『映像研には手を出すな!』第1話「最強の世界」|感想【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

『映像研には手を出すな!』第1話「最強の世界」|感想【ネタバレ注意!】

2020年1月6日月曜日

anime manga

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 これは面白くなりそうな予感がするので(原作はまだ未完という事も含めて)毎週月曜夜か火曜の夜までには感想をアップしようかと思っています。実はまだ原作漫画読んでおりませんがこのアニメが漫画原作という事も興味を引きました。『進撃の巨人』とか『ヴィンランド・サガ』は原作漫画の単行本こそ購入していませんでしたけど、掲載誌で読んでおりそのクオリティをアニメに写し込む努力ってのは凄いものだなと感じてたんですがいまいち自分のフックに引っかかってこなくて。しかしこの『映像研には手を出すな!』のアニメ第1話は去年末に出てきた第3弾PVを観てからフックにかかりまくりでこれは見逃せないなとなって第1話を観たのでした。


TVアニメ「映像研には手を出すな!」PV 第3弾|youtubeより|
??2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会|warnerbrosanime

電撃3人娘

 主人公はトリオ、空想世界で探検する事がなにより大好き、設定命の浅草みどり。お金にはがめつく、頭の回転は早いプロデューサー気質の金森さやか。財閥出身で親が俳優でしかもカリスマ読者モデルで校内一の人気者。しかしてアニメーター志望の水崎ツバメ。この3人が入学した芝浜高校で出会い、ひょんなことからアニメを作る事になるのが第1話の導入部でした。

原作漫画『映像研には手を出すな!』第1巻|大童澄瞳 著|小学館
原作漫画『映像研には手を出すな!』第1巻|大童澄瞳 著|小学館|tonbori堂私物

 アバンタイトルは浅草みどりの幼少期からはじまります。今の日本のようでちょっと違う近未来?住んでいる団地が既に階層都市のようになっており水路に電車が立体交差しているまるで秘密基地かのような雰囲気。そこを探検するワクワク感ってのは皆が一度は感じたことがあるはず。秘密基地というのは何故か子どもの心を捉えて離しません。それは探検も同様です。細い路地の裏、どぶ川の岸。そういった渾然一体となったものをイメージとして膨らませていた少女が一つの動画を観て一気にそれに突き進む…といっても成長した彼女は人見知りで好きな事には能弁だけども、自信が無いチキン体質。これは物を作りだしたい人ならちょっとは覚えのある心情ですよね、いいOPを挟んで導入部でした。


 ちなみに浅草みどりが観ていた動画は『残され島のコナン』これはかつてNHKで放送された宮崎駿監督のTVアニメ『未来少年コナン』です。タイトルこそは変更されていますがそのあとアニメ研究会の上映会にいった浅草と金森が観たのもこの『残され島のコナン』でフライングマシンのシーン、バラクーダ号、そしてギガント発進シーンと翼を駆け回るコナンのシーンが使用されました。思いっきり熱く金森にフライングマシンの浮揚シーンやコナンのキャラ描写、ギガントでのアクションを解説してて金森にウザがられていましたね(笑)これはオタクの宿痾みたいなものではあるんですが解説を求めた以上にするのは本当にダメですよね(笑)しかしこの金森氏もなかなかのくせ者。一見して変わり者と分かる浅草氏とつるんでいるのに、アニメ研の上映会に一緒にという浅草氏に対して連れション文化圏でしたっけと聞くあたり突き放しているのかと思えば結局音曲浴場の牛乳4本で手を打つあたり、何かと浅草氏のスイッチが入ると発揮される異能をなんとか生産的な事につなげられないかと目論んでいる。まさにプロデューサー体質。それに本当に嫌いなら一緒にはいないでしょう。その辺りは好き嫌いがはっきりしている。自分が持っているもの、持っていないものをはっきり自覚しているのが金森さやかという人です。水崎ツバメは天真爛漫お嬢様ですよね。わりかし今のところはステレオタイプな部分しか見えていませんが、はっちゃけている部分とアニメに対する情熱はかなりのもので、今後どれくらいの彼女の本性が見えてくるのか?そこが楽しみです。

最強の世界

 浅草みどりの夢は自分の考えた最強の世界を描く事。だから膨大な設定画とイメージボードを書き溜めていました。ひょんなことと金森氏の企みで水崎ツバメと出会った事からその夢が動き出す事になるんですが第1話はまずはそのパイロット編。3人の出会いと、チーム結成までが描かれました。ツバメの描いたメカに周りの設定を書きこんでいき、それがどんどんとアップデートされていき、何時しかそれはイメージボードの空想世界へと入り込んでいきます。たまたまその前に番宣CMを観ていたんですが監督はそれを水彩タッチで表現することにしたそうです。アニメの設定画集でよく見るイメージボードも水彩画で描かれている事が多いですが、そのタッチを持ち込んだことで空想と現実がいい具合に移行していく様が面白かったですね。背景も歪で、これはみどりとツバメの空想なんだよと。そこに金森氏もちゃっかりいるのが面白いんですが、これはプロデューサーは作品の事を理解していなければ作品を作る事が覚束ない。そういう事なんだと思います。まあハリウッドのプロデューサーには金だけを集める人もいますが。

スタッフ

 実はこの作品の監督、湯浅政明の作品はtonbori堂、ほとんど観てないのです(コラッ)っていうか本当にここ10年、気になった少数の作品をぽろぽろ観るぐらいで名前だけは存じ上げていた状態でした(^^;いやこれは他の作品もNHKで放送してたのちゃんと観とけばよかったなと(^^;風邪ひきでそれどころじゃなかったんですがせめて録画とかね(^^;でも1話の演出は良かったですね。原作漫画を読みたくなりました。原作漫画モノのまず発起点として第1巻は読みたくなるかどうかは非常に重要です。そこは完全にクリアされていると思います。ってことで体調万全になったら本屋さんに行きたいと思います(紙の本派なので)

彼女たちの最強の世界構築はまだ始まったばかり。どんな試練が訪れるのか?どんな世界が紡がれるのか?次回も期待大です。

※原作漫画/Amazon


※『映像研には手を出すな!』OPテーマ/Easy Breezy|chelmico

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