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フーテンのジャック。『ジャック・リーチャー: NEVER GO BACK』感想(2016公開|米)|tonbori堂映画語り【ネタバレ注意】

2017年10月3日火曜日

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 Amazonビデオプライム見放題で『ジャック・リーチャー:NEVER GO BACK』をやっと鑑賞しました。タイトルとエントリ見出し、どちらも正直に思った感想です。ふらりとやってきた風来坊、実は凄腕のっていう主人公の話なのに今回はむちゃくちゃ寅さん風味と、股旅物の匂いを感じてしまったのです。

『ジャック・リーチャー Never Go Back』 Trailer #1/パラマウント・ピクチャーズ(日本版)/YouTube

ジャック・リーチャー、ぶらり世直し旅。/あらすじ

 ジャック・リーチャーは元憲兵隊の少佐。今は軍を退き、決まった定住先を持たず各地を放浪している。行きがかりで基地の兵士と地元保安官がグルになって行っている人身売買を告発したリーチャーは、古巣の現在の指揮官、ターナー少佐と言葉を交わすうちに彼女に興味を覚えワシントンDCに出向く。


 ターナーをオフィスに尋ねるとモーガン大佐という人物がターナーのオフィスにおり、彼女はスパイ容疑で告発されたという。彼女の部下に質問し軍弁護士を探り当てたリーチャーは彼女の弁護を担当するモアクロフト大佐と接触するがターナーはリーチャーとの面会を拒んでいると聞かされ、おまけにリーチャーに隠し子がいたということを告げられる。隠し子と告げられたサマンサに会いに行くが彼女が本当に自分の子なのか自信がもてないリーチャーは見守るしかなかった。


 リーチャーには尾行が付くようになりモアクロフトがターナーの部下がアフガニスタンに飛んで捜査中に射殺された翌日に逮捕されていることに不審を抱いたことを話すがその夜に何者かによってモアクロフトは殺された。リーチャーはモアクロフト殺しで一時的に軍籍復帰の上憲兵隊に拘束されてしまう。刑務所に連行されたリーチャーは機転を利かして、同じ刑務所にいるターナーに殺し屋が迫ったのを救い出しそのまま脱獄する。そしてこの事件の裏には、ターナーが追っていたアフガニスタンで民間軍事会社に委託している武器管理から武器の横流しであることが裏にあると睨んだ2人は共に協力して裏にいる民間軍事会社パラソースを探る事にしたが、2人とリーチャーが接触したサマンサにもパラソースの魔の手が伸びていた。果たしてリーチャーはパラソースの陰謀の証拠をつかみ自身とターナーの冤罪を晴らし、サマンサを守り抜くことが出来るのか?

アウトロー・リーチャー

 前作のタイトルは『アウトロー』でした。リーチャーがある狙撃事件で逮捕された元陸軍のスナイパーに呼び出され事件の裏にいる者たちをあぶりだし、事件を荒っぽく解決するという、西部劇のような硬派なアクションでした。好きなスタイルで、アクションもよかったし、面白かったと思います。今回も出だしはそんな感じだったのですが、事件が起こってからちょっと様相が変わってきました。

 今回はもう一人の中心人物でヒロイン、マリア・ヒルじゃなかったコビー・スマルダーズに会いに行って(惚れたわけじゃなくとりあえず頭のいい人とおしゃべりしたいみたいな感じになってましたけど)、その上もう一人のヒロインであるリーチャーの隠し子?というサマンサに振り回され、困った顔になるリーチャーがなんとはなく、硬派で押してた前作より若干柔らかい雰囲気にあふれたのが原因かもしれません。


 そして前作『アウトロー』で、あっしには関わりはございやせんという風にならず、どっちかという進んでトラブルを呼び込む体質なのは分かっていましたが、今回は、うーんちょっとなっていうのが目につく描写が多く見えるシーンがあって、なんだか等身大風来坊ヒーローを狙ったのかもしれないけど、前回までの妙な無敵っぽさが薄れた感がそれに拍車をかけている気がします。(実際には無敵にちかい強さなんですが。)ちなみに『ジャック・リーチャー:NEVER GO BACK』のあらすじ、いろいろなところで微妙に違う上に間違った情報と正しい情報が混在してて大筋ではそうだねって感じなんですけど、まずターナー少佐はリーチャーの元部下ではないし(元部下はターナーの部下でもあるエスピン)冒頭のシークエンスは単なるきっかけにすぎないしというのがあってみんなちゃんと見て無いの?それとも自分が何か見逃した?ってちょっと心配になりました(笑)

追記:これ原作ストーリーでは結構後の話らしく、原作の流れからあらすじが混乱しているとも考えられます。そもそも企画開発当初に想定されていたストーリーも違っていたとか。

ターナー少佐

 リーチャーはローンウルフですが、今回はコンビを組むことになります。そのため変則的バディモノの色合いもでていますが、ターナーも軍人で少佐ということはかなりのやり手ということが伺えます。実際リーチャーにも食って掛かるし、前作のヒロインは弁護士だったので、事件に対する洞察なのは鋭いけれど、荒事にはおろおろするだけだったに対し、迫る殺し屋に対して一緒に戦う気丈なところもあります。その部分もリーチャーの影が薄くなるというか、丸みを帯びたのでは?と思わせる遠因の一つではないかなと。結果が面白ければいいんですが今回はちょっと上手くいってなかったかなと思います。レストランのキッチンでのアクションなどは良かったんですが…。

サマンサ

 以前に関係があったと申し立てている女性(売春、覚せい剤で逮捕歴のある)からリーチャーの子どもがいるのでと養育金代わりの保障金が欲しいとなっており、その娘がサマンサです。全く身に覚えがないものの、男である以上まさかと思って接触したことからサマンサが巻き込まれる事になるんですが、正直リーチャーの過去がはっきり分からないのでこの性格が過去の出来事に起因しているのかそれも地のモノなのかよく分からないので彼女に対する行動もイマイチつかみづらいというか。


 事は無かったというタイプなので、それでも自分の知っている、もしくは向こうが知っている人物の娘が難儀しているのならという事かなという事で一応は納得しているんですが。後見人として(放浪者だから実際には難しいけど)今後は彼女を見守るんだろうなというラストはまあ、ですよねっていう感じです…。

キャスト&スタッフ

 他にモーガン大佐は、何かといろいろ出ていますの、『CSI:マイアミ』のカリーの元恋人ヘイデン刑事ことホルト・マッキャラニーや、『プリズン・ブレイク』のティーバックことロバート・ネッパ―が脇で出演しています。ですが正直2人の魅力を活かしきれてないのもちょっと歯切れの悪い感じの感想になっています。エドワード・ズウィックってもしかするとこういう映画は苦手なの?っていう気までしてしまいました。彼の『マーシャル・ロー』や『戦火の勇気』は好きな作品なんですが。あと『ラストサムライ』もですね。うーんなんでしょうね。トム・クルーズにしては歯切れの悪い感じが残りました。


 クライマックスはニューオーリンズなんですが、まあ場所がどこでもそう変わらないかな。ただマルディグラでの絵は映画の画として欲しくなるのは分かります。もっとも『NCIS:ニューオーリンズ』だったら毎シーズンあるからなってなりますけど(苦笑)トム・クルーズとコビー・スマルダーズファンならという事で感想を〆させていただきます。

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