『映像研には手を出すな!』第12話(最終回)「芝浜UFO大戦!」|感想とまとめ考察【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

『映像研には手を出すな!』第12話(最終回)「芝浜UFO大戦!」|感想とまとめ考察【ネタバレ注意!】

2020年3月29日日曜日

anime manga SF

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 とうとう最終回が放送されこのまま日曜深夜に放送も無いのに起きていそうなtonbori堂です(苦笑)終わってしまいましたが原作はまだ終わっていないし、COMET-Aでの『芝浜UFO大戦』を経てまだまだ電撃3人娘の創作活動は続く予感を持って終わっています。かの喜劇王チャップリンはあなたの作品で最高の作品はなんですか?と問われると「次の作品だよ」と語ったそうですが、浅草氏の最強の世界もまだまだこれからです。それを予感させる良い最終回でした。では気になるところをいろいろと掘ってみたいと思います。


TVアニメ「映像研には手を出すな!」PV 第3弾|warnerbrosanime|youtube

タイムリミット

 送られてきた劇伴は仮音源とは全く違うものでイメージに合わないものでした。実際に流れたものを見た時に事情を知らなければ、いやこれはこれでいいんじゃないかという視聴者もいたようなんですが、監督自らが浅草氏やツバメが怒ったその意図を解説しているツイートがあります。
ソース|湯浅監督のツイート
https://twitter.com/masaakiyuasa/status/1241562135693418496?s=20
https://twitter.com/masaakiyuasa/status/1241561607714430976?s=20
https://twitter.com/masaakiyuasa/status/1241744528656089090?s=20
https://twitter.com/masaakiyuasa/status/1241744648898580480?s=20

これは分かりにくいと思いますが音楽も演出の一つであるということで、浅草氏とツバメの意図したものではない訳なんですね、だから困惑したわけですが2週間前に届いたときに聴いておきましょうと😅でも全体の流れを管理している金森氏が促す状況ではないの?と少し思ったんですが何にせよ販売するCOMET-Aの開催日にこのままでは間に合わない状況です。そこで浅草氏が執ったのはなんとダンスシーンを切ってラストを変更するというもの。これは所謂プランBなものではなく、そもそも作っている間にラストの和解としてのダンスに違和感を抱いた浅草氏が思っていたものです。


 一旦決まったシナリオ、コンテを破棄し差し替えるってのは非常に重労働であり、制作の遅れが許されない状況でのこの判断はさすがに金森氏もキれる状況です。連載漫画なら出来上がる寸前の画稿にまちがいあって丸々やり直しで下手をすると連載に穴があいちゃうアレです😱でも意図と違う音楽で作品を仕上げるより、監督判断として手持ちの素材と少しの動画シーン追加で作品のテーマである「理解と和解」をより際立たせる(きれいごとでは和解など出来ない)選択をしました。浅草氏の最後の最後まであがくことを選択しました。これは処女作『そのマチェットを強く握れ!』の時の「魂を込めた妥協と諦めの結石」でもあるんですが、少なくとも処女作、そしてロボ研アニメを経て3作目は深化していることが伺えます。

COMET-A

 回数が3桁超えてるんですが年に数回やってるのかな?とか細かいところが気になるのがtonbori堂の悪い癖(笑)しかも会場が某ビッグサイトっぽいし、ますます芝浜の立地が気になる所ですが、まさか最後の最後であーなっているとは(それはまた後程)でちょこんと座ってる浅草氏。金森氏は根っからの商売人だけど浅草氏は作る人だから違和感を禁じ得ないってのは、ああそうなんだとちょっと新鮮な驚きでしたね。tonbori堂も売り子経験はゼロではないので、展示即売会にバザー、そしてフリマなどなどやっておりまして、それなりに作ったものを売る。または売り物を用意して意図通りに売るってのは色々驚きと売れる事の楽しさと後は実際の利益って点で中々良いものですしカスタマーとのコミュニケーションも楽しいものがあります。時たまクレーマーまがいのお客様とかまあ楽しいだけでは済まない事もありますがそこはそれ経験値としてのリスクとしてある程度織り込みというか、でもまあコミュ障害気味な浅草氏が違和感ってのは「売る人」ではないって事だと思うんですが、それなりに社交性も持ち合わせているツバメはこういう場所でもそのスキルを発揮していましたね。


 でもあの紙袋作戦は原作にもあるんですが面白いなと。ようするに覆面じゃないですか。中身バレバレだけど。そこまでしてるのは、つまり売り物を観てくれというアピールってのは上手いなと。いやまあコミケなどの同人誌即売会ではコスプレはコスプレで今は別の表現手段となってるんですが、初期の渾沌とした場では仮装もようするに宣伝手段の一つとしてあった訳でいや今もブースでの売り子のコスはOKなのかな?最近その手の場所にいってないからさっぱり分からんのですが金森氏の意図ってやりますねえと思わせるんですよ。さすが生まれついてのプロデューサー(笑)


 そしてアニメならではの生徒会(ソワンデと道頓堀)、ロボ研メンバーに藤本先生になんと教頭先生まで。こういうのもいいですよね。原作漫画はあくまで電撃3人娘にフォーカスされているので(4巻と5巻では百目鬼氏もだけど)、アニメならではの展開は嬉しいものです。またそうする事により創作物がそれぞれの心に何かを残す可能性を提示している事を示唆できるのですから。


芝浜UFO大戦!

 でCOMET-Aがはねた後は浅草氏のお家で鑑賞会。この流れは3巻の最後なんですよ。で、ここでこの『映像研には手を出すな!』全12話、4話ごとに原作1巻分のストーリーを原作通りにオチをつけるという。落語の三題噺よろしく巻毎にそれぞれのお話を上手く廻しているなというのがよく分かります。1巻の「なんだか知らんが面白くなってきやがった」、2巻の「仲間です」そして3巻の「まだまだ改善の余地ばかりだ」と原作巻末の浅草氏の台詞で締められてるのも原作に対するリスペクトがひしひしと伝わってきます。そして4巻以降の、例えば河童(これは3巻でも薄っすらでてましたけど)など今後の要素も大々的ではないものも含まれています。これは当然皆の力をオラに分けてくれ的な2期へのステップボードであると同時に今後の映像研の行く末とそうなった場合のプラスアルファ(芝浜の町内会などなどの町の人たちを含めた)も楽しみにしてくれよなっていう製作側のサービスなんですよね。ここは是非上手くいって欲しいしこの冬に6巻が出るという事で再来年あたりには2期、期待してもいいのかなと思ったりしています。まさに原作愛に溢れたアニメ化だったのでこの座組で是非とも2期もお願い申し上げます<(_ _)>

『映像研には手を出すな!』第3巻~第5巻/大童澄瞳著/小学館刊
『映像研には手を出すな!』第3巻~第5巻/大童澄瞳著/小学館刊/tonbori堂所有単行本

 また実写化も進んでおり4月からはドラマ、そして5月に映画というスケジュールもあるんですがこちらはまた別のテイストなれど(主演が乃木坂46のメンバーってことですが原作者大童澄瞳氏もそれ込みで楽しんでいるようなので)こちらもチェックしたいところです。そう「乗るしかないこのビッグウェーブに」ってやつですね(笑)当然金森氏じゃないですがヒットしないと次はないんですから、おまえら見に来てくださいってやつです。そしてアニメのBlu-rayも原作も。そうすれば2期は現実味を帯びるわけですよ。ある意味リアル『映像研には手を出すな!』な訳です。さてこの顛末どうなりますか。「面白くなってきやがった」ですね(笑)


ドラマ『映像研には手を出すな!』TVCM【公式】
|TOHO Visual Entertainment チャンネル|youtube

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