「神双剣・ミストブレーカー『懐園剣』」|『ファイブスター物語/FSS』考察【ネタバレ注意】-Web-tonbori堂アネックス

「神双剣・ミストブレーカー『懐園剣』」|『ファイブスター物語/FSS』考察【ネタバレ注意】

2019年10月15日火曜日

FSS manga

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 今月号(月刊ニュータイプ2019年11月号)連載回にマドラの元へ届いた武器。アルルが剣聖ハリコンより受け継いだという「懐園剣」別名ミスト・ブレーカー、かつて超帝国剣聖スキーンズが手にしていた長剣「雄剣」はナッカンドラ・スバースの手を経てアルセニック・バランスから剣聖ハリコンへ。また短剣「雌剣」は剣聖ハイアラキから剣聖カイエンへと。その時点ではまだその剣の真の力は分かっていませんでしたが今回、雄剣の真の姿が解放されたことにより新たな謎も発生しました。ということで今回分かった事とこれまでに分かっている事を備忘録的に整理しておきたいと思います。

【このエントリはファイブスター物語/FSSの連載中の内容に触れており『ネタバレ注意!』です】

F.S.S.DESIGNS 1 EASTER A.K.D. (リンクはAmazon)and more|KADOKAWA刊|永野護著©EDIT

神双剣・ミストブレーカー

 懐園剣は2振りあり、長剣を雄剣。短剣を雌剣と呼称します。天照の娘、カレンがタイカ宇宙で産み出した剣でありタイカよりジョーカー宇宙へ出現したともカレンが送り出したとも言われています。この辺りはDESIGNS1、リブート7巻(連載時の扉)が詳しいのですが、基本設定としてカレンという神様が作った武器なので超強い(笑)、いやDESIGNS1では神論的(そう書いてあったんですよ。P.169です)には星一つを真っ二つに出来ると記されています。


 雄剣が最初に出てきたのはキャラシートで剣聖ハリコンがもってる、やたらと長い剣だったか…それともスキーンズがもっている剣だったか…。強烈に覚えているのはアルルの初登場シーン(エンゲージ、当時はエンゲイジ)の時のイメージです。その後キャラシートでは懐園剣とのショットが多いのでアルル=懐園剣みたいな。雌剣ははっきりしないんですがスバースよりハイアラキが継いだとある事からハイアラキとソープ´(ダッシュ)の勝負の時のスパッドが雌剣であったかもしれません。デザイン全然違いますが房がついてたのでそうじゃないかなと思うけど…これはクリス(永野護)へ質問をニュータイプ編集部着付けで送るしかないかも😅


 その後ハイアラキから継承したカイエンが所持しており彼が使ったのをまともにみたのはベイジで飛んできたモーターヘッドの実斧を真っ二つにした時くらい?でしょうか。ああ、それと忘れちゃいけない『ツラック隊』エピソードに挿入されたバランシェ邸でのリンスvsカイエンの時。この時はマキシマム・バスター・タイフォーン打ってましたね。この時はガット・ブロウヴィーニッヒになっていました。この時は見た目フルサイズのガットブロウでしたが、それだとベイジの時にミースに渡しても持って行けないと思ったんですが…まあアウクソーなら持って行けるか(ファティマは常人より力持ちです)ですがリッターピクトにヴィーニッヒと記載されていたのでミースに渡されたという設定はそのままなので基本的にはガットブロウ・ヴィーニッヒであろうと思われます。(ヴィーニッヒは伸縮するので)


 あと地味に重要なのは2005年発刊のDESIGNS1ではこの剣は天照家に「伝わる」神剣ということですよね。でリブート7巻では’03年から’04年に連載されたエピソード群でその時の扉という事はナッカンドラ・スバースよりミコト様に渡されたという事になってましたが、それ以外でもいろいろ設定付加されてるかも?という。そしてスバースからハリコンへではなく天照家を挟んでいるとしたら一体どうして彼に伝わったのか?その当たりのエピソードも…まあそりゃ懐園剣が意志あるし…なあで終わっちゃいそうなんですが妄想が滾ります(笑)

追記20191016

スバース→アルセニック→ハリコンという流れでした。忘れていましたがリチウムの4ファッティスのその後のケミカルメンテナンスはアルセニックがしていたとなればタイフォンの流れですね。

雄剣

 今回(2019年11月号)の『ショウメ争奪戦』エピソードで覚醒したマドラの元にやってきた懐園剣。鞘から抜けその本体を現したのですが、まるごとジョーカーの太陽系一つを収縮してその質量をもって対象を斬る、質量兵器という事が明かされました。ここで使用されたのが第一太陽系イースターって事はノウズだったり、ウエスタを使ったりもあるんでしょうか?そして質量兵器でありながら高次元の存在であるために(ほら、なんせ神様がつくったもんだから)物質世界の影響を受けず質量も重量もない「ゼロ」の状態。なので振る事が出来る。やっぱムジョルニアじゃねーか、いやどっちかというとストームブレーカーか?(ヲイヲイ)でも星系一つをまるごと収縮させて使うという大盤振る舞い兵器ってのは他に例がない(剣が太陽系軌道を超えるとか実際にデカいとか、実際に超重いってのはあると思うんですけど。)と思います。


 そしてマドラが剣に向かって『式神オフェロス』というのはカレンの使い魔とでもいうべきものとしての名称なのかってのも気になりますね。早い段階で自ら意志を持ち時空を超越して出現し、力を貸しているという事なので今更、個体名があったとしても驚きはないんだけれどDESIGNS2にはこうあります。カラミティ崩壊後ジョーカー宇宙から離れたラキシスが最強兵器「ビュランコート」をカレンに託し懐園剣として送り込んだと…となればビュランコートじゃないのと?

懐園剣の仮説

  1. こちらの雄剣はオフェロスであり、雌剣がビュランコートであるというもの。
  2. ビュランコートがクフィル・インペリュン、マンティコアのような高次元の機械化生命体で、サイズは伸縮自在という記述は先の2体を指していると思われるが、ビュランコートもまたそうであれば、さらに推し進めて本体を2つに分割して、雄剣はいわばα号としてオフェロス、雌剣はβ号としてまた何か名称があるのでは?というもの。

という事が考えられます。あくまで仮説ですが。

 現在のガットブロウ設定になった時、リッターピクトではまだ以前の形態でしたが、『2羽の小鳥』エピソードの時にハリコン=ピアノ・メロディが登場した時、ユリケンヌがもっていた雄剣はツヴァイハンダーのような形態になっていました。ちなみにガットブロウとしてはラングンとして分類されるようになりましたが、スパイド(実剣)設定の時は反りのある太刀であり拵えも西洋剣ではなく日本刀のように鍔もある形態でリッターピクトでもそれに準じていたのでその時の形態での発現も見たかったですね。あの形態からのマキシマム・バスター・タイフォーン、下手をするとそれこそ見開き1ページとってたかも。

雌剣

 今はこの世界のありように合わせてガットブロウになっている雌剣。これもまたサタンを撃破(タンツミンレ)とされています。リブート7巻P.327によれば「AD世紀5,000年代頃、所有者緋紫の皇帝アーハト。星団暦より雌剣のみがスタント遊星に出現し魔王タンツミンレを撃破」その後もララファが所有者となったり。星団暦ではハイアラキ、カイエンと渡りマドラが所持する事も。(雄剣とともに)で星団暦3200年にクーンが所持する事になるというのですがどういう経緯かは不明。そして4100年頃にディジナの手にというのが気になります。実はリブート7巻の年表には星団暦4062年にコーラス6がソープという少女より剣の手ほどきを受け懐園剣を託されるとありますが、それいつの間にかなくなってて14巻の年表ではその辺り変更されてて星団暦4076年に「不思議な少女」そして懐園剣の件は表記なしになりました。つまりどうなるかは不明という事です。またこの剣も質量兵器(遊星兵器プラネタリーウェポン)であるかどうかは、そうなんだろうけど、いやそもそもガットブロウ状態なら鞘無いんだし、スパッド時代も光剣として使ってたし…やっぱり此奴がビュランコート…いやまだ分からんですよね…。

スパイド、スパッド→ガット・ブロウ

 おまけとして記しておくと旧設定のスパイドは実剣でスパッドは光剣です。スパッドはビーム・サーベル、ライト・セーバーのような武器で光線銃のように発射でもできるし麻痺(スタン)など強さのレベルを調節できます。対するガット・ブロウはモーターヘッドがゴティックメードに変更になった時に変更された騎士の武器です。その刀身には刃がありません。騎士の力で振るだけで対象物を破壊できるからだと説明されています。だから殆どの騎士がむき身で帯刀しており一目で騎士だと分かるのですが、それ以外にも一般人は扱えない理由があります。標準的なモデルでも5㎏から7㎏の重さが。アメリカ軍のM16アサルトライフルが3.5㎏。それよりも重く取り回しに不便となれば一般の兵士が扱える武器ではないという事が分かります。常人をはるかに超える力を持つ騎士ならではの武器です。ただし刀身と同じくヘリオス超鋼でつくられた物体(艦船、戦車、ディグ、ゴティックメード)では筋力で振り降ろす運動エネルギーだけでは切断できないため刀身に電磁波を発生させて粉砕切断するとされています。『花の詩女 ゴティックメード』でもトリハロンがガット・ブロウを素振りしていた時に岩を破壊する時に戯れに電磁波で一刀両断していました。


 ヴィーニッヒは標準的なガット・ブロウより軽く作られているとあります。こちらは重量2㎏から3㎏、一般人でも持ち歩く事は可能ですが基本的にガーランド、スライダーが身分を証明するために与えられたりする以外は騎士が戦闘時やGTM騎乗時に用いる事が多いとか。ただし騎士用では刀身が伸縮するとあり、その場合はやはり重量が通常ガットブロウなみになるとあります。基本的なスパッド設定はこちらに引き継がれているかと思われます。戦闘配置や通常でも騎士がヴィーニッヒを使うのは通常のガット・ブロウでは長くジャマになるから戦場では伸縮し携帯しやすいヴィーニッヒを使うというまさに現代のアサルトライフル事情に近い話です。(フルサイズのM16からカービン(騎兵用の短銃身モデル)のM4に移行したように)その反対にラングンと呼ばれる長剣もあり、有名なところでは、これも『花の詩女 ゴティックメード』に登場したハイランダー、サヤステ卿が所持していました。現在はその子孫、イゾルデが所持していますが、今の雄剣のイメージ(鞘あり状態)としてはこちらに近いものになっています。重量は当然10キロを越え普通の騎士では扱いにくい代物。だからこそ強さの証明にもなる業物です。ちなみに作りが日本刀と同じで打った人物により銘入りがあるとか。フィルモアのヒトーサイやイズモの錫華御前の打った業物は高価な品として取引されているとか。スパイド設定は無くなりましたが刀剣としての設定は未だこうやって引き継がれています。ミューズのスパイド、沃懸もガット・ブロウ沃懸として残っています。

懐園剣の最終所持者

 懐園剣本来の持ち主はマキシです。カイエンとミースの子でありミースの最初の作品にしてバランシェの遺作。そして超帝国騎士としてスキーンズの孫。後にファーンドゥームの星王となりタイカ宇宙でシルヴィスとともに世界を平定する事になる剣聖。ジョーカー宇宙ではスタント遊星攻防戦で死亡という事でタイカ宇宙に行くマキシとともに懐園剣もタイカに向かう訳ですがそれは雄剣であり(雌剣の行方は不明になるということがDESIGNS1にあります。)なのでラキシスが自らの代わりとしてジョーカーの守護として雌剣を置いていったとなえば仮説1としてビュランコート=雌剣という説が成り立つ気がするんですが…。まだここらへんは今の「ショウメ争奪戦」のエピソードが進まないと。今は雄剣だけだけど、どこかでみたマドラの片腕を失うイメージカットでは雌剣を使ってたような感じだったので。


 そしてアルルがマキシに剣を渡した時に彼女の言う呪いは解けるのか?そこも気になっているところです。『ショウメ争奪戦』には彼女が現在所持している懐園剣が登場しましたがこの懐園剣と今、アルルが所持している懐園剣は同じ…という訳じゃなく、もしかすると同時に存在しているかもしれないのでここがややこしいんですけど、だからアルルが『ショウメ争奪戦』エピソードでの登場はないと思ってるんですが、今後魔導大戦でアルルと産まれたばかりのマキシの邂逅はあると思うんですよね(その時にはマドラもいるはず)直接渡すのかマドラを経由するのか?リブート7巻ではそういう記述とも読めますが…、この辺りは魔導大戦、『時の詩女』のエピソードが進まない限りなんとも言えないですね。懐園剣の謎の一旦は見えたけど、まだまだ謎多き剣です。

追記20191016:

懐園剣って割と気ままに時空を旅しているので、同時期に同時に同じものが存在したりしてるという記述がありまして。まあ「御伽噺」だから矛盾があってもそこはいいんですが、この時の懐園剣ってのはあくまで緊急避難的に登場したものではないかとtonbori堂は見ています。だから実は雄剣はこの時、この時空に2本あるという事になります(^^;

追記20211012:

第16巻を読んでて気が付いたんですがやっぱり両方オフェロス(ビュランコート)であまりにも力が強力すぎるので分割されたということのようです。(当然そんなことが出来るのは最高神になったアマテラスです)カレンちゃんの解説もそれに沿っているし。なんともはやとんでもない話ですよね。


ソース|F.S.S.DESIGNS 1 EASTER;A.K.D. /KADOKAWA刊/©EDIT永野護(リンクはAmazon)
ソース|F.S.S.DESIGNS〈2〉ADDLER:J¨UNO/KADOKAWA刊/©EDIT永野護(リンクはAmazon)
ソース|F.S.S. DESIGNS 5 LITTER.pict/KADOKAWA刊/©EDIT永野護(リンクはAmazon)
ソース|ファイブスター物語 リブート(7)THE MAJESTIC STAND1|永野護著/KADOKAWA刊/©EDIT(リンクはAmazon)

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