『映像研には手を出すな!』第5話「鉄巨人あらわる!」|感想【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

『映像研には手を出すな!』第5話「鉄巨人あらわる!」|感想【ネタバレ注意!】

2020年2月4日火曜日

anime manga SF

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 無事予算審議委員会もクリアして、次はどんなものをつくるのか?というところで原作の2巻相当のストーリーに突入した『映像研には手を出すな!』なんとロボットアニメです。そう、作るのも面倒くさい上に、観る方も面倒くさい人が多いとされる(tonbori堂調べ)ロボットアニメです(笑)物語はロボット研究会(通称ロボ研)よりプロモーションアニメの制作が映像研に舞い込んだところから始まります。

『映像研には手を出すな!』第2巻|大童澄瞳 著|小学館|
『映像研には手を出すな!』第2巻|大童澄瞳 著|小学館|tonbori堂私物



古代芝浜文明

 実はその前に浅草氏、学内探検中に怪しげな所を発見し、そこにロボットを見つけていました。ツバメにその事を伝えると当然彼女もそれを見たいと言い出してロボットの置いてあった部屋に行くともぬけの殻。いやそこにはロボットの足跡やロボットを秘密裏に(あくまでも2人の主観で)作っていたという痕跡が。そうなると妄想がもう止まりません。そこに戻ってきた部屋の主とおぼしき人影。部屋から脱出時に浅草氏の脚に引っかかったコードからコンセントに頭をぶつけたツバメは逃げ遅れ、それをそのままに離脱する浅草氏(酷い😅


 その時に浅草氏が考えた妄想が「古代芝浜文明」。昔の芝浜に今とは違う技術体系を持った民族がいて機械仕掛けのの巨人を作りだしていたというもの。イヌイットの遮光器といい、古代日本人がピラミッドやUFOのようなスーパーテクノロジーを有していたというのは定番といえば定番ですし、掘り出された古代のテクノロジーが暴走というのも定番中のド定番です(笑)ちなみにロボットアニメ『勇者ライディーン』はムー大陸の遺産ロボットです。いやまあこれから考えてもロボットというのは兵器でありシンボルであり、ロマンである訳なんですよね(ホントかよ

リアルか、リアリティか?メカニック論

 ロボ研のモックアップ(しかも素体100年モノ…ってどんな材質なんだろか?と)ターロスのウォーターロケットの直撃を受けてしまった浅草氏、そこでロボットアニメ製作を金森氏から告げられます。そこでいきなり面倒くさい話が飛び出すわけですが、ここの話は結構尾を引いてロボ研の小野は「前面投影面積」といっているのを聞いたと騒ぎ立てます(笑)まあこれは平たく言えば前から光が当たった時出来る影なんですが当然小さい方が影も小さい。これが何故ロボットを否定するのかと言えば(はい、ロボットアニメオタの面倒くさいところです(苦笑))前面投影面積が大きいと敵の的になっちゃうからです。ガンダムからこっちロボットはスーパーロボットとリアルロボットに分かれました。浅草氏は脚の分類をつくっていましたけど、最近の流行りではロボットは大別するとスーパーロボットとリアルロボットに2分されます。これがいわゆる金森Pのいうところの特殊な教養ってやつですね(笑)ロボ研は多分ガンダムシリーズや装甲騎兵ボトムズ。謎の覚醒は認めてないっぽいからガンダムでもSEEDはアウトで宇宙世紀モノはOK、但しニュータイプ能力は認めてない?とか(笑)


 でもロボ研がいうように実際には兵器としてのロボットってほぼ人間が動けるくらいの機動性、運動性がないと画にならないし、そしてせいぜい3mから5mくらいでないと武器として成り立ちにくい、しかも前述の前面投影面積がという話になります(^^;そうロボットは面倒くさいのです(笑)なので古今東西ロボットが存在する理由付けに先達は苦労した訳です。例えば有視界で戦闘しなくてはならないようになった。宇宙空間で作業するのに便利な人型になった。etc。でもそれはあくまでもリアルではなくリアリティを担保するものであり、あくまでもロボットアニメはロボットを動かしてナンボなところはあります。


 でもツバメじゃないけど「ロボットアニメを作っている人が一番信頼しているのは人間でしょ」ってのは確かに当たってて自律型ロボットであるアトムは別にして他は殆ど「人が」操縦するものなんですよね。そこがロボットアニメの面白いところであり矛盾でもあり。でもまあ存在理由も大事だけれどあくまでもロボ研のプロモーションアニメな訳ですから、設定命の浅草氏より、動きのダイナミクスでのツバメの方が今回は生きてくると思うんですよね。それにロボVS巨大生物って理屈抜きで燃えるところはあります(笑)そこでアニメ制作のためのロケハンと相成る訳です。(ちなみにそのシーンは浅草氏がウォーターロケットを喰らった直ぐ後にになります)

リアリズムとロケハン

 経験したものではないとリアルなものは生まれない。見て感じて経験する。当然空想のモノだけどロケーションハンティングをして現物をフィルムに落とし込む作業がアニメーションの動きや背景にリアリティを与えるのです。実際にはそこまでやってるアニメはどれだけあるかという話になってきますけど、日常系など日常の背景を使用する場合には最近そういう作品増えてきているのも事実でモデルとなったロケハン地が「聖地巡礼」という事でファンが詣でることも多くなりました。実際に行ったところ、知ってるところならば動かすにしても位置関係が掴みやすいつまり「地の利を得たり」っていうことです。そういったディテールの積み重ねが動きに説得力を産む訳です。


 ロケハン中にツバメがカメラをPANさせてフレーム内妄想をしていたのを金森Pが遊んでいるようにしか思えませんがと言いましたけどそれに対する浅草氏の楽しいものを作るんなら白紙を睨むより外に出た方がいいと語ります。そう言えばどこぞの髭叔父さんも(小金井あたりに仕事場を持つあのお方。)瀬戸内海で小さなお家を借りて金魚姫の話を構想したとかなんとか。ロケハンも前回振り回してたマチェットもリアルな動きが分からないと、そこから考えらえるアクションのディフォルメなどはやはり出来ないという事だと思うのです。もっとも爆炎と煙は前回先達のバンク映像を見て色々と研究していましたけども。

プロデューサー金森氏

 打ち合わせに向かった映像研に対し、最初の顔合わせで不信感を抱いたロボ研小野君は映像研をコントロールしようとしますがそれを金森氏に見られていきなり主導権を奪われます。とは言えこの作品クライアント側はロボ研なのにとも思わないでもありません(^^;ただ制作進行上、余計な心配は減らしておきたい(リスクヘッジ)金森Pとしてはクライアントに対し主導権をとるというのは円滑な進行のため必須であったという事でしょう。とは言えロボットにロマンを感じて漢泣きな小野君に対して、宇宙の果てを見たい浅草氏と寝る前には波動拳を出す練習をしてるツバメも泣きだして、突然の和解となります。ここで物事を論理的にかつ明快に進める金森氏は「問題が感情で解決する人間が一番嫌いだ」はけだし名言ですよね(笑)とは言えこれ現実でもよくありそうなんだよなあ(苦笑)あ、あと最初の方に言ってたアニメの制作で浅草氏へ「金を貰って責任を持つのと、金を貰わず責任も取らないのどっちが健全か言ってみろ」の件はちょうどこの第5話が放送される前に話題になった『らあめん才遊記』のラーメンハゲこと芹沢の(ドラマ化にあたって女性に設定変更になったんですが)台詞にも同じようなものがあってそれを思い出しました。ちなみにツバメは貰わないで好き勝手にアニメ描けるの最高じゃないという身も蓋もないこと言ってましたけどね😅

 とは言えそこからロボ研を加えてのデザインのたたき台からのミーティングでロボットの大枠は固まってきました。もっともガッテン1号(ガテン系ロボ)になってしまいましたけど、チェーンソーにパイルバンカー、カッターなど割と複雑な機構をもっているロボ…作画は大丈夫なんだろうかと心配になります。金森氏の心配はまだまだ続きそうですね(笑)

次回は?

 原作2巻相当で話が進むとなれば今度は実作業と制作メイン回になると思うんですが、今回ソワンデのシーンがオミットされてたんで次回で掬ってくるかもしれないなとか思っています。今回のエピソードはロボ研エピソードを前後に持ってきてアバンの後にロケハンエピソードを挟み込んで(これは原作と同じ)る構成でしたので。次もイメージがまたまた滾るしツバメと浅草氏のスイッチに関してなので非常に重要なのですよね。そこまでいくかは分からんけどともかく楽しみです。

©2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会

※原作漫画/Amazon

『映像研には手を出すな!』OPテーマ/Easy Breezy|chelmico

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