『エースコンバット7アンノウン・スカイズ』の発売が来年に決定し、プレイステーション4、X-BOX ONE、STEAMからというマルチプラットフォームで展開とのこと。そのうち据置ゲーム機のプレイステーション4版とX-BOX ONE版にはそれぞれ先行予約特典としてPS4にはエースコンバット5、X-BOXにはエースコンバット6の移植版が同梱されるとアナウンスされました。今回はその『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー』ついて少々書いてみたいと思います。
画像はイメージです。|エースコンバット5のイメージリーダー機体F-14トムキャットの飛行写真|pixabayより |
※【ネタバレ注意!】ゲーム中に進行するストーリーをラストまで解説しておりますので未プレイの方はご注意ください。ただしゲーム攻略法などは書いておりません。あくまでゲームの想い出を書いているエントリです。重ねてご了承ください。
環太平洋戦争
エースコンバット5の舞台はストレンジリアルと呼ばれる現在の世界とよく似た、別世界の話です。地球と同じだけどちょっと違う幾つかの大陸があり国があり、争いがある。そんな世界でプレイヤーは所属陣営のパイロットとして戦いに臨むわけですが発表当時は明言されなかったものの5の時間軸は04シャッタードスカイの後に設定されています。04ではユージア大陸が主な舞台となりました。5はその向こうにあるオーシア大陸とベルーサ大陸が舞台となります。プレイヤーは北半球に拡がる北オーシアの大国オーシア連邦の最果ての空軍基地サンド島でバートレット大尉の元で訓練に励む新人パイロットとしてスタート。ウォードッグ4(後に1)コールサイン、ブレイズとして突如領空侵犯してきた国籍不明機と戦う事になります。
その後ユークトバニアが正式に宣戦布告。オーシアとユークトバニアの戦争が始まる事になりサンド島はオーシア対ユークトバニアの最前線となるのです。緒戦でオーシア各地にユークトバニアの航空部隊が奇襲をかけ被害が甚大に。そこで奇襲をかいくぐったオーシアの誇る空母ケストレル、ヴァルチャー、ハザードを中心とした第3艦隊残存部隊によりユークトバニアを叩くはずが、ユークトバニアの潜水空母シンファクシによる特殊SLBM散弾ミサイルによりケストレルを除く海軍力は壊滅的な打撃をこうむることになるのです。
ラーズグリーズの悪魔
ウォードッグ隊は緒戦から指揮官バートレットがM.I.A(戦闘中行方不明者)になったあと、ブレイズをリーダーにエッジ、チョッパー、そしてサンド島が急襲された時に加わったグリムを加えてミッションをこなしていく事になります。加えてオーシアは軌道上に浮かぶデブリ除去のための宇宙船アークバードの兵器転用を決定。戦いは苛烈さを増していくばかり。
ある時は、サンド島を狙うシンファクシを撃退し沈める事に成功し、またある時は誤射による損傷を受けた大統領機の護衛任務をこなし、そしてアークバードへの妨害工作によりオーシアはユークトバニアへの上陸作戦を決定。その掩護任務を成功させアネア大陸の北部北極海のラーズグリーズ海峡においてシンファクシの姉妹艦、リムファクシの撃沈に成功。そしてユークトバニアの潜水空母シンファクシ、リムファクシの撃沈により両軍から「ラーズグリーズの悪魔」と呼ばれる事になります。
歴史が大きく変わるとき、ラーズグリーズは現れる。 はじめは、漆黒の悪魔として。 悪魔は、その力もって地上に死を振りまき、やがて死ぬ。 しばしの眠りの後、再び現れる。英雄として現れる。|「姫君の青い鳥」より
各地で勇名を馳せ、ナガセが敵地で撃墜されるという事態に陥りながらも無事に救出されたりとしつつもユークトバニアの首都の目の前まで進攻したオーシア軍とウォードッグ隊。しかしチョッパーことアルヴィン・H・ダベンポートが撃墜され戦死、隊は3機となり、その上、突然彼らはユークトバニアと内通しているとあらぬ疑いをかけられて訓練機でおやっさんことピーター・N・ビーグルとカメラマンであるアルベール・ジュネットとともに基地を脱出。ビーグルの導くまま、オーシア海軍の空母ケストレルに身を寄せる事になります。
この戦争には裏があり、それは亡国の幽霊の存在がありました。15年前に北オーシア大陸の中央部に位置する小国ベルカ公国が電撃的に周辺国へ戦争を仕掛け強力な空軍力による制空権の確保で一時は領土を拡大したものの周辺国やオーシア、そしてユークトバニアの参戦により次第に劣勢を強いられ挙句、戦術核弾頭を使うという愚挙を侵し、最終的には敗戦を迎えた、その戦争責任を逃れたベルカの指導者層と軍人たちの陰謀だったのです。
ブレイズたちはベルカの灰色の男たちの陰謀とその尖兵として暗躍する8492飛行隊の存在を知るのです。大統領を乗せた輸送機の護衛任務の時に8492飛行隊に囚われたオーシアのハーリング大統領を救出作戦を成功させ、彼らが封印された核兵器を使用するのを阻止するため大統領直属の秘密飛行戦隊ラーズグリーズとして、ケストレル飛行隊のマーカス・ミラー大尉を加え、8429を名乗っていた旧ベルカのオヴニルやグラーバグを撃破。
写真はケストレルのモデルとなった米海軍空母ミニッツ|画像はWikipediaより[[File:Flugdeck USS Nimitz.jpg|thumb|Flugdeck USS Nimitz|alt=Flugdeck USS Nimitz.jpg]] |
捕虜となっていたバートレットが率いるレジスタンスとともに核兵器を奪還し、囚われの身であったユークトバニアのニカノール首相を救出しました。そして侵攻してくるユークトバニア海軍とのセレス海会戦を制した空母ケストレルとラーズグリーズ隊でしたが。灰色の男たちは最後の手段としてSOLGからV2弾頭の発射を試みます。そして彼らのシンパである潜水艦がケストレルを急襲、寸でのところで空中へ緊急発進したラーズグリーズは発射指令基地であるグランダーI.G本社を急襲。救出された大統領と首相によるオーシア首都オーレッドのブライトヒル(大統領官邸の別名)からの緊急放送により完全に彼らの陰謀は白日に晒され、ラーズグリーズとオーシア、ユークの友邦部隊は両国の好戦派を含む灰色の男たちの陰謀を打ち破り、悪あがきにオーシアの首都オーレッドに衛星兵器SOLGを落下させようとした残存8492飛行隊を撃破、SOLGを空中で破壊するまでがこのエースコンバット5のストーリーです。
ベルカ事変
後にこの灰色の男たちの陰謀による一連の戦闘をベルカ事変とも呼ぶことになる環太平洋戦争。既に終わった戦争でもあるベルカ戦争が、実は終わっておらず、その陰謀が超大国であるオーシアとユークトバニアを危機に陥れるというストーリー。このベルカ戦争については後に『エースコンバットZEROザ・ベルカンウォー』で語られる事になります。それまでのユージア大陸ではなくオーシア大陸とベルーサ大陸という大陸が出てきてさらに拡がりを見せる事になりました。(6の舞台となるアネア大陸も設定されています)もっとも、その時点では04と地続きとはあまり考えてはいなかったんですが後に発表された地形図にユージアが書き込まれるにいたる事と、オーシア、ベルーサ共に小惑星ユリシーズの災厄後の話ということで世界観がつながっていたのです。
アークバード
エースコンバット5では宇宙往還機も登場しました。3以来の宇宙ネタではありますが、こちらが宇宙に飛び出るのではなく大気圏外を周回している宇宙船です。大気圏上層部を使って軌道変更が可能な大型のデルタ翼機のような形状をもった船でした。
画像はtonbori堂所蔵『ACESatWAR A HISTORY』より|アークバード|PROJECTACES編| (c)バンダイナムコエンターテインメント| エースコンバット・アサルトホライズン/コレクターズエディションに同梱された冊子。 |
当初は主人公側の属するオーシアが管理していましたが物語中盤に置いて「灰色の男たち」のコントロール下となり主人公たちに襲い掛かる兵器となります。元々オーシアの大気圏外での戦略兵器として計画されており、小惑星ユリシーズの落着阻止にベルカ戦争で疲弊したオーシア、ユークトバニアの大国では有効な手段が打ち出せず、ユージア大陸に国際共同で作られたストーンヘンジの迎撃に頼る事になり、そこでオーシア、ユークトバニアの冷戦時代に構想されたこのアークバードをストーンヘンジによる破砕したユリシーズのデブリを除去する役割を持たせて再出発させたのでした。このようにそれぞれの設定が細かく作り上げられておりまさにストレンジリアルの世界をつくりだしているエースコンバットのユニバースを確立したのはこの5ではないかと思います。
ゲームシステム
04は小隊で飛んでいるというより単機で敵中への先陣を切り、まさに無双という感じでの活躍を堪能できたんですが、無線音声で、下で戦う地上部隊、そして一緒に飛んでいるであろう僚機の存在。そして敵機たちなどが感じられました。このメインストーリー脚本は04の片渕須直監督が担当しているのも大きなポイントです。5も無線は健在でもう喋りまくるんですけれど、さらに今回はウォードッグというチーム(後にラーズグリーズ)で事に当たるという感覚。そして僚機に指示が出せるというのが大きな追加要素だったように思います。簡単な操作でしかないんですが、攻撃、分散、援護という指示が出せるようになった事とでチーム感がより出てくる事になりました。と言っても、レートが上がるほどの活躍を見せるわけじゃないですが、それでもチェック6は任せたぜっていうノリをつくるのには良かったと思います。
多彩な戦闘機
ともかく5と言えば多彩な機体。種類が多いというか、使用機体のキルレート(撃墜、目標破壊数)を上げると、その系統の上位機種を開発できるというもの。例えばデフォルト機体として使用できるF-5EタイガーⅡを使い続けているとF-20Aタイガーシャークが開発できるようになり、タイガーシャークを使い続けてキルレートを上げると前進翼機X-29が開発できるようになります。トムキャットもF-14AからF-14Bボムキャット、そしてF-14Dスーパートムキャットへ。またF-16Cファルコンのようにキルレートを上げると一気に3種類の派生機体。F-16C-B60やクリップドデルタ翼F-16XLに航空自衛隊の支援戦闘機F-2Aが開発可能になるというように、関連機体のロックが外れるようになっていました。
おかげで凄い数の機体が使えるのはいいんですけれど、思い入れが無いと使わなくなる機体も多くありましたね。ただ04のように特殊兵装を選んで変更出来なくなったので使用したい兵器がある時は必然的にその機体にという感じになりました。
オペレーション・カティーナ
04にあった画面分割対戦モードがない代わりに、アーケードモードとして04のメビウス1が自由エルジアとして蜂起した反乱軍を鎮圧するというミッションがついています。サクッとゲームするのにいいモードで、tonbori堂も良くこのモードで遊んでいました。
画像はイメージです。|メビウス1の同型機F-22ラプター |
ステージを終了すると次のステージが選択できるようになりロックが解除されエンディングまで行くとデフォルト機体以外のハンガー機体が選択できるようになっていたように思いますが、やはりここはメビウス1としてF-22でチャレンジしたいものです。
エースコンバット7の特典で復活!
エースコンバット5についてはブランドプロデューサーの河野氏がマスターデータのHDDがクラッシュしてしまい、サルベージ不可能と以前にTwitterでつぶやいておられたのでこの移植版の話については、HD(リマスター版)ではなく移植という事で、リバースエンジニアリングでゲームROMから吸い出してPS4用に仕立て直したのかな?と想像していました。
これについてはゲームメディアのインタビューに答えて、ストーリーCGのマスターデータがHDDごとクラッシュしたためということで移植することには問題がなかったようです。ただHD化ではないと明言されておられました。でもHDでなく移植でもなんにせよ名作であるエースコンバット5がまたプレイできるのは嬉しい限りなんですが、そうなるとファン心理としては04もZEROも、2はHD化とか注文の多い料理店状態になってしまいます。現状では単品販売は無いとのことですが…今後ゲームアーカイブスのような感じでもしかすると04やZEROもという希望が残されたと思います。今後のプロジェクト・ACESの動きにも注意したいですね。
最後に
まさかエースコンバット7の特典に5が付くとは思ってもみませんでしたがプレイステーション2が動作不能になってからほぼ5年。エースコンバット成分はアサルトホライズンとインフィニティで補給していましたが、これで暫くはまたエースコンバット成分が満たされると思うと(当然7もですが)有り難い話です。tonbori堂の大好きなエスコンはZEROなんですが、次に好きなのは5だったりします。(ちなみに04は別格です)5も相当やり込んだんですがまたじっくりと楽しみたいと思います。
という事で次はそのZEROの事を書きたいと思います。ではまた次回にて('◇')ゞ
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