俺はウルトラマン|『ULTRAMAN』感想/考察/tonbori堂Netflix鑑賞記【ネタバレ注意】-Web-tonbori堂アネックス

俺はウルトラマン|『ULTRAMAN』感想/考察/tonbori堂Netflix鑑賞記【ネタバレ注意】

2020年7月30日木曜日

anime SF

X f B! P L

 NETFLIXで観たかったものは幾つかあってあれこれと観ているんですが、このULTRAMANは実はあまり観るつもりがありませんでした(コラッ)でもこの作品の荒牧、神山両監督が攻殻機動隊SAC_2045をも引き続き担当しているあたりやっぱりこれも観ないといけないなということで鑑賞です。ちなみに漫画の第1話だけは無料サンプルの電子書籍で読みました。読んだときはつまりウルトラマンで仮面ライダーやるんだなとかってに思っていましたが、違いました…宇宙刑事でした(ヲイヲイ)てな事とかシーズン1を観た考察とか感想などを綴っていきたいと思います。


『ULTRAMAN』PV - Netflix [HD]/動画はYouTubeより/NETFLIX JAPAN

ウルトラマンになった男とウルトラマンになる男/STORY

 かつて光の巨人によって守られた地球。しかしその光の巨人は故郷に戻った。暫くは怪獣の出現も宇宙人の侵略もなかった。それから幾年の月日が流れた。元科学特捜隊の若き隊員でウルトラマンと同化していた早田進は人ならざる力をその身に宿していた。そして進の息子である進次郎には更なる力が。それに悩んだ進はかつての科特隊の同僚であった井出に相談する。そして井出から驚愕の事実を知らされる。それは科特隊はまだ解隊しておらず存続していたという事。それを知らされた時彼は自分がウルトラマンと同化していた記憶が蘇った。

 やがて高校生になった進次郎は自らの力を持て余していた。そんな彼の前に銀色の鎧をまとった謎の男が現れる。自らを始まりの敵「ベムラー」と名乗る男は空中を浮遊し圧倒的な力で進次郎を追い詰めるがその場に現れたのは見た事もない鎧のようなスーツを身にまとった進だった。進次郎を逃がしてベムラーと対峙する進。しかし圧倒的なベムラーの力によって進の命は風前の灯火。そして井出は進次郎にベムラーと渡り合える力を渡す。その力は井出たちが開発したウルトラマンの能力を解析して作られたアーマースーツだった。その力を確認した上で彼はそれ以上の攻撃を止めて虚空に消えた。

 その後、進次郎は光の巨人記念館として擬装している科特隊基地へ案内され科特隊に協力しているかつてウルトラマンを殺した異星人の末裔エドと引き合わされ、地球は秘密裏に宇宙人が流入しており彼らの引き起こす事件に対処するために協力を依頼される。かくして進次郎は否応なしにウルトラマンとして異星人の対峙していく事となるのであった。

宇宙刑事ウルトラマン!

 最初に観た時の感想です(笑)まず父親がってのもそうだし(宇宙刑事ギャバンの父親ボイサーも宇宙刑事でした。)変身ポーズだってウルトラマンをモチーフに片手を上げているけど、いや宇宙刑事もそうだったなと。これは「等身大」のヒーローであるからこそですね。そして仮面ライダー味もやっぱり感じます。敵って訳ではないけれど制御出来ているのかよく分からない大きな力と選ばれし者ってのは仮面ライダーっぽいですよね。特に序盤は彼がスーツをまとっていく辺りは仮面ライダーのパイロット(第1話)を思わせる話運びでした。

 また宇宙刑事っぽさを感じさせる第2の要素がエドです。ゼットン星人の末裔ってことでこいつそのうちにやらかしそうだなと思わせるんですが今のところは真意の読めない(でも井出は10年以上の付き合いなので笑っているかどうかとかが分かるらしい)顔をしています。(もっとも擬態装置で人間の容貌に変装する事が出来るのですがエドはほぼ科特隊本部におり外出時もそのままの姿でした。)そんなわけで作中一番謎の人物なんですが、宇宙刑事っぽさで言えば偉いさんが宇宙人ってのはそれこそ銀河連邦とかそういうノリですよね。ただ銀河連邦ではなく「星団評議会」って名前ですけれど。(ファイブスター物語/FSS的には星団評議会というとアレを思い出してしまいますが(笑))

モロボシダン

 諸星弾と表記するようです。科特隊に協力することになった進次郎の指導役というかお目付けというか。原作漫画の作者原作:清水栄一、作画:下口智裕、両氏の代表作『鉄のラインバレル』に出てくる主人公の指導役として出てくるヴァーダントのファクター、森次っぽさがありましたけどそれよりさらにキツイ性格でした(ヲイ。

 処理対象の宇宙人を抹殺とか、処理というのも一種冷酷さがありますが抹殺というのは何か露悪的な気がします。原作を読んでいないのでなんとも言えないというか(原作Amazonで調べると15巻まで出てました)既に諸星の個人エピソードが描かれているかもしれませんがこのネトフリアニメではまだそこまでは。ただ恨みとも思える感情があるので何かしら異星人絡みで事件に合い親しい人が殺されているかそれに類する事があったのでは?と思うほどに苛烈で容赦のない男です。とは言え名前からして彼も蒸着するかなと思ったら案の定だししかもバージョンセブンなのでセブンとか…まんまやないかーい(笑)しかも剣遣いってことで宇宙刑事っぽさが増しています。

 ただウルトラマンスーツを装着はしているけれど進次郎のような超常な身体能力はない感じなんですよね。其の辺りの秘密もありそうですが。(後で調べてみると彼、実は宇宙人らしいです。宇宙の騎士テッカマンのアンドロ―梅田を思い出す設定!ただ擬装はしてないので地球人と極めて似ている種族のようです。)

ジャック先輩

 進次郎は北斗に(北斗についてはまた後で書きます。)先輩と呼ばれていますが先輩キャラですよね。ジャック。これからはジャックパイセンと呼びたいです(笑)でもこの人…何者?異星人側では無さそうでどっかのお抱えの工作員っぽいですがヤプール(これも北斗と一緒に)誘拐してましたけど…そっちかなあ。なんとなくウルトラマンスーツの力が欲しい企業あたりかなあって感じですが。ただ普通に異星人と格闘してぶちのめせる腕力とかヤバい人ですよね(笑)でもジャックって名前付いてるし帰ってくるのかなあ(笑)

北斗と夕子

 相当にツイスト利かせた設定になってますよね。末っ子キャラ(ウルトラ兄弟設定が固まったのはエースです。まあその後タロウがでてきたんですが)なんですが重い十字架を背負ってたり暴走したり。まあ実写の北斗も暴走してましたけどね(最終的にはいい台詞を残してエースとして地球を去っちゃいますけど)でも一番驚いたのがヤプールがいい人(しかも、仮面ライダーでいうところのおやっさん(立花藤兵衛)ポジションになってるという事。しかもキセル吸ってるし…(苦笑)でもヤプールの技術でベムラーもってのが気になります。

ベムラー

 初見時、ウルトラマン?と思わせつつなんか主人公を追い詰めたり、そもそも名前が「ベムラー」だったり。(初代ウルトラマンの最初の敵でウルトラマンはベムラーを追って地球に来た。そして初代ウルトラマン企画段階での仮の名前でもある。)クライマックスで瀕死の(いや死亡しているかもしれない)北斗を連れて行ったりエースキラーの置き土産をスペシウム光線で粉砕したり…そもそもハヤタとやりあった時も本気では無かった(それはハヤタ自身がイデにそう語っています。)って事からその正体は…バレバレなんですが活動限界を越えていそうな感じだし彼があの姿でいるには理由がありそれにはエドとむちゃくちゃ関係ありそうなんですが…どういう立ち回りをするのか実は進次郎以上に気になるキャラです。

おまけ/エースキラー

 シーズン1のラスボスというか締めにでてきた異星人傭兵団のボス異星人。エースキラーは二つ名のようなものですが隠し玉がそれかーっていう感じとキャラボイスが平田広明さんがこれまた名調子で最高に憎々しいいいキャラでした(笑)

ULTRAMAN

 わざわざULTRAMAN表記にしているあたり漫画企画(確か月刊ヒーローズっていうヒーロー漫画中心の漫画雑誌の目玉)として海外も視野にいれたヒーローユニバース作品として考えられていたのかなと思ったらWikipediaの記述によるとウルトラマンの名前は冠しているものの初代ウルトラマンとは関係のないストーリーだったのが編集部の要望でこうなったとか。でも関係なかった頃のストーリーであればさらにウルトラマンスーツを蒸着(コラッ)して戦う宇宙刑事か仮面ライダーライクなウルトラマンになった事でしょう。それはそれで面白いと思うんですが。

 そういう意味ではシーズン2へのクリフハンガーになっているので確かに次は観たいなと思わせますが…いまいち釈然としない感じも残りました。というのもウルトラマンは巨大変身ヒーローですが、その力を身に宿しても巨大化しないヒーローってのも別にあってもいい。今後ULTRAMANでも巨大な敵が出てくるかもしれませんが。仮面ライダーや戦隊ヒーローのようなウルトラマンがあっても良いのではないか?また等身大だからこそ描ける物語もあります。ただこれ円谷プロ的には(その背後にいるバンダイやら制作陣)これ実写化は考えなかったのかな?という事です。確かに『ULTRAMAN』観てるとこれが実写撮影ヤバいな。めちゃくちゃお金かかりそうやなってなるんですが無理ではないと思うんですよね。シーズン1の地上波放送(東京MX)に向けて担当キャラボイスの中の人が制作されたスーツ来てノリノリだったのを見たし。うーんでもただ宇宙刑事と仮面ライダーの合わせ技っぽいと断じられてしまうかな…。いろいろ原典に目くばせしたキャラクター配置や伏線などは面白いと思ったんですが…。そのうち実写版制作されるかもしれませんよねとは言っておきたいと思います(当然NETFLIXと組まないと予算的に厳しいでしょうけど)

 でもCGアニメでも、めっちゃ宇宙刑事だなと思っちゃうし仮面ライダーだなと思ってしまう瞬間はありました。ストーリー的には今回は進次郎がウルトラマンとなるためのオリジンストーリーであるため余計にその感じが強かったのかもしれません。今後は真の敵?(星団評議会が先遣隊である夕子の家族を抹殺しようとしたという事実やなぜウルトラマンはベムラーとなったのか?など)隠された真実を追う事に重点が移っていくと思います。其の辺りでは乞うご期待って感じでシーズン2もまたちょっと観たいなとは思っています(笑)ああ、そうそう宇宙刑事っぽさも強いんですがシルエットだけでいうと「アイアンマン」のアイアンマンスーツっぽさもありますよね(笑)ということで海外でも受けるかもと思いました(笑)

追記:CG表現について(2020.08.10)

 正直まだまだ改善の余地があるかなと。これについては『攻殻機動隊SAC_2045』ではモブキャラクターがそこまで気にならなかったのが『ULTRAMAN』ではやたらと気になった事とこれは両作品でもというかこの手のCGアニメに共通の課題、不気味の谷を越え切れてないという事。特に日常芝居シーンではという注釈が付きますが。アクションはモーションキャプチャーを取り入れているのでものすごくシャープかつ高速なんですが日常芝居がなぜかぎこちない。キャプチャーしているのにどうも固く見えるのです。それとともに表情がワンテンポではないんですがほんの少しタイミングが合わない感じがするのです。攻殻機動隊では多少改善されていましたが…。この辺りはまだまだ今後の課題(キャラデザインや表現、描画方法含めて)だと思います。

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