それぞれを異なる銃が使われ、共通するのは「殺し屋」とガンアクションということだけ。それぞれが小粒ではあるが面白く観させてもらった1本。
『KILLERS』|監督/大川俊道・きうちかずひろ・押井守・辻本貴則・河田秀二/DVDジャケット |
『月刊Gun』のガンコン。
ガンマニアならたいてい知っている雑誌がある、それが『月刊Gun』。銃・射撃の専門誌と謳っておりすくなくとも30年以上いやもっとかもしれないが続いている老舗雑誌で、(追記:残念ながら2011年9月に出版社の解散により廃刊)それがこれまた10年ぐらい前か?よく覚えていないけれどライター陣の一人くろがねゆう氏の音頭でガンコンという自主制作のガンアクション映画のコンテストが始まった。それがガンコンである。
その中から生まれた企画作品で、きうちかずひろ(漫画ビーバップハイスクールの作者であり竹中直人主演「共犯者」渡瀬恒彦主演「鉄と鉛」なのどの監督を務める)大川俊道(世良正則主演「クライムハンターシリーズ」や「あぶない刑事」の脚本家として活躍)押井守(アニメ「攻殻機動隊」「パトレイバ -」、「うる星やつら」の監督。実写も「紅い眼鏡」「トーキング・ヘッド」「アヴァロン」を監督している)の3人にガンコンからピックアップされた監督2名を加え5本のショートストーリーのオムニバス作品である。
『PayOff』|監督・きうちかずひろ
かなり好きなスタイル。レザボアとかにも通じる静と動の切り替え、緊張感溢れる作品に仕上がっている。ただ出来すぎ?っていう感じではあるが一番お話としても完成度が高い。ベレッタのM92FではなくあえてのタウルスPT92推しなのも良かった。
(画像はAmazonより|タウルスの元になったベレッタM92F、そのガスガン)
『CANDY』|監督・大川俊道
Vシネレディアクションのスタンダートな作風だが主演二人がキュート(^^)いやそれこそ同じレディガンアクションモノの「ガンクレイジーシリーズ」よりトウは立っていそうなんだけど(^^;なんかいいんだよなぁ。ただこの5本のなかでは出来は一番普通だったかな?ジャケットカバーはその主演の一人、星野マヤさん。『超星神グランセイザー』にもご出演。
(画像はAmazonより|SIG P230ガスガン、劇中ではこれのステンレスシルバーを使用)『PERFECTPARTNER』|監督・辻本貴則
自主魂(勝手に命名)テイストに溢れた作品で展開が読めるもののこうしたい!ああしたい!てのが見える。ちょっと若いなと思ったが叩けば伸びそうな作風。
(画像はAmazonより|主人公の愛用銃。但し映画は1stバージョンかもしれない)
(ガンスミスCAT'sの主人公ラリー・ビンセントの愛用銃としても有名。)
『KILLERIDOR』|監督・河田秀二
この作品は「中尾真司探検隊」カムバック(笑)だった。監督の河田秀二氏の作品は昔『シネマだいすき』というよみうりテレビの深夜映画企画枠で自主作品特集で観て、面白いなと覚えてた方だった。それ以来の河田作品をまさかまた観れるとはちょっと感慨深いものがあった。今回第三舞台の大高洋夫を迎えての活躍。10数年ぶり中尾ワールドが堪能できた。客演とも言うべき大高がうまくリードしていたのもプラスに働きなんとも言えない面白さだった。個人的にはイチオシ。
(画像はAmazonより|主人公の使用銃。ミリタリー&ポリスのモデルガン)(『中尾真司探検隊』からのお約束のリボルバー。)
『.50Women』|監督・押井守
押井ワールドで押し切ったなと思ったけどアンチマテリアルライフル平たく言えば対戦車ライフルを使って狙撃待機中の『ヒマつぶし』するのをえんえん追っかけるだけという。ただそれだけで成立しちゃったというのもよく考えると凄いけど確信犯的に撮った押井さんの作戦勝ちかな。(成功してないという人もいそうですが)普通なら賛否両論だけどショートだからこそ許される作品をそのように撮ったということでやはり一筋縄ではいかない人だ。あいもかわらず少女と犬はしっかり出てました。
TNGパトレイバーでもこの作品で使われたRAI モデル500アンチマテリアルライフルが登場。第5章エピソード8『遠距離狙撃2000』。特車2課のカーシャとのドラグノフとの狙撃対決はこれまた押井さんの趣味丸だしな話になっている。但しエピソード監督は押井さんではなく監督は辻本貴則。ここでもガンコンつながりが。
オムニバスならではの。
小粒ながらも面白い作品が集まっていますのでガンアクション好きにはおススメです。
|Amazon.co.jp: KILLERS キラーズを観る | Prime Video
元記事を改稿掲載(追記:20170519:画像を追加し末文を削除しました。)
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