『映像研には手を出すな!』第8話「大芝浜祭!」|感想【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

『映像研には手を出すな!』第8話「大芝浜祭!」|感想【ネタバレ注意!】

2020年2月24日月曜日

anime manga SF

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 いや、いい最終回でした(ヲイヲイ)でも達成感のある結末ではありました。ロボットアニメ自体は浅草氏の言う通りやり残したことが8割なんでしょうが、クリエイターは何時も時間との戦い。永遠に完成しないものが許されているのはサグラダファミリア教会だけ(いや基礎設計の完成に向けて今も作り続けられていますけども)ともかく文化祭には間に合った格好です。でも文化祭でまたひと悶着が(笑)今回はその辺りの事を書いてみようかと思います。


最終行程

 百目鬼氏とともに前日まで音入れ作業。次回は無いもののこだわれるところはこだわる浅草氏。それに対応する百目鬼氏。音入れってアニメでは重要でアフレコが間に合わないので現場で直アテレコとか文化祭っぽいですけど、この時点で出来る事はやっておきたい浅草氏のこだわりはツバメの「動き」「動作」に対するものと同質ながら「演出」という観点のもの。動画となって「世界」を表現する事を上手く現してたと思います。このくだりはこのエピソードの元になった2巻にはなく、3巻にこういう表現ではないし浅草氏はまだ「演出」として気が付いていませんがあります。そういう部分を上手く掬い上げて換骨奪胎して埋め込んでいっているなと。

ツバメの決意と矜持、と「仲間」たち

 第8話は前回のツバメのお拘りが描かれた訳ですが、今回のエピソードはそれに対応しており、水崎両親がツバメが何やらしている事に気が付くわけです。アニメが禁止されているツバメの両親は俳優をしており、16年ぶりの夫婦共演が飛んでしまって文化祭に行く流れになるんですが、やっぱり人の親で「役者になって欲しい」っていう夢をのっけっちゃうんですかね。それでもツバメの決意を見たらそれを認めて上げる度量といい大物すぎるに物分かりが良すぎますよ(笑)しかも観察眼がツバメの才能であるというのは多分この両親ありきなんだろうなと良く分かるし納得できるシークエンスになってましたね。この後原作の該当シーンを読むと表現が違うんですが余白のある漫画とアニメの違いがあっていや腑に落ちとはこの事だなと。いやアニメにも余白はあるんですが漫画とアニメのそれは違うので。


 その後水崎両親が電撃3人娘の前に現れて「ツバメのお友達?」と訪ねると、浅草氏が「いえ仲間です」というシーン。前回の風呂屋の受け付けでの金森氏の「あら?お友達?」って尋ねるおばちゃんに「いいえ」というシーン。いや実際金森氏の友達?のいいえと浅草氏のいやは違うんですが「仲間」ってのはいいですね。チェックシックスを任せられるというか。まあ金森氏は漫画「エリア88」の台詞のように信用はしてないが信頼していると言いそうですけれど(意味はだいたい同じ)温度差はあっても「創り出す」という目標が明確な結びつきなんだなと。あ、当然、そこにはいなかったけど百目鬼氏も入りますよ。

ロボ研と小野君

 客引き、宣伝のためにカリスマ読モである水崎ツバメの知名度と体育館をギンギンに冷やして(そこで空調部っていう部活が出てくるのがいわゆる大学園都市モノっぽい感じで面白いですよね。校安とか警備部、そして学内のみでの輸送、流通をしている自動車部があるなら自主性を持ってという事で学内の空調設備を管理する空調部という架空の部があっても面白い、当然いや設備管理は学校側でしょって話になるかもしれないけれど、設定と絵があれば面白くなる方を取るのはいい事だと思うんですよ。実際生徒会関係とか力を持ってるわけだし、より書記のソワンデを含めての力加減とかが面白くなるので。)宣伝活動に勤しむ訳ですが小野君が金森氏から却下されたロボアニメOPソングを歌いながら学内を逃走する辺りはそういう学園モノアニメへのオマージュを感じましたね。特に「うる星やつら」のメガネにシンパシーを感じます(笑)暴走するところとか(笑)生アテレコでも暴走してましたけど、絵の圧があったんで(演出上も)だけど、メガネポジションだなあと思いました。

第3巻-第4巻

『映像研には手を出すな!』第3巻~第5巻|大童澄瞳 著/小学館刊
『映像研には手を出すな!』第3巻~第5巻|大童澄瞳 著/小学館刊|tonbori堂私物

 そうそう3巻から最新5巻まで買いました。そうロボ研アニメ編は百目鬼氏登場の3巻のエピソードを上手く掬い上げてて、どうやら今回は1クール12話(Blu-rayBOXが全12話収録との事/リンク先はAmazon)のようなんですが、つまりあと4話で何を描くか?第3巻で描かれた自主制作展示即売会COMET-A参加の「雑居UFO大戦争」か、それとも第4巻の大きなエピソード「たぬきのエルドラド」なのか。今もなお連載中ではありますが「出し惜しみはなしだ」なのならここは「たぬきのエルドラド」やって欲しいところです。あとはチビ森氏エピソードは外せないと思うのですが…調子に乗ってでたところの5巻までざっくり買いましたけど、当然1クール12話では収まりきらないヴォリュームなのでステップアップして音付けまでこだわったロボットアニメの次は「たぬきのエルドラド」で一応の「第一部」完でいいのではと。彼女たちのこだわりが最大限描かれる事になるエピソードなので。いや特に浅草氏のだな。最強の世界を描く事に邁進してきた浅草氏の描きたい事は、時間だったり期日だったりで今まで完遂はされていない訳です。「そのマチェットを強く握れ」にしても時間がないのでネタ帳から引っ張り出してだしロボットアニメはロボ研依頼です。だからこそ浅草氏オリジナルの「たぬきのエルドラド」こそが彼女の「最強の世界」を現出させるものになるはずなので是非このエピソードで締めて欲しいなと思うのですが…当然ここは「アニメスタッフ」のオリジナルで勝負して頂いても面白いかもしれません。原作の世界観を保持しつつそれを持ち出せるか否か?さてどうなりますか。

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