緊急事態宣言は解除されましたが世の中まだまだステイホームな気運もある中で「お家時間」が増えている事も踏まえ読書な時代が来てる?かなと思い、またまたtonbori堂が選ぶ本という事で今回もまた趣味が反映されている本ですがともかくお読みいただきたいなと思ったものをご紹介いたします。言うなればtonbori堂の本棚から一掴み。tonbori堂の本棚にある本からアトランダムに選んだ本をご紹介するというものです。これまでもドリパス、Amazonプライムビデオから一掴みしてきましたがこれは自分の本棚からなのでそれこそ元ネタの『サンデーソングブック』の「棚から一掴み」ライクなものになってきました。という事で今回もモアブック、レストーク?(になってないか?😅)でお送りしたいと思います。
蒼い氷壁/ハモンド・イネス/(大門一男訳)ハヤカワ文庫
蒼い氷壁/ハモンド・イネス/(大門一男訳)ハヤカワ文庫 |
ハモンド・イネスの手による冒険小説。今ではまったく話題にも昇らない作家さんだけど英国冒険小説界の巨匠らしい…よう知らんけど(コラッ)希少金属をめぐる人の欲が絡み合ったお話ですが、ノルウェーのフィヨルド、そして雪原、氷河、縦横無尽な舞台転換で読ませる1冊です。が…正直手に入れるのは難しい(紙の本を)ですがkindleならあるのです。若干古さを感じさせるところもありますがおすすめの1冊です。
北壁の死闘/ボブ・ラングレー/(梅津正彦訳)創元ノヴェルズ
北壁の死闘/ボブ・ラングレー/(梅津正彦訳)創元ノヴェルズ |
原題『TRAVERS OF THE GODS』神々のトラバースというのは作中で出てくる非常に難しいルートで水平に横断するのですがそこは主人公にとって因縁の地点であるという設定からです。お話も第2次世界大戦中に原子力専門の物理学者をドイツ側に拉致する作戦に集められたクライマー(登山家)だったドイツ軍兵士たちの物語です。アイガー北壁に追い詰められ因縁の北壁へ挑む主人公たち。最後まで緊張の糸が途切れない素晴らしい山岳冒険小説です。大好きな1冊です。
女王陛下のユリシーズ号/アリステア・マクリーン/(村上博基訳)ハヤカワ文庫
女王陛下のユリシーズ号/アリステア・マクリーン/(村上博基訳)ハヤカワ文庫 |
海洋冒険小説を上げろと言われるとこれか『ロセンデール家の嵐』のどちらかを上げるぐらい海洋冒険小説としても戦争文学としても傑作として取り上げられる1冊です。ソ連に対する救援物資を送るため北極海を進む船団、その護衛にあたるイギリス海軍の巡洋艦ユリシーズ号。2度の護衛任務で疲弊しきったヴァレリー艦長以下乗組員七百数十名、彼らの3度目の任務は激烈かつ過酷なものとなった…。出てくる登場人物が好漢ばかりなんですがその壮絶な運命とともに深く心に刻まれる1冊です。ともかく読んでくださいとしか。
ハートランドからの手紙/佐野元春/角川文庫
ハートランドからの手紙/佐野元春/角川文庫 |
これは復刊ドットコムで復刊したものを買いました。佐野元春がオーディエンスに当てた私信のようなメッセージ。ハートランドからの手紙と題し書簡としてファンの心に残る言葉が届けられました。この言葉達には今を生きるヒントがあるかもしれません。
ラ・ミア・マッキナ/内田盾男/二玄社NAVIブックス
ラ・ミア・マッキナ/内田盾男/二玄社NAVIブックス |
著者の内田盾男氏は高名なカーデザイナーで、まだ日本のカーデザインが海外の模倣から入っていたり欧州のカロッツェリア(デザイン工房)に依頼していた頃に海を渡り高名なデザイナー、ジョヴァンニ・ミケロッティ率いるカロッツェリア・ミケロッティに在籍。副社長まで務めた方です。現在もイタリア在住だったと思いますが…。とにかくイタリア人気質というものとデザインの話、そしてクルマの話がつまった珠玉のエッセイ集です。
叱り叱られ/山口隆(サンボマスター)/幻冬舎
叱り叱られ/山口隆(サンボマスター)/幻冬舎 |
幻冬舎って会社の社長はあまり好きになれないんですがこの本はマイフェイバリットの1冊です。サンボマスターの山口隆が、自身の敬愛するミュージシャンへぶつかっていく対談集。山下達郎、大瀧詠一、岡林信康、ムッシュかまやつ、佐野元春、奥田民生。この面々に怯むことなく、そしてリスペクトしながらも斬り込んでいくこの本にもいろいろと今のこの時代へのヒントがあると思いご紹介しました。とくに大瀧詠一さんとの対談は凄い。愚直にぐいぐい斬り込んでいく山口君に対してするりと躱したりかと思えば深い話をしたり、大瀧さんの大きさが今になっても感じられると思うエピソードが読めます。
ブラッカムの爆撃機/ロバート・ウェストール/(金原端人訳)宮崎駿挿絵/岩波書店
ブラッカムの爆撃機/ロバート・ウェストール/(金原端人訳)宮崎駿挿絵/岩波書店 |
元々は福武書店から発刊された児童文学書でした。第二次世界大戦期のイギリスを舞台にした表題作『ブラッカムの爆撃機』『チャス・マッギルの幽霊』そして『ぼくを作ったもの』の三篇が収められています。中でも『ブラッカムの爆撃機』は児童文学にしては精緻な爆撃機内の描写、そして戦闘描写で一般の小説としても通用するのではないかと思う作品です。いや正直これが児童文学っていうのは些か重い。戦争の酷薄さや命のやり取り、余すところなく描写されておりまるで映画を観ているかのように思わせるタッチに引き込まれてしまいます。『紅の豚』『となりのトトロ』の宮崎駿監督がその内容に惹かれて岩波書店から再刊される際にカラーの絵物語を巻頭と巻末に掲載している事からもそれが分かります。子供向けと舐めてかかるとガツンとやられること請け合いです。『チャス・マッギルの幽霊』はより児童向けではありますがこちらも何とも味わい深いストーリーであり最後の『ぼくを作ったもの』は本当の短編ですが年長者に影響を受けた人なら感じ入るお話です。tonbori堂お気に入りの1冊です。
今回も
7冊ご紹介させていただきました。COVID-19の影響下でステイホームの気運が高まった事により思いついたエントリではありますが、そうでなくてもご紹介した本たちは何かしらのものを心に残してくれるのではないか?と思っています。こういう状況下でのご紹介となりましたがいつかは取り上げたいと思っていた本ばかりなので少しでも興味を持っていただければ幸いです。またこの企画はCOVID-19が終息しても続けていきたいと思います。まだまだ本棚に本が(少ないながらも)ありますので。ではまた次回にて😌
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