tonbori堂春ドラマの注目作、序盤のまとめをしてみましたが、タイトルに上げた4作品しか、観ていません(ヲイ、まあかつて刑事ドラマ番長でしたが最近はそこまで追う気力もなく、ほぼ3本から4本くらいで収まっている感じですが、実際にはリアタイ2本が限界。TVerで後でチェックしているのもあります。
コンフィデンスマンJP/ロゴはイメージです |
そんな中、この4本は注目していました。それは脚本であったり、設定であったり、人気ドラマの続編なんだけど、中心人物の死去によりどう今後の設定を活かしていくのかという部分だったり。そんなわけでこの春継続視聴しているこの4本のざっくりなインプレッションを書いてみたいと思います。
※タイトルに【ネタバレ】と入れましたが、そんなにネタバレをするつもりはありません。しかしながら、ストーリー上の事を書いたりするので注意書きとして入れました。ご了承お願い致します。『コンフィデンスマンJP』
正直リアルタイム視聴出来ていない作品なんですが、やはり古沢良太脚本は面白い!というか畳みかける台詞の応酬や、『リーガルハイ』で見せたどんでん返しの手法も益々、冴渡っているというか。コンフィデンスマンJP/ロゴはイメージです |
初回に、mieと『相棒』のヒマ課長こと山西惇が出てきて『スティング』の再現をやった上での鮮やかなどんでん返し。しかもこの2人は出オチという豪華さで度肝を抜いていったので、ネット上のTwitter実況民の間でもたいそう盛り上がったようです。そして真のゲストは江口洋介というまたまたの豪華さ。
「ゴッドファーザー編」と名付けての表社会では福祉事業家で、裏ではあくどい商売を牛耳るフィクサー。仲間をファミリーと呼んで大事にするが反面裏切れはあっさりと始末する冷酷なボスを引っ掛けるために、あれやこれやと大奮闘という回でしたがパイロットとしての初回はまさにパイロットでしたね(笑)お金もかけていたしなかなか大仕掛けでした。
海外でもこういった元詐欺師というか現役詐欺師とかが活躍するドラマは多く刑事ドラマとの変則バディモノもあるくらいの一つのジャンルとして確立していますがさて、今後の展開はどうでしょうか。
キャスト
主人公のダー子に長澤まさみ、あらゆるスキルを一夜漬け状態で集中して身に付けてターゲットの信用を勝ち取るけれどハニートラップだけは壊滅的に下手な女詐欺師を、これまた楽し気に演じています。いやはっちゃけてます(笑)何があったんだ長澤まさみ(笑)ですがこれがいい感じにはまっており毎回どんな感じに化けるのか?そこも楽しみの一つです。
そのダー子に毎回振り回され、毎回真人間になると宣言しているのか、ボクちゃん。東出昌大がこれまたイケメンなんだけど残念な感じで毎回振り回されるという役を演じています。彼は朴訥とした雰囲気からいい人とか、反対に表情が乏しい怪異な人(サイコパスから人外な感じの役)がはまるんですが、今回は割と正攻法なところをついてきました。これは幅拡がる契機かもしれませんね。長老格というか、ベテラン詐欺師リチャードには小日向文世。コヒさん(あえてこう呼ばさせて頂きます)、バイプレイヤーズ3期あったら大杉漣の代わりを!って感じの日本を代表する名バイプレイヤーですが、本当に怪しい人を演じさせるとこの人ほどうまい人は少ないと思います。そして要所で締めていくのも本当にいい。この3人がメインで毎回、豪華なゲストとコンゲームを繰り返していくわけです。基本的にはボクちゃんが止めるとかなんとかいうけれど、結局ダー子と腐れ縁的に巻き込まれ、実はボクちゃんも騙されていますという流れです。これはボクちゃんが『リーガルハイ』でいうところの黛真知子弁護士の役回りですよね。そしてダー子は古美門。1話終わった後でそりゃ古美門vsダー子が観たいっていう話が出てくるのも分かります(笑)第2話には吉瀬美智子、第3話のゲストには石黒賢と安定したところを持ってきていますが(内村光良がターゲットとして登場する回も)残念ながら数字は芳しくないようです。最近月9の威光も無いのかなと感じますがそれでも前作の『海月姫』よりは上回ったそうです。
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ソース|長澤まさみ主演の月9「コンフィデンスマンJP」初回視聴率は9・4%でスタート : スポーツ報知とは言えホンは安定して面白いので今後もダー子さんの華麗な騙しテクニックを楽しみしたい1本です。
『シグナル - 長期未解決事件捜査班』
このクールではちょっとダークホース的な感じでした。元は韓国ドラマ『シグナル』を日本を舞台に置き換えたものだそうです。
シグナルー長期未解決事件捜査班/ロゴはイメージです |
最初は時空を超えて無線機で繋がるってのは『オーロラの彼方に』って映画の設定に似てるなって思った事です。するとこの『オーロラの彼方に』はドラマとしてリメイクされていたことが分かりました。
ソースWikipediaより|オーロラの彼方へ - Wikipedia
その時の邦題が『シグナル/時空を越えた捜査線』だったそうで。元になった韓国版も類似が指摘されていますが、ストーリーは違うので別物です。過去を改変することによって起こるタイムパラドックスとサスペンスが組み合わさった物語はなかなか目が離せません。過去が変わる事によって必ずしも良い方向に向かうとは限りませんし、どうなるのか過去が変わる事で今がどうなってしまうのかという二重のサスペンスが産まれてくる事になっており、いや韓国の元のドラマも数々の賞を受賞したとありますがそりゃそうでしょうと。
今回はオリジナルを忠実にドラマ化(日本向けにローカライズしながら)のようですが今後が楽しみな連続ドラマですね。日本版の脚本を担当しているのは尾崎将也。奥様の佐伯紅緒は小説家ですが映画『RE:BORN』の脚本を書いておられます。(これは豆知識です)初回は時効が絡んだミステリーで1話完結ではなく1話目の事件は2話の序盤で決着が付きとそれぞれ事件が連続してまたがっていくので最初に引き込まれたら最後まで観るタイプの作品となっています。今後の展開も楽しみです。あとこの枠の前作『FINAL CUT』でもあったブリッジミニドラマが制作されており動画サイトGYO!で視聴可能だそうです。
|シグナル 長期未解決事件捜査班-動画[無料]|GYAO!|ドラマ(GYOはサービスを終了しました。)
正直観なくても本筋に影響を及ぼすものではないと思うんですが、ドラマ世界をより楽しみたいというには面白いかもしれません。最近動画サイトでこういった試みが多いのは各サイドで加入者や視聴者を増やす試みなんでしょうがどこまで定着するか、こちらの動向も気になるところですね。
キャスト
主人公の三枝健人には坂口健太郎。何故か星野源と間違えてしまうんですがよく見ると全然違いますよね(ヲイ!そんな坂口健太郎が演じる三枝は幼い時のトラウマが二重三重にもあり、最初の誘拐殺人や、兄がなんらかの事件で警察に逮捕?のような事がありながらも警官となり、交番勤務をしながらも大学時代に収めた心理学の知識をもって芸能スキャンダルなどをマスコミにリークするようなダーティな人物。しかし彼はその子供の頃に目撃した誘拐殺人や兄が巻き込まれ自殺した事件を謎を解くために警察に入ったというなかなかに重い宿命を背負った設定です。まるで大映ドラマのようですが、もともと韓国ドラマは大映ドラマを手本にしていると聞きかじった事があります。
そんな彼と無線機でつながる過去の時代1997年の刑事の大山剛志に北村一輝。ハードから、熱血、ニヒルから粗暴な男までカメレオンのように演じれる北村一輝。今回は熱血だけど少々周りからは浮き気味で、正義感はあるけど無鉄砲な刑事役です。さすがに演技が上手いです。安定感があります。その大山を慕って、彼の失踪後、身体的特徴が似ている身元不明の遺体が見つかると検視を担当している法医学教室から情報を貰っている、現在未解決事件捜査班の班長である桜井美咲を吉瀬美智子。1997年当時は大山を慕っているだけの桜井が、強面になっていった理由は、彼のような刑事になるという事からなんでしょうか。吉瀬美智子、好演していると思います。
他に隠蔽など事件を政治的に利用したり暗躍してのし上がった中本刑事部長役に渡部篤郎。未解決事件捜査班担当係長である岩田に甲本雅裕。未解決事件捜査班の山田に木村祐一、鑑識係官小島に池田鉄洋という布陣。北村一輝とともに硬軟演じられる渡部篤郎が腹黒刑事部長役というのは、日10でやってた『警視庁いきもの係』の名物刑事と180度違う感じでなかなか味わい深いものがあります。初回と第2回のゲストに長谷川京子。最初はタイプキャストが多かったけれど最近は多彩な役をこなすようになりましたよね。第3話にかけてはモロ師岡。連続殺人の犯人か?というシーンもありましたが、さて。
過去に現在の情報を伝える事により未来が変わる時間改変やタイムパラドックスもからんでくるSF的設定なんですがどちらかと言えばサイエンスフィクションではなくサイファイですよね。ファンタジーな部分もある。だけど基本はサスペンス。犯人は誰だ?過去の被害者を救う事が出来るのか?なかなか目が離せません。
『特捜9』
『警視庁捜査一課9係』の加納係長役渡瀬恒彦の逝去により、いったいどうなってしまうのかと思ってましたが、看板の架け替えで対処してきました。さすがに係長がいないのに9係のままでは出来ないと。
特捜9/ロゴはイメージです |
でも9係のメンツは活かしたい。そんなわけで9係は一度解体され、それぞれがそれぞれの(一人離職していましたが、もちろん青柳です(;^ω^))部署に散ってしまっているところから始めました。そして警視総監肝入りの刑事部長預かりである特捜班を編成。班長には元人事課の訳ありで退職した人物を復職させる事で舞台を一新しました。まあそれ以外は何時もの9係なんですが、それとともにシリーズを通しての巨悪(元警察官僚で警務部首席監察官で現法務大臣という政治家)を設定しているようで9係の解散と復職した新班長の退職時の事情にも絡んでいる様子。気になりますね。この辺りは『刑事7人』で上手くいってるから大物を設定してそこと戦うみたいな感じでしょうか。ともかく9係はメンツが安定しているので安心して観ていられます。
キャスト
まあくどくど説明しなくとも青年こと浅輪直樹に井ノ原快彦、そして9係としては最後となった前Seasonでめでたくゴールインとなった倫子に中越典子。元9係の小宮山志保に羽田美智子、村瀬健吾に津田寛治。青ちゃんこと青柳靖に吹越満、相棒の矢沢英明には田口浩正。捜査一課9係の魅力は渡瀬恒彦の加納係長のとぼけた感じもなんですが、まさにチーム感が、しかも仲良しチームではなく、それぞれがスタンドプレーから生じるものであって、そこがまたいい味を産んでいるんですよね。今回班長の宗方に寺尾聡が加入し、浅輪とコンビを組む刑事部長からのお目付け役?のような進藤に山田裕貴が加わった事でどういう色になっていくのか?それと神田川警視総監役の里見浩太朗が第1話の最後に加納係長に対して、これで良かったかと空に語りかけるシーンがあって、スタッフの渡瀬恒彦さんへのリスペクトが感じられたのは良かったです。
『未解決の女』
このクール、コールドケースモノが2本なんですが『シグナル』は予想の斜め上をいってるので、こちらは正統派。いやどちらかと言えば『おみやさん』テイスト。セットやキャストがそうは感じさせませんし話の運びや、ストーリーの進め方が違うけど、やってる事は…『おみやさん』なんですよね。
未解決の女警視庁文書捜査官/ロゴはイメージです |
奇しくも9係もおみやさんも渡瀬恒彦の関係していたドラマなんですが…なんか因縁を感じますね。でも『未解決の女』はスタイルはTBSかフジって感じですが、これ『警視庁文書捜査官』という原作があるそうで、主人公はそのままなんですが相棒役が男性から女性に。そしてその女性が主に物語を回していく感じになっているようです。
キャスト
その男性から変更になった矢代朋には波留。彼女、幾つか刑事役を経てきていますが、クールビューティーな雰囲気だったり、知的な感じが多かったのが、朝ドラの主人公みたく猪突猛進な性格な刑事を文字通り熱演しています。最近の風潮として熱血すぎるのはうっとおしいと思われちゃうかもしれませんが、腰の重い「倉庫番の魔女」をかつぎだすにはこれくらいが良いかもしれません(笑)
その「倉庫番の魔女」こと鳴海理沙には鈴木京香。ちょっとお茶目だけど高飛車で文字にしか興味を示さないけど胸の内には熱いものを秘めた文字フェチ刑事を演じております。最初はどうかなと思いましたがお局感と高飛車感を上手く融合させてやってるんではないかと。漫画チックにやるところもあるけど、どちらかといえば演劇的な感じで演じてていいんじゃないでしょうか。その2人がいる特命捜査対策室6係の係長財津には、平成の無責任男こと高田純次。今回過度なおふざけは封印して飄々とした曲者を演じているのも好印象。実は高田純次、性悪な役から意地悪、いい人まで結構、変幻自在な方です。
そして「倉庫番のフランケン」こと草加には遠藤憲一。渋い声で黙々と仕事をする「ザ・デカ」っていう感じはやはり遠藤憲一ならではでしょう。最近の「バイプレイヤーズ」で見せた部分を上手く使って、実は鳴海に気がある部分もいい感じです。その他、特命捜査対策室の室長、古賀には沢村一樹、捜査一課強行犯第5係の係長、川奈部には光石研。5係刑事で矢代の同期の岡部には工藤阿須賀。先輩刑事桑部には山内圭哉。脇も多彩で押さえるべきところは押さえてますな感じです。ただもうちょっと冒険しても良かったかなと。ただ沢村一樹がその前に放送された『CHEF 警視庁IR分析室』では財津係長のような飄々感と鳴海ばりのするどい観察力とIRなどを使ったハイテクも使った頭脳派刑事を演じていたので、いい意味でふり幅あって面白いかなと。
|Amazon|未解決の女 警視庁文書捜査官|(C)麻見和史・KADOKAWA/テレビ朝日
スーパー刑事大戦
びっくしたのは捜査一課長役でその前の木8、『警視庁・捜査一課長』で大岩捜査一課長で出演している内藤剛志が登場したこと。実はその『警視庁・捜査一課長』でも矢代が搭乗するシーンがあって地続き感を出していました。この試み面白いので最終回スペシャルでコラボするのはありではないでしょうか。テレ朝は刑事ドラマが多いし、スーパー刑事大戦とか(同局の仮面ライダーや戦隊が介するクロスオーバー映画タイトルにあやかった感じです)やればいいのになと(笑)実は『相棒』でも鑑識の米沢さんが一度、番組をまたいで出演したことはあったんですがその後別世界な感じで進んでいるのがもったいなくて、是非ともテレ朝刑事ユニバース構想として統合していただければ(笑)
最後に
他にも『モンテ・クリスト伯』の翻案ドラマ(タイトル同じ)や刺青をはぐ闇社会の始末人『スモーキング』などもあるんですが、基本このクールはシグナルを注視していこうかなと思っています。なかなか気になる設定だし、先の展開が予想が付かないのもいいですね。『警視庁・捜査一課長』シーズン3もゆるゆると視聴しておりますし、このクールも何かと騒がしい感じでtonbori堂が好きなタイプの面白いドラマが揃ったと思います。ただ前クールは『アンナチュラル』という凄いのがありましたからね。さてそれを越えられるか?期待しています。
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