ファイブスター物語/FSSに登場するモータヘッドからゴティックメード(以下GTM)へ、大改編が行われた時に名称も変わったものがあります。その一つがマイトです。マイトというのはジョーカーでGTMやファティマという兵器などをクリエイトする人たちで、天才というものはややこしい計算はしない、見れば答えが分かるという一種の才能を備えた人種です。これはいわゆるギフテッド(天から贈られた才能)に近いものです。実際には天(神)ではなく超帝国ユニオの遺産、炎の女皇帝の遺した贈り物なんですが(GTMを含めて)。
基本的には5本のシグナルボーダーで、初見でもその人の能力が分かるようになっているのですが、GTMはGTMの(旧モーターヘッド/MH)、ファティマはファティマの専任とされています。今回はそんなガーランドたちのネーミングについて深掘りしてみたいと思います。これについては作者自身がGTMガーランドは「火器、火砲(兵器産業)メーカー名から来ていると明言していますのでそこから紐解いてみたいと思います。
氷の女王カイゼリン/VOLKSアブソメック/©EDIT 永野護/ガーランドはブラウニー・ライド |
マイトからガーランドへ
最初はマイトだった名称も、GTMへの大改変でガーランドと名前が変わりました。それにともないマイスターはスライダーとなりました。もともとマイスターというと、技能を習得し認められた名人に使われる尊称。ドイツでは職業資格として学校に入学して経験を積まなくてはマイスターとして認められない資格となっていますし、日本でもドイツとは全然違う形態ではありますが国が認めるマイスターという制度を作っています。
マイスター制度|コトバンクそのマイスターの上級、なのでマイトという流れなんでしょうが混同することを避け、ゴティックメードへ変わるとと同時にガーランドにしたということなんだろうなと思います。またマイトといえばダイナマイトの短縮、略語でもありますからこちらももろもろ混同を避けたのかなとか。
ガーランドというネーミングにも元ネタ?があって、一つは第二次世界大戦での米軍の正式ライフル銃の名前です。このライフル銃はM1ガーランドとよばれています。ガーランドというのは意外に思われるかもしれませんが人物の名前です。欧米で見られる人名で、M1ライフルの場合は設計者ジョン・ガーランドから名前が取られています。また第二次世界大戦のドイツ空軍のエース、アドルフ・ガーランドも有名ですね。
多分ライフル設計者のガーランドからの引用ではないかなと思いますが詳細は分かりません。ただGTM(旧MH)ガーランド(マイト)は銃器、兵器関係の名前を戴くキャラクターというのは先にも書きましたがクリス(永野護)自らが、明言していました。それとともにガーランドというのは超帝国時代の設計者の組織名から来ているということで、ガーランドという単語にはギルドのような単語であったことも設定に含まれるようになりました。
ソース|F.S.S DESIGNS4覇者の贈り物 P132(リンク先はamazonの販売ページです)『DESIGNS4覇者の贈り物』|内容にガーランドの系統図があります。|©EDIT |
ゴティックメード(GTM)・ガーランドの名前
先に書いたようにガーランドにはある共通するものがあります。ファティマ・ガーランドは鉱物の名前が、そしてゴティックメード・ガーランドには銃器、兵器の名前がつけられているということです。中でも星団3大ガーランド(ゴティックメード)のブラウニー・ライド博士やストーイ・ワーナー(ツバンツヒ)、セビア・コーターが星団3大ガーランドとして有名ですが、彼らの名前の元ネタはブラウニーはブローニング、コーターはコルト。ストーイ・ワーナーは該当するのが見当たりませんでしたがひょっとするとストーナーかもしれません。ストーナーはアーマライトM16ライフルを設計した人です。
ブラウニー・ライド
ブラウニー・ライドは星団歴初頭の高名なガーランドで大型で堅牢なライオン・フレームの開発、フィルモアのホルダ型の設計者として有名です。彼の最高傑作とされているのはフィルモア統合前のドナウ帝国皇帝騎として造られたゴティックメード、『氷のカイゼリン』でしょう。ライオン・フレームを使った堅牢でかつ星団一美しいGTMとして名を残しています。そんなブラウニーの名前の元ネタは「ジョン・M・ブローニング」です。彼は銃器発明の天才でスライドアクションの改良からレバーアクションで特許を取得、そして拳銃の自動化に取り組みセミオートマチックピストルのブローバックを開発し最古の特許を取得した人です。
こちらの画像のモデルガンの元である実銃は全て彼の設計した拳銃で、その他機関銃などもその良好な動作性能で今も現役でつかわれているほどのものです。その後新型のブローバックシステムも登場しましたが、完成度が高く今でもブローニングを天才という人も多いです。現在も現役で使用されている銃器の元になる機構をつくったという点では星団に残る偉大なフレームを遺したブラウニーとブローニング、重なる部分ありますね。
ゼビア・コーター(マギー・コーター、ガステン・コーター)
ゼビア・コーターはブラウニー・ライドの子孫にあたり、フィルモアから聖都ラーンに不戦の誓いとして贈られたGTMカイゼリンの改装にかかわったガーランドで他にハスハのGTMであるバーガ・ハリの設計をしたガーランドです。コーターの名前の元ネタは「サミュエル・コルト」。西部劇でお馴染みSAA、通称ピースメーカーの製造メーカーであるコルト社を立ち上げた人です。SAAの元になる回転式拳銃リボルバーの特許をアメリカで最初にとった人で、その後にピースメーカーにつながるいくつもの回転式拳銃を開発したことで知られています。有名なところでは松本零士の『銀河鉄道999』のコスモドラグーンの元になったコルト・ドラグーン、コルト・ウォーカーなどを開発しました。
コルトS.A.Aは「ピースメーカー」という愛称で西部を征服した銃とまで言われましたが、元々はS.A.A、シングル・アクション・アーミ―という名前が示す通り軍隊のために設計されたものでした。『平和を作るもの』という愛称という部分でもゴティックメード『覇者の贈り物』に何か通じるところがあるなと思うのは自分だけでしょうか。と、ここまでは割とネタはすぐに割れたんです。元々クリス(永野護)から明言されていましたし、でも三大星団ガーランド最後の一人。ストーイ・ワーナー博士は難儀しました。いや難儀どころかここからは推論になるんですが…。まあ語感からストーナーではないかと当たりをつけたんですが。
ストーイ・ワーナー(エルディアイ・ツバンツヒ/L-D-I・20)
ストーイ・ワーナーはブラウニー・ライドと同じく星団歴初頭のガーランドとして破烈の人形ことS.S.Iクバルカン ダルマスや数多くのGTMのハーモイドエンジンや設計を遺したとされるガーランドです。その正体はご存知システム・カリギュラのエルディアイ・ツバンツヒです。彼女の名前の元ネタがちょっと難物でして、とりあえず最初に上げた「ユージン・ストーナー」からちょっと解説してみます。彼は先にも触れたようにM16ライフルを設計した人です。軽合金で作られた突撃ライフルはベトナム戦争という過酷な戦場では故障続きという話もありましたが、今では世界中で使用されているスタンダードなアサルトライフルとなっています。
ベースとなったA-10は当時としては画期的な樹脂製部品(強化プラスチック)などを使用した軽量でかつ高速で射撃できるものでした。後のアサルトライフルに大きな影響を与えたと言ってもいいでしょう。今でも米軍でその後継のM-4カービンや改良型のM16が制式小銃として使われている20世紀を代表するライフルといっていいでしょう。画期的な部分はストーイ博士に通じるところがありますが…
実はストーイ・ワーナーについてはもう一つ、こちらもあるかなと考えています。その銃器メーカーは「シュタイヤー・マンリヒャー」。実はストーナーで記事を書いていたんですが、その際にツバンツヒ姐さんのスペルを調べてみると「STY・WARNER」、STYなんですよね。そしてシュタイヤー・マンリヒャーのスペルはSteyr Mannlicher。スペルにSTYを入っていたんですよね。そこでこちらも入れておきたいと思いました。このメーカーはステア―AUGで有名なメーカーでオーストリアの銃器メーカーです。
ステア―AUG/Wikipediaより/Steyr Mannlicher, CC 表示 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=976675による |
シュタイヤー・マンリヒャーは古い歴史をもつオーストリアのメーカーで特にオーストリアの正式ライフルAUGが有名です。弾倉が後方にあるブルパップタイプのアサルトライフルというだけでなく構成されている部品がこれまたM16以上に強化プラスチックが使用されている事で軽量かつブルパップの利点を活かした集弾性の良さも手伝い高評価を得ているライフル銃です。スペルと言い革新的な部分がストーイ博士に通じる?みたいな感じがするのですが…さてどうでしょう。
今回は
ここまでです。次はマウザー博士のモーゼルとかバルター博士のワルサーとかドイツ系の解説をしてみたいと思います。でも割とキャラの性格はではないけど、その名前はかなり考えて付けられているんじゃないかなと今回書いてみて思いました。ブローニングとブラウニー博士の関係性とか今に通じるものを遺したという部分。コーターが質実剛健なGTMを作り出しミノグシアのGTMの根幹を遺した部分もコルトの基礎を作り出したサミュエル・コルトに重なるというか。ピースメーカーとゴティックメードの関係性とか。ストーイ博士とストーナー、シュタイヤー・マンリヒャーは革新的なところでしょうかね。変形するMk2、Mk3破裂の人形という新しいラインを産みだしたストーイ博士とそれまでと違うラインのライフルを創造したストーナーとシュタイヤー・マンリヒャー。こういった点が他のガーランドにもあるのか?まだ姿を現していないセトメ親子など気になりますね。そして実は未だに謎なのがルミラン・クロスビンなのですが、これは課題として今後も調べてみたいと思っています。
※参考資料 Wikipedia(リンク)|ジョン・ブローニング サミュエル・コルト ユージン・ストーナー シュタイヤー・マンリヒャー
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