tonbori堂は実は機動警察パトレイバーの大ファンと言うわけではない。いや好きなんだけども。漫画は全巻読んだけども。だけど初期OVAは殆ど見ていないし後期OVAも歯抜けだし、ちゃんと通しで、観たのはTVシリーズ、そして今回の映画版につながる前2作である。
WXIII 機動警察パトレイバー/ポスター/©2002 HEADGEAR / BANDAI VISUAL / TOHOKUSHINSHA |
廃棄物13号
えっ?それだけ見てれば立派なマニアいやオタクだって?とんでもない本当のオタクは全てを網羅し見ていないものはそのネットワークを使って必ず見る!って人がオタクです。それからするとおいらはかなりぬるいオタクです(苦笑)もっともこのくくりもオタク内での話でいわゆる普通の人から見れば全然おいらもオタクですけどね(笑)まあそれは余談として、映画『パトレイバー』の1、2ともに今でも良く覚えている作品で、これぞ映画といってもいいんじゃないだろうかと思っている。押井監督の東京を舞台にした、それぞれカラーの違う作品で両方共に大いに見所のある映画で、しかも内容も時代を見越した先見性あふれる作品だった。
そして今回の『WⅩⅢ』(ウェステッドサーティン)なんだけれど、お話は時間軸として1作目と2作目の間に位置しているような作り。(実際にはつながりは無いそうです)漫画シリーズの「廃棄物13号」を潤色した作品で押井色を排してメカデザイナーである出渕裕が積極的にかかわり、『機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争』の高山文彦を製作総指揮、総監督に迎えた。脚本には漫画家のとり・みきが担当。外伝的でありながら怪獣映画として成立している作品となっている。
あらすじ
始まりは東京湾に輸送機が墜落するところからだった。そして東京湾埋め立て計画バビロンプロジェクト。その作業中の作業用レイバー(汎用作業用ロボットのこの世界での呼び名)が襲撃され搭乗員が殺害される事件が4件も立て続けに起こった。事件を追う警視庁城南署の刑事久住と秦は襲われたレイバーがシャフト製ということから企業テロも含む連続犯として捜査を続ける。しかしめぼしい進展は無く捜査は難航していた。その間にもNTTの水中作業用無人レイバーが襲われるがそれは菱井重工製であり企業テロというより無差別の線も浮上し事件はますます混迷の度合いを増していく。
そんなとき秦は現場から戻るときに難儀していた女性を助けて大学へ送っていった。その女性、岬冴子に惹かれゆく。彼女の何とも言えない謎を秘めたその表情や雰囲気に惹かれる秦であった。そして現場百回、捜査中に事件現場付近で釣り上げられた巨大なハゼから墜落機へ行き当たった久住と秦はヘルメス商事というダミー会社を引き当てる。
そんなとき同乗していたパトカーが通常の警邏任務で通報のあったバビロン工区の備蓄基地建設現場へ急行。通報内容は10人からの現場作業員と連絡が途絶えたというものだった。同時刻湾岸区域でクラブの前に停まっていたクルマが襲われた現場へ向かう途中だったがバビロン計画の備蓄基地工区に急行した久住と秦はとてつもないモノを見ることになる。
そしてこの後、話はニシワキセルなる細胞とその研究者が関わっていた事により岬冴子との繋がりやそのウラにいる在日米軍、そして自衛隊の暗躍がちらつき始めるであった。そして事件はやがて思いもよらぬ進展を迎える事になるのであった・・・。
劇場版パトレイバーTHE MOVIEⅢとして
リアルな日常芝居の映画的エッセンスが詰まった画面構成、ストーリー、そして空気感のあるフィルムとなっている。主にストーリーを回していく2人の刑事の描写がまたよく描かれている事と、極力説明を排した画作りにそれが現れている。また一方の主役とも言える廃棄物13号も得体の知れない怪物として現れ次第にその生まれが歪んだ人の思いと哀しい性をもった人間の思いから生み出されたことが解るにつれその哀愁感はいやがおうにも我々観客に突き刺さってくるのである。
ただパトレイバーファンからすると、特車2課の中途半端な扱いには少々悲しいものがある。しかし見方を変えて怪獣映画とするとかなりポイントの高い部分もある作品に仕上がっていると思う。事件が起こって(予兆)、その原因を追究するために動くが、さらに事態が進展し(展開)、その原因がある程類推できるところで起こる、クライシス。そしてさらなる危機を回避するために動く人たち(解決)。という点ではこれは立派な怪獣映画だ。色々あるが『機動警察パトレイバー』≒特車二課とみる向きには物足りなさが残るが、怪獣映画とすると近年の特撮映画よりもよく出来た映画ではないだろうかと思う。
だが問題はこの作品はアニメであって、実写じゃないということ。反対に言えばアニメでここまでやられて実写の人はもっと奮起して欲しいと思うんだけど。そうやってお互いが切磋琢磨していけばいい作品が作られていくのではと思うのだが。総監督の高山文彦、覚えておきたい名前である。
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