金城武、チャン・ツィイー、アンディ・ラウの『LOVERS』名匠、チャン・イーモウ監督作品。趣味で言えば前作『HERO』の方が好きだけど、後の余韻はまあイイと思える。
『LOVERS』(2004公開|中国/香港)/チャン・イーモウ監督/ロゴはイメージです |
ロマンスと武
今回は恋愛に振っている分、ちょっと湿度が高い。情念が絡みつくというか、ちょっとそこが重い気がしないでもない。映像も全体的に色がはっきりしているのは前作の通り。だがくすんでいる感じが情感を盛り上げる。(質感)アクションの動きも良い。前作はジェット・リーという当代随一のアクションスターを持ってきていたので見劣りするのではと思ったがそれは杞憂に終わった。というか基本京劇なんでアクションも京劇的ではある。なので『HERO』的なものでは無いし前回のも武侠的には正解だがリアルファイトとして、または功夫モノとしては不満は残ったのだから。
元々アンディも金城君も武侠片の経験も豊富だしその辺ワイヤーには慣れている。CGでの手裏剣のアクションは少々くどいがコレがネタにつながるため致し方が無い。
タイトな時間に神髄が宿る。
『HERO』が面白かったのは時間の短さ。だがコレは2人の男と一人の女の物語。しかも敵対関係にあり、互いに裏切っているという昼メロ、ソープオペラの話だ。情念の物語が重くのしかかるので時間が長いとそこに引きずられてしまう。
とは言え『HERO』99分に対し『LOVERS』は120分。約20分(ロールを引けばそこまではないかもしれない)この時間を武侠のスタイルで情念を語るならばもう少し切り詰めて欲しかったというのが正直なところ。そこがちょっとつらい人には厳しいかもしれない。アンディと金城武が、空中をワイヤーアクションでビュンビュン飛んで切り結び、ツィツィが敵の大群を手裏剣で薙ぎ払う作品だと思って観ると肩透かしを喰らう。あくまでも表題通りの『LOVERS』そこから一歩も出ていない作品だった。
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このエントリは本家ブログ(web-tonbori堂ブログ)よりの転載加筆分です。
追記:20180224タイトルを『武侠片というよりは恋愛映画』から『英雄譚から悲恋の物語へ』と改題しました。
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