鉄の翼|『エースコンバット アサルト・ホライゾン』|tonbori堂『ACE COMBAT』語り-Web-tonbori堂アネックス

鉄の翼|『エースコンバット アサルト・ホライゾン』|tonbori堂『ACE COMBAT』語り

2018年12月18日火曜日

ACE COMBAT airplain GAME

X f B! P L

 tonbori堂がエースコンバットを語るエントリも8本目。あとはオンライン『ACE COMBAT INFNTY』で一応最終となる訳ですが(7は7でインプレッションをあげてみたいと思っています。)この『アサルト・ホライゾン』通称アサホラは、久しぶりのエースコンバットということで楽しみにしていました。


動画はYouTubeより|ACE COMBAT ASSAULT HORIZON|867TV||(c)バンダイナムコエンターテインメント/PROJECT ACES

 でも発売後、古くからのファンからは微妙な評価が多く出たなという印象が強いです。そうこの『アサルト・ホライゾン』はタイトルもなんですが『エースコンバット』らしからぬ?いや『エースコンバット』なんだけど何かが違う。そういう感じがするのです。ちなみにtonbori堂はこれはこれとして好きなんですが…『エースコンバット』かと言われると、うーんそうだなあっていうのは有ります。まあその辺りをストーリーのネタバレを交えてお話してみたいと思います。ちなみにトレーラーではワーウルフになっていますがゲームでは「ウォーウルフ1」です。

もがれる翼の断末魔

 「もがれる翼の断末魔」これは発売時のキャッチコピーです。これまでの「エースコンバット」と大きな違いはこの部分。敵機の撃墜時に敵機にバルカンやミサイルが命中した時に穴だらけになり爆発を受けて破壊された機体がアップになり主観カメラが油にまみれる。そういった演出がなされていた部分です。操作自体は、これまでのエースコンバットシリーズとそう変わる所はありません。なんとなればキーアサインで6や5と同じにすることも出来るのですから。大きく変わったのは敵機とのドッグファイト時の演出とそれに至った時に発動するシステムです。


 それと前作6がX-BOX360専用ソフトだったことに対しマルチプラットフォームに変更になったことも挙げられます。日本ではプレイステーション1択なところがありますが海外ではX-BOXは一定の数が出荷されておりプレイステーションだけではなくX-BOXでもという声が大きかったのかもしれません。これはオンラインゲームでリリースされた『エースコンバット インフィニティ』をしていたときに思ったんですが、けっこう海外のプレイヤーも多く、PSNのフレンド申請に英語、スペイン語などで依頼が来たことから相当数がいるものと推察されます。そのためマーケット的に考えるとマルチプラットフォームは必須だったのではないでしょうか。ちなみにその当時まだPS3を購入していたなかったためX-BOX360のコレクターズエディションを購入しました(特典の「ACES at WAR A HISTORY」目当てです。)

クロスレンジアサルト(CRA)

 これが今までのエースコンバットになれている人には不評だったようで、ゲーセンでの大型筐体のゲームでは割とよく見る演出な気がしてtonbori堂はそこまで気にはならなかったけど、自由に飛ぶ感じは若干減ってる感じがする演出だなとは思いました。大別すると対空時に発動するドッグファイトモードDFMと対地攻撃時に発動するエアーストライクモードASMです。以下それぞれのインプレッションを。

DFM

 ドッグファイト時敵機の後方をとるとサークルがHUDに出現しグリーンから赤に変わったときに発射すれば誘導性能が上がり命中率が高くなるというものでした。当然近ければ近いほどよく発動するんですが、敵機もDFMのもう一つのモード「カウンターマニューバー」を発動して一瞬にして後方を取られたりします。(ポストストールマニューバのような機動を行い一瞬で敵機が後方に遷移する。)その場合、敵機との間隔を狭めてサークルとカウンターマニューバのタイミングサインを合わせて発動させます。これは難しい操作は必要なくスティックを使わないオートマニューバが発動して後方をとれるのです。これもまあ通常のドッグファイトではなく単なるキーボタンによるタイミング合わせな感じに陥ってしまうので不評ではあったと思います。ちなみにこのシステムを使った大型アーケードゲームもあって「マッハストーム」という名でリリースされていたとか。乗機はCFA-44ノスフェラトゥと聞いたことがありますが実はtonbori堂はもう10年近くアーケードゲームをしていないので詳しくは知りません。

ソース|MachStorm(マッハストーム)|ドームスクリーン型 戦闘機シューティングゲーム

ASM

 こちらは目標ターゲットが対地の場合、爆撃射撃コースがHUD上に表示されるというもの。これが案外面倒くさくて撃ち漏らすと再度もどらなくならないといけないし一方向のみからのみの発動のためどうにも作業的になってしまうというのが弱点だったように思います。ただ決まればターゲットが一掃されていく爽快感はあったんですけれどね。

動画はYouTubeより|ACE COMBAT ASSAULT HORIZON 'TGS2011 アサルト・ホライゾン'Trailer|867TV|(c)バンダイナムコエンターテインメント/PROJECT ACES

リアルワールド

 これまでのナンバリングタイトルとは違いPSPでのエースコンバットシリーズ、X2クロスアサルトと同じくリアルワールドが舞台となりました。リアルワールドといっても設定などは当然フィクションです。ですがストレンジリアルではないリアルワールドということだけではなくストーリーもそれまでプレイヤー=主人公はコールサインもしくはTACネームだけの存在だったのがキャラクターとして設定された事はエスコン史上初めての試みでした。


 プレイヤーはアメリカ空軍のパイロット、ウィリアム・ビショップ中佐としてNATO連合軍所属タスクフォース108の戦闘機部隊ウォーウルフの1番機としてアフリカでの反政府勢力の鎮圧作戦にあたるところから物語が始まります。ビショップはシャークマウスの戦闘機に撃墜される夢にうなされる事になりますが、そんな中、タスクフォース108のヘリ機動部隊「シューター」が反政府ゲリラの掃討作戦中に、ゲリラの持つ弾薬に誘爆。それが威力の高いものであったため部隊に大きな損害が出ます。

 作戦任務中、航空支援として敵部隊との交戦中に連合軍に参加しているロシア空軍のパイロット、イリッチ少佐の乗機が撃墜され脱出。反政府軍の勢力圏に降下したため捕えられた事から敵の動きが慌ただしくなり、その背後に一人のロシア人パイロットがいることが判明。彼の名はマルコフ。乗機にシャークマウスを施すことから「アクーラ(鮫)」の異名をもつロシアの元エースパイロットです。かれはタスクフォース108の基地を急襲。そしてスタグレイショフ将軍が率いていたロシア軍部隊も敵に寝返ります。彼らは最初から融和を図る本国に対して造反を企てようとしていた急進派の反乱軍だったのでした。

 時すでに遅くロシア国内では同調した部隊が決起、国連の元速やかに反乱軍の鎮圧をもとめられることになったタスクフォース108はマルコフたちが新型爆弾トリニティを使って起こそうとするテロの阻止が主任務となりました。果たしてマルコフのテロは阻止できるのか?というストーリーです。

FPS風味あるエアーコンバットゲーム

 感じとしてはそんな感じでした。全く否定するものではありませんしゲームとしてこういう切り口も面白いと思うんですがエースコンバットではないかな…そんな感じでしょうか。鉄の翼で戦う戦争シューティングゲーム…とでもいいのかな。もっともこのゲームそれとともに6で導入されたオンラインモードが実装されたのは大きかったように思います。

オンライン

6ではまだまだ黎明期であったオンラインもこのゲームでは、運営側もそれなりに盛り上げようと各陣営対抗などいろいろ仕掛けていました。そのどれもが成功したとは言いませんが初期の盛り上げには一役買っていたかなと思います。オンラインはチームに分かれて相手のHQ(司令部)を撃滅する首都攻防戦モード。一定期間その地に留まり支配区域を増やすドミネーション。それぞれが敵となり撃墜数を競うデスマッチ。ミッションを協力して攻略するCO-OPモードの4つです。


 何故かtonbori堂は首都攻防戦をよく遊んでいました。首都攻防戦はリスボーン時に乗機を変更することが出来て敵の構成で乗機を変えたりいろいろ戦略、戦術が必要でしたがソロで参加していたのとボイスチャットを使用していなかったせいで殆ど『殴り合い空』(ガンダムの『めぐりあい宇宙(そら)』をもじったスラング)のような感じで、見敵必殺な雑なゲーム運びばかりをしていました。あと旗色が悪くなると(HQのHPが20%を切ると一発逆転できる火力を持つ爆撃機が使用できる)爆撃機でというのもお約束でしたが、この時の経験が運営側にも蓄積されインフィニティに活かされたのかなとか少し思っています。

使用機体

 なんといってもそれまでの戦闘機、攻撃機、マルチロール機に加えて、ヘリコプター、爆撃機、ガンシップ(武装のみ操作可能)という多彩な機体(爆撃機とガンシップ、ヘリはミッション限定でした。ちなみにオンライン首都攻防戦はヘリコプターが使用できるという事でハインドやアパッチでラプターを撃墜する猛者が出現していましたね。)が利用できたのは良かったと思います。エースコンバットで爆撃機は邪道という人もいましたが、爆撃機で飛び、爆撃をしたいという変態も中にはいるのです(笑)確かに戦闘機のいいカモでしかないですが、それなりに投下ポイントを定めれば敵機を撃墜することが…出来る…ことはアサホラでは無理でしたが続くインフィニティでは濃密な弾幕で敵機を巻き込み撃墜する猛者が現れた事を記しておきます(笑)

ASF-X震電Ⅱ

 またDLC(ダウンロードコンテンツ)で『超時空要塞マクロス』でお馴染みのメカデザイナー河森正治氏がデザインした架空機ASF-X震電Ⅱが登場も大きなトピックスでした。

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 日本の国産戦闘機としてF-2の後継機として開発されたという設定、VTOL性能を持ちゲーム上完全に停止、垂直上昇のようなヘリ機動は出来ないものの通常なら失速する極低速で滞空するという事が出来るようになっていました。(これはインフィニティでも再現されています。)その流れかDLCでプレイヤー機としてそれまでゲームでは使用できなかったAV-88ハリアーも追加されました。(これもエスコンでのプレイヤー機としては初めて)他にも6でも人気だった同じくバンダイナムコの人気ゲームアイドルマスターコラボレーションのアイマスカラーリング機体や河森正治氏つながりもあり、当時放送開始30周年の『超時空要塞マクロス』を記念してのVF-1カラーのF-14スキンの追加などもありDLCは力の入ったものになっていましたね。

総評として

 嫌いじゃないし、むしろエースコンバットが出て無かった時期にエスコン成分を補給させてもらったとは思うんですが、これじゃないかな感も確かにあって、ちょっと鬼子的なポジションではあると思います。(当然世間では酷評している人もいます)それでも震電など面白い機体も増えたし、今後のエスコンの流れとしてオンライン化の波はもう止めようがないというのも実感したのも事実です。ナンバリングタイトルとは違う外伝的という意味合いでも実験作とまでは言わないけれど野心的なゲームだったなという事で覚えておきたいエースコンバットシリーズの一作でした。

※PS版XBOX版のDLCは既に配信終了しています。ちなみに海外で販売のWindows版には最初からDLCがバンドルされているそうです。ただ日本限定でのコラボ機体の一部は入っていないとか。

※エースコンバット アサルトホライゾンに登場した架空機体、震電Ⅱの解説本がGA Graphic編集部のマスターファイルシリーズより刊行されています。設定好きなら押さえておきたい1冊です。

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