怒涛のロドリゲス節|『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード』(2004公開|米)|tonbori堂映画語り-Web-tonbori堂アネックス

怒涛のロドリゲス節|『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード』(2004公開|米)|tonbori堂映画語り

2012年10月20日土曜日

crime movie

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 ロバート・ロドリゲスの「エル・マリアッチ3部作」を飾る最終章。

レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード原題名/ロゴはイメージです
レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード原題名/ロゴはイメージです

流しのギター弾き最終作

 ということになっているが前作とのつながりはない。言うなればマカロニウェスタンの「用心棒」シリーズみたいなもので、筋もあってないがごとくだが、流しのエル・マリアッチ(ギター弾きの歌手)が軍を牛耳るマルケス将軍の愛人とできてしまって逃亡する。しかし彼女と彼女との間にもうけた子供を殺されて失意の日々を送っていたところに、左遷も同然のていでメキシコにきたCIAの悪徳捜査官サンズがクーデターを画策する将軍を大統領を殺した後に暗殺をしてくれと依頼する。


 「腕のいいコックは殺す。そうやってこの国のバランスを保つ」とうそぶくサンズ。このあたりはデップの真骨頂で主役バンデラスを喰うほどの演技。実をいうとこれ以降というかこれさえも怪しいがバンデラスとデップはほとんど絡まず携帯での連絡のみで主役級の2人が別々に活動する。ここらへんは割と批判の的でもあったようだがロドリゲス節は健在でアクロバティックな銃撃戦を見せるシーンはただただ感嘆。あとおきまりの裏切りなど詰め込めるだけの要素は全部ぶちこんでいるごった煮も彼の作風も健在。


 しかし分別くさいマリアッチより悪党なのにその独特な美学で見せるサンズのほうがかっこよく見えるのはご愛嬌かそれともデップの力か。終盤絶体絶命のピンチに立たされるサンズだがまたまた美味しいところをさらっていくに至ってはこの映画の主役はいったいどちら?と思ってしまう。バランスはひどく欠いているがそれでも怒涛のアクションで押し通すところがロドリゲス流(笑)仲間のマリアッチ軍団も今回個性が出てきて面白かった。ただ前回の方がバンデラスとサルマ・ハエックの映画だったことを考えればちょっと今回は散漫な印象を受けてしまう。悪党にデフォーのような芸達者を持ってきているだけに残念。ちなみに原題の「ワンスアポンナタイムメキシコ」はマカロニの大御所セルジオ・レオーネのオマージュだと思われるがそれもちょっとなあっていう感じが。

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『エル・マリアッチ』からのトリロジーボックスも出ているので全部通しで観るのも面白いかも。(現在品切れです。)ちなみに『エル・マリアッチ』だけ主演が違いロドリゲスの友人で他の作品のプロデュースも担当したカルロス・ガラルド。彼のマリアッチが一番らしいマリアッチであると思う。

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MOVIEtonbori堂「レジェンドオブメキシコ」

元記事を改稿掲載2004.3.21別館ブログアップ

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