『ファイブスター物語第18巻/TheFiveStarStoriesVol.18(第18巻)』ファーストインプレッション-Web-tonbori堂アネックス

『ファイブスター物語第18巻/TheFiveStarStoriesVol.18(第18巻)』ファーストインプレッション

2025年3月16日日曜日

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  3月10日発売月刊ニュータイプ40周年記念4月号と同じ日に『ファイブスター物語/F.S.S』第18巻も発売となりました。第18巻は第6話「時の詩女」のエピソードが2つ、「緋色の雫」と「終わりの始まり」が収録されています。連載時は長い気がしていたけれどよくよく考えると短いストーリーの連続という作者の言葉通り1冊にまとまっています。いや前後繋がってる話ではないけれど、この「時の詩女」で言えばマキシとデプレ、マグダルと聖都ラーンのフンフト様たちのミノグシアのストーリー。そしてボスヤスフォート率いるバッハトマサイド、ナカカラに展開するフィルモア、ダイ・グとクリスティンのストーリー、そしてカステポーのヨーンのストーリーがあり、そこにちゃあのプロムナードが挿入されていくと。ある意味ちゃあとジークはストーリーを結びつける役割を担っていたけどダイ・グの最後の戦いを経てジークは真の名を得て立ち、ヨーンは自ら因業でパスルエットを失いその悔恨の中で騎士となるという魔導大戦が終息に向かうのはマグダルがカーマントーから救出されるカーマントー解放戦からというアナウンスがありましたが、実際にはこのエピソードが魔導大戦終結に向かう発端といっても良いエピソードでした。という事でファーストインプレッションとしてはこんなところですが、カバーの事や各エピソードで思った事。スリーブノートの事をつらつら書いてみたいと思います。

『ファイブスター物語/F.S.S』第18巻/永野護著/KADOKAWA刊
『ファイブスター物語/F.S.S』第18巻/永野護著/KADOKAWA刊

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Twist:カバーイラスト

 てっきりタイトルは「パパラチア」または「サファイア」とかになるかなと思いましたが、「Twist」とスタッフ奥付にありました。今回頑張った人、チャンダナが表紙カバーイラストを飾っています。周りを舞う蝶は黒く何かを暗示しているかのような、それともオレンジの蝶はダイ・グ(ダス・ゴーストはMHではプロミネンスで騎体色はオレンジでした)、ピンク色は…やっぱりクリスかな?彼女の騎士服は薄いマゼンタ色ですから。(MはCMYK4原色のマゼンタでどちらかと言えば紫に近いんですが薄いのはピンクに近くなります)その2匹の蝶を見守るチャンダナという、思えばなんとも切ない画なのかもしれません。ちなみにチャンダナが腰かけているのはGTMの放熱用のアイドラフライヤーか放熱器なのかな?竜骨にあたるフレームにしては細いし間接らしきものもあるので。


 イラストタイトルが「Twist」なのでもしかするとそれだけではないちょっと捻ったところがあるのかもしれないけれど(ツイストとは映画やドラマ、ストーリーのあるもので捻った展開をそのまま英語のツイストという風にいう事があります。)もしかすると葬送という意味合いもあるのかもしれません。実際チャンダナのカイゼリンスーツらしきAFスーツは喪服のようにも見えます。実際のところは色々な意味合いが込められているからこそのツイストなのかもしれません。

裏表紙:ダイ・グ・フィルモア紋

 これは今まで出てましたかね?と思ってDESIGNSをひっくり返して探してみるとDESIGNS4にちゃんと載っていました。ダイ・グの皇帝紋です。ダス・ゴーストにも打ちこまれていますが、連載時と単行本でのダス・ゴーストの額にはフィルモア帝国紋(省略)にしか見えない紋だけどDESIGNS7でしっかりと書かれているのでそちらをご覧ください。実際にDESIGNS4でも省略されることもあるとかなんとか(笑)このマークはようするに花押のようなものと理解していますがパーソナルマークを自騎に付けるのは戦闘機乗りにも見られるやつですよね。例えばエースコンバット04のメビウスとか(リボン付)、騎体の色も個体識別として使われるけどマークはマークでやっぱりいいものです。

緋色の雫

 このエピソードも言えばツラック隊のようなGTM集団戦が描かれてはいますが、どちらかというと『花の詩女 ゴティックメード』の変奏曲のような感じがこうやってまとめられていると強く受けます。実際にダイ・グの想いは、トリハロン殿下と詩女ベリンの交わした約束から来てるし。もちろんそれが大きいんですが陰謀に翻弄される若き2人という図式が既に「花の詩女」やんかという気がしますね。多分その変奏曲はこの後も奏でられる気がしていますが。そもそもそれが露わになるのがエピローグ的エピソード「エンペラーズ・ハイランダー」で19巻に入るはずのエピソードです。つまりフィルモア周りはかなり「花の詩女」要素が濃いといってもいいでしょう。なんせ2人とも出てるし(笑)


 それとメロウラからナキメーカだったのがGTM名称バンシーカとして台詞が変わっていましたね。なんだかんだでナキメーカからバンシーカが周知されていない感があったのか、これからは名称はバンシーカですってあったので修正されたのかな?(エンペラーズ・ハイランダー以後という話ではあったけど)どちらにしでも今後はバンシーカなんだけどメロウラって名称好きなんですよね。なんかいいと思いませんか?メロウラ。響きが好きなんですよね。メッサーシュミットとかメッサーラとか、マセラティ・メラクとかメルセデスベンツとか。まあメしか被ってませんけど(笑)何かと耳に残るメロウラも覚えておきたい名称ですが今後はバンシーカだそうです(笑)


 ナカカラ攻防戦で結局ナカカラはフィルモアに借りを作り最終的にはフィルモアとなる訳ですがこの戦闘はある意味、今の現実とも若干リンクしているところもあり、クバルカンのノンナの言う戦費、戦時国債の話も含めてカステポーでの命の水争奪戦とは違う戦争の現実を含ませてきたのは当初のシナリオにあったのか、それともこの状況下で加えられたと気になるところですが元々あったものが今回の世界情勢にシンクロニシティしたのかなと。

LINKAGE/バランシェファティマ数珠つなぎ

 チャンダナの説明文が「完全情報共有体オーバーマインド」となりファティマの先が示されましたが、実はFネームファティマもいることは既に先の話で出ています。もとからファティマの設定は人が産み出した人を超える存在でした。現にアマテラスはラキシスを迎えた時に、君たちはマイトレーヤが遣わした新生命なのかもと語りました。ここで思い出すのはまたまた『幼年期の終わり』ですよね。うーむ、くりすどんだけクラーク好きなんだ(笑)とは言え人造人間であり超人なのですが、それだけではない集積ネットワークによる知性体でもあり人を超えるどころかシンギュラリティ(特異点)を突破した生命としての一端を星団に見せつけた…というのが今回の星団バランシェファティマ数珠つなぎというところでしょうか。もちろんその真相に気が付いている者はルース大統領など少数な気がします。ファティマが戦場でアシリア・セパレートによるクロスジャマーでのリンケージ状態などでガーランド、スライダーの一部ではそういう議論が交わされているのかは気になるところですが多分分かっててその先を見たいという研究者の業が先走ってる?のかはまだわかりませんが。

ドラアンデアスティルーナ

 正直、まだ顔見せといったところで彼女の事がパンテラーとともに分るのはスタント遊星攻防戦の時なのではないかと。ただ令令謝が既にこの世に既に亡く、星団には彼女の子である零零(ゼロ・ゼロ)がなり替わっているというぐらいの浅い情報しか。白の宇宙というものがヴィーキュルとは別の可能性も(アズデビュート紀のモンソロン帝も絡んでいる可能性在り?)出てきたのでそこは明かされるのを楽しみにしたいですね。あと関係ないけど多分詩女ナージュク様とされる人がドラアンデアスティルーナのパートでワンカット破烈の人形の前に描かれているけれど眉毛がネリスさんっぽいのでやっぱり彼女も純血の血族?(ボルサは確か純血の血族だったような)という疑いがあるけど明言されていないのでそもそもそれで合ってるのかもまだ不明です。詩女も色々名前が出ていますがまだ明かされていない重要詩女が?そこも気になりますね。

終わりの始まり

 これについては「ロバが旅に出ても馬になって帰ってくる訳じゃねえ」by『イノセンス』のバトーの台詞、ですね。(元々は西洋の諺だそうですが)ファティマの魔性に絡めとられたというのがあってもやはり現状認識をせず目を逸らし続けてきたことがこれを招いたのだというしかないし。そんなヨーンに対しアマテラスは「自らの愚行でファティマを失った者に最大級の懲罰を与える」というのは何なんだろうなと少し考えました。もしかするとデコースを破った後に(これだけは年表と未来シーンのインサートカットで決定しているので、どういう決着が付いてそうなるのかという部分です)バーシャの庇護者となり新たな黒騎士が見つかるまで添い遂げよというものではないかと。なれば色々服の事とかすっきりしてくるけど、ヨーンはちゃあのお相手ではないのかとかそういう事もあるしどういう事になるのかはまだまだ未知です。ですがヨーンにとっては一番の懲罰ですよね。バーシャとパルスエットの願い通りに騎士にはなったけれど結局は本当の騎士となって戦ったのは、デコースとの一戦のみとなるかもしれないのだから。もっとも一応Z.A.Pの騎体ヨーン騎あるけどパゴナ・ヘルバート、あと睦子さんとも共用っぽいし。なのでミラージュ騎士団としてはこれで活動終了?みたいな事になるかもしれないなという気がしています。(分かんないですけどね)

第19巻

 多分この第18巻は次の第19巻と対で二つの物語がクロージングする構造ではないかなと思いました。実際この後「緋色の雫」に続く「エンペラーズ・ハイランダー」、「終わりの始まり」に続く「トラフィックス~ターミナル終着駅」で一つのお話なので。物語の時間軸としてこういう配置になっているけれど、これらは切り離せないものだと思っています。なので今から19巻が出た時に改めて通しで読んでみたいなと思っています。まあ来年かな?出るのは。それまで皆さま、当然自分もですけど息災に過ごしましょう。

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