M.C.U再見シリーズも8本目。今回はマイティ・ソートリロジーの2本目となる、『マイティ・ソー/ダークワールド』を取り上げます。このお話も壮大な歴史が元になっているのですが宇宙開闢の頃に発生した闇の勢力であるダークエルフを打ち破り宇宙の果てに追いやったアスガルドへ、彼らがアスガルドに奪われ隠された最終兵器を探り当て逆襲する物語です。
『マイティ・ソー』といい『ダークワールド』といい過去の話が今現在に関わってくる。なんともはやアスガルド、過去のツケを現在に回しすぎ問題が出てきますね(苦笑)ちなみに『ラグナロク(バトルロイヤル)』もそういう感じです😅
ダークエルフの逆襲/ストーリー
※ストーリーの結末まで記しています。読み飛ばされる方は目次から飛んでください。
前回の物語で平穏を取り戻したかのように見えたユクドラシルを中心とした9つの世界はやがておこる惑星直列のため混乱の中にあり、『アベンジャーズ』で生きていたロキを捕まえたソーは9つの世界の平定のために各地で騒動を起こしていた勢力を平定して回っていました。今回の『マイティ・ソー/ダークワールド』は前作で描かれたジェーンとの関係と義理の弟であるロキとの関係が描かれた作品となっています。『アイアンマン』や『キャプテン・アメリカ』と違いソーは別次元の宇宙に住まう神のごとき力を持つ者たちです。
人間には違いないのですが、高度に発達したまるで魔法にしか見えない科学力を持ち、大いなる力を以って世界の守護者を任じているアスガーディアン達は地球人から見ればまるで神のように見えます。実はマイティ・ソーの世界アスガルドはこれまでも地球(ミッドガルド)を狙う勢力からミッドガルドを守っているという事は『エージェント・オブ・シールド』にゲスト出演したジェイミー・アレクサンダー演じるシフが、クリーとはじめとする異星人の手から地球を守ってるとコールソン達に告げていました。今回は先の氷の世界、ヨトゥンヘイムとの戦の前にオーディンの父らがダークエルフとの戦いも絡んでいます。このダークエルフは宇宙の誕生する前に闇から産まれた勢力で、宇宙を自らの産まれた闇の中へ戻そうする勢力です。
ダークエルフの帰還
宇宙誕生の前に闇より産まれ出たダークエルフ、マキレスの軍勢が宇宙を闇に引き戻すために全世界に戦いを挑んだが、アスガルドの王ボルはこれを打ち破りました。しかしマキレスは宇宙誕生の時に産まれた強力な力を持つエネルギーを「エーテル」という兵器として使用しようとしており、激戦の末マキレスたちを追い払ったものの「エーテル」は破壊することは叶わず、地下深くへ埋め人目に触れないようにしました。そしてマキレスたちダークエルフはやがてエーテルが目覚める時、再びこの地に戻るため長い眠りにつきました。
時は現代に戻り、9つの世界を平定したソー、ウォーリアーズスリーのホーガンはヴァナヘイムへ戻り、ソーは世界の秩序を取り戻したとオーディンへ報告にアスガルドに戻ります。アスガルドの王の座をオーディンより託されようとしていましたがソーは地球に残したジェーンが気がかりでまだ受諾していませんでした。ジェーンはロンドンで惑星直列による磁気変動による時空の歪みを発見、調査に向かいますが、歪みに迷い込みエーテルに引き寄せられその身にエーテルを宿してしまいます。全てを見守るビフロストの番人ヘイムダルの目から消えたジェーンの身を案じて三度、地球に降り立ったソー。彼女に身に異変が起こった事がエーテルによるものだと知りジェーンを救うために彼女をアスガルドへ連れて行きます。
ダークエルフの逆襲
地球の人間を神域であるアスガルドに引き入れた事を咎めるオーディン。ですが彼女に身にやどるものがエーテルとし知り、処遇を決めるために軟禁しますが、ソーの母でオーディンの妻フリッガが機転を利かせて匿います。そこにエーテルの胎動を感知し目覚めたマキレスたちが攻め込みます。副官のアルグリムがカースというダークエルフが闇の力で変貌を遂げたバーサーカー(狂戦士)となり、アスガルドに囚われたふりをして地下牢獄に潜入。牢獄を破壊し混乱を生じさせ不可視のダークエルフの戦艦がビフレストを突破しアスガルドの宮殿を急襲。アスガルド軍も必死に抵抗しますが、死を恐れぬダークエルフの軍勢はアスガルドの軍勢を圧倒します。やがてジェーンを匿ってるフリッガのいる部屋にやってきてジェーンを渡すように要求しますが実はそこにいたのはホログラムでジェーンは既に部屋を脱出していました。激昂したカースの凶刃に倒れるフリッガ、ソーとオーディンが部屋に駆け付けた時には既にフリッガは落命していました。
反撃開始
目的を達せませんでしたが、ダークエルフたちは惑星直列に備える事に。エーテルの力は強く、このままではジェーンの身体も持ちません。オーディンは軍勢を立て直して一気に攻め込むつもりですが、ソーはジェーンの身体からエーテルを引きはがせるのはマキレスのみ。そこで一計を案じ、大逆の罪になるリスクを背負って、オーディンが封鎖したアスガルドを抜け道に通じたロキととともに脱出、最果ての地スヴァルトヘイムへ。脱出にウォーリアーズスリーの2人とシフ、ヘイムダルの力を借り辛くもアスガルドを抜け出しました。
スヴァルトヘイムに降り立った3人はジェーンからエーテルを引きはがすことには成功しましたがマキレスを倒すことは叶わず、反対にロキがカースによって殺されてしまいます。最果てのスヴァルトヘイムに置き去りにされたソーとジェーンですが、直列の空間の歪みによってロンドンとつながっていることが判明。エーテルのダークマターを使いユグドラシル全体を闇に返そうとやってくるミッドガルド(地球)に向かうマキレスの先回りが出来る事に。アベンジャーズの一件で精神的に不安定になっていたセルヴィグ博士も合流し、マキレスに対抗する術を考えます。ソーがマキレスを食い止めている間に、重力場を安定させエーテルを押し返そうとします。しかしマキレスの戦艦はロンドンに現れ、時間稼ぎのためにソーはマキレスとその軍勢に立ち向かいます。直列の影響でスヴァルトヘイムとロンドンがつながり、ますます直列による影響が大きくなる中、マキレスはますます強力になっていきます。しかしジェーンが自身が飛ばされた事を思い出し、装置のパワーを上げました。その結果ソーがスヴァルトヘイムに飛ばされた瞬間にマキレスと入れ替え、マキレスは自身の戦艦が倒れてくる下敷きになりました。エーテルが発動する寸前でユグドラシルの平穏は保たれたのです。マキレスを倒した後にソーはオーディンに王位継承を辞退し自由を求めました。それを許すオーディン。ソーが去った後にオーディンの身体が光に包まれ、ロキの姿に。「礼をいうのはこちらのほうだ」と嘯くロキ。
エーテル
ソーは地球に舞い戻りジェーンの元へ、そしてシフとヴォルスタッグは宇宙のあらゆるものを収集しているコレクターの元へ。四次元キューブ(テッセラクト)とエーテルの2つの強力なパワーがアスガルドに集中するのはまずいということで、宇宙で一番安全と思われるコレクターのコレクションルームへ預けに行ったのです。シフたちからエーテルを受け取ったコレクターは彼女らが去った後にエーテルを見て、こうつぶやきます。残るはあと5つと…。
ダークワールド
ダークエルフ
ファンタジー作品ではエルフというのは長命で人とは折り合いが悪く、気位の高い種族で、ダークが付く者たちは闇の勢力に属しているというのが定番でしょう。当然ダークエルフでもいい者はいるし、エルフから寝返った悪いやつらもいるわけですが。このマイティ・ソー/ダークワールドに出てくるダークエルフは闇の勢力なのですが、この宇宙開闢前から存在し、光の満ち溢れるこの世界から、元の闇へ戻すことを使命としている勢力でアスガルドと度々激突し、この作品ではソーの祖父ボルによって撃退されたことが語られています。
そしてその時に宇宙が出来たときに発生したエネルギーの一つを使ってつくられた超兵器エーテルをダークエルフから奪い取ったものの、そのエネルギーが強力なために破壊を断念。誰の目にもつかないスヴァルトヘイムの地中奥深くに埋めて封印することにしたのです。スヴァルトヘイムから脱出したマキレスたちは大型の宇宙戦艦に乗ってスヴァルトヘイムを去りましたが、彼らはその大きな戦闘力だけではなく進んだ科学を用いていることが分かるシーンです。進み過ぎた科学は魔法のように見えるとはいいますが、ダークエルフは魔法よりはどちらかというと力押しの強い種族のようで日本のファンタジー作品に慣れ親しんでいると、ちょっと違和感あるかもしれません。
エーテルとは?
エーテルというと庵野秀明監督の『トップをねらえ!』でも出てきたエーテルを思い出す人がいるかもしれません。この宇宙を満たす要素の一つで19世紀まではその物質が空間を満たして光を伝播していると考えられていました。
このエーテルが『アベンジャーズ』でも出てきた四次元キューブとともの来る『アベンジャーズ3/インフィニティウォー』や『アベンジャーズ4』でM.C.U最強ヴィランと言われるサノスが所持しているインフィニティ・ガントレットにおさまるインフィニティストーン(マーベル・コミックスの原作ではジェムと呼ばれている強大な力を封じた石)の一つとされるようなのです。
インフィニティストーン
今のところこのインフィニティストーンの由来は殆どアスガルドから発祥しており、この後、キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャーを経てインフィニティストーンがまた出てくるのは『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』になってから。それもまたサノスから渡されたとはいロキが持っていたセプターにつけられていた石でした。ここまでアスガルドに縁があるのですが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でオーブがでてきたことにより残りはあと2つ。地球にあるのか?それとも宇宙のどこかははっきりしませんが『インフィニティウォー』ではっきりすることでしょう。
コレクター
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』にも出てきた、コレクターはティヴァンという種族で長命であり、宇宙のあらゆるものをコレクションすることに血道をあげている、まあ変人です。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でもオーブの回収をラヴェジャーズに依頼した人物で、今回エーテルを入手(あくまで依頼で補完しているだけですが)事により6つのインフィニティストーンを集めることに乗り出したようです。演じるのは名優の誉れ高い、ベニチオ・デル・トロ。怪しい男を演じさせれば天下一品。今回も怪しいコレクターをポストクレジットの短いシーンで印象付けていきました。
その結果どうなったかは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でご確認ください。ちなみに『バトルロイヤル(ラグナロク)』にもティヴァンの名を持つキャラクターがでてくるそうです。演じるはジェフ・ゴルードブラム。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』でもエンディングロールにちょっとだけ顔だししていました。
オーディンの行方
ラスト、オーディンはロキの姿に変貌しました。スヴァルトヘイムへ向かったアスガルドの追跡隊の一人にすり替わりロキは帰還したことが示唆されていましたが、オーディンがどうなったかは映し出されませんでした。
そのため死亡した説。どこかへ幽閉された説がありましたが、マイティ・ソー第3作『マイティ・ソー/バトルロイヤル(ラグナロク)』ではNYの街にいるオーディンがいる場面のスチル写真が公開されていました。先ごろ公開された予告編ではソーが別の世界で大暴れ、ヘラがアスガルドで大暴れ、どこかの街角でムジョルニアを握りつぶすヘラくらいでオーディン、全然出てきませんでしたのでどのような形で復帰するのかは不明です。ただ『ドクター・ストレンジ』を既にご覧になった方は、ポストクレジットでのシーンをご覧になってわかっているでしょうがソーがストレンジと会見し、地球にいるのはオーディンを探すためと言っています。そのため追放されたという事なのかもしれません。ソーも『マイティ・ソー』の時に力を奪われて地球に落とされましたからね。
この辺りは第3作目ではっきりするでしょうが、アスガルドはバトルロイヤル(ラグナロク)を経て『インフィニティウォー』で最大のピンチを迎えるかもしれないということです。
アスガルド
基本的にアスガーディアンはアスガルドの住人であり、世界樹ユグドラシルの守護者という使命をもっています。だから王のもと、強力な戦士が集い、世界の理を見守っているという立場なのですが、ロキの存在でミッドガルド(地球)への干渉など世界の理が崩れ始めているという立ち位置にあります。
今後の展開次第ではユグドラシルの崩壊またはアスガルドの崩壊でてくるのはまず間違いないかと。なにせ、第3作目の原題名『ラグナログ』は神々の黄昏、世界の終焉をいみしているのですから。そしてロキの存在はいわば世界の理を綻ばす原因でもあります。ただソーとしては兄としてロキを断罪するにはまだ時間がかかりそうな気がしますが、このカインとアベルの決着は果たしてラグナロクでつくのか?それともアベンジャーズで持ち越しなのか?ダークワールドでそうなるかと予告編で散々あおってあの結末でしたからね。ただロキもヴィランの中ではtonbori堂の主観ですが人気の高いキャラクター。決着つけるなら皆が納得する決着をつけてほしいものです。
最後に
キャプテン・アメリカがフェイズ1のM.C.Uのオリジンであると前に書いたのですが、ダークワールドはM.C.Uの成り立ちを描いている部分が多く、『アベンジャーズ』でもフューリー長官が語っていたようにアスガルドの力というのは地球のパワーバランスを一変させることができる力でした。その後、四次元キューブにさそわれチタウリの軍勢が攻め込んでくるにいたり、多くの人が、地球外の勢力とその力を認識してしまったわけです。その中でもソーの力は別格です。そういったソーの力とアスガルドの役割、ユグドラシルの意味などそういったことへの謎の布石を打つようなそんな物語だったように思います。この映画の監督はアラン・テイラー。TVの仕事がメインで『マイティ・ソー/ダークワールド』は数少ない映画の仕事ですが、布石を打ちながらも各キャラを立てるという点ではいい仕事をしたのではないかと思います。
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次の『バトルロイヤル(ラグナロク)』の監督はタイカ・ワイティティ。『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』という低予算ホラーコメディを監督した人です。なので次のマイティ・ソーはまたカラーががらっと替わりそうです。その部分も楽しむためにはこの作品も押さえておきたいところです。
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この3作目でソーの物語も次でひと段落。どうなるかワイティティ監督の手腕に期待しつつ今回はこんなところで〆させて頂きたいと思います。
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