という事でZZガンダムの展示に続きシェルブリットの展示がありましたが、やはり幾原邦彦と劇場アニメを企画していたようでここからは後半戦です。写真もございますが現物は写真の以上に伝わるものがあります。もし惹かれたならば是非現物をご覧いただきたいと思います。
『ファイブスター物語/F.S.S』表紙第3巻の原画/永野護/ |
DESIGNS永野護デザイン展(続き)
今回の展示内容は永野護デザインを追うというコンセプトですが、そういう意味ではZ&ZZガンダムでのボツデザインの数々は後のファイブスター物語登場メカにフィードバックされているところもありやはり見どころの一つでした。そして忘れてはならない、『少女革命ウテナ』の幾原邦彦との共同作品『シェルブリット』や永野護が師匠とあおぐ富野由悠季監督作品にデザイナーとして参加した『ブレンパワード』、そして90年代に永野護がハマっていたゲーム(特に格闘ゲーム)からのコスチュームデザインや、よく知られている戦車好きからの戦車が登場する戦車バトルゲーム『パンツァーフロント』に登場する架空戦車デザイン(このゲーム、実は他にも有名メカデザイナーが参加していますが逸れるので割愛します。)のE-79、永野護自身もユーザーとして参加していたセガのオンラインRPGファンタシースターオンラインでのゲストキャラ、武器デザインまでの画稿が並びました。という事でこのコーナーでtonbori堂が気になったのはこちらです。
シェルブリット&燃えるキリン
気になったのは『シェルブリット』というより劇場アニメ『燃えるキリン』です。実は初耳でしてどこかで発言があったかも知れないんですがやっぱりアニメを企画していたのかと思いました。なんせ角川で本を出してここまでやったらアニメ化でしょ『シェルブリット』はと思っていたのでやっぱりあったのかと。それが転じて『シェルブリット』になったのかどうかは当時の記事をスクラップしていなかったので確認できなかったんですが、ともかく自分の中では腑に落ちました。『燃えるキリン』のキャラクター名は『シェルブリット』のキャラクターの名前と近いものがありますがメカは違うラインを模索していたようでARMSと呼称された人型マシンはその異形さは、さらに未来のジョーカー星団、ジュノーで魔導士ブラパが産み出したファティマや、ダニスカの人造騎士を想起させるデザインでした。
追記:翌月発行の月刊ニュータイプの特集にて幾原監督より、『シェルブリット』の後でやろうとしていた企画で、監督がロボットアニメに対するインフラが作れなかったというかそのセオリーが構築できなかったために流れたとの事。ロボットアニメが得意なインフラをもつスタジオと組んで実現できないだろうかと少し思ってしまいましたね。
ブレンパワード
初期デザイン案ではゼウスフレームにスケルタルマッスルなど凝った設定なれど良くも悪くもそれまでのロボットアニメの文法であったものが、積層バネ構造かついかり肩の異形になったことがモーターヘッドからゴティックメードにつながったのかもなと感じさせる展示でしたね。実はtonbori堂そこまでブレンパワードに入れ込んで観てなくて(当時の初放送がWOWOWだったのもある。)でもメカはさすが永野護だなと思っていたけど、やはりすんなりあの異形が産まれたんじゃないんだなというのはデザイナーである永野護の矜持を見た気がします。
そしてゲームコーナーからファイブスター物語のFastimageとして角川の別冊テレビジョン/エルガイム2に掲載されたイラスト原画が続き、いよいよ撮影可フロアになります。ここからは『ファイブスター物語/F.S.S』と『花の詩女 ゴティックメード』関連の展示です。ここでの角川別冊テレビジョン/エルガイム2の『ファイブスター物語』からのイラスト原画は撮影禁止でしたが原画を鑑賞出来たのは嬉しかったですね。久しぶりにまた出会えたという感じがありました。そして撮影可のファイブスター物語/F.S.S、ゴティックメードのコーナーへ。
ファイブスター物語/F.S.S&花の詩女 ゴティックメード
単行本既刊17巻分の表紙原画はまさに圧巻の一言。以前のニュータイプ35周年記念で同じEJアニメミュージアムで開催された『Newtype35周年 アニメ・クロニクル』においても当時の既刊分の表紙原画が展示されたと聞いていますが今回は写真撮り放題という大盤振る舞いな事になっています。数点を抜粋しますが是非とも実物を見て感じて欲しい原画です。
『ファイブスター物語/F.S.S』第6巻表紙原画/永野護 |
『ファイブスター物語/F.S.S』第12巻表紙原画/永野護 |
『ファイブスター物語/F.S.S』第16巻表紙原画/永野護 |
これだけではなくGTM、MHのガレージキットやインジェクションモデルなどの展示もあり見応え十分です。その上出口前には今回『デス・アンカー』とともに自分の中での目玉の一つデトネーター・ブリンガー、しかもてっきりスカーレット・ホログラム(今月号に掲載されたアレ、以前は別名があったような…)かと思いきや、グリーンデーモンなアレが。つまりGTM世界線ではシャフトとパルテノはこいつを動かしてたのか!(しかもバスターランチャー無し)とかなって1人でニヤニヤしておりました(危ない人ですね(;^ω^))こちらも是非とも現物を観てほしいですね。
ボークスさんのダッカス、ド迫力です。アブソメック用の1/24試作モデルで参考展示でした。 |
ボークス|1/72ツゥアラトゥストラ・アプター・ブリンガー |
やはりレッドも美しい。ボークス|レッドミラージュV3・インフェルノナパーム仕様 |
アワートレジャーさんのツゥアラトゥストラ・アプター・ブリンガー、こちらも良いですね |
我が推しのファティマ、おでこちゃんことメガエラ。これはテレカにもプリントされました(所持しております。) |
鑑賞を終えて
僅か2日間ではありましたが充実した鑑賞となりました。これ程の展示物を見れる機会はそうそうないだろうし、関東の人たちはその気になれば通える訳だし羨ましいなと思いつつ作者が3日間はかかると言ってたのはあながち間違いないなとも思いました。それだけに永野護成分が非常に濃ゆい展示物でしたが残念な事も。永野護の最初の月刊ニュータイプ連載『フール・フォー・ザ・シティ』の生画稿が見れるかもと思って言ったら表紙の原画(これは後に川村万梨阿のアルバムのジャケットに)とヒロインであるロック・サクセサー、アラニアの月刊ニュータイプの表紙になったセル画稿と漫画のシーンを転写したもののみだったんですよね。(ちなみにコーナーではフォガットの アルバムFool for the Cityの楽曲が流れていたのは最高でしたが。)なので気が早過ぎではありますが、永野護デザイン展2を期待したいし何より、他地域での巡回展は出来ないものかと。これはメッセージボードにもお願いとして残してきましたが、今回はtonbori堂は運よく行けましたけど行けなかった展示会や展覧会など数知れず。でも関西に来た時は富野由悠季展、大河原邦男展、庵野秀明展などなどに足を運んでおります。やはりここは各地での巡回展も期待したいですね。何よりもっと多くのファンの目に触れて欲しい。そう願っています。ということで充実の関東遠征でした。また行けるといいけれど…難しいかなあ(;^ω^)
東所沢の駅近くの交番前にあるマンホール蓋。帝騎マグナパレス|夜は光るそうですよ。 |
以下は注意事項的&グッズ&etcのお話。
※コラボメニューの「永野アトリエ賄い飯」は角川食堂で食しました。Twitter(X)ではミネストローネが優しい味で好きと言いましたけどオムライスも美味しいし野菜も付いててランチとしては良いメニューです。ただ初日だったせいかお昼どきは激混みで30分ほど寒空で並びました。会期中は情報収集してからが良いかもしれませんね。残念ながらコーヒー&チロルチョコは今回見送りました。翌日お茶でもと遅めに行ったにも拘わらず同じくらいの待機列だったもので(;^ω^)これから行かれる方は時間に余裕をもって行かれる事をおすすめします。
角川食堂にて|コラボメニュー永野アトリエ賄い飯/メニュー表とともに |
※ダ・ヴィンチストアでも永野護デザイン展コラボレーション企画で永野護書店として1コーナーにグッズと永野護選書として影響を受けた書籍が並んでいます。tonbori堂はコナン・ドイルの『四つの署名』を買い求めました。ブックカバーがレッドミラージュのイラストが印刷されたものだと聞いていたからです。ちなみに¥490、文庫本でも最近¥1000近いので安い!ってなりましたけど昔は¥600から¥500で買えたんですけどね。ちなみにtonbori堂はバスカヴィルの犬は昔から持っていたのでシャーロック・ホームズの最初の作品は図書室で読んだっきりだなと思って初期の長編である「四つの署名」を買い求めました。
木製ポストカードと入場券と引き換えに貰えるピクチャーチケットそしてダ・ヴィンチストアで配布しているフリーペーパーで永野護インタビュー記事が掲載されています。 |
ダ・ヴィンチストアの永野護選書コーナー |
そこにあった書籍はフリーペーパーのインタビューで書かれているものが買い求める事も出来るんですが、インタビュー記事では白土三平の漫画の話が無いんですよね。影響というよりはネタ元?いや違うかなんだろうかな、(1)に書いたゲモン・ゲヒのデスリング、「死巻」ネタだけでなくヴァル・ヴァラ(バル・バラ)のような十文字大型手裏剣ネタに階級闘争、異能を持つ者たちは「サスケ」「ワタリ」から来てるのではと思っており最初期のインタビューでも確か言ってたはずなんですよね。でも最近の読んでいたものや大学時代の読書傾向など興味深いものがありました。こちらも是非チェックしてみてください。店内には永野護本人の手によるライブドローイングが残されているのでそれを探すのも楽しいかと。(分からなければ店員さんに聞けば教えて貰えますよ。)
※音声ガイドは奥様川村万梨阿さんが担当、デス・アンカーに関するこぼれ話も聞けるので聴けるのであれば。聴くのにはイヤフォンとスマートフォンが必要です。ガイダンスは入り口受付にて。
※図録はまだ販売されていませんが、物販コーナーにて受付案内の看板出ているのでそちらを確認してください。予約購入できます。分からない事は係員の方に尋ねるのがよろしいかと思います。
※ちなみに一度退場すると再入場は出来ません。なので再度入場するには当日券を買う必要が出てきます。売り切れの場合もあるので観覧は計画的に。
※グッズは榮太樓のすえぞう飴(榮太樓の梅ぼ志飴の缶にすえぞうラベルを施したもの)と黒騎士アクスタ2種、破烈の人形アクスタ2種、木製ポストカード(3巻の表紙のやつ)と結構買ってしまいましたけど、さらに買ってる方も多く、散財した報告がTwitter(X)で上がっていましたね。そのためか多くのグッズが品切れ状態になってるそうです。再入荷などはEJアニメミュージアムや角川武蔵野ミュージアム(ロックミュージアムショップ)、ダ・ヴィンチストアのTwitter(X)公式アカウントをフォローするかハッシュタグ、#永野護展をフォローされるとよろしいかと。
またこれを見る事が出来たらいいなと思います。現物はこの写真より億倍良いので是非現物を。 |
※DESIGNS永野護デザイン展、朝一は並んでいて少し混み合うので2日目は先に本棚劇場という角川武蔵野ミュージアムの4階にある施設に行きました。メイン目的が永野護デザイン展のためそれほど長い時間はいなかったんですが、これその気になったら1日居れる展示です。ガチで本好きなら行って欲しいし、なんならここに住みたい…は言いすぎだけどこういう秘密基地ほしいなあと思ったのは事実です(笑)ちなみに別料金になっており¥1400で各施設が利用可能です。元は十分取れたかなと思います。お時間あるならお立ち寄りを。ファイブスター物語/F.S.S関連もしっかり展示というか置いてありました。
本棚劇場/角川武蔵野ミュージアム |
※追記2024.03.25:
無事、ところざわサクラタウンEJアニメミュージアムでのDESIGNS永野護デザイン展は閉幕を迎えました。ですがその1週間前ほどに名古屋での開催がアナウンスされました。会場はテレピアホールというところです。会期は4/27~5/26まで。こちらも時間が出来れば展示物との再会とEJアニメミュージアムとの違いがあるのかなどなど確認してきたいと思っています。
※先にアップしていた(1)のエントリ。
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