この映画のなにがいいかっていうと、最初から最後まで微妙な間合いとテンポをもっているところだ。登場する人物全てがちょっとズレているし、間合いが微妙なのだ。それと何故か漫画チックな行動をとる。
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オフビートで漫画チック
原作の漫画は未読。で監督は石井克人。元々はCMのディレクションをしていた人。CM界から来た方はたくさんいらっしゃるけど、非常に漫画チックな描写をする方。最初は『デスペラート』(ロバート・ロドリゲス監督作品)みたいなお馬鹿作品かなと思ったらやっぱりそうだった(笑)とはいえメヒコの乾いた土壌ではなくどことなくウエットな浪花節は監督が和が好きだからじゃないかなあ。とはいえ面子も良くてテンポが変で私は好きです(爆)
あとロケというか舞台となる建物とかがまたいい雰囲気で、そこはCMディレクター上がりっぽい。細部にこだわってるという感じが出ているのも好みだったりする(笑)ストーリーは途中まで単純だけど途中でこんがらがるので注意。もしかするとそこで好き嫌いが分かれるかも。まあ雰囲気とカッコで進む、イかれた漫画チックなオフビートっていう感じかな。そしてとことん緩い(笑)
キャスト
主演は浅野忠信 監督は石井克人 共演に我修院達也 (殺し屋の山田君) 岸辺一徳 寺島進 鶴見辰吾他。登場するキャラがみんなヘンなのは多分に漫画原作へのオマージュではなく、監督の趣味かアメコミに影響を探したほうが早いかも。特に原作には登場しない殺し屋の山田君を我修院達也が怪演しており物語の漫画チックさをアップしている。でもこの空気に乗れない人は「おもろない。」の一言で片づけられる作品やろうなあ(苦笑)でもわたしは「おもろいやん~」といっときます。
あ、そういえば原作コミックも変な空気をもってた。(雑誌連載でちらりと読んだことがある)そういえば今(2010年近辺の)の漫画原作映画のいわば走りみたいなもんだけど、そういう意味でも先駆者?なのかも。(ダメなところもいいところも含めて)でもこの映画本当に気に入ったのは最後へんで浅野忠信と寺島進が最初に起こした銀行強盗前で本当に楽しそうに笑うところがある。そこで本当に楽しそうでなんかいいねえこの2人っていうシーンが気に入ってその後この2人をチェックするようになったのも大きい。
20170802:追記
タイトル改題しました。最初は『オフビートで緩いアクション『鮫肌男と桃尻女』』でしたが『オフビートで緩く漫画チックな『鮫肌男と桃尻女』』に変更しました。正直、今観ると多分ちょっと辛いかもしれません(苦笑)、つまらない訳じゃないんだけど、ガツンとくるフックがないんですよね。でも我修院達也の怪演とかやっぱり忘れられない1本です。次作の『PARTY7』はテンポアップしている分外連味が先立ってしまって余計にそう思ってしまったのです。ただ石井克人監督はアニメ映画『RED LINE』(:Amazon)では原作脚本でいい仕事してました。ツボに来る人ならはまれる魅力のある画を作る人だと思います。
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