「 クーンの系譜」|ファイブスター物語/FSS|月刊NT2020.9月号/考察|【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

「 クーンの系譜」|ファイブスター物語/FSS|月刊NT2020.9月号/考察|【ネタバレ注意!】

2020年8月8日土曜日

FSS manga

X f B! P L
 今月号でマキシが語ったところによるとクーンはバランシェのコピーであるという事が分かりました。これ結構衝撃の事実ってなことではあるんですが、何かと彼女の顔を見ると面影がない事もないんですよね。でも純血の騎士、そしてドラゴン(今はセントリー)の血脈も入っている。そしてバランシェ・ファティマのNo.1ということで全てのファティマのお姉さん。それは運命の3女神でも例外ではありません。ということで今回はクーンについてあれこれ調べてみることにしました。 そして考えてみるとファイブスター物語/FSSに関わる重要なキャラクターであることが浮かびあがりました。
月刊ニュータイプ2020.9月号
月刊ニュータイプ2020.9月号/KADOKAWA刊
毎度のことながら月刊ニュータイプ2020.9月号掲載ファイブスター物語/FSS本編内容に触れておりますので【ネタバレ注意】です。何卒よしなに😌

バランシェ・ファティマ

 なんといってもバランシェが一番最初に作ったファティマ。初登場時にはマインドコントロール(現在はダムゲート・コントロール)を外された女神といった文字通りバランシェが心血を注いで製作したファティマでした。しかし内戦の鎮圧に来ていたクレイジー・モスことバキン・ラカンの剣聖デイモス・ハイアラキの強さに一目惚れしてサロメというファティマがいるにも関わらず押しかけファティマになった…のかな?まあデイモスはファティマ2人でも、まあよかんべって思ってた節はありますけど。(バランシェ邸での一コマと思えるシーンでカイエンにMHの細かい調整から筆おろし(!)まで全てクーンに任せときゃいいんだっていう台詞がありました。)

その後クーンは色々あってドラゴン(セントリー)の庇護下にあったのがダイアモンド・ニュートラルがジョーカー銀河へ帰還した際にトリプルマイト(現在はトリプル・ガーランド?かな)の能力(MH、ファティマ、騎士の力を持つ)を持つため送られたとなっています。その色々あったというのはこれもツラック隊のエピソードに差し込まれたアウクソーも関連してくるカイエンとのエピソードで明かされていましたがその時にセントリーの元にいったことが語られています。その時に彼女は普通に喋っていましたが、若い頃のカイエンの時は吹きだしの台詞はカタカナ表記でした。つまりバランシェの手によってその後もいろいろされてセントリーの因子を組み込んだということです。

バランシェとセントリーと詩女

 セントリーと接触があったのは何時なのか?バランシェの最後を看取りにやってきた彼自身の言葉から考えると天照と出会ってから彼の存在を探るためいろいろ行きついた果てが当時ドラゴン設定だったL.E.Dことライブ。あの時はカステポーにいって会ったのかとか深く考えてもみませんでしたがやはりここまでの物語を振り返ると詩女との接触があったはずです。そしてカイエンを封じた事からも超帝国やその他の事からバランシェなりにカリギュラとは別ルートで天照の真実に近づいたんであろうと想像できます。

 ですが詩女との接触はその前…多分詩女を通じてライブと接触しヤーンとスキーンズとの胚を託されたからこそセントリーの存在を知っていた。この辺りドラゴンの設定が変った事で若干以前の事と整合性が取れていない可能性がありますが、そして天照の正体を探るため再びドラゴンと出会ってアウクソーへのヒントを得たというのがセントリーと詩女に替わったとも考えられます。そしてなんらかの代償として持っていたセントリーの因子をクーンへと組み込んだ。(カイエンを育てる代償としての命の水として)とも考えられなくもありません。でもそれは敢えて自分ではなくクーンへ組み込んだのではないかと思います。

ファティマへ全てを捧げた男、バランシェ

 バランシェを指す言葉としてマッドサイエンティストという言葉がありますがある視点から見れば完全に狂っています。セントリーの件にしてもクーンの意思などは関係なくそうしたように思えるのですよね。でも一方でくだらない制約で新人類になれる可能性を秘めた生命体に希望をというのも本心なのでしょう…やり方が極端ですが。そうなるとURI(ユライヒ)の人類殲滅も慈悲なのかもしれませんね。理解できない話ではありますが。とこれは脱線ですね。しかし自らの身体をも実験に捧げファティマのボディに全てを移し替えた事は知られていたけどもまさか自分のコピーとしてもクーンを生成していたとは…。その上46番目のファティマのコードとその胚はクーンの情報を入れ直したリマスター…壮絶すぎますね。自らはいなくても血を残すことで別な意味で天照と最後まで付き合う強い意志なのか…それでもなおその存在に抗うためだったのか。

ウォータードラゴン

 クーンはバランシェによってセントリーの因子をもつ彼女とファティマの彼女が存在することになったわけですがそのセントリーの因子をもった姿はトイズプレスのCHARACTERSウォータードラゴンの表紙によって古くからのファンには知られていました。しかし今月号(2020.9月号)の姿はファティマスーツを着ています。もしかするとそれさえも越えて霊界の存在(ミコト様のような)になったのかも。または神へと進化?なにせヤーンとスキーンズの胚を受胎したサロゲートマザーになったときにダイバーパワー(DESIGNS2カイエン・バッシュ・カステポーのテキスト)をも持つことに至ったとあります。これもまたバランシェ・ファティマ、いやファティマの宿命として彼女もファイブスター物語の中で物語へ関わっていくという証なのかもしれません。そう彼女はファティマの女王(QUEEN)なのだから。
CHARACTERS3WaterDragon/トイズプレス刊
CHARACTERS3WaterDragon/トイズプレス刊

超帝国純血の騎士の血

 そのクーンを大お母様と呼ぶマキシに至る系譜はこれもDESIGNS2の剣聖の系譜に詳しいんですがヤーン・ダッカス(その時はまだヤーン・バッシュでした)とアサラム・スキーンズが結ばれそのヤーンのスキーンズの胚がナ・イ・ンからセントリー・ライブへ。そしてライブからバランシェへ。バランシェはその胚を誕生させるためにクーンを製造しました。そして産まれてきたのが剣聖カイエンです。そのカイエンとヤーボが結ばれて産まれてきたのがマグダルとデプレ。デプレだけでは天位騎士なみの強さでしか(それでもとんでもなく強いけど)ないですがマグダルがいればミラーなどのグリント・ツヴィンゲンを使った剣聖剣技も放てるとか。その力はマキシをも越える?かもと記されていたように思います。

とは言えヤーンの胚を宿したことによりクーンが超常な力を得た事は先に書きました。だからこそセントリーの因子を組み込むという無茶な事をバランシェは考え付いたのかもしれません。そして後年、まさにセントリー・ブリッツの命の水を使ったファティマ、タワーをモラードが作る事になろうとは…。この血に関しての話はファイブスター物語/リブート第6巻巻末で語られていた|「血の継承は何も血縁関係でなくともかまわない」「同じ血液から生まれた膨大な人々の話」「人の記憶も継承できないものか?」/ファイブスター物語リブート6より/永野護インタビュー記事より抜粋|の根幹を成している気がします。

 だからこそ最初はカイエンはクーンから生まれただけの超帝国剣聖からユニオから今へと続く血を伝える結節点であり真の騎士としてその生を全うしたし、その血はミースによりバランシェやナインの想いだけでなくクーン、そしてアウクソーをも繋いでいくマキシへと。その全てがまだ描かれていない「奇蹟の44分間」への橋渡しと考えると今のこの超絶顔見世興行になっている「大君主バフォメートのまなざし 運命のラキシス7444」さえもそこへ至るブリッジ(当然先の大侵攻やフォーチュンへ至る道でもありますが)ではないのかと思うのです。 今回マキシがファーンドームの星王として登場した時にクーンだけではなくカレンが彼をおじ様とよびバランシェを祖父と呼び、カイエン、ミース、アウクソーから生を受けた者だからこそです。まさにファイブスター物語の起点ともなっているクーン。この先も節目で登場しそうです。

※ファイブスター物語リブート6巻巻末インタビュー記事を読み直すと今の物語がそれに沿って進んでいる事が分かります。

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