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マイケル・ベイ流ワイスピ!|『6アンダーグラウンド』感想/tonbori堂Netflix鑑賞記【ネタバレ注意】

2020年8月27日木曜日

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 NETFLIXオリジナル映画、続いてはマイケル・ベイと『デッドプール』のライアン・レイノルズが組んだ『6アンダーグラウンド』です。えーっとね…、もう完全にベイの趣味でした(笑)米軍絡みの何とかーって訳ではないですがこれはマイケル・ベイが俺もワイスピ(『ワイルドスピード』)みたいなもんを作ってやるぜ!という。そしてそれをベイの趣味でやってみた感がありありと出ている(笑)天下御免のアクション映画でした。

集められた6人/STORY

 ある大富豪が飛行機事故で亡くなった…。だがそれは擬装だった。彼はこの世界から姿を消して亡霊となって5人の仲間を集めた。そしてあるミッションに挑んだ。しかし最初のミッションは大失敗だった。だが目的は達せされた…その意味では成功した。しかしそれは真に達成するべき目的のための準備に過ぎなかった。そしてその最中に1人が命を落とした。富豪は次のメンバーをリクルートし、その目的のための次の準備のためにベガスにメンバーを派遣。この作戦を成功に導く鍵になる人物の居場所を突き止める。香港でメンバーが危険にさらされたが無事にその人物を確保した。そして最終作戦に挑む。敵は独裁国家、独裁者を倒してクーデターを起こすのだ。果たして作戦は成功するのか?細工は流々仕上げを御覧じろ…だ!


『6アンダーグラウンド』予告編/動画はYouTubeより/NETFLIX JAPAN

マイケル・ベイ流ワイルドスピード

 一言で言えばそれに尽きるのかも。といっても最初は潜入捜査官と義侠心に富むアウトローとの立場を越えた友情モノであった作品が色々紆余曲折の末主演の一人ヴィン・ディーゼルのヒット作『トリプルX』を逆輸入する格好でアウトローが、その上を行く普通の権力では太刀打ちできない狡猾だったり、大きな力をもった悪党を倒すストーリーに変容していったってのがあるんですが『6アンダーグラウンド』はその変容していった部分を省略して(笑)いきなりチームが困難なミッションに挑むという。あ、それは『ミッションインポッシブル』もそうですよね。でもこの作品ベイ流ワイスピっていうのには訳があって実はワイスピの重要要素である「ファミリー」が仕込まれているんですよ。


 『ワイルドスピード』シリーズは潜入とアウトローから変遷していきましたが今だ残っていて、しかも大きな要素ってのがファミリーなんですよね。『ミッションインポッシブル』はファミリー感最近はあるけどやっぱり「チームワーク!」って感じでそこまでではない。ワイスピはファミリーをめちゃ押し出してて結構ドムとかが動く理由もファミリーのためとかになってる部分が大きいんですよ。そのファミリー要素。最初は『ミッションインポッシブル』のようなスパイ映画よろしくメンバーは数字で呼び合うんですが大富豪はワン。元CIA捜査官はトゥーといった具合に。『レザボアドッグス』のカバーネームよろしく数字で呼び合う仲でしかなかったんですがそのうちドライバーだったシックスが最初のミッションで死んでしまったために次のメンバーとして元デルタの狙撃手であるブレインが仲間を見捨てないという部分やトゥーと殺し屋であったスリーがいい仲になって来ていろいろ変化が起こってくる訳です。


 ワンが何故こういう事に手を染めたのかははっきりとは明言されていませんが4年前に売名のために難民キャンプを訪れた際に独裁国家からの攻撃を受け惨状を目の当たりにしてと匂わされるだけですが、最後のシーンでもしかして?と思うシーンもあるんですよ。そしてそこがまたワイスピのファミリーに落ちてくるという感じでやっぱりこれベイ、ワイスピやりたいんと違うの?と(笑)まあ今更俺がやるとは言えない大物監督なんで、何時まで待っても来ないから作ってみましたってところではないかなあと邪推しています(笑)


 まあそれは冗談としてもワイルドスピード味の作品であることは間違いなく、その上にスペシャリスト結集ってのはそれこそミッションインポッシブル風味も加わっているという感じです。ちなみにストーリーの根幹部分には『ワイルドギース』『戦争の犬たち』を思い出させます。

ミッションはクーデター

 クーデターがらみで国家を転覆させるというのは『ワイルド・ギース』『戦争の犬たち』でも描かれている話です。但し『ワイルド・ギース』『戦争の犬たち』両作品ともにアフリカの独裁国家と資源をめぐり外部で利益を得ている者たちが自分たちの都合のいい者をトップに据えてコントロールしようとするので『6アンダーグラウンド』で描かれるクーデターとはまた違いますが。あくまでもワンの目的は難民を無くし民衆を開放するという目的でした。(ちなみに『ワイルド・ギース』『戦争の犬たち』も作戦に従事するプロの傭兵たちには別の想いや考え、そして雇い主の思惑が絡んだり現地の人の想いなどが描かれた見ごたえのある作品なのでおすすめです。配信はないようですがたまにCSで放送があるようです。)

7ではなく6/キャスト

 6にこだわりながらも6が死んだ後にリクルートしたブレインには7のカバーネームを与え新しい6とはしないところはメンバー同士の付き合いをただ単に寝るだけの間柄ならとがめだてはしないけれど恋愛は禁止。そして勝手に老人保健施設にいる母に会いに行くスリーに警告するのに、酷くメンバーの事を大事に思っていてやっぱり疑似ファミリーとしてなっているじゃないかとなるんですよね。この辺りは複雑なんだけど飄々としているキャラクターが得意なライアン・レイノルズにかなり乗っかった感じがしました。


 他のメンバーもトゥー役メラニー・ロラン、スリー役マヌエル・ガルシア・ルルフォ、セブン役コーリー・ホーキンズなど旬の役者が揃っています。いやメラニーはもうベテランかな。彼女が主演したタランティーノの『イングロリアス・バスターズ』って2009年の作品ですからね。その後は順調にキャリアを重ねていますけどアクション映画では珍しいかな。もっとも『イングロリアス・バスターズ』はサブマシンガン撃ちまくっていましたけども(笑)

総評

 それぞれに面白い要素があり、フィレンツェの街での大追跡シーンや香港のビル内での大掛かりなアクションシークエンス。そしてクライマックスなどなどマイケル・ベイらしさが随所に滲み出ていて彼の得意の悪趣味ジョーク(死体ネタ)もふんだんにあるというどこを切ってもベイ印な作品ではあるんですが問題は…冗長すぎる。2時間8分の上映時間がまるで3時間に感じられてしまうんですよ。いや実際3時間あったんじゃないかな(それはない)ベイの弱点でもあるんですがアクションシークエンスを見せたいがためにシーンが引っ張られ過ぎになるんですよね。ここは弱点ですね。ただハラハラドキドキシーンは満載なので頭空っぽにして観るにはいい作品だと思います。ベイ作品大好き(バットボーイズとかトランスフォーマーとか)ならおすすめできる1本です。

※ライアン・レイノルズと言えば

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※メラニー・ロランを知った映画はこれでした。

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