禁断のマルチバースへ|『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』感想【ややネタバレ】-Web-tonbori堂アネックス

禁断のマルチバースへ|『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』感想【ややネタバレ】

2022年5月7日土曜日

MARVEL movie

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 という事で初日に観てきました。『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(以下ドクター・ストレンジ/MoM)いやなんというか凄い事になっていましたね。初手からマルチバース全開でした。観ている最中は手に汗握る展開やゾクッとするシーン、まさにホラー映画で世に出たサム・ライミ監督の面目躍如というところを感じましたが実はtonbori堂はライミ監督作品は全作を観ているわけではなく取り分けデビュー作の『死霊のはらわた』とそのセルフリメイク的な『死霊のはらわた2』は観ていません。今回はそのショッキングな描写も含めて『死霊のはらわた2』からの引用があるとの事。とは言え監督が手掛けた『スパイダーマン』は全て観ています。序盤のNYでの戦いではスパイダーマンチックなシークエンスが頻出し、おおこれはライミ監督だ!ともなりました。でも全体的には色々思うところもあったんでクリティカルなネタバレはしないようにしつつもファーストインプレッションを綴っていきたいと思います。

Marvel Studios' Doctor Strange in the Multiverse of Madness | Official Trailer|YouTubeより/Marvel Entertainment

※【注意】このエントリは『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』についての感想です。ズバリのネタバレは避けていますがややバレしているかもしれません。😌

狂気の扉/STORY

 ストレンジは悪夢にうなされていた、知らない世界で知らない自分が知らない少女と怪物から逃げている夢だ。そんな夢から覚めたストレンジ。今日はかつて愛した人、クリスティーンの結婚式だった。世界から人々が消えていた5年間の間に色々なものが変わってしまった。もしそうならなかったら違った道があったのだろうか。そんな想いに耽る間もなく街で異変が。何かから逃げている少女は夢で見た少女だった。しかもそれは見えない何かだった。ストレンジが魔術をかけると一つ目のタコのような怪物が現れる。そいつは少女を追いかけていたのだ。かけつけたウォンとともに怪物を撃退するも少女は逃げようとする。少女の名はアメリカ・チャベス。別の世界からやってきたという。マルチバースを行き来する能力を持つがその力をコントロールが出来ないのだという。どうやら怪物はそんな彼女の力を狙っているようだ。そして怪物の身体にはルーン文字が浮かび上がっていた。ルーン魔術を使うのは魔女。ストレンジはその力を持つスカーレット・ウィッチことワンダ・マキシモフに協力を仰ぐのだが…。果たして敵は一体何者なのか?マルチバースを渡れる少女の力とは?マルチバースに至る狂気の扉が今開かれる。

サム・ライミ監督

 今回の作品はまさにそう言った感じでした。でも先にも書きましたけどtonbori堂はサム・ライミ監督の作品は『ダークマン』『クイック・アンド・デッド』ライミ版『スパイダーマン』3部作のみ鑑賞なのでこれをもってライミ印なんてことは言えません。でもNYでのストレンジとウォンがエルドリッチ・ウィップをスパイダーマンのようにウェブ・スリングのように使ったりするところは最初のスパイダーマンを想起させるには十分ですし、心に闇の部分を抱えそれと対峙しようとする様はダークマンでもお馴染みだしアンコントロールなキャラクターたちを見るとやっぱりその系譜か!となります。


 そしてスコット・デリクソンから引き継いだ『ドクター・ストレンジ』世界をいっきに自分のカラーに染め上げる手管も天晴れというしかありません。色味が違うんですよね。もちろん基本的なカラーは同じなんですが夕暮れな色味が凄くあって、それ以外は灰色が感じられる色味。ライミ版『スパイダーマン』でもその感じがあってその感覚がまた今回のお話にあっているんですよね。そしてショッキングな描写。今回結構ショックなシーンがあるんですがこれまで直接うわぁってなるシーンってのは『インフィニティウォー』のサノスのブリップシーンや数えるほどしかありませんでしたがMCUでそこまでやるかというのはさすが『ダークマン』『死霊のはらわた』のサム・ライミという人が多かったし、それはtonbori堂も観てて思いました、ネトフリマーベルドラマだと結構ヤバいシーンあったけどM.C.U映画でここまでのってあったっけ?とか。また『クイック&デッド』を思い出すようなシーンもありました。(もっとも他の映画でもよくあるシーンではあるんですが)今回あの『スパイダーマン』のサム・ライミが!という点もありますけど、ここからサム・ライミ監督作を再発見してもいいんじゃないでしょうか。

ストレンジとワンダの物語

 とは言え手放しで最高オブ最高って訳でもなく…お話のメインストリームはストレンジとワンダこの2人となります。そこにアメリカ・チャベスという若いキャラクターが絡みウォンがサポートするという構図な訳ですが、やはりこの映画はストレンジの続編なんですよ。だからワンダはどうしても対立軸になってしまう。詳しくは避けますがそこがいろいろ賛否両論になるかとは思うんですよ。tonbori堂も観ていた時にそう思いました。ええ?そうなるのと。これはディズニープラス『ワンダヴィジョン』を除いたとしてもワンダのこれまでの道程、『アベンジャーズ』4部作のうちエイジ・オブ・ウルトロン、インフィニティウォー、エンドゲームでのエピローグでの出来事を考えるとやっぱりね、それでいいのかと。もちろん原典コミックスでのM.C.Uでの引用があるとは思うんですがアベンジャーズとして一度は立ち上がった彼女に対する仕打ちとしてこれはいいのかと思いました。ある意味後退してないかとまで思ったのも事実です。


 ただストレンジの物語とすればマルチバースの扉が開き、若いチャベスを導く導師として、またマルチバースで対峙する困難などクリスティーンとの関係を含め1作目『ドクター・ストレンジ』での積み残しも清算しつつ今回のマルチバースへの展開も描き切ったのは素直に凄いなと思っています。もちろんそこまでに至る部分での流れが100点満点かと言われるといや確かにそうでない部分はあったと言わざるを得ませんがそれでもこのユニバースを拡張しつつもM.C.Uのタイムライン、『ロキ』でいうところの「神聖時間軸」、またはアース616?アース199999?ミラーディメンション、ダークディメンションやら次元の狭間にも何が潜んでいる事やら。そして魔界の住人達も目覚めるかもしれない。今回の『マルチバース・オブ・マッドネス』はまさに狂気の扉を開いた感じもありました。そしてその立役者はやはりストレンジになる。そんな結末を是非とも劇場で味わってほしいですね。なんじゃこれは!ってなると思います。

気になる事柄

これは次回エントリ「マルチバースについて気になる2,3の事柄/『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』」で書いていこうかなと思います。だいたい公開10日後位をめどに、14日?ですかね。今、ポストクレジットの話や中盤の事を書いてしまうのも興をそいでしまうと思いますので。ただ今回書いたワンダの事についてもそこでもう一度書きたいと思います。(『ワンダヴィジョン』の事も再度含めて)という事で今回はここまでという事で、次回もよろしくお願いいたします。

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