『映像研には手を出すな!』第10話「独自世界で対立!」|感想と考察【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

『映像研には手を出すな!』第10話「独自世界で対立!」|感想と考察【ネタバレ注意!】

2020年3月14日土曜日

anime manga SF

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 COMET-A、538ってことは538回も続いてるという理解でいいんでしょうか?ともかく「芝浜UFO大戦」始動です。とは言え好事魔多し。色々と今回も出てきました。ということで今回は3幕構成になってましたね。ということで第一幕から色々と書いてみましょうか。

『映像研には手を出すな!』第3巻~第5巻|小学館刊/大童澄瞳 著
『映像研には手を出すな!』第3巻~第5巻|小学館刊/大童澄瞳 著|tonbori堂私物


第一幕:プロデューサーのお仕事はマネージメント

 「芝浜UFO大戦」始動に際し、まだまだ武器の少ない映像研。看板はやっぱり水崎ツバメ。読者モデルのお仕事も入れてくれと金森氏。そう学校では先のロボットアニメで知名度高めましたけど、それを可能にしたのも水崎ツバメという看板なんですよね。ツバメ目当てのファンが来て、アニメのクオリティに驚いたという仕掛け。でも「誰も知らない店に客が来るわきゃない」と先週のチビ森理論に則れば、外部の展示即売会ではまだまだツバメの知名度に乗っかるしかないと、まあこういう訳です。そのためにはツバメが外部に露出して知名度を保持するというのはイコール映像研の看板として現状では必要要件であるという訳です。そんな映像研に招かれざる客が。生徒会の突然の訪問は教師も含めたまあざっくりというと査問会ですよね(^^;


 そう言えばアルバイトを禁止にしてる学校ありましたね。まあ不純異性交遊やらの誘惑が多いとかいう建前ではありますが、労働は尊いとか言いながらも働くなとはこれ如何に?なんていう問答を教師と繰り広げるわけですが、「一字一句反論できる箇所が多すぎてあいつらと会話する気が一切おきない」って(^^;まあ金森氏からするとモラトリアムで護られている反面、その制約で押さえつけられるのも窮屈ではあると。しかし顧問の藤本先生、会議中にゲームはどうかと(苦笑)フリーダムすぎます。いやまあ原作の該当シーンではもっともらしいことを言ってんですよ一応(笑)でもまあ基本「疲れるまで働くな」っていうガチ昼行灯先生(先生らしい事も一応言うけど)なのでまあこの描写…有かも(笑)とは言え建前と外部からの圧力に弱い学校と金森氏との間はどこまで言っても平行線ですから一方的に学校側からの参加は認めるが金銭の授受は禁止という通告で会議は終了。ともかく参加は出来る方向になりました。(と言ってもけっこう綱渡りですけれど)


 そして制作が進むんですけれど進捗を尋ねる金森氏に対して浅草氏、PCにて芝浜の風景を取り込んだマップを金森氏に。ここで芝浜のマップが出るんですが芝浜、デカいです。で原作ではこれ湖なんですけど、この一部だけでこの広さ、琵琶湖クラス?ますます土地の成り立ち気になりますね。芝浜付近は湾になってて漁港も2つ、湾になっているところは橋もかかってるって…いやマジで超巨大じゃないでしょうか。いやこりゃ余談でした。(ちなみに宮さん(宮崎駿監督)ルックで語る浅草氏は可愛かったですねえ。まあリアル宮さんは離れてみると好々爺ですが仕事では金森氏以上に手強い爺様ですがとこれまた余談(笑))

第二幕:サウンドハンティング

 「芝浜UFO大戦」武装都市芝浜に襲来するUFOと対決というアウトラインは決まっているものの、何故UFOは攻めてくるのか?湖から出現する敵の大型基地も芝浜地下から出現する迎撃側と同じ意匠なのは何故なのか?まだまだ細かいところが煮詰まっていない浅草氏。全作業の進捗状況に関わるために発破をかける金森氏ですが浅草氏発熱して地面にめり込む始末。その状況を打破するのが百目鬼氏のサウンドハンティング。しかし寝言が宇宙ってのは想像力逞しい。(百目鬼氏のいびきで一瞬に宇宙に)


 そこで土曜に音狩りにいく百目鬼氏にのっかってネタを探そうとする訳です。全員で行くのは実は金森氏が言うように必要が無い(ツバメは好奇心の塊だがら付いて来るでしょうけど)金森氏を招集したのは意志疎通が下手な浅草氏はともかく一緒にいて軌道修正とそのネタの共有をすぐに出来るという事で映像研招集という事であるとみた訳ですが…どうでしょう。で芝浜高校から見える対岸の時計塔と謎の建屋。裏にある水路管で水力発電所の跡というのは分かります。でもこういう建物見るとムクムクと想像力搔き立てられますよね。当然浅草氏も謎の時計台で1本。謎の怪盗連合対用心棒を思いついて金森氏に怒られる始末(笑)そして「く号兵器」の文字を発見!かつて帝国陸軍が開発したDEW(指向性エネルギー兵器)の事で半ば都市伝説であった(本当に開発はしてた)代物。


 ここで「く号兵器」とそして映像研部室までを結びつけるシークエンス。前回芝浜軍の兵器は指向性エネルギー砲として光線が出ないという事に拘ったシークエンスと今回がばっちり結びついた訳です。原作ではこの後で浅草氏が「雑居UFO大戦争」という短編を起こして(元々は「多島海国家群大アトランティス連合」ってのを水路化して水没している古い町並みから想像したものがく号兵器の発見などで次第に変化)COMET-Aに出品するという流れなんですが、先週と今週で凄くつながりがあって、いや本当にアニメ化に際して原作をよく再現しているなと。そして流れを上手く再編している。いや流れを再編して原作を再現している?みたいな。く号兵器ってのは指向性エネルギー兵器で言わば電子レンジの原理をビームにして発射するというものです。なのでレーザー光線のように見えない事を我々は知っています。なので今回の描写も、おおっそうなのか!ってなる訳です。初回からチビ草氏のエピソードを頭に持ってきたとかそういう再編による再現が本当に上手くて原作を読んでも未読でも、また観てから読んでも楽しめる、いいアニメ化になってますよね。

第三幕:独自の世界

 三幕目は短いシークエンスでしたが、ソワンデが河原で百目鬼の音狩りに付き合っている映像研電撃3人娘の前に現れます。COMET-Aに参加は出来ても金銭授受は禁じられた映像研。どうするよとのソワンデの問いに対し、金森氏はならば参加は映像研でも販売と金銭の回収は著作権者として行うという、条文の抜け穴!ってやつですね、分かります(笑)とは言えソワンデでも金森氏の能力は高く買っている模様で、あまり跳ねっかえると守ってやれないよと釘を刺し学校という独自の世界ではダメなのかと問います。実際学校内で完結も十分に出来るとは思うんですが(けっこうマンモス校っぽいし学内で独自に経済活動あるみたいだし)それでも天井が見えてしまうからこそ正当な対価を手に入れられる外を金森氏は目指したという図式が見えます。それとともにダブルミーニングとして、「最強の世界」をつくるために活動してる映像研もまた「独自の世界」であることを河原に作った回らない水車と時計の音から構築し古代の文明までを創造する(今回の作品に関係ないので金森氏にヤキいれられちゃいますが)浅草氏たちもまた「独自の世界」を持ってるんですよね。交らない世界があるけれどそれぞれ「独自の世界」として存在している…意味深いシーンとなっていました。来週は3巻でどのエピソードが入ってくるのか?(残ってるのも少なくなってきたけれど)楽しみです。

そうそう全く関係ないけどエンディングカード、「じょしらく」思い出しました(^^;


ソース|怪力線 - Wikipedia

※原作漫画も是非是非。

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※ちなみに「じょしらく」ってのはこの作品です。何故かよく見てました。映像研とは違って女子が延々とだべるアニメです。(ちなみにこれも漫画原作なんです。)

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