Isn't it funny? |『フォーン・ブース』(2003公開|米)|tonbori堂映画語り-Web-tonbori堂アネックス

Isn't it funny? |『フォーン・ブース』(2003公開|米)|tonbori堂映画語り

2011年8月21日日曜日

crime movie

X f B! P L
 これはその年の年末に観た1本だけども公開前からスポットを観てすごく気になっていた。


動画はyoutubeより|フォーン・ブース(プレビュー)|

 舞台はニューヨークの公衆電話BOXで、殆どそこからカメラが動くことは無い。そして、そこでお話は進んでいくという予告編なんだけども、そこだけで物語が進展するのか?とすごく気になったのだ。

フォーン・ブース
画像はAmazonより|『フォーン・ブース』|コリン・ファレル/ジョエル・シューマッカー

ある電話ボックスで…

 主人公のスチュが愛人との連絡用に使っていた公衆電話ボックス。そこで鳴ったベルに反応してつい取ってしまったばかりに彼は人生最悪の時を過ごすことになる。物語としてはこれだけ。だけどこれがいいのだ。ボックスから出られない状況に追い込まれさらに精神的にも追い詰められる。周りは次第に大騒ぎになる。ローラーコースターライドのようにどんとん加速し雪だるまのように騒ぎが膨れ上がる。

狭い空間で押しつぶされそうになる恐怖

 主人公スチュの職業はパブリシスト、口先だけで相手を丸め込み契約を成立させるいわば口先だけの『言葉』を生業にしている人間。そんな彼がいきなりBOXに閉じ込められ今までしてきたことに対し向き合わせられる。そんな人物造詣もこういった状況を盛り上げるに役立っている。また終始声だけで彼を監視し見張る男も声だけながらこれまた人間の恐ろしさを際立たせる。ただラストがちょっと不満だけどそれは些細なことで実際に気にしなくてもいいとは思うがそれが引っかかっている人もいるようだ。

タイトな上映時間

 上映時間は81分と短いがそれだけワンシチュエーションで引っ張っているのだから無駄を殺ぎ落として作りこんだと言えるのではないだろうか?犯人の目的がいまいち解らないと言っている人がいるが、彼は罪人を断ずる裁判人であり処刑人だと思っている。それだけのことだ。それに主人公ではないいわば喋るジェイソンのようなモノなのだ。

 だからそれは全ての人間に向けられる刃でもある。ここらへんでも神を信じている国の映画だからこそ出てくる発想で日本だとそのへんがうまく理解できないという弱点があるが一人の罪深い男が追い詰められていく様と人生最大の危機にとった行動を追うという点ではこの映画出色の出来上がりだと感じる。


 流石職人シューマッカー監督。それと主人公シチュを演じたコリン・ファレルも良かった。この後はアル・”説教”・パチーノとの「リクルート」が控えているそうだけど、これからも彼はチェックかな。それと警察の警部役フォレスト・ウィティカー、彼を見るといつも鶴瓶師匠に見えるとは愛嬌としてもやっぱりいい味だしている人だ。ちなみにスチュを監視する謎の狙撃者の声は某アクションドラマの主人公でお馴染みの人。ラストにちらりと映るのでお見逃しなく。オススメ度高い1本、さっと観れるのもいい。あまり長いと色々ボロも粗も目立つので(笑)


MOVIEtonbori堂「フォーン・ブース」>元記事を改稿掲載

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