ワンダとヴィション|『ワンダヴィジョン』最終回を観て感想と考察【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

ワンダとヴィション|『ワンダヴィジョン』最終回を観て感想と考察【ネタバレ注意!】

2021年3月8日月曜日

drama MARVEL

X f B! P L

 そうですね、最初はネタバレ無しで軽く1000文字程度の簡単な感想を書こうかなと思っていたのですが、それだと訳が分からない事になりそうなのでネタバレ有りで書いていこうと思います。なのでネタバレ回避したい人にはこれだけを。とりあえず最初の1,2話はこれなんだ?ってなると思います。まずシットコム(シチュエーション・コメデイ、だいたい同じ状況で同じ登場人物が登場し視聴者を笑わせる。スタジオに観客を入れて笑い声を入れるスタイルが多い)を知らないと何をやっているのか分からないですから。それでも年代別のシットコムをなぞっていくスタイルで、あ!これ見たことあるってなると思います。また第4話で大きく物語が展開するのでそこまで観ればこれがM.C.Uの世界で起こっている話というのが分ります。なのでまずはそこまでは観て欲しいと思います。その後の展開はそれぞれの想いもあるでしょうがtonbori堂としてはワンダヴィジョンは今回のエントリタイトルでは『ワンダとヴィジョン』と入れましたがこのお話はワンダのリ・オリジン(彼女の事を語りなおす/ただ彼女を主役としたストーリーとしては初なので改めてオリジンを紐解いたとも言えますが。)とでも言うべきストーリーになっていたと思います。でも色々思うところもあった訳でそこはちょっと個別に感想や考察していきたいと思いますので暫くお付き合いのほどを。

※注意、この先の内容は『ワンダヴィジョン』の最終回までのストーリーに触れております。【ネタバレ注意!】是非とも『ワンダヴィジョン』最終話(第9話)までをご鑑賞の上お読みください。

Official Trailer 2 | WandaVision | Disney+|YouTubeより

ワンダ・マキシモフ

 ということで始める前にここからは【ネタバレ注意!】とさせていただきます。何卒よしなに。

シットコム

 この『ワンダヴィジョン』はワンダのオリジン(起源)を明かす第8話。何故ウェストビューでこのシットコムの世界が展開されるのかは、ワンダの過去に起源があるということが明かされました。アガサの魔法に絡めとられ過去へ何故力を得たのか探求するワンダとアガサ。ドアを開けるとそこはソコヴィアで暮らしていたころのマキシモフ一家、やがては英語圏、アメリカの生活を夢見ていたマキシモフ一家はビデオやDVDでアメリカのシットコムで英語に親しんでいました。ソコヴィアは政情が不安定で度々内戦状態に陥ってたんですが、それは『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で語られたワンダとピエトロの父と母を亡くしスターク・インダストリーの爆弾を目の前にして救助を待ったという話につながっていきます。そこで爆弾は不発弾ではなくワンダが確率操作をして止めた事なのではないかとアガサが尋ね、また過去を探るうち、ソコヴィアで元SHIELDのストラッカー率いるヒドラがSHIELDより奪取していたセプター(ロキの杖、インフィニティ・ストーンの一つマインドストーンを内包している)の能力解析のための人体実験時にその力を得たというシーンが出てきます。でも実は彼女は力を既に持っており、マインドストーンがそれを解放した?という事が語られていきます。つまりワンダ自身にその力が備わっていてその力を本格的に開放したのはマインドストーンであったというワンダの出自に関わる秘密が明かされた訳です。これはフェイズ4に入るにあたりマインドストーンで力を得たのではなくスカーレット・ウイッチとしてワンダはM.C.Uに存在するべく出現したというそれまでの我々が理解していた出自ではなく新たにリ・オリジンというべき内容でした。


インクレディブル

 そしてワンダはトニーは仲間に見送られていった葬式に比べヴィジョンの扱いは不当だと感じ彼のボディを回収していたS.W.O.R.D(知覚兵器観察対応局)を訪ね、バラバラに解体した彼を見てそこに魂がない事に絶望し、事が済んだ後に暮らそうとしていたウェストビューでヴィジョンが購入していた2人の終の棲家となるはずだった宅地で感情を爆発させヘックスと呼ばれるフォースフィールド(力場)を作り彼女の望むヴィジョンとの生活を作り上げたのです。無から有を産み出すカオスマジックと呼ばれる強大なパワーの発現は哀しい現実を忘却したいワンダの想いから産み出された幻像(ヴィジョン)だったいう…。なんとも切なく悲しいストーリーなんですが、それを経て物語の最後に自らの力に目覚めそれをコントロールしようとアガサの持っていた魔導書を持ち山奥にこもるポストクレジットシーンはあるM.C.U作品を思い起こさせます。


これは既にTwitterで指摘されている方がいてRTやいいね(tonbori堂もしました)人が多くてやっぱりみんなそう思ったんだと頷いてしまいました。で、その作品は何かというとM.C.Uの2作目『インクレディブル・ハルク』です。まだマーク・ラファロがハルクにリキャストされる前、エドワード・ノートンがハルクを演じた作品でもラストシーンではどこかの山奥にある小屋で座禅を組んで自己をコントロールしようとしていたシーンがありました。


『インクレディブル・ハルク』(2008)は既に『ハルク』(2003)という映画があってそれから5年後とは言えまたハルクのオリジンをやるのかという話になったんですが、ハルクの誕生シーンはアバンタイトルでさっくりと説明。物語は『逃亡者』のようなタッチで展開されます。ただM.C.U映画としてはアイアンマンの大ヒット後を受けたもののヒットや評価されつつもその後ノートンが離脱してしまったのも含め影が薄いのも事実。ですがtonbori堂は嫌いじゃない1本です。(インクレディブル・ハルクの事を書いたtonbori堂のエントリ|逃亡者ブルース・バナー『インクレディブル・ハルク』【ネタバレ】M.C.U再見Vol.2

実はワンダとブルース・バナーもそれぞれ制御出来ない巨大な力をもっているという点では共通していますしアベンジャーズでワイルドカードとして活躍するハルクに対しワンダもアベンジャーズでのジョーカー(あのジョーカーではなく切り札として)なので山奥で修行ってのは自然な流れだったのかもしれませんがtonbori堂は思わず画面に向かってツッコみ入れてしまいました(苦笑)

ホーム

 今回の物語で彼女は悲しみを乗り越えたのか?そこが分からないんですが少なくとも多くの人を巻き込んだ事への責任は感じている事と最終的に(彼女の力を持ってすれば完全閉鎖のヘックスを作り出して保持する事は不可能では無いはず)ヘックスを開きました。ただポストクレジットの修行シーンでのダークホールドを読んでいるところはちとヴィランっぽさが漂っていますけれど。それに『エイジ・オブ・ウルトロン』も最初は敵対者として登場したし、その後の『シビルウォー』や『インフィニティ・ウォー』でも不安定な、またはどこか自信なさげだけども強大な力を持つ人物として描写されています。


それだけに今後の彼女の去就が気になる部分ですが撮影に入った『ドクター・ストレンジ2』にワンダ(スカーレット・ウィッチ)登場がアナウンスされているのでそちらを待つしかありません。魔法と魔術の激突も気になりますがワンダは居場所を失いました。そのワンダのホーム(居場所)を探すストーリーはまた語られるんじゃないかと想像しているのですがそうでないと切ないですよね。それとダークホールドを読んで時に響いた双子の声。あれはどういう事なのか?リミテッドシリーズ(1シーズン限りのドラマシリーズ)という話でしたが余りにもワンダの今後についての謎が多く残り『ドクター・ストレンジ2』はストレンジの話であることを前提に考えるとワンダが重要な役回りで登場するとしてもそれが全て語られるとは限りません。なのでシーズン2への欲目が出てきたんじゃないかと邪推しているんですが…。

ダークホールド

 これは若干引っかかってる部分でtonbori堂は『エージェント・オブ・シールド』は残念ながらシーズン4までしか視聴出来ていない人なんですが(5からは色々あってまだ視聴できず。でもファイナルシーズンであるシーズン7までディズニープラスで視聴できるのでまた折を見て続きを見たいと思っています。)ダークホールドはガッツリ物語に関わっているんですよね。そんなわけでアガサのあの本はダークホールドじゃないんじゃない?って話もネットではあったんですけど、やっぱりダークホールドかと。それはすなわちTVは違うバースになった(どこからそうなったかは別としても)って言われた気がしてちょっと引っ掛かりましたね。些末かもしれないけど、ゴーストライダー(ジョニー・ブレイズではない)ボビー・レイエスはキャストも含め好きなんでリキャスト無しでゴーストライダー客演するならそこなんとかって思っているので…どうなんでしょう。ネトフリやエージェント・オブ・シールドについて一応ファイギ、分かってるよみたいな発言はあったようですが。

ピエトロ

 まあこれについてはアガサが正体明かした時に言ってたんでそういう事かと。でも思わせぶりにまた出てきてやっぱりオチはそうかと。でガッカリした人めちゃくちゃ多いんですよ。Twitterを巡回していると。それは分かるしエヴァン・ピーターズをキャストしておいてそれか。いや『ファー・フロム・ホーム』でマルチバースと言ったな、「あれは嘘だ」をまたやったかというのも分り過ぎるほど分かる。けれどそう思うと同時にマーベル・スタジオは「マルチバース」についてかなり慎重なんだなと凄くtonbori堂は思ったわけです。今はまだその時ではないけれど匂わせだけはやっているのは今後の世界観の構築のために避けられないと考えていると。そういう事なのかなと。でもピエトロの遺体が米にあればアガサは死体を動かしていたってのは色々考えさせられるところですね。(ブレイドにつなげる?とか?)

シンセソイド・ヴィジョン

 あとは白ヴィジョンですかね。なんかワンダの幻像としてのヴィジョンが「テセウスの船」問答をやって白ヴィジョンの眼を開いたけれど(ネットワークやメモリーへのアクセス)そのままどこかへ飛び去りました。一部では出オチかよという話もでたし、tonbori堂は白ヴィジョンがウルトロンになるのでは?ウルトロンは確かにヴィジョンが全て殲滅しましたけれどウルトロンのベースプログラムはマインドストーンだし、ウルトロンに一度は殺されたというか分解されたプログラムのジャービスにもしかするとプログラム同士が接触した際にウルトロンの因子が残ってもう一度白ヴィジョンがメモリーと記憶を全て閲覧した時に人間の本性、それは悪なり!とかなってウルトロンになると思ってたんですよ…ちょっと違いましたね。


でもどうなったのかは放置されたままでこれはヴィジョンが再度出てきてワンダと絡むのかそこはちょっとモヤモヤしますよね。だけれども実際これはワンダが喪失を一度受け入れ、自らの力と向き合う話で、ヴィジョンがいないことを受け入れた後に、白ヴィジョンが帰ってきたよワンダってなったらぶち壊しですもの。もっともシットコムの則でそうする選択もあったけど最後はM.C.Uの則へと戻した…とも言えなくはないですが。


 あとはS.W.O.R.D側の動きとかもあるし今後要因としては一旦彼はどこかへ飛び去るを得なかったのかな。個人的にはワンダのヴィジョンと死闘を繰り広げた上で一旦は全機能停止でヘイワード真っ青みたいな感じでFBIが停止した白ヴィジョンを倉庫に収めたら再起動してウルトロンの目になってたらなあとは思いますが…。まあそれは妄想の域の話です。いやウルトロン大好きなんですよ、演じたジェームズ・スペイダーも好きだし。あの話し方完全に『ブラックリスト』のレッドですもん。まあそれは置いといて白ヴィジョンもシーズン2あるんじゃないの?という根拠の一つではありますね。

マリア・ランボー&ダーシー&ウー捜査官

 tonbori堂はしつこいようですが原典コミックスに疎い人です。まあマベスト(マーベル・ストライクフォース/スマホのマーベルのソーシャルゲーム)のおかげでキャラ名とか色々覚えてきましたけども。でもマリア・ランボー/フォトンはまだ実装されてないんで(そこかい!)よく分りません。考察サイトやネットで調べると原典では既にヒーローとして活躍しているようでフォトンという名前やキャプテン・マーベルの名前を名乗る事にもなるとかで、『キャプテン・マーベル2』に登場することも既に語られていますのでそこが本格的なお披露目になるんでしょうがデシメーション(サノスの指パッチン)からの帰還者であり、ワンダの力を受けたことで力が備わった描写や多い描写ではないもののマリア・ランボーのヒーロー覚醒という点では彼女のオリジンでもあった気がします。ただ本格的にはポストクレジットのようにこれからだと思われます。それを考えるとカッコいいんだけども、それだけなんですかというお預け感があるのも事実でして。彼女のシーンよりはウー捜査官がスコットに電話するとか、ダーシーがジェーンにとんでもないことに巻き込まれたのよと連絡するシーンが良かったかなとこれもまた妄想ですが。でも多くは無い彼女のシーンだけでも今後の活躍は予想させるものがありそこは多いに期待しています。


ダーシーは久々に登場ですけれど(『マイティ・ソー/ダークワールド』ぶり?)もともといいキャラなんで今後も絡んでいってほしいですね。ただ演じたカット・デニングスは『マイティ・ソー/ラブ&サンダー』には参加していないそうです。と、そこは残念だけど他の作品ならまだまだ噛んでいける余地あるし、とにかくダーシーはどの作品でもよいので再登場希望です。


 そしてFBIのジミー・ウー捜査官(ランドール・パーク)、ちょっと人の良い手品好きの捜査官なんですが、人が良過ぎで大丈夫?っていうウー捜査官が今回いい味だしていますけども彼が元SHIELD設定ってのをSNSで見かけて?ってなりました。『アントマン&ワスプ』でそういう言及ありましたっけ?ただスーパーヒーローにはサイドキック(相棒というか助手)とともに手助けしてくれる警察官(バットマンでいうところのゴードン警部)がいると安心しますよね。『アントマン&ワスプ』ではスコットの監視役でしたけど今後もM.C.Uに絡んで欲しい人です。ちょっとググると彼と同じ名前のヒーローチームをまとめ活躍する話があり、SHIELDですとかいろいろある模様です。沼が深すぎる(笑)でも彼を主役にしたM.C.U版X-ファイルがあっても面白いかもとか脚本家がシナリオ書いてますとかSNSをにぎわしてましたし、FBIという立場なので今後M.C.U正史というかスタジオ版にSHIELDが戻る際にはシャロンとともに大きな接点を担う役になっても良さそうな。(希望的観測です)ということでサブキャラとはいえダーシーとウーの今後も気になります。

最後に/マルチバースへの道

 tonbori堂はワンダのリ・オリジンとしての使命は果たしているのでそこは良しとしていますがやっぱり色々ネタを蒔いただけな部分とかは少し引っかかりますかね。尺がないのに詰め込みすぎちゃうかとか😅でもトータルで考えるとよく出来ていると思います。ヒーローは孤独なものである。理解されない。そしてその力は時として災厄を呼ぶ。そして最初のトーンがシットコムというコメディだっただけにその結末との落差があまりにも激しくてその点ではこれは冒険作でしたがやることはきっちりしたかなと。


マーベル・スタジオM.C.U次作の『ファルコン&ウィンターソルジャー』はさらに短い6話のリミテッドシリーズですが予告映像からはオーソドックスなバディ感を出してきています。なのでライトな部分も感じさせますがバッキーの経歴などやヴィランがジモってことで厳しいところもありそうだなと思います。そしてジモということでソコヴィア関連という『ワンダヴィジョン』からのソコヴィア続きでもあるんですよね。直接的な関連性は無くともM.C.Uにおけるソコヴィアってのはウェイト大きそうですね。


 またマルチバースについては『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』に続き匂わせだけに終わりましたがサブタイトルにガッツリ入っている『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス』につながるというか『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』にもストレンジが出るという話もあるのでM.C.Uはこの3人がマルチバースの鍵としているのは間違いなく、それだけに『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス』でその道が開かれるまで待たなければならないと思っています。ただどういう形になるかは以前不透明ですがワンダ、ピーター、そしてストレンジがマルチバースを開く時が楽しみです。

参考|シットコムについて|シチュエーション・コメディ - Wikipedia 

参考|テセウスの船について|テセウスの船 - Wikipedia 

※思えばこのコスチュームした時すでにラストへの道程が始まっていたかなと…

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※原作ではないけれど原典的イメージソースになっているであろう作品『ヴィジョン』

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