異国情緒は出ていたが。|『ホテルビーナス』(2004公開|ビーナス・ピクチャーズ)|tonbori堂映画語り-Web-tonbori堂アネックス

異国情緒は出ていたが。|『ホテルビーナス』(2004公開|ビーナス・ピクチャーズ)|tonbori堂映画語り

2012年10月20日土曜日

movie

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 チョナン・カン初主演映画で、SMAP草なぎくんの主演第2作で彼の念願であった全編韓国語(ハングル)の映画。TV番組「チョナン・カン」(草なぎ剛のハングル読み)からスピンオフした映画でその番組を演出しているバラエティー畑のタカハタ秀太の初監督作品でもある。

ホテルビーナス/ロゴはイメージです

 おちついた感じでモノクロームで語られる優しい映画なのだがこれといったフックがないのが寂しい。全体のムードや出演者たちは及第点をあげれる。

ウラジオストクという異国感

 チョナンをはじめホテルビーナスにいる客、ソーダ、ボウイ、ワイフ&ドクター。そしてなにかから逃げているガイとガイが連れている少女サイ。サイの存在とそれぞれの宿泊客とオーナーであるビーナスがかかえている問題というか心の傷とそれぞれがどう向き合うかが大筋であるが異国感覚をだすためにロシア最北の土地ウラジオストクにて撮影された。これが異国情緒という空気感を漂わしている。


 映画初監督にしてはいい雰囲気をだしてはいると思うが、それは外国での撮影部分によるところが大きくセット撮影ではキャストの力に拠っていた。それぞれのキャストに大きく思い入れすることが出来ないのはそれぞれのエピソードがこじんまりと纏まっているからでもう少し登場人物を整理するか、主眼をチョナンとビーナス、ガイとサイ、ワイフとドクターという風に割って語っても良かったのでは?この場合ソーダとボウイはあくまでも脇として扱うという感じになる。それでも彼らを輝かせることは充分に出来るはずだがどうにもそれぞれに分散した気がする。


 あとハングルで全編を撮ると言う試みは面白いと思う。こういった試みを否定的にとる人もいるかもしれないが挑戦というものはそういうものだ。ただ全員日本人キャストで日本語、もしくは韓国人キャストでハングルだったらと思う人もいるだろうが。市村正親が演じるオカマのビーナスはこの映画の中でも異彩を放っており主演のチョナンを喰ういきおいで他のキャラとくらべても立ちぶりが際立っていた。これが映画初出演とのことだがこれからもどんどん出て欲しい人である。

追記:このときは市村さん初映像出演だったが、今では画面を締めれる役者さんとしてひっぱりだこ。でも基本は舞台の人なんだろうなあとはいつも感じる。硬軟変化自在な方だ。

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MOVIEtonbori堂「ホテルビーナス」(リンク)

元記事を改稿掲載

2004.3.21別館ブログにアップ

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