あなたはもう騙されている。ミスディレクションの数々を突破できるか?
この映画を最初に観た時の感想をアップしたときのタイトル。多分このコピーだけだと同時期公開「メメント」よりすごいのか?となりそうだが多分、向こうの方がもっとより仕掛けが巧妙だろう(爆)こちらはそういうのではなくこの手の定石に沿っている。だがこういうアクションサスペンスでは十分トリッキーなオチだ。
マトリックスmeet'sレザボアドッグスwithユージュアル・サスペクツ
やはりこの映画はマトリックスmeet'sレザボアドッグスの方がしっくりくる。というかマトリックス以後、レザボアドックス以後な範疇の1本であることは否めない。開始早々トラボルタのセリフから入る部分がそうだし、やり方としてはまさにタランティーノのよくする手法だがこれで次のシークエンスでいきなりのマシンガン撮影シーンから最後まで流れるように見てしまう。ここはあきらかに『マトリックス』だ。そういう意味では最近のスタイリッシュアクションの走りの1本だし隠し味に『ユージュアル・サスペクツ』をまぶしている。
あらすじ
物語はその冒頭トラボルタ扮するガブリエルが銀行をジャック。人質にプラスチック爆薬とボールベアリングを付け警察と対峙するところから始まる。SWATが人質をガブリエル達の隙を付いて救出しようと試みるがセットされた爆薬が破裂し周りをなぎはらうシーンから話は4日前に遡る。
世界的なハッカーがロサンジェルス空港で逮捕された。彼はFBIの尋問にこう話す「彼がどんなに恐ろしいか解っていない。彼は空想を現実に替える。でもそれはすべて見せかけ。感情の無い冷徹マシーン。欲しい物を手に入れ姿を消す・・」その数分後男は射殺された。同じ頃FBIの電子メール監視システムをハッキングして破壊したNo1ハッカーのスタンリーの元に謎の美女ジンジャーが訪ねてくる。スタンリーはFBIのサイバー犯罪取締官のロバーツに逮捕されPCに近づくことを禁止されそれが元で妻とも離婚。愛する一人娘とも引き離されてしまった。そんなスタンリーにジンジャーは、ある男と会うだけで10万ドルという話を持ってきた。胡散臭さを感じつつ娘を取り戻す裁判費用欲しさに彼女についていきガブリエルと会うスタンリー。
ガブリエルのターゲットは80年代初頭にDEA(麻薬取締局)が不正資金の監視のためにダミー会社を使った作戦「ソードフィッシュ」の実行中にそのダミー会社が生み出した4億ドル。その後10数年の間に利子で膨れ上がった95億ドルを奪うことだったのだ。ロバーツは世界的なハッカーが出現しシステムに侵入後に、かつて捕らえたスタンリーがロスに現れたことで彼をマークする。一方謎の女ジンジャーはスタンリーに「自分はDEAのエージェントでガブリエルの内偵をしている」と告白する。誰を信用して良いか解らないままシステムに侵入し資金を送金するワーム(コンピューターに送り込んで活動するウイルスプログラム)を完成させるスタンリー。
一方ガブリエルの黒幕的スポンサー、ライズマンはFBIのマークがガブリエルについたことで彼を抹殺しようとする。しかし先手を打つガブリエルはライズマンを逆に消し作戦を実行に移す。彼は元モサドのスパイでテロリストを殲滅するために資金を手に入れようとしていたのだ。そして冒頭のシーンに戻る。一体どうやって逃走するのか。スタンリーはいったいどうなるのか?
狼どもが仕掛けた罠
まず冒頭のシーンでガブリエルはアル・パチーノの名作「狼たちの午後」を挙げてあれは名作だが最後のシーンが頂けないと言う。「最後に警察に捕まるのはダメだ。最後はハッピーエンドでなければ」と語る。これがラストの伏線になるがその後のマシンガン撮影であっというまに物語に放り込まれ一体誰が味方か?といったスタンリーの目線で観客はその目線に錯覚させられるわけだ。
途中でガブリエルがフーディーニの話をすることも伏線だがその直後に銃撃戦を起こし伏線を印象づけながらそこから一旦目を逸らさせる。ベタだけどあーなるほどねとなる。一部にハッカーのスタンリーを演じたヒュー・ジャックマンがハッカーらしくないと言う意見があった。確かにうらぶれた私立探偵辺りがお似合いな感じではあるが彼が娘のために一生懸命に戦う姿と悪いと思っていてもヤクをやってしまうがごとくハッキングをするところは彼に適役だと思う。
本物のハッカーぽい役の俳優ならそれは無理があるだろwってなるけども、全てが騙しなのだからどれが本当かといった点でもこのキャストでいいんじゃないかと。ともかく敵役でみせる映画で、トラボルタはもちろんだがジンジャー役のハル・ベリーはgood!彼女こそこの役に適していた。まさにミステリアスな女を好演していた。いいとこどりな軽快なアクション作品として軽く観れるカウチポテト系な1本。
0 件のコメント:
コメントを投稿
お読みいただきありがとうございました。ご意見、ご感想などございましたら、コメントをよろしくお願いいたします。【なおコメント出来る方をGoogleアカウントをお持ちの方に現在限定させて頂いております。】