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あかつか探偵事務所よ、永遠に|『ハロー張りネズミ』最終回を終えて【ネタバレ】|tonbori堂ドラマ語り

2017年9月16日土曜日

drama

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 毎週楽しみにしていた『ハロー張りネズミ』もとうとう最終回。ハロネズロス…あるかも?


ハロー張りネズミ/ロゴはイメージです
ハロー張りネズミ/ロゴはイメージです

ハロネズロス

 いやtonbori堂、ロスよりは次を見せて下さいよっていう人なので、このメンツの腐れ縁。まだまだ観たいですね。数字的にはいろいろ厳しかったというのは監督の大根さんが自らツイートしていたようなので正直なところ厳しいかもしれませんが、こういうフリーダムなドラマあってもいいんじゃないですか?恋ダンスでもどかしい男女の恋バナもいいし、難病を抱えて明日をも知れぬ命を燃やすのもいいですけれどね。金曜の夜に軽い気持ちで、時には泣かせたり、時には「アホか!」と突っ込ませたり、「ありえねー」と笑わせたり。そういうバラエティなカラー溢れるドラマがあってもいいんじゃないですか?


 大根さんって言うと最近では『バクマン』とか『モテキ』とかで名をはせましたが、『湯けむりスナイパー』や『ライオン丸G』などとんがった仕事をしています。自らのテリトリーを深夜ドラマと発言するほどの自負があり、今回の『ハロー張りネズミ』も深い時間とは言えゴールデンに進出したけれど、深夜ドラマのノリを持ち込むと発言されてましたし実際そういうノリを持ち込んできたと思います。

ゴロー。

 個人的には七瀬五郎というよりゴローと呼びたいですね。対比キャラとして『探偵物語』の服部さんみたいなキャラがいても良かったかなと思うけど、それだと原作から大きく逸脱してしまうのでそこはギリギリ譲れない線だったのかな。それでもゴローはいいキャラだと思います。世の中斜めから見てるのに、時として激情に走ったり、『人情とおせっかいがモットー』を一番体現しているキャラになっています。演じているのが瑛太君だから、どうしたって『まほろ駅前番外地』の多田を思い出してしまうけれどそれとは違うあちらはいろいろ噛みしめているけど、こちらは時にはチャラく、時にはマジなそういう軽やかなキャラクターでしたね。

グレ。

 Go森田こと森田剛君、『平清盛』の時の時忠役で、彼なかなかやるなと。それまではちょっとV6の若い人チームのヤンキーな子っていうイメージでした(コラッ)でも時忠で、なんとまあ、やるなと思ったら蜷川さんや劇団新感線などで舞台で鍛えられてたようですね。ジャニーズ事務所って事務所の力でキャストがとよく言われますが、その分影の努力も凄くしている人はしてて、そこが年齢を重ねると差になってくるという気がします。表に出なくなってもちゃんと生きる道を探って舞台なりミュージカルなりに道を切り拓くという感じでしょうか。まあちょっとジャニ上げになってますが、事務所の体質にはあんまし賛同はしていません、とこれは余談ですね。


 ファーストインプレッションにも書いたけどグレはゴローよりもっと年長でおっさんです。本来なら村田雄浩さんとか、ちょっと遠藤憲一さんだと漫画イメージからは遠ざかるか。でもあんましビジュアルは寄せる気がなかったようなので『湯けむりスナイパー』の縁でというのもあっても良かったのに、あえての森田剛なわけです。だから『探偵物語』にプラス『まほろ駅前番外地』感も生まれてきたわけですよね。バディ感というか。それぞれのソロエピソードもあったけど、グレをあえて近い歳にしたというのは面白いグルーヴが生まれたと思います。

蘭子。

 謎の女と言えば峰不二子ですけど、深キョンの良さを十二分に引き出していたと思います。さすが女優にこだわりいいところを撮る監督、大根仁(笑)。ロリ談義なんかはもうそこれがほとばしっていたし、橋本マナミがゲストで出た回などはまさに独壇場ですよね。深キョンっておっとりに見えて頭の回転早そうだし、実はっていうのがはまる女優さん。そこを上手く活かしたドラマってあんまりないですからね。深キョンすごく活き活きしていました。もうちょっと裏側引っ張っても良かったかなと思いましたが、後半の展開を含めて、ゴローとの距離感とかなかなか楽しいものがありましたね。

所長。

 山口智子が旦那さんの唐沢寿明が映画の『ハロー張りネズミ』主役のゴローをやってたというのもなんか因縁を感じますよね。女傑っていう定番キャラを何のてらいもなくやってのけれるところはさすがですという。過去を匂わしながらもまったくそこに触れさせない、いい女ってのはこういうものよっていう、ある種深キョンがロリの理想であれば、ファムファタルっぽい大人の女(峰不二子感みたいな)いい女像が所長だったかなと。こういうキャラクターって探偵モノだと最後は実は敵でしたとか黒幕でしたオチもあるんですが、そういう事もなく親分と化しました(笑)こういうのを観ちゃうとやっぱこのメンツでまた案件やってくれよって思いますよね…

河合節子。

 霊媒師の…。いや蒼井優至上最高のキャラクターじゃないですか?いや個人的にはあんだけの漫画チックなキャラクターを可愛らしく演じれるのは彼女だけでしょうと。レギュラーキャラじゃなくてゲストキャラなんだけどピンポイントで出てくるお助けマンみたいな、いや美味しい役でしたよね。同じような感じでリリー・フランキーさんが南という怪しい業界ゴロで出演していますがそっちも御同様に、こういうサブキャラもいいのも世界観を拡げてくれています。

最後に

 探偵モノジャンルって松田優作の『探偵物語』に止めを刺すと思うんですが、探偵モノじゃないけど便利屋というポジションからの『まほろ駅前番外地』や『リバースエッジ 大川端探偵社』などを撮ってきた大根監督にとってはプライムタイムに殴り込むための勝負作だったと思います。

Amazon|まほろ駅前番外地を観る | Prime Video 

Amazon|リバースエッジ 大川端探偵社を観る | Prime Video (現在視聴出来なくなってます。)

 まあ数字は残せているとは正直言い難い部分はあったんですが、初回の娘の身代わりを探してほしいという依頼から、蘭子の父の死をめぐる陰謀事件、女性漫画家と娘の住む家に取り憑いた悪霊退治エピソード、死者からの依頼で悲しい恋の物語、純情青年と訳あり美女の恋物語、グレの黄色いハンカチ、なぜかヒーローショー(ストーカー退治付き)、そして最後の「徳川埋蔵金」TBSが30年かけても発見できなかったあの徳川埋蔵金(笑)こんだけのバラエティのある話を原作はあると言っても多分いろいろオリジナルに直してきてやってると思うんですがまだまだこの4人のりしろあるんで是非続きが観てみたいですね。それだけのポテンシャルはある作品だったと思います。


 tonbori堂の特に好きなエピソードは河合節子登場回のFILE No.3『ママ、淋しかったの』の前後篇です。なんか噂によると数字がめっさ悪かったそうですが前後篇だからかなあ。これを見逃した人はかなり損しているといっちゃいますよ、ええ。話も幽霊ネタだしうへ?っていうのもあるかもしれないけど、深読みも出来るしキャラもたってて面白いエピソードでした。それと、グレのソロエピソード第8話FILE No.6『残された時間』でしょうか。「幸せの黄色いハンカチ」を底に置いてのエピソードはいい余韻を残してくれました。続編は難しいかもしれないけれど声を上げればもしかすると…届くかも?しれませんよね。ほらゴローの中の人もこう言ってるし。


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