『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の前にマーベル・シネマティック・ユニバースを振り返る【ネタバレ注意】-Web-tonbori堂アネックス

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の前にマーベル・シネマティック・ユニバースを振り返る【ネタバレ注意】

2018年4月21日土曜日

MARVEL movie

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 tonbori堂はM.C.Uの出発点は『アイアンマン』であったけれど、作品群の、ユニバース構想のコア、原点は『キャプテン・アメリカ:ザ・ファースト・アベンジャー』であったと考えています。そのM.C.Uフェイズ1の集大成が『アベンジャーズ』だったわけですが、続くM.C.Uフェイズ2はフェイズ3への助走とも言うべき作品群と今思えば、そういえるものでした。去年より続けたマーベル・シネマティック・ユニバース再見シリーズで13作品のエントリを上げてみましたが、『アベンジャーズ』は『アイアンマン』と『キャプテン・アメリカ』がやはり中心にあるなと感じます。


 そこにフェイズ3以降を引っ張るキャラとして登場した『ブラックパンサー』も加わっての『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』はまさに集大成として次代への橋渡しを『アベンジャーズ4』とともに担う事になると思います。今回は以前のエントリも含めつつマーベル・シネマティック・ユニバースのおさらいをしてみました。


動画はYouTubeより|Marvel Studios' Avengers: Infinity War | 10-Year Legacy Featurette」特別映像|Marvel Entertainment

【警告!】このエントリは『アイアンマン』から始まったマーベル・シネマティック・ユニバースの作品内容に言及しています。ご了承の上お読みいただけると幸いです。但し『インフィニティ・ウォー』に関してはこのエントリ作成時にマーベル・スタジオよりリリースされメディアが伝えた情報を基に書いているため、インフィニティ・ウォーの詳しい内容などについては記載しておりません。重ねてご了承ください。

全ては『アベンジャーズ』にアッセンブルする。

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 地球最強のヒーローチーム、アベンジャーズ。彼らの分裂からスタートする『インフィニティ・ウォー』それには理由があります。『アベンジャーズ』でそれまで製作してきたヒーローが一堂に会して戦うという空前絶後のフィナーレを迎えたわけですが、ラストにロキを地球に遣わしチタウリを動かしてたジ・アザーがかしづく真の黒幕、サノスが登場しました。これは『アイアンマン』のラストにアベンジャーズ結成をほのめかすフューリーと同じく、この作品がヒットすればという願いをスタジオ側が込めていたわけです。


 実際、マーベル・シネマティック・ユニバースも『アイアンマン』から順調に作品群を重ねてきた訳ですが、映画というのは水物、極めてリスキーなビジネスです。ファイギもそれは熟知しており『アイアンマン』でもフューリーのシーンは秘密裏に撮影された上に、ほんの短い時間でこのお話には先がありますよというアペンディックス(おまけ)みたいなものと考えていました。もちろん最終的には何時かは『アベンジャーズ』を映画化したいという希望を持っていたわけですが、当時『アイアンマン』がヒットするとはハリウッドの誰もが思っておらず、それどころかいわゆる安全パイと言われるスーパーマン、バットマンに次ぐX-MENやファンタスティック・フォーというマーベル・コミックスで一番知られているヒーローでもない『アイアンマン』はコケるだろうと思われていたそうです。


しかし、作品はヒットして手ごたえを感じたプロデューサー、現在はマーベル・スタジオの社長であるケヴィン・ファイギは、『アベンジャーズ』実写化計画への布石を打つべく、次回作でユニバーサルと共同でマーベル側ではスパイダーマンやX-MENとともに人気のあるキャラクター。ハルク(ブルース・バナー)『インクレディブル・ハルク』を再映画化、そして『アイアンマン』の続編を製作にとりかかり『アベンジャーズ』のメンバーとして『マイティ・ソー』、『キャプテン・アメリカ』の製作に着手していったというわけです。

最強の、その先へ。

 そしてそれらのヒーローがクロスオーバーする『アベンジャーズ』は記録的な大ヒットとなりました。誰もが予想しえなかったところへ僅か5年で到達したわけです。そこで『アベンジャーズ』のサノスの登場シーンを『アイアンマン』におけるフューリー長官登場と完全に同じというにはちょっと短絡かもしれませんが、当然ヒットの追い風を受けているこの時点で、最強ドリームチーム『アベンジャーズ』には今後最強、最悪の敵をあてなければならないと考えるのは当然のことで、この後の作品がヒットするかどうかも分からない。だけど歩みを止めることなく前へ進み続けるエンジンとして、願いを込めてファンに、この先にはサノスが控えていますよというメッセージを送ったわけです。


 そもそもサノスはマーベル・コミックスで最強クラスのヴィラン(悪役)インフィニティ・ウォーの原典にあたる作品では今作の予告編でガモーラに言われているように指をパチンとならすだけで世界の半分を滅ぼすインフィニティ・ガントレットにストーンを集める全宇宙の人類を半分にしようとしているというヴィラン(敵役)です。そんな最強をフェイズ3のラストを飾る強敵として持ってきたマーベル・スタジオの自信と覚悟が感じられる選択です。


 そしてそのための準備を着々と進めながらもユニバースに多様性をもたらすためにいろいろ腐心してきたのがフェイズ2、フェイズ3であったとtonbori堂は考えています。そして『アベンジャーズ』で一旦結集したヒーローたちが『シビルウォー/キャプテン・アメリカ』で分裂するという事態に至ったのも最強のヒーローたちが最大の困難に立ち向かうため、さらなる力を集めるためでしょう。

M.C.U次の転回点、新たなるヒーロー

 そして先ごろ日本でもロードショー公開された『ブラックパンサー』は来る集大成である『アベンジャーズ』3&4に対する、『アイアンマン』『キャプテン・アメリカ』のような新たなマイルストーンになるべく自信を以ってマーベル・スタジオから送り出されたとtonbori堂は考えています。ストーリーは王道の話を。覇道を行こうとするヴィラン、キルモンガーに対して王道を歩むことで真の王となるティ・チャラの姿に黒人社会のみならず現代の社会まで込めて見せたのですから。


 当然ベースにはアメリカの黒人社会が抱えていた大きな問題が背景にあるのは間違いありませんが、王道のストーリーを描くことにより、今の社会の写し鏡にもなっているところが米国での大ヒットにつながっていると見るのはうがちすぎでしょうか。当然手放しでいいところばかりではないという意見もありますが、ウォーマシン、ファルコンという黒人ヒーローをしっかりと定着させてきたマーベル・スタジオが満を持して送り出したヒーロー、『ブラックパンサー』が成功したことはマーベル・スタジオにとっても大きな試金石になったと思います。

動画はYouTubeより|Marvel Studios' Black Panther | Connecting the Universe|Marvel Entertainment

 そんな『ブラックパンサー』はマーベル・スタジオのロードマップでフェイズ3の6本目にあたります。以下各フェイズについて軽くおさらいしてみます。

フェイズ1

 『アイアンマン』から始まり『インクレディブル・ハルク』、『アイアンマン2』『マイティ・ソー』『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』そして『アベンジャーズ』までがM.C.Uフェイズ1です。ここまではマーベル側もまだ手さぐりで『アイアンマン2』のヒットで軌道に乗ってきた感がありますがキャラもまだ発展途上。だから『アベンジャーズ』の前の『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』は『キャプテン・アメリカ』のオリジンを見事に描きながらも、M.C.Uのオリジンとなるべく今後に対する種がまかれた作品でした。tonbori堂が『ザ・ファースト・アベンジャー』を原点と唱えているのはそういう事なのです。

M.C.U最初の1本、最初のヒーロー『アイアンマン』

2018大丸梅田店「マーベル・スタジオ/ヒーローたちの世界へ」/アイアンマン ホールオブアーマー
2018大丸梅田店「マーベル・スタジオ/ヒーローたちの世界へ」/アイアンマン ホールオブアーマー

 最初の作品に『アイアンマン』を持ってきた事は、今となっては奇跡のさい配だったなと思います。マーベル・コミックスでスパイダーマン、X-MENを除いてハルク、キャプテン・アメリカはそれでもまだ知名度のあるキャラクターですがアイアンマンはコミックスファンでないと殆どが知らないキャラクターだと思われていたそうです。これはHuluのマーベルBOXで配信されていたM.C.Uの歩みみたいなドキュメンタリーからの受け売りなんですが。だからこの作品は成功するとは一般的には思われておらず名だたる監督は二の足を踏み、キャスティングも難航したとか。やっとのことで俳優でもあるジョン・ファヴローがメガホンをとる事になったと。そして当時、ドラッグ問題などで半ば干されていたロバート・ダウニーJrが再起を懸けて主演のトニー・スタークを演じる事に決まったと聞いています。


 tonbori堂もアイアンマンというスーパーヒーローがいるのはこの映画で知りました。武器を作る兵器産業の社長で自らも設計、開発に携わる天才科学者にして発明家であるトニー・スターク。傲慢でプレイボーイ、しかしシャイな部分と繊細な心を持つ心優しき人物です。もっとも友達にすると面倒くさそうなタイプですが、周りの人たちにも助けてもらいながらやがてスーパーヒーローへとなっていく過程は非常に面白いものがありました。この作品が成功しなければ後の『アベンジャーズ』も今に至る作品群もなかったということではまさにM.C.Uオリジン、それが『アイアンマン』です。

鉄の男はこうして産まれた。『アイアンマン』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


M.C.U2本目『インクレディブル・ハルク』

 この作品、実は『スパイダーマン:ホームカミング』と似ているところがあるんですよ。というのは如何にしてパワーを得たオリジンストーリーがメインではないところ。この作品ではアバンタイトルで早回しでさっと説明。『スパイダーマン:ホームカミング』に至ってはオリジンストーリーは語らない。既にピーターは力を持っている。ベンおじさんはいないというスタートをしていますが言ってみればこちらが先です。皆が知ってる話は端折り、新たなエピソードを語るというのはよく知られているヒーローにとっては効果的な方法かもしれませんね。ちなみにトニー・スタークこの2本ともに出ています(この作品では最後のポストクレジットシーンですが)


 それでもバナーを追うロス将軍、ロスの娘でバナーの恋人ベティなどハルクの重要なエレメントは備えており、後のM.C.Uに深く関わる超人兵士計画の話などもさらりと入ってるあたり上手く作られていると思います。現在、ハルクは『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』『マイティ・ソー/バトルロイヤル』と来て『アベンジャーズ/インフィニティウォー』でサイドストーリーとしてハルクが語られており『アベンジャーズ4』で決着をみると言われています(バナー役ラファロやケヴィン・ファイギのインタビューなど)この作品でのバナーはエドワード・ノートンではありますがM.C.Uでのハルクストーリーを追うならこのエピソードは味わい深いと思います。

逃亡者ブルース・バナー『インクレディブル・ハルク』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


M.C.U3本目『アイアンマン2』

 ヒーローとなったトニーとそうではなかった、トニーとは違う道を歩んだもう一人のトニーともいうべきイヴァンとの対決と、父への想い(これは『シビル・ウォー』にも効いてきます)そして自らの死を意識する事になるエピソード。多彩なアーマーは好きだし何度か観ると面白さが分かってくるんだけど1回観ただけではよく分かりづらい作品でした。

社長の憂鬱。『アイアンマン2』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


M.C.U4本目『マイティ・ソー』

 ヒロイック・ファンタジーの世界からやってきたようなヒーロー、ソー。北欧神話をベースにしているのでアスガルドの登場人物はそれにそった名称をもっていますが、ユグドラシルという次元をまたがる世界樹によってアスガルドとミッドガルド(地球世界)がつながっているというSF風味も加味された作品でしたね。

暴れん坊とロマンス。『マイティ・ソー』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


M.C.U5本目、正統派ヒーロー、キャプテン・アメリカ

2018大丸梅田店「マーベル・スタジオ/ヒーローたちの世界へ」/キャップの盾
2018大丸梅田店「マーベル・スタジオ/ヒーローたちの世界へ」/キャップの盾

 なんといってもフェイズ1真打にしてアベンジャーズの顔と言えばスティーブ・ロジャースことキャプテン・アメリカ。M.C.Uで5本目になる『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』はマーベル・シネマティック・ユニバースの中でも非常に重要な作品だと思っています。それについてはエントリをご覧いただければ幸いなのですが、『アベンジャーズ』につながる4次元キューブや、M.C.Uを揺るがすS.H.I.E.L.Dの崩壊を描く『ウィンター・ソルジャー』やキャップの思いから端を発する『シビル・ウォー』までアイアンマンとともに重要な役柄を担っているのがキャップと言えます。


 ソロ映画がパーソナルな問題を解決することになる『アイアンマン』に対しキャップのソロ映画はパーソナルな問題が大きな事象に発展する、そんな感じでしょうか。またフェイズ1の真打として登場し、その後『インフィニティ・ウォー』続く『アベンジャーズ4』(仮題)でも重要な役柄を担うであろうキャップがアイアンマンと共にこの作品の核であることは疑いようがありません。

M.C.Uのオリジンストーリー。 『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


M.C.U6本目、クライマックス『アベンジャーズ』

 そして全てピースがととのったところで『アベンジャーズ』が製作されました。この時点でも奇跡という事があればこれがそうだと思いますが、ハルク役がノートンからラファロになったものの、これがまた上手くフィットして奇跡のアンサンブルを産みだしていました。って奇跡使い過ぎですよね(^^;でもそう言いたくなるほどの作品だったのです。ロキもヴィランとして愛されキャラとしてこの作品で人気を不動のものにしたように思いますし、全ての作品があってこの『アベンジャーズ』に結実したと思います。

奇跡のアンサンブル 『アベンジャーズ』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


フェイズ2

 M.C.Uフェイズ2は『アイアンマン3』、『マイティ・ソー/ダークワールド』『キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャー』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』『アントマン』が製作されました。ここからは人気を確かなものにするとともにフェイズ3への集大成に向かっての助走とも言うべき作品群でした。


 アイアンマンのサーガをトリロジーとしてまとめ、アベンジャーズの中核キャラだったソーとキャプテン・アメリカの人気を確かなものにするための続編制作。特に『キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャー』は70年代エスピオナージモノへの目くばせも効いた素晴らしい作品となっていました。この作品をまとめ上げたルッソ兄弟監督はその後、『シビル・ウォー』や『アベンジャーズ』3&4の監督にも抜擢されています。そしてあくなき挑戦として、宇宙で活躍するチームを描く『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の製作には最初は、大丈夫かなと正直心配でした。しかし観に行ったときに完全にシャッポを脱いだのは言うまでもありません。

M.C.U7本目『アイアンマン3』

 『アイアンマン』トリロジーの最後はトニーのヒーローとしての殻を打ち破る成長の物語となっていますが、この作品で殻を打ち破ったはずなのに…ってなってしまうちょっと可哀そうなポジションの作品かもしれません。数多くのアーマーがフィナーレで花火になるというアイデアとかトニーと子どもの交流とか良いところもたくさんあるのですが、トリロジーとしては綺麗にまとめたけれどという作品評価が多いように思います。それにはヴィランであったA.I.Mのキリアンがマンダリン(操っていた)だったとかもあるのかもしれませんがともかく『アイアンマン』トリロジーの締めとしてはまとまったと思う作品です。

社長、PTSDになる。『アイアンマン3』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


M.C.U8本目『マイティ・ソー/ダークワールド』

 『マイティ・ソー』シリーズでは悲壮感漂う感じの1本です。特にロキのヴィランでありながらもソーとの兄弟という部分が強調されたあたりが、その後の作品でも活かされているのですが。ジェーンとの仲に関しては今後どうするんでしょうね?『バトルロイヤル』では別れたとは言っていましたが。

アスガルドのカインとアベル『マイティ・ソー/ダークワールド』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


M.C.U9本目『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』

 これはM.C.Uの中でも人気が高く、死んだはずの友が強敵となって立ちふさがるとか、S.H.I.E.L.Dが崩壊してしまったりとかともかくM.C.Uの世界を揺るがす大事件という点でも外せない1本です。そしてアベンジャーズはS.H.I.E.L.Dがいてこそというのを後のち強く感じる作品にもなりました。70年代エスピオナージモノのマナーに則り、『コンドル』に出演したロバート・レッドフォードをキャスティングするなど細部もこだわり、ラストのトリスケリオンでの攻防、ウィンター・ソルジャーとキャップの一騎打ちなど見せ場もしっかりとした屈指の名作でした。

M.C.Uの最初の転換、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


M.C.U10本目、世界を拡張した、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』

 元々ジェームズ・ガンは知っていたし彼の作品『スーパー』は劇場へ足を運んで、これはなかなか鋭い監督が出てきたなと思っていたのですが、まさかそのジェームズ・ガンがベタベタなヒーロー映画のマーベル作品を作るとは。(どういうことかと思う人は映画『スーパー』をご覧ください。ぶっ飛びます。)ですがちゃんとマーベル・コミックス映画になってるしルーザーへの目くばせもあったし、なによりイカしてる(これ重要)映画だったのです。


 これによりM.C.Uの世界はぐっと広がりましたし、アメコミに造詣の深いガン監督が加わった事は今後の展開のキーマンとして彼がブレーンとなっているということからも伺えます。これがM.C.U10本目の作品というのも新たなマイルストーンとして置かれたものかなと思っています。

俺ら銀河のルーザーズ|『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


M.C.U11本目『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』

 ウルトロンは元々マーベル・コミックスの原典では『アントマン』のピム博士が作り出したものとなっていますが、この時点ではピム博士は登場しておらず、さりとてヴィランとしてサノスを本格登場させるのは時期尚早ということで、ウルトロンが登場。その創造者はトニーがその任に当たる事になりました。


 そのためかトニーのメンタルヘルス問題などが浮上しましたが、ワンダに悪夢を見せられたことも影響しているわけだし、もともと彼は科学者属性なのでそこは上手くいったと思っています。また『アベンジャーズ』の亀裂がこののちの展開にもという終わりの始まりというべき作品でしょう。

我が名は「ウルトロン」|『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


M.C.U12本目『アントマン』

 どうしても世代的に『ミクロイドS』や『ミクロマン』、もっと古ければ『ミクロの決死圏』ちょっと後の『ミクロキッズ』を連想してしまうんですが、ケイパームービーのマナーを取り入れライトコメディ色で味付けしたアクション映画として立派に成立させていました。実はtonbori堂好きなM.C.U作品ランクでけっこう上位です。これだけで楽しめるというのも大きいですよね。

ミニミニ大作戦|『アントマン』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


フェイズ3

 これまでよりさらに攻めの姿勢に転じたともいえるM.C.Uフェイズ3、思えばフェイズ2最後の『アントマン』もケイパー(強盗)モノのスタイルを持ちながらもポール・ラッドというコメディタッチの映画に数多く出演している俳優が主演し、これまでとは違ったスタイルをもってきましたが更にそれを推し進めている感じです。マルチバースという世界を持ち込み、魔術というものをもって世界を脅かす脅威を戦う『ドクター・ストレンジ』、そして宇宙を舞台に暴れまわる『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は家族、そしてさらには世界観をも拡げて見せました。


 そして『スパイダーマン:ホームカミング』はそれまでのスパイディとは違う、コミックスやアニメでのよく喋る原典に近いスパイダーマンをスクリーンに登場させました。そして『ブラックパンサー』はご存知の通り大ヒットを記録しています。

M.C.U13本目『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』

 M.C.U13本目にしてフェイズ3の1作目『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』を監督したルッソ兄弟の手によるもので、『ウィンター・ソルジャー』のマナーをさらに推し進めた作品です。『ウィンター・ソルジャー』は70年代のエスピオナージ映画、特に『コンドル』などを手本にしていますが、この『シビル・ウォー』はサイコスリラー映画を手本にしたとルッソ兄弟は語っています。アベンジャーズ分裂のきっかけを作った犯人の描写はまさにそのマナーに沿っていますが、主人公キャップとトニーも精神的に追い詰められている感があって息を抜けるシーンがあるもののヘヴィな作品となっています。それとこの作品は奇跡の参戦を果たしたスパイダーマンと後にM.C.Uで大きな役割を担うであろうブラックパンサーが初登場した作品でもありました。

アベンジャーズ崩壊!|『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


M.C.U14本目『ドクター・ストレンジ』

 続くM.C.U14本目『ドクター・ストレンジ』はさらにM.C.Uを押し広げるために必要であった作品でした。それまで物理法則に(それが魔法のように見えても)縛られていた世界を逸脱し別の次元へと拡げた作品です。ミニマムな世界はアントマンの出番ですがマルチバース(多元世界)や、魔法の世界というものをM.C.Uに持ち込んだ作品です。今後のM.C.Uの方向にも関わってくるキャラクターと作品でしょう。

その男、天才につき|『ドクター・ストレンジ』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


M.C.U15本目『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』

 15本目になる『ガーディアンズ・オブギャラクシー』の続編であるリミックス(本国原題名はVol.2)が製作されピーターの出生の秘密(前作のインフィニティストーンを直に持っても短い時間持った理由として古い種族の遺伝子が入っているので即死を免れたとのノヴァ・コープの分析結果がでていた。)を軸に家族を描くというなかなか泣かせる作品になっていました。まさか『ガーディアンズ・オブギャラクシー』で泣かせられるとは。テンポもよくおすすめの1本です。

銀河無宿|『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


M.C.U16本目奇跡のコラボレーション『スパイダーマン:ホームカミング』

 これはもうなんといっていいのか。正直M.C.Uにスパイダーマンが来ることは無いだろうと思っていました。マーベルは経営が苦しい時代に自社作品の映像化権を売りに出して買い手がついたのはアメリカ人なら誰でも知っている『スパイダーマン』や『ファンタスティック・フォー』そして『X-MEN』がソニー・ピクチャーズやFOXにいきました。なのでマーベル・スタジオでは持っているキャラクターでどうにかするという枷があったわけですが、それを逆手にとりマイナーキャラクターに陽を当てたり、新たなキャラクターを掘り起こしたりということで、世界観を拡げてきました。そこに誰もが知っているあのキャラクターが参戦するというのはにわかには信じがたいものがありましたが、その後M.C.Uでのスパイダーマンが製作されるにあたりとうとうM.C.Uもここまで来たかと感慨深いものがありました。


 そんな『ホームカミング』についてはこちらのエントリをご覧いただければ幸いです。『シビル・ウォー』の続きでもありますが、それまでの悩めるヒーロー像だけじゃなく10代らしいの思春期の無鉄砲さや大人に認めて欲しいそういう部分をもしっかりと描いた、これまでの『スパイダーマン』ともしっかり差別化された作品となっています。

新米ヒーロー、ピーターの日常『スパイダーマン:ホームカミング』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


M.C.U17本目『マイティ・ソー/バトルロイヤル』

 そして17本目『マイティ・ソー/バトルロイヤル(原題名ラグナロク)』はそれまでのヒロイックファンタジーから宇宙を舞台にコメディタッチで軽々とSFアクションをやってのけました。これは監督のタイカ・ワイティティを起用したことが大きいと思いますが、しっかりとコアになるロキとのストーリーとともに、バナーとソーのロードムービーとしても完成度の高い1本です。ですが何と言っても魅力的なキャラクター、ヴァルキリーが白眉でしたね。原作では金髪、白人を黒人のテッサ・トンプソンが魅力的に演じててウィメンズアベンジャーズやって欲しいと思いましたから。

神々の黄昏『マイティ・ソー バトルロイヤル』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


M.C.U18本目、新たなるヒーロー『ブラックパンサー』

 そして18本目『ブラック・パンサー』2018年3月に公開。『シビル・ウォー』でも物語で重要な役割を果たすことになったティ・チャカが王として王道を歩む堂々たる王道の作品となっていました。監督は『クリード』のライアン・クーグラー。主要スタッフも黒人で固めたというのも手伝って黒人層の爆発的ヒットを産んでそれが一般層にも波及し、今もヒットし続けている作品です。別な意味で、キャップやトニーと並んで今後のM.C.Uをけん引していく。さらにはアベンジャーズ4後の世界をも引っ張っていくヒーローとして送り出された。そんな気がしています。

ワカンダ・フォーエバー!『ブラックパンサー』【ネタバレ】|Web-tonbori堂アネックス


インフィニティ・ストーン

2018大丸梅田店「マーベル・スタジオ/ヒーローたちの世界へ」/インフィニティ・ガントレット

 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でキーアイテムになるのがインフィニティ・ストーン。サノスが持つインフィニティ・ガントレットに6つのインフィニティ・ストーンが装着されると比類なきパワーを発揮し、その力は指を鳴らすだけで宇宙の半分が消滅するとまで言われた代物です。宇宙が出来たビッグバンの時、それぞれのエネルギーが特異点として6つの石に込められたのが、このインフィニティ・ストーンでこれを使って宇宙を支配した種族も過去にはいましたが、その強大すぎる力は過って使うと我が身をも滅ぼすもの。


 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でインフィニティ・ストーンのうちオーブに封印されていたパワー・ストーンは惑星ザンダーのノヴァコープが管理するところまでが描写されていましたが、いつの間にかサノスの手に渡っているのが予告編で確認できます。四次元キューブ(テッセラクト)にあるスペース・ストーンは予告編でロキがサノスに渡している事から今は2つのストーンを持っている状況です。残りのうちエーテルことリアリティ・ストーンは、アスガルドからコレクターの元に持ち込まれ(あの爆発で散逸していなければ)まだ彼が持っているはず。そしてセプター(『アベンジャーズ』に出てきたロキの杖)にあったマインド・ストーンは現在、ヴィジョンの額にあります。取り出されそうになるシーンがあったので油断は出来ませんが。


 残る2個のうち一つはドクター・ストレンジが管理しているアガモットの眼という魔道具。この中にある宝石がタイム・ストーンと言われています。そしてソウル・ストーンの行方は未だ不明とのこと。このソウルストーンはワカンダに落下したヴィブラニウムの元になった隕石ではないかというファンの推理もありますが、実際にはどこにあるかは不明のままです。『インフィニティウォー』で全ての在りかとガントレットに全てが揃うのか?(揃うと指を鳴らすだけで生命体の半分を消滅させられる)。ここも注目点になってくるでしょう。


そして『インフィニティ・ウォー』へ

 そして4月末公開の来『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に備えるならばまずは『アベンジャーズ』の2本と『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』『ブラックパンサー』『ガーディアンズ・オブギャラクシー』と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』を予習するのが良いのではないかと思います。実際には全部観てくださいといいたいところではあるんですけれど、ここまで本数が増えると全部を観る時間を作るのも大変という方もいるかもしれません。ならばまずはこの6本を押さえておくのが良いかなと考えました。


 アベンジャーズの2本はアベンジャーズのストーリーとして物語の根幹を成すものですし、ヒーロー集結という部分と何故彼らが戦うのか?その動機やモチベーションを理解するとともに彼らの背負ったものを垣間見ることが出来るからです。またキャラクター同士の関係性も観ていれば理解できるのでおススメです。

Amazon primeVideo|『アベンジャーズ』

Amazon primeVideo|『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』


 『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』はそのアベンジャーズがどうしてバラバラになってしまったのかという事を描いた作品です。正義を成すには責任が伴う。その責任に対してのスタンスや、それぞれの事情も掘り下げられた1本です。重い話ですが是非観て欲しい1本です。

Amazon primeVideo|『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』


 また『ブラックパンサー』は直近の作品ですし、トレーラーを観るに、決戦の地がワカンダであること。またティ・チャカの妹シュリ王女も重要な役割があるとの事なので予習するにはピッタリな1本ではないかと。まだ東京ならギリギリ劇場で観れるのではないかと思います。もしかするとインフィニティ・ウォー前後に追加上映…ないかなあ…。

ブラックパンサー|映画|マーベル公式

 そして『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の2本。これはサノスとの因縁が深いキャラクターが出ているからです。サノスの養女でガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーであるガモーラ。サノスに生みの親を殺され養女として育てられ暗殺者として暗躍していた彼女と、同じく養女として育てられた妹のネビュラ。彼女たちが『インフィニティウォー』で果たす役割も気になりますが彼女たちの事を知るならまずはこの2本を。

Amazon primeVideo|『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』

Amazon primeVideo|『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』


追記*どうしてもそんなに沢山観れないよって方のために。

 とりあえず3本。『アベンジャーズ』、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』を押さえていれば良いかと思います。ただキャップとバッキーの事でシビル・ウォーが起こりましたので『アベンジャーズ』を外して、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』という組み合わせも有りです。

Amazon primeVideo|『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』

『アベンジャーズ』フィナーレ序章

 ざっと駆け足で振り返ってみましたが、多分、これは多分なんですが、『インフィニティ・ウォー』は『インフィニティ・ウォー』で決着は付くと思うんですが、真の決着は『アントマン&ザ・ワスプ』『キャプテン・マーベル』を経て『アベンジャーズ4(アンタイトルド・アベンジャーズ、サブタイトルがまだないという意味とも言われています)』で一つの終わりを迎えます。(それはほぼ明言されています。)

動画はYouTubeより|Own Marvel Studios' Avengers: Infinity War!|Marvel Entertainment

 『アベンジャーズ4』のタイトルはネタバレになるそうなので『インフィニティ・ウォー』の公開後に明らかになるだろうというのが大方の見方らしいですが秘密主義のマーベル・スタジオの事、『キャプテン・マーベル』公開まで伏せられるかもしれません。アメコミファンのみならず、本場のアメリカのファンも『アベンジャーズ4』のサブタイトルをいろいろ推理しているようです。で、最初に戻るんですけれど、やはり10年を一つのマイルストーンとして次の10年はまた新しい道を切り拓いていこうと、だからこそ幾人かのキャラクターは劇的なラストが用意されているともいいます。つい先ごろM.C.U10周年を祝う全員集合写真が撮られましたが、このメンバーが揃うのは最初で最後かもしれません。

動画はYouTubeより|『Marvel Studios 10th Anniversary Announcement – Class Photo Video』|Marvel Entertainment

 もちろん慣れ親しんだキャラクターがこれで見納めというのは悲しい話ですが永遠に続くものなどはありません。これはキャプテン・アメリカ役のクリス・エヴァンスがこれが最後と認めた上での話ですが、放り出される前にいい状態で退きたいというのも実感としてあると思います。だからこその『インフィニティ・ウォー』は終わりの始まりとなるのではないかと思っています。

ソース|クリス・エヴァンス、キャプテン・アメリカ引退を示唆 - シネマトゥデイ

 tonbori堂は前にも書いた通りアメコミ原典には疎くマーベル・コミックスもそれほど読んだことがありません。だからこそそこも含めてフェイズ3や続く次の展開には非常に興味があります。そのためにもまずは『インフィニティ・ウォー』を楽しみたいと思っています。


追記20180428:

 少しサノスの事を書いた文章を追加しています。追加部分はアンダーバーを引きました。

追記20180920:

 『インクレディブル・ハルク』の文章を少し追加しました。次のアベンジャーズ4でハルクの物語が一応の完結をみるというあたりの部分です。

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