実はそんなものはないのです。ではなぜこういったエントリを書く気になったかというと、以前に書いたHuluさんのドメイン変更関連エントリのとき、サーチコンソール(Googleの提供しているサービスでどのような検索ワードで検索されているのか、どのワードがクリックされているのか検索結果に表示されているのかを教えてくれるwebツール)で確認すると、「Hulu、無料」やドラマのエントリを書いた時に、そのドラマ番組名と無料の組み合わせがあって、そしてその殆どが表示回数は多いもののクリックはゼロだったからです。(中には掲載順位が高いのもありましたがクリックはゼロでした。)それでこんなベタなタイトルにしてみたんですが気持ちとしては先に書いた通りなんですよね。言ってしまうと「タダほど高いものはない」。それでも何故か検索では『無料』というワードをいれてしまうのはなぜか?それについてちょこっと書いてみたいと思います。
画像はイメージです|イラストは「いらすとや」さんから |
「只より高い物はない」
地上波、衛星どちらにしろ見逃してしまったもののなんとか無料で観たい。1週間は過ぎてもっていう気持ちは分かりますが、やはり値段がついているものは付くべくして付いているのです。当然、コンテンツホルダー側の思惑で無料になるものもあります。民放各社でドラマ、バラエティの1週間無料配信っていうのがその一例ですね。実のところ最近ドラマの見逃し配信って無料なんですよね。見逃し配信でも一部は有料になっているものもありますがほぼほぼ1週間は無料視聴できるのが殆どです。そういったことをちょっと自分なりに書いてみようかなと思ったのがきっかけです。タダなのには理由があるという話です。
画像はイメージです|Pixabay リンク |
でも我々はタダで見れると思っている主に地上波の番組、動画ですが、「そんなものはない」と作ってる側も思っているはずです。ドラマにしろバラエティー番組にしろ、ニュース番組に至るまで番組をつくるのにはコストは絶対にかかります。そういったコストをどうやっているかというと、例えばNHKは受信料でまかなっています。
NHKは受信料で成り立っています
NHKはよく「皆様の受信料で成り立っています」といいますよね。つまり我々が払っている受信料で番組が製作されているわけですが、ならばオンデマンドはタダで配信しろよって話も出てくるかもしれません。ただ配信側のサーバー管理費まで受信料で賄っていればその言には一定の説得力がありますが、NHKの基幹部分のみで、Webで配信しているオンデマンドには回ってないとすればそれはやっぱりお金かかりますよねっていう話になります。これは別物として考える方がいいとは思いますが気になるならNHKの決算報告などを精査して、受信料で賄えているならという話は出来ると思います。
ですがそもそも受信料を払わず観ているのならやっぱりそれはタダ見ですし、実のところNHKは国営放送ではないですし(国政がかかわる場面もありますが基本は「日本放送協会」であり公平な第3者機関として設置されています。それをどっちにというのは多分に個人の見解が分かれるところでしょう。)公平な放送を期するために受益者、つまり視聴者から受信料を徴収するというのが法律(放送法)で定められています。とは言え徴収するというのは定められていても(しなければならないという文言)があっても義務であるという文言がないので税金のように義務ではないという理屈がなりたったりしますし、今も徴収については問題がついてまわっています。
そういえば悪質な受信料拒否に対してたまに強制徴収の話が出てきますね。ただTVもアンテナも設置しなければNHKとの契約は解除できるということを聞いたことがあります。また放送機器もNHKを受信しないケーブルなどならばという話もあり近年抜け道に関する議論もあがっている部分です。(緊急放送などの問題はラジオの受信機器に関しては受信料は発生しないとの事でそちらを持つことになるかと思います。)でもそうなれば結局どこからお金をという話になりますね。
民放(民間の放送事業者)はスポンサーで成り立っている?
民放はNHKのような公共放送ではないので受信料をとらずに放送していますが、どこからお金をだしてもらっているのか?それは広告料です。CMを番組の間に放送してスポンサーから広告宣伝費を受け取り、それを収入源として番組を製作するというのが、大まかな仕組みです。また製作した番組は「著作権」というもので守られておりTV局側の「資産(コンテンツ)」ですから、それをもって収益を上げていくのが民放の基本的なビジネスモデルと言えるでしょう。そのスポンサーは視聴者が潜在的な顧客となり売上が伸びればまたというモデルですが直接的にお金を出しているのはスポンサーなのでひと昔前なら(今もか😅)スポンサーの意向というのが働いたなんて話もありましたね。
御託は分かった、でもタダで見たい!と言ってもどうすればいいのか?
なんて人は多いでしょうね。そこでまぜっかえすのもなんなんですが、細かく言えばそれなりに上記のように、しつこいですがコストがかかっているというのは頭に入れておきたいところです。でも無料で観たいのだっていうのも、まあ業が深いと思いますが心情は分かります。旅館のTVのように100円を入れて1時間観るというわけじゃないですから、普段スイッチつければやっているものを何故お金を払わなくてはならないのか!ってなるのは確かにありますよね。
ただ旅館のように分かりやすくチャリンとコインをいれていないものの、TVを観るのにお金は普通に使っているのです。どういうこと?と思われた方いらっしゃると思いますが、簡単な話です。TVを観るためにはTV(受像機)が必要でTV(受像機)無ければ買いますよね、そしてピンキリですが誰かから貰うとかそういう事が無い限りは買わなきゃなりません。TV(受像機)をタダでもらっても、それはあなたじゃない誰かが買ったわけです。そして電気代もコストとしてかかっています。受像機、つまりはテレビですが、電気を使う電気機器です。電気を消費するわけです。という事は「電気代」がかかります。各家庭内の他の電気機器の電気代と合算されるため目に見えて分かりやすいコストではないですが、その分絶対にかかるコストは電気代です。
もし本当にTVを完全にただで見たいならTVの置いてる喫茶店、電気屋で見るしかないですが、Chを替えれるかとか、深夜帯、早朝帯、見たい時間に見れるのか?という不確定要素が入り込んでくる以前に喫茶店なら何かを注文しない訳にはいきませんし、電気店で毎日TVを観ていたら、それは不審者と間違われるという事を覚悟しなくちゃなりません(苦笑)そもそもそんな面倒なことをするなら家で見ますよね。
まあまぜっかえすのはこれぐらいにして、TVは持ってるし電気代くらいのコストは勘定に入らないよっていう人なら、例えば見逃したドラマなどは一部視聴するのに料金のかからない無料配信があります。インターネットで配信しているサービスです。ただそこでも別のコストがかかります。それはインターネットとそれを使用出来る環境です。パソコンやプロバイダー料、回線料金んです。現代ではインターネットに接続することは普通に行われていますがその分のコストをどこに置くかでも話は変わります。ただTV・動画を無料で見るだけの話になってくると、くどいようですがそこのコストはかかるぞということは意識して置いてください。では次にそれを必要経費とした上で無料で動画や番組を視聴できる方法があるのかをちょっと調べてみました。
無料で視聴できるオンデマンドサービスなど利用する
最近のTV局では重い腰をようやく上げ始めネット配信を始めて、過去のコンテンツを配信しています。製作も映画会社や外部制作プロダクションと共同の場合はそれぞれに使用権など発生するため有料で配信されている場合が殆どです。これらはビデオのレンタルとセルビデオのようなもので一時的に見れるものなら安く、ずっと見れるものなら特典映像が無い分、市販のソフトよりは安いがレンタルより高い値段設定になっています。
もっとも市販のソフトはその流通量により値段が変動するのですが配信のセルビデオは基本的に値下げなどがありません。もっとも時価というものがありますから、サービスとして値段が下がる場合があります。
ただ放送中のドラマなどはリアルタイムの視聴率を上げるため見逃し配信と称して放送後から次回の放送まで「無料」で配信というものが増えています。ただしキャストや制作プロダクションの関係で無料ではないものも含まれています。また視聴する前にCMを流すものもあります。(何秒か見てからスキップできるものもあり)
最近各社ともに見逃し配信という形でドラマ、バラエティー番組を期限を切って放送終了後から1週間無料配信という形をとっているところが増えています。そちらを使えば見逃した番組を視聴することが出来ます。殆ど場合各TV局の公式サイトからアクセスできるようになっています。
画像はイメージです/Pixabayリンク |
民放テレビ公式ポータルサイトTVer
民放各社番組を無料で配信するサービスです。100以上のドラマ、バラエティー番組などを放送終了後1週間の期限限定で配信しています。先に挙げた各局の見逃し配信を一か所にあつめたポータルサイトなのですが、リマインダーや番組表など便利な機能もあります。各TV局も番組によってはTVerで配信中と番組最後でインフォマーシャルを入れていますのでそれはスキップできませんが見逃した番組を観るには十分です。
公式サイト 民放公式テレビポータルTVer
TVerにはモバイル用のアプリもあります。
TVer公式アプリ
iTunes AppStore|民放公式テレビポータルTVer
GooglePlay|民放公式テレビポータルTVer
動画配信サービス(有料含め)
GYAO!
無料と言えばまずここを思う人も多いかも。もともとは有線ラジオなどで有名なUSENが展開していた動画配信サービスでしたがYahooJapanに業務を移譲しYahoo動画と統合され今に至っています。10万本の動画は多分日本で一番だと思いますが、全て無料という訳ではなくプレミアムと銘打ったものは有料で提供されていたり、中にはYahooプレミアムに加入していないとという制限が付くものもあります。ですが無料で視聴できる本数も多く、配信スケジュールを確認すれば人気ドラマも全話無料で楽しめることも可能。まず無料でたくさんの動画を楽しみたければGYAO!でしょう。
リンク GYAO!公式サイト(残念ながら2023.3.31にサービスを終了しました。)
Youtube
動画共有サービスで有名なYouTubeですが、最近では企業が公式チャンネルを設立。期限限定で無料配信をすることもあります。一時はそのままTVを録画したもののユーザーが違法にアップして問題になりましたがそういった違法コンテンツではなく公式の配信を増やしてプレミアムな有料コンテンツにつなげたい意向もあるようです。また最近ではレンタルとして一定期間の視聴が可能なPPVもコンテンツを増やしてきています。
リンク YouTube
モバイル用アプリ
ニコニコ動画
ドワンゴが運営している動画共有サービス、ニコニコ動画でもニコ生という生放送配信でドラマ、アニメなどを配信しています。ただニコニコ動画の定額サービス、プレミアムに入っている人が優先的に視聴できるため人気のコンテンツでは視聴途中で退席になることもあるので絶対に無料で視聴したい人にはあまり向かないかもしれません。
リンク ニコニコ動画
モバイル用アプリ
その他動画配信サービスはいろいろありますが、有料サービスが殆どです。但しお試しで2週間無料や、TV局のおすすめコンテンツや期限付き見逃し配信を無料で視聴できる場合もあります。それも下に記します。
Netflix
月額基本料で視聴する動画配信サービスですが、未加入ならば1か月間無料で視聴することが可能です。観たいものが分かっていれば、1か月は無料で楽しむことが可能です。そのまま気に入れば月額料金を払って楽しむもよし、レンタルビデオサービスを月に数回利用するならこちらのほうが安いかもしれません。オリジナル作品の多さや、旬のアニメを配信しており特に韓流ドラマやオリジナルドラマなど作品の質の高さでは定評があります。無料期間のみ楽しむ場合は1か月後は自動で料金が発生しますから必ず退会手続きを自分で取るようにしましょう。Netflix側からリマインダーメールが届きますので忘れずに。
リンク Netflix
モバイル用アプリ
Hulu
こちらも月額料金で視聴する動画配信サービスです。Netflix同様1か月は無料で楽しむことができます。こちらも同様に1か月間は無料で楽しんだ後は料金が発生しますのでその前に退会すれば無料で楽しむことが可能です。Netflixと違いアメリカの法人から日テレが運営に変わり、日テレの作品が充実。またアニメなどにも力を入れています。それまでの各コンテンツホルダーからの作品提供も継続して受けておりかなりの数の作品が視聴できます。
リンク Hulu
モバイル用アプリ
AbemaTV
テレビ朝日が中心となって立ち上げたインターネットTV放送です。幾つかのChがあつまりCSのような構成で見たい時に見てくださいという構成です。アニメのチャンネルでは懐かしのものから新作まで。放送時間が決まっていますが頻繁に一挙放送などもしており番組欄にリマインダーサービスもあり見逃しを防ぐ手段もあります。何より登録など面倒な手続きが一切ないのでお手軽に視聴することが出来ます。
モバイル用アプリ用
最後に
ざっと動画を「無料」で視聴する方法を紹介してみましたが、いかかでしたでしょうか?他にもdocomoのdTVやUSENが新たに展開しているU-NEXTなどでも1か月無料視聴のお試しサービスなどがあります。tonbori堂が加入していないので記載はしませんでしたが、配信作品数はdTVは日本一を謳っていますしU-NEXTもかなりの数をそろえています。またAmazonprimeも加入していれば購入せずに視聴できるビデオや音楽コンテンツがあります。スポーツ中継に限れば、DAZNというのもありますね。加入していない場合は殆ど場合1か月の無料期間が設定されています。(詳しくは各公式サイトでチェックしてください)
利用する時に
これらの無料配信サービスや1か月の無料体験などは結局その時だけの視聴になります。また配信サービスなどでも作品はどんどん入れ替わっていきます。それぞれのコンテンツホルダーによって配信スケジュールが決められているからですがそういったことを踏まえて観たいものがなかったなんてことにならないように観たい作品が配信リストにあるのか、あらかじめリサーチすることも必要になるでしょう。
YouTube、ニコニコ動画のような動画共有サービスに「違法」にアップロードして視聴も後を絶ちません。ほとんどの無料を謳うネットの情報サイトの殆どはそういった共有サービスのリンクを貼っているだけですが、そういう行為はやがて視聴する側に還ってくる事も忘れてはなりません。先に上げたような動画共有サービスなどで違法にアップロードされたコンテンツを見るのは違法というだけでなく、そのコンテンツにかかったコストに対して、それに対する正当な(決して正札とはいいませんけれど、)対価をやはり支払っていかないと作品というものは成り立なくなるでしょう。それがないと結局「タダほど高いものは無い」どころか、タダで手に入れたものがずっとタダで手に入るとは限らない。やがては消滅してしまうという危険性を認識して欲しいと思います。気に入ったものにはちゃんと対価を支払う。そういう世界になって欲しいと切に願います。
※NetflixやYouTubeなどの動画サービスを気軽にTVで視聴できるFierTVスティック
NetflixやYouTubeなどの動画サービスを気軽にTVで視聴できるFierTVスティック/パッケージ/リンクはAmazon |
このような機器を使えばTVで動画サービスを簡便に使えます。こういった機器をつかって視聴するのもいいと思います。Googleではchromecastという同じような機器があります。興味のある方は使ってみるのもいいでしょう。
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