ということで久しぶりの映画感想(笑)、マーベル・シネマティック・ユニバース、M.C.Uの36作目となる『サンダーボルツ』、公式ではネタバレタイトルも既に出回っていますけどやっぱり彼らはこのチームアップ名がよく似合うということで今エントリでは『サンダーボルツ』ってことで行きたいと思います(*ネタバレも後で書くと思いますけど)
ではいつものように簡単なあらすじの後に感想をば。(このエントリはあらすじ以外の感想部分はtonbori堂のBlueskyポスト素案を基にChatGTPで生成した文章をさらに改稿したものです。)
ソースポスト*https://bsky.app/profile/tonborido.bsky.social/post/3lofbb4i7uk23
虚無の中に
エレーナ・ベロワは元レッドルームの工作員ウイドウの1人だった。しかしあることでレッドルームのコントロールから逃れ、ブラック・ウイドウのコードネームを持つ姉のような、いや実際の姉以上の存在であるナターシャ・ロマノフと共にレッドルームを壊滅させた。しかしナターシャはその後サノスとのインフィニティ・ストーンを巡る戦いで犠牲となった。ぽっかり心に空いた穴を埋められない虚無を抱えながらエレーナはCIA長官のヴァレンティーナより請け負った汚れ仕事を機械的にこなす日々を過ごしていた。これでは虚無に消えていくかも知れないとヴァレンティーナに次が最後の仕事だと通告する。そんなエレーナに下された最後の任務は、ある工作員がヴァレンティーナの持つOEX社の情報を狙っているので、証拠を押さえて抹殺する事だった。とある実験の事故により量子フェージング能力を持つ事になったエイヴァはゴーストのコードネームを持つ工作員でエレーナのターゲットだった。事前に渡されたコードキーで彼女を追うエレーナだったが、その背後にエレーナを狙う銃口が。銃口を向けたのはUSエージェントのコードネームを持つジョン・ウォーカーだった。そこにさらにレッドルームの支配者ドレイコフの娘で彼によって兵器にされていた娘アントニア/タスクマスターが現れウォーカーに襲い掛かる。四巴になったこの状況に、謎の男ボブが現れることにで状況は混迷を極めるが、どうやらヴァレンティーナの策略で数々の汚れ仕事をさせてきた4人を殺し合わせまとめて始末しようとしていると気が付くエレーナ。彼女らはこの状況を脱することが出来るのであろうか?そしてボブとは一体何者なのか?エレーナの父的存在のアレクセイ/レッド・ガーディアンやウィンターソルジャーことバッキー・バーンズも加わり物語はNYへ。果たしてエレーナは自らを取り戻し事件を収拾できるのか?
虚無の果てにあったものは?
正直なところ、鑑賞前はどこか『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』的なノリを期待していたんですが、ふたを開けてみれば、全く異なるアプローチの作品でした。確かに、"負け犬たちの集まり"という構図には共通点があるものの、その描き方や感情の深度は全く別のものとして提示されています。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が愛すべきワルどものある種のチームアップストーリーだとすれば、『サンダーボルツ*』はより陰鬱で、"再生"というより"諦念"の色を纏っています。そこには笑いやカタルシスもあるものの、居場所のなさや自己肯定の難しさが漂っているように感じました。全体的にトーンは重く、キャラクターの関係性も終始ぎこちなく、劇的な高揚感よりも疲労感が残るような、そんな感触です。
とはいえ、この作品の確かな光はフローレンス・ピューの存在感です。それは圧倒的で、彼女が演じるエレーナは、本作の中で唯一と言っていいほど感情に芯が通っているキャラクターでした。彼女の表情、声のトーン、アクションすべてに説得力があり、この映画の中で最も"生きている"人物として輝いています。
SNSやレビューサイトも観測範囲内では、反応も割れていて「もっさりしている」「展開が弱い」といった批判が多く見られる一方で、「マーベルの中では異色作として評価できる」「ポストパンデミック以降の作品として意味がある」と肯定的に捉える声も散見します。こうした意見の分断そのものが、現在のハリウッドの揺らぎや模索を如実に映しているようにも感じます。内面世界、精神世界での下りはある意味『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を感じたし、己の中の敵にまず打ち勝ち、さらには最強のヴィランは実は精神に巣食う闇というのも今風ですよね。公開前に公式でA24風予告編を出してきていたけど、そういう意味では正解だった。音楽がエブエブのサン・ラックスってのもやりすぎではないかとは少し思いましたが。ただ鏡の中に飛び込むというのはベタ描写なんだけども、アレで他の類似作品を思い出した人も多いのではないでしょうか。実際精神世界と現実を繋ぐのは鏡っていうのは自分の在り様を写すという意味でもあるので。
キャストはほかにアレクセイは単純なんだけども偽りの家族をしていた時に色々情が移った感じと米にやってきて落ちぶれた感じを醸しつつ的外れだが憎めないいい味をだしていたデヴィット・ハーバー、今回も締めそうで締めれないレッド・ガーディアンはナイスでした。ウォーカー役ワイアット・ラッセル、F&WSのラストではUSエージェントとして華々しく再デビューかと思ったがやっぱり公衆の面前でやらかしたのはまずかったんだねという、それでも自分の出来る技に頼らないといけないと始末屋稼業。ここらは割とテンプレ感がありましたけど、その分愚痴の多い感じになっててそこが今回は軽口担当?って感じでした、しかし親父さんに似てきました(父はGoTGVol.2のエゴ役カート・ラッセル)。あとゴーストのエイヴァ、フォスター博士はどうしたん?とかピム財団とのかかわりはとかそこが少し気になりましたね。一応シナリオでは案があったようですが繋がりが上手く出来ないことでオミットされたもようです。てか、タスクマスター…、ちょっと2秒ぐらい???ってなりました。ハナ・ジョン=カーメンとオルガ・キュリレンコのじっくり共演シーン観たかったですよ…。
ボブ役ルイス・プルマンも上手かったですね。ジェネリック・グレン・パウエル感あるけど。そういえばパウエルもプルマンも、二人とも『トップガンマーヴェリック』に出てましたね。っていうかマーヴェリックでもプルマン、ボブだったし(笑)眼鏡かけてたけど外しているとパウエルっぽさもあるっていうか彼がビル・プルマンの息子って当時はそこまでチェックしていなくて(まあだいたいの人がマーヴェリックでトムとおっさんズ以外はマイルズ・テラーとグレン・パウエル、フェニックスのモニカ・バルバロまでぐらいではないかと思ってる(個人の感想です))少しびっくりしました。ルイス・プルマン彼も今後いろいろな作品で拝見しそうです。もしかするとトップガンマーヴェリックはまさにトムのアクターズトップガンになるかもですね(脱線)
ポストCOVID-19パンデミックのM.C.U
制作背景にも触れておきます。この作品も他作品のようにCOVID-19パンデミックによるスケジュールの遅延、さらに続いた脚本家・俳優組合のストライキの影響があるように見受けられます。もちろん作品にとって必ずしもマイナスにだけ作用したわけではないですが、例えば完成を急がず、よりキャラクターの内面に焦点を当てる時間が生まれた側面もあったようです。ただし、それによって全体のテンポ感が犠牲になったことも否めないし、脚本の整合性や構成の粗さ、とりわけタスクマスターの辿る運命は最初はもっと違っていたそうです。それが何故かあのような形になったのはやっぱり衝撃的すぎるけど、その案が変わったのはストライキ後という監督のインタビュー記事がありました。
またMCU全体としても、今なお方向性を見失っている印象は拭えません。フェーズ5以降のマーベル作品群は、ひとつの大きなビジョンを提示するというよりは、バラバラに散らばったピースを手探りでつなぎ合わせているような不安定さを感じます。『サンダーボルツ*』もその例に漏れず、"今何を語るべきか"に対する明確な答えを見出せないまま、キャラクターの心をケアするお話になっているように見えました。もちろんそれも重要だし、ヒーロー映画でそれをやってのけたからこそ稀有なチームアップとなったなと思いますが、それにしてもポストクレジットでいきなりアレはどうなんでしょうかと思ってしまいましたね。多分アベンジャーズ・ドゥームズデイにつながるんんだとは思うんですけど(マイティ・ソー・バトルロイヤルのように)。
だからこそ、今後の鍵を握るのは『ファンタスティック・フォー ファーストステップ』になるのではないかと個人的には考えています。MCUが再び軌道に乗れるのか、それとも多元宇宙という名の混沌の中で立ち尽くすのか。そのターニングポイントとして、"原点"とも言えるファンタスティック・フォーの再登場は、極めて象徴的な意味を持つのは自明の理でかなりスタジオも力が入っているはず。予告編の反応も良かったようですし実際自分もこれは面白そうだなと思いましたが、『サンダーボルツ*』も予告編では超面白そうだったので本編を観るまではまだ安心できません。ただここまで割と否定的な事も書きましたけど再度書いておきますがフローレンス・ピューは本当に良くて彼女で持っている映画だったと言っても過言ではなく座長としても引っ張ってる感もあるし、リーダー的にはバッキーなんでしょうけどエレーナこそがリーダーだよなっていうのもなんかサンダーボルツ*ことNewアベンジャーズダメじゃんってなれないところで、今後のサンダーボルツ*の活躍に期待しています。
※ブクログ/Amazon/原典アメコミ。話は違うので注意です。ただ表紙は今回のメンバービジュアルになってる、言わばメディアミックス的な仕様です。
サンダーボルツ
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