自分は、この映画、アバンタイトルのモノクロで映像でかまされた。宇宙開発競争黎明期に宇宙飛行士になれなかった男たちが、その後リターンマッチのチャンスを掴んで再び夢を追うというストーリーもツボだった。
オヤジたちのリベンジマッチ
宇宙開発の黎明期に更なる高みを目指して訓練に明け暮れるチームダイダロスのメンバー達。しかし突然宇宙開発が空軍からNASAに移り彼らの変わりに宇宙に行ったのはチンパンジーだった。そんな過去を背負った爺様達の夢をあきらめなければいつか必ずかなうといういかにもな話が、ハリウッドを代表するいぶし銀な彼らが演じることによって、自分たちの職業に誇りを持つ男達の矜持が描かれている。
スペースシャトルの打ち上げ|画像はイメージです|100万点以上の高品質なフリー画像素材 - Pixabay |
ライトスタッフなれなかった男たち。
この宇宙開発黎明期の話と言えば『ライトスタッフ』という名作がある。これは初期の宇宙開発計画に携わったマーキュリーセブンというマーキュリー計画という宇宙飛行計画に選ばれた7人とそれに選ばれなかったあるテストパイロットの軸に描いた傑作で『スペースカウボーイ』いわば選ばれなかったマーキュリーセブン、ライトスタッフになれなかった男たちのリベンジの話と言ってもいい。
キャスト
クリントの演じるコービンは頑固で自分のする事に絶対の自信を持っている。これは彼が今まで演じてきた全てを心得ている大人の男であり、ベテランならではの余裕を見せる。そして自分の設計した通信システムが搭載されたソビエトの通信衛星(これがラストまでの伏線にもなっている)は他の者には直せないとNASAを半ば脅して宇宙に行くわけだがその時昔のチームをまた再結集する。で、そのメンツもジグソーパズルのようにピッタリはまるというのがまた観ていて嬉しくなる。チーム1の飛ばし屋で今は遊覧飛行のパイロットのホーク(トミー・リー・ジョーンズ)、ジェットコースターの設計をしているエンジニアのオニール(ドナルド・サザーランド)、同じくエンジニアで今は牧師のタンク(ジェームズ・ガーナー)、それぞれが役割がピッタリといっていいほどはまっている。演出も相変わらずで、手堅いが今回は女性の役割が少々軽い。これはオヤジ達の夢を追いかけそれを実現させるお話なので、オヤジ達の奮闘ぶりとその粋な生き方を充分に楽しんでいただこうというイーストウッド監督のさい配かなと思う。
男(オヤジ)たちの決着の付け方。
これは個人主義的で、わがままだが、言うだけの事はしっかりとうやる大人の男たちの物語である。これを見ずして大人を語るのは片腹いたいっていうもんである。ストーリーはあくまで彼らの魅力を引き立たせるもの(もちろんちゃんとした話だが)ギミックも特撮も使われているが主演4人の存在感が光っている良作。イーストウッドファンのみならずオヤジ映画の金字塔。
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