『全ガンダム大投票40th』を視聴したのでガンダム想い出話をしてみる。|tonbori堂アニメ語り-Web-tonbori堂アネックス

『全ガンダム大投票40th』を視聴したのでガンダム想い出話をしてみる。|tonbori堂アニメ語り

2018年5月13日日曜日

anime ROBOT SF

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 TVアニメ『機動戦士ガンダム』放送開始から40年が経過し、未だ新しいガンダムが製作されたり、『機動戦士ガンダム』自体のスピンオフ的な外伝なども製作されるこの状況。tonbori堂が最初に『機動戦士ガンダム』を観た時にはこの状況はまったく予想もしていませんでした。

動画はyoutubeより|『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』予告|BandaiChannel

 今回はNHKで放送された『全ガンダム大投票40th』を視聴していろいろ思い出したので、ガンダムについて当時の事や、後は好きなモビルスーツについて書いてみようと思います。

ガンダム40年の歩み

 今年で放送開始から40周年を迎える『機動戦士ガンダム』、今では数多くの派生シリーズを産みだし、放送終了後から販売されたプラモデルは一大ブームを巻き起こし、今でも玩具メーカー、バンダイの屋台骨を支えるブランドとなっています。その始まりがこの『機動戦士ガンダム』です。

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機動戦士ガンダムとは?

 そもそも『機動戦士ガンダム』というアニメは『無敵鋼人ダイターン3』の後番組として夕方の5時より朝日放送で(関西では)始まったアニメーションです。キー局は東京のテレビ朝日ではなく名古屋テレビからのネットで、広告代理店の創通エージェンシー、と日本サンライズ(現サンライズ)と名古屋テレビの製作でした。1979年の4月から放送が開始されましたが前作の『ダイターン3』のように基本1話完結、勧善懲悪とは違い大河風のストーリーに話が難しいとされ、敵メカも毎回同じようなロボットが出てくるなど評価はあまり芳しくなく、視聴率も苦しいものだったそうです。結果1年間52話予定が短縮され43話、打ち切りとなりましたが、その後ガンプラブームや宇宙戦艦ヤマトのアニメブームを引き継いだ格好で総集編として劇場版3部作が製作されました。


 ストーリーは宇宙世紀という年号を使う未来。増えすぎた人口問題を解決すべくスペースコロニーを作った人類はそこに移り住み生活の場を宇宙にしていた時代。地球から一番離れているスペースコロニー、サイド3が独立を宣言、ジオン公国を名乗り統一政体であった地球連邦に独立戦争を仕掛けてきました。開戦当初はジオン軍優勢に進み、新型兵器モビルスーツをもって連邦の宇宙艦隊を撃破、地球にスペースコロニー1基を落下させるなどをもってして地球圏の人口の半分が失われたものの、補給の続かないジオンは決め手に欠き、南極において双方が条約を取り交わし交戦規程、捕虜の取り扱い、核兵器の禁止が決まったのです。その後は地球へのジオン軍の侵攻が始まり、連邦軍は各地で劣勢を強いられながらも反攻の機会をうかがっていました。


 そんな中まだ開戦時には建設途中であったサイド7に連邦軍の反攻の切り札になるであろう新型戦艦が入港、それを追ってジオン軍のエース「赤い彗星」ことシャア・アズナブルがサイド7に潜入。連邦が開発している新型モビルスーツを発見、これを奪取ないしは破壊しようとしたところから物語が始まります。サイド7に住む少年アムロ・レイは新型モビルスーツ開発者である父親とともにこのサイド7にやってきたのですが、ジオン軍の攻撃に合っているところに持ち込まれたガンダムに搭乗。ジオンのモビルスーツ、ザクを撃破します。そこからアムロとホワイトベースの人々、そしてシャアをはじめとするジオン軍の人々のドラマがはじまっていくのです。

ファーストガンダム(機動戦士ガンダム)の想い出

 tonbori堂が最初に『機動戦士ガンダム』のエピソードを観たのは、『ククルス・ドアンの島』でした。これあちこちでいろいろネタにされるエピソードで、しかも大河的なストーリーを持つ『機動戦士ガンダム』の中ではメインストリームのエピソードではありません。ですが実に味わい深いエピソードでありました。

『ククルス・ドアンの島』

 箸休めエピソードとまで言い切る御仁もいらっしゃるようで、まあ実際そういう話ではあるんですが、まるで第二次世界大戦を描いた米の戦争ドラマ『コンバット』のような話でした。ジオン軍の脱走兵が戦災孤児の面倒を見て、島に立ち寄るものは敵も味方も無しにモビルスーツ、ザクで排除していきます。そこに救難信号を受けたホワイトベースが立ち寄りククルス・ドアンと遭遇するという話でした。


 1話から観ている人たちにとっては本当にちょっとしたエピソードでしかないんですが、『ダイターン3』終了後観てなかった自分にとっては、なんかいわゆるヒーローが出てきて敵のロボットを倒すアニメじゃないな?これはとなったんです。言ってみるとヤマトっぽいというか。後で知った話なんですがそもそも『機動戦士ガンダム』の最初の企画では『宇宙戦艦ヤマト』のヒットを受けて宇宙戦艦であちこちを移動しながら戦うというSF『15少年漂流記』のような物語を作ろうとしていたという事でした。図らずも1話を観ずにこの『ククルス・ドアンの島』を観てその意図を悟ってしまったわけです。

『ククルス・ドアンの島』を観て分かるのは、

1.敵も味方も同じ人間である。
2.ロボットを兵器のように使っている
3.ある勢力同士が戦争状態にある。一般の人々もいる。

そこから毎週、最終回まで観て、見て無かった話数は全て当時発売されていたアニメ雑誌などで補完していきました。これある意味幸運でした。もし『再会、母よ…』だったら辛気臭いなとかいって観て無かったかもしれません。もっともガルマのエピソードも後で観た時にそれほど面白いとはあまり思ってなかったんですが、後で考えるとシャアの「モンテクリスト伯」ばりの復讐譚もサイドストーリーとして前半を牽引していたんだなと思います。

 それから40年近くもの時を経て作画監督でキャラクターデザインの安彦良和の手によって映画になるとは。何が起こるか分からないものですね。

Amazon.co.jp: 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島を観る | Prime Video 

「めぐりあい宇宙」

 一番のめり込んだのは多分、オデッサ作戦開始からジャブロー、そして再び宇宙へという部分でしょうか。この辺りは戦争映画的な展開や大河ドラマのようなストーリー展開で本当に入れ込んでいましたね。映画3部作でも、そこをまとめた『めぐりあい宇宙』が一番好きです。歌も良くて前作『哀・戦士』と『めぐりあい』そしてB面の『ビキニング』は名曲です。『めぐりあい』は8位にランクインしていましたね。

Amazon.co.jp: めぐりあい : 井上大輔: デジタルミュージック 

 『めぐりあい』を歌った井上大輔のヴォーカルも素晴らしく、作編曲もシンガーの井上大輔本人の手によるもの。富野監督と大学の学友であったことから、1作目は谷村新司が作詞作曲を担当し、やしきたかじんによる『砂の十字架』(これはこれでいい曲ですが)でしたが、『哀・戦士』から、当時レコード会社の推薦した作曲家、作詞家ではなくCMなどの音楽を担当しているような作曲家を探してくれと富野監督がオーダーし、オファーされたのが富野監督と同じ大学の同期であった井上大輔になったとか。井上大輔は当時CMなどの楽曲を手掛けてた作曲家でありシンガー、そしてサックス奏者でした。正直『砂の十字架』はいい曲だけど全体的にはちょっとミスマッチかなと思っていたので『哀・戦士』で井上大輔になったときは、これだ、これを待っていたってなりましたね。そして『めぐりあい宇宙』での『めぐりあい』はまさに内容とマッチしていました。ちなみにエンディングテーマにかかったB面『ビキニング』も最高でした。

ソース|作詞家・富野由悠季が語る“アニソン”の価値基準の変化 | ORICON NEWS

サウンドトラック

 レコードも買いました。当時はまだ家庭用ビデオデッキは高いものでして、その後『ザブングル』の頃には家にもビデオデッキが来たんですけど、サウンドトラックの収められたアルバム(LPレコード)は視聴体験を思い起こすのに非常に大事なものでした。

機動戦士ガンダム/2ndサウンドトラック/「戦場で」/キングレコード/tonbori堂所有
機動戦士ガンダム/2ndサウンドトラック/「戦場で」/キングレコード/tonbori堂所有




 ガンダムのBGMを買いに行ったのに何故かルパン三世のサウンドトラックを発見してルパン三世のアルバムも買ったのもいい思い出です。ガンダムのサウンドトラックを買うという事をしなければレコード屋のアニメ関係の棚は見なかっただろうし(ミーハーだったのでシングルレコードはいっぱいありましたがLPを買いだしたのはガンダムから)ルパン三世のサウンドトラックももっと後に知ったように思います。『機動戦士ガンダム』の音楽は時代劇やアニメのBGMを数多く手がけた渡辺岳夫と松山祐士によるもので完成度は非常に高いものです。サウンドトラックアルバムとしても完成度の高い楽曲が収められていますが2枚目の『戦場で』3枚目『アムロよ…』は声優による台詞入りでキャラクターソングなどもあり、当時からそういう企画は既にされていたことが分かります。

 この2枚も買い求めましたが、ジャケットが1枚目は児童誌によくあるようなガンダムのイラストが描かれたものですが、『戦場で』『アムロよ…』は作画監督でキャラクターデザインの安彦良和が手がけたものになっています。

ガンプラブーム

 実はtonbori堂、そこまでガンプラブームに入れ込んではいません。設定およびメカニック好きなのでMSVとかはムック、図鑑などの類を買い込んでチェックはしていましたが。それでも1/144ガンダム、ザク、そしてムサイなどを買って組み立てはしています。


同スケールで1980年発売当初に購入したムサイ。製作tonbori堂。量産型です。
同スケールで1980年発売当初に購入したムサイ。製作tonbori堂。量産型です。

 今でも何故かブリッジのアンテナは折れてしまいましたがムサイだけは残っています(笑)モビルスーツも好きですけどムサイなどの艦艇も好きなのです。それでも毎週プラモ屋には寄ってガンプラの入荷状況とかはチェックしていましたね。ザク、グフ(これも後で作った)ドムなど。新しいのが出るたびに色々チェックしたり買ったり。でも店頭から無くなるスピードが本当に半端なく早かった。学校終わっていきつけのプラモ屋(もうありません)に寄ってみると、もう売り切れなどはざらでした。ですが当時は今の今までガンプラが続くとは夢にも思っていませんでした。


 その後、金曜5時のサンライズの枠に復帰した富野監督によるリアルロボットシリーズ(こういう言い方はゲーム「スーパーロボット大戦」からですよね)3部作『戦闘メカ ザブングル』『聖戦士ダンバイン』『重戦機エルガイム』もプラモデルが発売され、ザブングルではメインメカ以外のウォーカーマシンやダンバインではオーラバトラー、オーラシップ、エルガイムではエルガイムをはじめとしたA級ヘビーメタルやグライアなどのB級などもモデルアップされていきましたが、残念ながらガンプラのような展開にはなりませんでしたね。


 ウォーカーマシンやヘビーメタルのプラモは幾つか買ったりしていたんですが、やはりモデラ―界隈だけで一般までに浸透したとは言い難い。本当にガンプラは唯一無比なのものとなりました。でもなぜそこまでというのは分かりません。他のキャラクターモデルもそれぞれ魅力的だったのに?何故と今でも思う事がありますが、やはり先頭を行くものとして世界観をどんどん拡げていったのがその理由なのかなと…ともかく今も続くガンプラ。バンダイを支えてると言っても過言ではないコンテンツに育ったことは本当に日本のアニメ史、玩具史に残る話だと思います。

ガンダムと言えば、モビルスーツ!

 モビルスーツというのはガンダム世界で使用される戦闘兵器で、いわば戦闘機のようなものです。ロボットアニメではありますが、ロボットが戦闘するのに理屈をつけた作品の始まりはこのガンダムです。モビルスーツ(ロボット)が戦う理由を、有視界戦闘に求め、そのための設定としてレーダーを(誘導兵器の類)を無効にするミノフスキー粒子が考え出されたのは有名な話です。もっともそれは宇宙世紀の話であって、それ以外の世界ではそれなりの理由をつけて有視界、もしくは誘導兵器がなんらかの理由で使えないという設定をつくっています。

tonbori堂の好きなモビルスーツ

ドム(リック・ドム)

 全ガンダム投票で幾つか投票できると聞いたので投票したモビルスーツを上げていきたいと思います。投票結果順位は27位でしたがクラシックなモビルスーツとして根強い人気があると思う機体です。


 なんといってもガイア、オルテガ、マッシュの「黒い3連星」によるジェット・ストリーム・アタックとそれにより、補給部隊のマチルダ中尉が戦死してしまったエピソードに登場したという事も印象深いんですが、ホバー移動(足のカバーからエアージェットを噴射して歩行するのではなく滑走する)が斬新だったかなと。それまでのロボットってやはり歩行とジャンプ。または飛行メカ(翼を付ける、ガンダムではそれほどの翼をつけることはリアルではないということで翼を付けずにドダイ(土台)という支援飛行メカで飛行する。)を使うものが、滑るように滑走すればいいじゃないという発明をしたわけです。(作画も歩くという動作ではなく滑るほうが楽という理由もあるかもしれません)


 この同時期に同じことをした作品があったかどうかは記憶がありませんが、絵面は強烈でした。また忍者のようなフェイス(モノアイが十字方向に動く頭部)背中に刺した剣(ヒートサーベル)など忍者と武士のミックスなデザインも印象深いものがありました。あとtonbori堂が黒いカラーリングが好きというのもあります(笑)

リック・ディアス

 『機動戦士ガンダム』の続編『機動戦士Zガンダム』に登場したドムに似たシルエットを持つモビルスーツです。モビルスーツは胸部にコクピットがある機体が多いのですが、この機体は頭部に設置されています。また機体に使われてる金属はガンダリウム(これも後に出来た設定でルナチタニウムという月で精製された特殊な金属がガンダム専用になったという設定)をつかっているためドムに似たシルエットを持ちながらもガンマ・ガンダムのコードネームを持ちますがシャア・アズナブルのエゥーゴでの活動名、クワトロ・バジーナがリック・ディアスと命名しました。

 ちなみにディアスとはバーソロミュー・ディアスという探検家の名前で欧州人として初めて喜望峰を超えた人物だとか。最初は架空の人と思っていたら実在の人物でした。時々そういうのが混じってくる事で現実との地続き感を出してくるのも(『機動戦士ガンダム』でデキンがギレンに「ヒトラーの尻尾」などというシーンなど)ガンダムの得意とするところです。デザインはエルガイム、ファイブスター物語の永野護というのもこのモビルスーツが好きな理由の一つかもしれません。従来のモビルスーツの文法に則りながらも頭部のコクピットや背部のラウンドバインダー、積層装甲などなど新機軸が盛り込まれたデザインはクワトロ大尉ともに印象深い活躍を残し、後に彼の赤い装甲がそれにあやかり量産機は黒から赤になったというのも面白い逸話です。投票では残念ながら55位に沈みましたがよいモビルスーツだと思います。

キュベレイ

 これも『Zガンダム』からのモビルスーツです。実のところアニメとしての『Zガンダム』ってそこまでのめり込んでいないのですが(CDの類も買っていない)何故かメカは好きなんですよね。最初はエルガイムの永野護が担当という基本ラインはあったようですが紆余曲折の上、新人デザイナー藤田一己が大河原邦男がメインのガンダムMk2をデザインしたものと、永野護の残したデザインをクリンナップする事になりました。そしてZガンダムやかなりのMSのデザインを担当することになりましたが、マラサイの基本デザインは小林誠、バーザムは岡本英郎などの基本デザインがあったりなど正直誰がというのはさらに詳しいサイトでお読みくだされば。(ここで書くと長くなります)


 その中でもキュベレイは永野護のデザインです。(キュベレイⅡ、量産型などは別の方の手によるリファインデザイン)このキュベレイは『機動戦士ガンダム』でララァ・スンが搭乗したモビルアーマー、エルメスの発展形モビルスーツという裏設定があるそうで、永野護のデザイン画稿にエルメスⅡの文字があるものもあります。また永野護自身もキュベレイのデザインはお気に入りようで、自身の漫画作品『ファイブスター物語』のミラージュ騎士メイザー・ブロースがキュベレイのようなアーマーを纏っています。そのアーマーはキュベレイのようにファンネル攻撃も可能で、本当に気に入ってるんだなと感じます。


 キュベレイは白と紫の非常に美しいモビルスーツです。今回の投票でもモビルスーツ部門で7位に入っています。ちなみにその上がシャアの黄金のモビルスーツ百式でこちらも元デザインは永野護のデザインで6位、7位というのは大したものだと思います。他にも好きなモビルスーツはあるんですがそれだけでずっと書けてしまうので今回はここまでにしておきたいと思います。実際投票したのもこの3機体。あとハンブラビやビグロ(これはモビルアーマーなんですが)グラブロ(これもモビルアーマー)、ズゴック、アッガイ、ヅダ、ケンプファー、GMスナイパーカスタム、GMライトアーマーってのもあるんですがまあそれはまたの機会に。

最後に

 今回はざっと『機動戦士ガンダム』の想い出やメカスキーとして好きなモビルスーツを語ってみました。今度はメカスキーとしてモビルスーツを詳しく語ってみたいと思います。またお付き合いのほどよしなにお願いいたします。

追記:20230918|富野監督と井上大輔氏が学友だったことからオファーされたというのは誤りで、富野監督からCMなどのポップスを作曲しているような人を探して欲しいという事からつながりは少なかったものの大学同期の井上大輔氏はどうでしょうかと話があったとのことで文章を訂正しました。

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