ファイブスター物語/FSS第15巻が発売となりました(2019年12月10日)いや実際には首都圏で12月6日辺りから書店に並んでいるという情報もありtonbori堂も7日の土曜日に書店にて購入していましたが、とりあえず感想を解禁するのは10日以後と思っておりましたのでこのタイミングでとなりました。またこの発売に併せ東京と大阪では『花の詩女 ゴティックメード』が再上映されるというイベントがドリパス主催で行われています。そう思うと、本当にこの映画はリブート後の連載再開に大きな関りを持っているなと改めて感じます。それは現在連載中の『ショウメ争奪戦』もなのですが、ともかく15巻の気になるところいってみましょうか。
ファイブスター物語/F.S.S第15巻/永野護著/KADOKAWA刊(リンクはAmazon) |
連載時との変更点
といってもまだ全部連載時の掲載と付き合わせてチェックしていないので、初見であっと思ったところだけを書き出したいと思います。まず大きく気が付く点はパルスエットの章のプロローグが順番通りに最初になっているということですね。ちなみに追加されたシーンもあります。コーネラのルーパート帝が出発前のヒュードラー博士たちに言葉をかけるシーンはなかったはずです。このシーンがあるだけで前後のつながりがより想像できました。また単行本であるからこそ、この繋がりは効いてきます。
じゃあ連載時にもそうすれば良かったじゃんねーという方もいらっしゃるかもしれないけれど、連載の時はカリギュラの中でもビリジアン博士とマウザー教授がコーネラのヒュードラー博士に協力しているという事を読者が思い出すように、ショウメ争奪戦の前哨戦である、単行本後半のエピソード、「スプラウトソング~漆黒の誘い」に持ってきたのではないかと思われます。パルスエットの章でバッハトマにいたマウザー教授が何故という種明かしになるし、コーネラとの事は以前にもカリギュラとの契約シーンがありましたのでこれでよりすんなり本編に入れるためにあの形になったんでしょう。ですが単行本は続けて読めるので本来のプロローグの位置に戻したと思っています。そこが作者のクリス(永野護)が連載はLIVE、そして単行本がアルバムという所以だと思っています。LIVEとアルバムではアレンジや曲順が違うというやつですね。これは他にもありますがまだ読み込みが浅いのでまたの機会に。
ゴティックメード
『スプラウトソング~漆黒の誘い』は連載の時に星団3大GTMのうちの1騎とこれまた後の世にまで名を残す名騎ダッカスとの一騎打ちをスプラウトソングという連作エピソードのしかもプロローグに持ってくるという豪快さ(これはMH時代のバングvsバッシュが予告されており、バーシャのエピソードで語られた過去話の事かと思っていたけどまさかここに来ての回収という。)盛り上がるところを入れてきたのは本当に驚きでした。それに3大GTM揃い踏みですからね(マウザーの持ち込んだホルダ、スバース隊のバーガ・ハリ、そしてクバルカンのダルマス、ルッセンフリード)とんでもないエピソードでした。そしてヴァ・イ・オラことクルマルスからのホウザイロが登場というのも見逃せないエピソードでした。その時の感動がまざまざと蘇ってくる単行本はまた格別なものがありますね。おまけにホウザイロ・グロウダインのキャラシートや破烈の人形のキャラシートも掲載されるのも、色が脳内再生されるのはやはり『花の詩女 ゴティックメード』のおかげなんですよね。
そしてこのエピソードでは、戦場を監視していた者たちがいましたがその中の一人、エイブロゥ男爵ことビット・マエッセン。あらためて単行本で読み返すと、彼は本当に複雑な経歴の持ち主ですよね。『DESIGNS5リッターピクト』でマエッセンはA.K.D所縁の人間かと思っていたら実はクバルカンのサヤステ家の血も入っている。アトロポスの章が終わってから、リブートに載ってたクリス(永野護)の言による血の物語がここにもという感じを強く感じます。でも同僚であったケーニヒの駆っていたホウザイロ・グロウダインがダッカスと戦うシーンを見てその心に去来したものは何だったのか…。そして今回のスリーブノートによればパイパーの戦死後、解散状態にあったハイドパイパー傭兵団を受け入れたのがバキン・ラカンであったことも明らかになりますますマエッセンの胸中はどうだったのか…気になりましたね。
そしてデモール。このGTMがその後のGTMをニューのブランデン型とともに大侵攻後のジョーカー星団を引っ張っていく事になるのも決定しているとは言え今の時点ではまだ未完成なGTMということで。ただヘッドライナーであるレーベンハイトの腕前とロンドヘアラインの力により破烈の人形のD.B.Bを受け流して腕部破損だけで済ませた事から今後もマークされそうです。って既に東の君がチェックしていましたよね。確かそういう事を以前に(ヨーンがデコースに腕飛ばされた時にそういう台詞が。ヨーン、ジャコー、レーベンハイトはほぼ同じ強さと思ってもいいと思います。)
あと気になったのはGTMとファティマとのやり取りはMH時にもパルテノとヤクトで交わされたようなやりとりがあるのは知られていますが(実際にあそこまで細かくは端折られていますがレスターとパルスエットがカイエン追跡の時にもMHプルートが怖がっているという台詞がありました)デモールに搭載されたエトラムルに騎士との意志疎通をスムーズにする感情コンバータを取り付けたまでは良かったけれど、肝心のGTMの感情がだだ漏れになった事は今後何かしらの影響があると思うんですが…その話は今のショウメ争奪戦が終わってからだと思います。
スリーブノート
キャラシートに書かれたテキスト、DESIGNSなどと比べると短めだったり(同等の分量なものもあるんですが)するんですが何時もさらっと重要情報が。というかレーベンハイト、アルルと異父姉弟ってのが…っておーい(^^;いやアルルと桜子、姉妹なんだけど受精卵は違いますっぽい事はなんとなく書いてあったりで、(あと年齢合わないぞ問題)実はフンフトが代理母であるみたいな事も。コーラスの系図はまた一度検討してみたいですが何時も重要情報をさらっと書いてくる。実際本編読んでてもそこまで完全には読み取れなくて、アルルと桜子はフンフトから産まれました。ハリコン=カモン・ピアノ・メロディが父親ですとしか。まあ普通の産まれ方(桜子とアルルは決して双子ではない)からそれ相応の事情があるのは分かりますけれど。
その上ララファ・ジュノ―ンはセブンソードではないという話も???って感じに。いや正確には数えられない事がある、そしてそれは特殊な使命を持つ事と少女であることが関係しているとあってはもう何が何だか。ただ彼女はプロミネンスや他のセブンソードとは違う形で今のジョーカー星団に留め置かれた守護者なのかも。それはある意味呪いのようなものでもあるのかもしれませんが炎の女皇帝ナ・イ・ンの考えなのかも気になっています。連載で懐園剣の姿が現れてもまだまだ謎が多い超帝国、モンソロンなどモナーク・セイクレッドは現在のストーリーにもつながって来そうですが…。
またボルテッツ、フ・リエ、ル・ゾラも…今は枢軸バッハトマですが…やっぱり彼女たちは…これけっこうこの先のネタバレになってる気がしますけどねぇ(笑)でもそれはまだ先の話ですね。何せお話はまだそこまでいってませんから。となればやっぱり詩女とボスやん(ボスヤスフォート)はなんらかのつながりがあるのこれで確信が持てました。ボルテッツの2人が今バッハトマ側なのは何故なのかは今後の展開で明らかになると思いますがそれ相応の理由があるという事でしょう。
そして最後にコーネラの騎士のGTMスーツ(ファティマ搭載型)。これ連載休載前とデザインは変わっていませんよね。そして思い出すのがA.K.Dゴーズ(ゴッズ)騎士団、星団暦4100のあの時の彼らを思い出すのですよ。コーネラの系譜がジョージョ博士とともに流れているのかなあと…それが本編でまた描かれるのかは分かりませんが…。
二羽の小鳥たち
15巻まだまだ読み込める余地が多く、以前に連載時に書いていた感想にも影響与えたり、もしかすると別の事を思うかもしれないのですが今回かここまでとしたいと思います。ただコーラスとフィルモアの確執が実はカモン=ハリコンがフンフトとのスキャンダルでという事の裏にとか(ヨミ・ルーカとナカカラの事も含めて)根が深いことも匂わせているし、ラルゴとサードのあれは最初は偶然にしても、その後の動きは過去の因縁があったとなれば…。また違った景色がでてくるかもしれません。
ヨーンとジーク。2羽の小鳥たちとはリリとショーカム、茄里とクリスティン、アルルと桜子とありましたが、大きな括りで言えばヨーンとジークでもあるんですよね。そしてこれは意図的に差し込まれているんでしょうけどスプラウトソングで黒騎士と破烈の人形が対峙するのもそうだし、直接の絡みが無いけれどマウザーとツバンツヒもそうだと言えるかもしれません。いやあの2人は小鳥じゃないけど、構成上そういう対比をベースにいれてきてるんじゃないかなとそう思った15巻でした。またNT2020.1月号の連載と12月10日に鑑賞する『花の詩女 ゴティックメード』を観た後にじっくり読みたいと思います。
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