『黒き死の女神/我が名はエスト』|『ファイブスター物語/F.S.S』考察/備忘録【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

『黒き死の女神/我が名はエスト』|『ファイブスター物語/F.S.S』考察/備忘録【ネタバレ注意!】

2021年11月23日火曜日

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 ちょうどファティマ総選挙2021が開催中という事もあり、tonbori堂はエスト推し(永遠の推しはおでこちゃんことメガエラで、今回は光のタイフォンも推しております)なんですがエストを巡っての血生臭い話はDESIGNSでも詳しく書かれており、GTMダッカスの産みの親でもあるクロスビン博士はその心労のため命を落としたとありますし、そのためバキン・ラカンの聖帝が一時預かりとしてモラードがシークプログラムを追加。それで産まれたのがエストのもう一つの人格バーシャといういわば呪われたファティマ。そんな諸々を考えていると色々思うところがあったので書き留めて置きたいと思います。

エストが表紙のファイブスター物語/F.S.S第10巻/永野護著/KADOKAWA刊
エストがカバーイラストのファイブスター物語/F.S.S第10巻/永野護著/KADOKAWA刊

 第10巻に収められたヨーンとバーシャのエピソード『TRAFFICS2』は3代目黒騎士誕生までが描かれる重要エピソードです。ファイブスター物語/F.S.Sでの騎士とはなんたるかを端的に描き出した名エピソードでもあります。

※その前に期間限定企画『ファティマ総選挙2021』がTwitterにて開催中です。詳しいレギュレーション等はこちらの主催者の金田先生のアカウントかまとめアカウントが星団民同志により立ち上がっておりますのでそちらからご確認ください。

金田淳子|実写ドラマ化ッッさん (@kaneda_junko) / Twitter

ファティマ総選挙2021さん (@fatima2020_fss) / Twitter

Twitterハッシュタグ#ファティマ総選挙2021 のタイムラインで現在の状況が確認出来るかと思います。 

「我が名はエスト」

 アナグラムになってるわけじゃないけれど、『黒き死の女神』は『黒騎士の女神』でもある…。なんてことは大体の方が思いつく話ではあります。エストがマスターと認めた騎士はすなわち黒騎士ダッカスのヘッドライナーとなる。つまり黒騎士とはエストに認められた騎士であり星団中の騎士から羨望の的でもある…なんですが星団暦では5人しか選ばれていません。それだけダッカスを扱うには腕と経験が必要という事になるという話ですがまずなによりエストに選ばれないと「黒騎士」にはなれません。

 そんなエストですがそもそも彼女は「女性版レディオス・ソープとして設定された」んだそうです。(出典はトイズプレス/CHARACTERS2/COLUSより)女性版レディオスとは何ぞや?ってなりそうだけどエストが黒騎士だけではなく数多くの騎士や国家と関りを持ち物語の案内役となる。何時ぞや彼女の説明が扉に掲載された時も全ての剣聖剣技を見ているという話もそう言った事を想定していたのではないかと思うのですが、魔導大戦という形で(これはtonbori堂の勝手な考えですが)ボスヤスフォートとその後に続くアドラーへの大侵攻のシナリオの改稿がありその役割は少し変わってきたのかなと思っています。


 何故そう思うのか?エストは全てのエピソードに登場はしていないから?確かにカステポーでのカイエンとアトロポスの話や命の水争奪戦に関りは無いのでまあそれは当然と言えば当然なんですが、それでも物語の節目に登場し、トラフィックスではバーシャとしてヨーンとの邂逅をもって騎士とファティマという存在を改めて浮き彫りにする事とになったり多くのエピソードに登場していますからそうではなく、登場するエピソードで狂言回しのように物語を俯瞰するのではなく(ソープはツラック隊の戦力の底上げにはなっていたけど戦闘時はほぼ説明役になっていましたよね。自身が主人公キャラクターとして登場した第1話でもそういう部分がありアマテラスその人でありながらも別人としての部分も併せ持つキャラクターでした。)あちこちに登場して物語を案内していくキャラクターとして設定されたはずがその役割はどんどんと膨らんでいき、ファイブスター物語/F.S.Sのお話の中心でもある騎士とファティマというテーマに関わるキャラクターたちをシンボリックに浮かび上がらせるキャラクターになったように思うのです。


 そう思ったのはそれこそ『黒き死の女神』バーシャという別人格がヨーンと出会うエピソードで深く刻まれる事になりました。この辺りのエピソードは既に最初から考えられていたように思いますがエストに課せられた役割がより重要になっていき、そして重くなった事によりヨーンの入団エピソードがどんどん後になっていったんじゃないかと想像している次第です。(CHARACTERSで紹介されたころには2900年代末には既にミラージュ入りしていたはず。なのでデコースとの決着も魔導大戦時にミラージュとして考えられていたのではないかと妄想しています。)もちろんこれはtonbori堂の妄想でしかないので本当のところは分かりません。ですがエストはそういった糊代があったファティマだったんだなと思っています。いや黒騎士専任という事で普通の人ならその黒騎士にまつわるエピソードだけを想像させながらも当時はモーターヘッドのコントロールをするだけの人形であったファティマがそれだけではない存在として設定されていったことによりエストの持つ存在感もそれを越えていったからこそじゃないかなと。


 今後3代目の最後(それがヨーンとの一騎打ちで決まるかどうかは分かりません。実際騎士の戦いは一瞬。そして何でもない戦場で命を落とす事もあると明言されていますから)に立ち合い(それは3069となりそうです。DESIGNS4より。もしかすると勘違いしてるかもしれないけど😓)、その後もアドラー侵攻に参加したりレーダー9のファティマ(仮マスター?)となったり3200年頃に聖宮ラーンに戻りバントライン・ゴールを得るともありましたので3100年代の星団史も年表以上に激動の時代になりそうです。

ヨーンとバーシャ

 ヨーンはデコースを倒すのは黒騎士になるためではなくましてやエストを解放するためではありません。徹頭徹尾、彼はバーシャに囚われている。そこから脱しない限り騎士になる事はないでしょう。アイシャは気付く時を待っているようですがその鍵になりそうなのはパルスエットかと思っていたんですが最近やはりこれはエストが何かかける言葉によってパルスエットの真のマスターになるんじゃないかと思っています。でもバーシャの呪い(もう呪いと言ってもいいレベルだと思います。)それを打ち破るのもまたバーシャの言葉(エストの言葉)っていうのは簡単すぎるでしょうか。それにデコースとやり合うにしても剣無しでは100%勝ち目ないでしょうし。そうなってくるとやっぱりバーシャがキーになると思っているんですが…。

ヤーンとセントリーパルサー

 これは余談的な話になるんですがエストがバーシャとしてカステポーを放浪していても大丈夫なのは(実際には壊れファティマとして危険な目に遭う場合もあるし、売春宿へ売り飛ばされたりとはぐれファティマをファティマ狩りしているような不良騎士もいるので全く大丈夫とは言い難いんですが)エストを守護しているものがいるからです。まだ物語で騎士が駆るロボットの名前がモーターヘッドだった頃のエピソードでもそれが描かれていました。エストを襲おうとした暴漢の騎士たちをジェットドラゴンが一瞬にして消し炭に変えたりもしていましたが一般人たちに襲われていた時には手出しをしなかったのは生命の危機では無かったから。この辺り動物的というか本能的というのか。でも効率や無駄を省いていくとそういうところに行きついてしまうのかもしれないと最近セントリーの振る舞いを見ているとますますそんな感じはあります。今は物体でなくなり素粒子よりも小さい粒子の集まりとなり殆ど人には知覚できない物体?となってるので余計にそう思います。


 現在ジェットドラゴンに対応しているセントリーはパルサーです。15巻ではボォスと同じウエスタ太陽系の惑星アンスリノの宙域を遊弋しているようでしたがどこにあってもエストを見守っているのはエストがヤーン・ダッカスに似ているからとすえぞうが(その時はパルサーではなくまだジェットドラゴンでしたが)バーシャ(その陰にいるエストを指して)いっていました。なので基本的に酷い目にあって出てこなくとも、彼女の命の危機には出てきてその危険を除去するんだろうなと。ただなぜヤーンとパルサーがそういう事になっているのか?炎の女皇帝ナ・イ・ンとセントリー(ドラゴン)と交わした契約と関係?あるのかでもヤーンと指しているということは関係ない?もしかしてただ単純にヤーンが「好き」というだけなのか?でもセントリーにそういうお気持ちはあるのか?難しいところですがドラゴンの時ならそれはあるとも思えたんですがね…。そしてそれが何故似ている「だけ」のエストにも適用されているのか?この辺りも実はずっと気になっているところなのです。これがはっきりと明かされる日は無いかもしれないけれど彼女は最後の黒騎士とまでずっとジョーカー星団を見守り続け眠るのかなと思っています。

ファイブスター物語/F.S.S第10巻/書影アップしている通りエストが表紙のやつです。/Amazon

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