を観たほうがより楽しめるが、観ていなくともとりあえずは楽しめるようになっている。
あらすじ/アヴァロンに群れる者ども
近未来、非合法だが世界的なヴァーチャルゲームに人々は群がっていた。そのゲームの名はアヴァロン。アヴァロンではパーティプレイが主体だがその攻略を助けるために特定のパーティに加わらない事で助っ人として参加、報酬を得る稼ぐ傭兵もいる。いまやアヴァロンは一つのコミュニティともいうべき巨大な電脳空間となっていた。そんなプレイヤーの一人、ハンドルネーム、『308』はある日不思議な噂を聞く。難攻不落のゲームフィールド『虐殺の橋』へ挑むパーティへの参加者が募集されているというのだ。そしてそのパーティを主催する灰色の女と会った事から308の運命は大きく変わっていく事になる。
押井節
いつもの押井節もあり銃に関するウンチクもありのライトノベルはあんまり読まないけれどこれは好きな作風だ。いや押井作品は全体的に好きだけどそれ以前にこういうフェチな部分が同じ趣味的なところ(例えば銃に関する部分など)が合致すればもしかするとライトノベルも読めるかもしれないなと思った?
FAL
明かにFALというアサルトライフルを主人公の「308」が使っているのは押井守という人の趣味。このような小説に出てくるライフルだと、普通ならアーマライト系かH&K系。もしくは共産圏のカラシニコフ、ドラグノフ狙撃銃。マニアックに攻めるならライアットショットガン、スパスやベネリ。オートマチックのA12というのもあるが一言で言ってFALFALはさらにマニアック過ぎる。
[[File:FN-FAL belgian.jpeg|thumb|FN-FAL belgian|alt=FN-FAL belgian.jpeg]]|画像はWikipediaより| |
FALというNATO制式の7.62mm弾を使う旧式のアサルトライフルを敢えて指定するのが押井守という人なのだ。押井さんのゲームが好きな部分や食事に関するフェチズムなども堪能できるし、FALを使う主人公は明らかに押井さんの分身ではないかと思う。ならばあちらに誘うアッシュはいったい何なんだろう。押井さんの作品には度々主人公をあちらに誘うヒロインが出てくる。攻殻機動隊の少佐、人狼にでてくる赤ずきん。うる星やつらビューティフル・ドリーマーでのラム?とかそういうことを思いつつ読破した。押井作品全制覇を目指すなら必読?かもしれない。
『灰色の貴婦人』、本屋でみかけるたびに買おうかどうか迷ってます。ライトノベルとは違うと思いますが仮想戦記ものの佐藤大輔という作家は押井守が好きみたいですね…「KAWADE夢ムック押井守」での対談を読む限り。
返信削除『究極超人あ~る』を読んでいたら扉絵に「月見の銀二」らしき人物が…笑。
cardhuさん>
返信削除私そういう最近のライトノベルっては殆ど読んでいないんですよ。『ダーティペア』とか『クラッシャー・ジョウ』とかで止まっているんで(苦笑)
探せば結構恥ずかしいのもあるんですけれどここ15年くらいの作家さんのはよく解りません。
もっとも普通の小説等もかなり偏っててそれはまたおいおいエントリを上げることになると思います。
��『究極超人あ~る』を読んでいたら扉絵に「月見の銀二」らしき人物が…笑。
アー懐かしいですねえ。多分押し入れのこやしになってんじゃないかなあ(^^;
押井さんとゆうきさんはパトレイバーのつながりありますからそういうネタはスポットでありましたよね。