『映像研には手を出すな!』第6話「前作より進歩するべし!」|感想【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

『映像研には手を出すな!』第6話「前作より進歩するべし!」|感想【ネタバレ注意!】

2020年2月14日金曜日

anime manga SF

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 火曜日までにはなんとか感想を書いてとか言ってましたけど「早速、破綻したか」と金森氏に言われてしまいそうな体たらくでございます(^^;とは言え今回物語の進み具合で2巻までかと思っていたら3巻以降登場の百目鬼の登場で、ありゃこれは3巻も読みたくなってきましたぞという感じで(笑)あれこれ思っているうちに遅れてしまったとまあこういう訳です。今回はロボ研のプロモーションアニメとして目標は前作を上回る事を目指して制作スタートというところが中心となりましたが、ともかく動かすだけではなく、全てにおいて『そのマチェットを強く握れ』よりもグレードアップを目指すために3人が動き出すところが中心になりました。

『映像研には手を出すな!』第2巻|大童澄瞳 著|小学館|
『映像研には手を出すな!』第2巻|大童澄瞳 著|小学館|tonbori堂私物

ロボット研究部

 ロボ研とかいうと、いわゆるロボコンに出場する部活じゃないのかと?思ったら実はフィクションに出てくるロボットを研究しモックアップをずっと作り続けているという些か変わった部活でした(笑)実は第1話の昼休み中オリエンテーションやってるシーンがありましたよね。浅草閣下が金森氏にお使い頼んでお釣りが手間賃として徴収されたあの時です。前回書き忘れたんで一応世間一般のロボ研と映像研でのロボ研って違いますよねーって。その上で制作上での問題点が映像研でも色々出てきました。まずはOPを付けて欲しいとか…、それアニメーション研究会だろ(笑)そして作画問題です。


作画

 そもそもツバメ一人で描いてて浅草氏がヘルプに入ったとしても、そこそこの長さを作るならとんでもない量をこなさなくちゃなりません。ツバメは敢えてそれを呪いと表現しましたけれど、作りだした時にはこれは終るんだろうかという果てしない道へ乗り出したようなものだと思います。学生の頃に線画のみの簡単なアニメーション制作に少しだけ関わった事があります。実のところtonbori堂も学生の頃はアニメーション研究会に所属していました。実質的には金森氏が言うところの「アニメーション」を観て研究(評論、分析)するような体(振りと言ってもいいかもしれません)でしたが先輩たちのグループが簡単なアニメーションを制作しており文芸面と簡単なトレス(作画ではない)をお手伝いしたことがあります。まあ学生のお遊びだからそこまで目を三角にするようなもんじゃなかったけど結局未完成のまま出来ている部分だけを(クライマックスっぽい爆発シーンとか)をつないで1本にした思い出があります。


 それより別グループの先輩たちが作り上げた8mm特撮映画が無事完成した方ことで文化祭の出し物には間に合って以後そっちがアニメ研のメインの出し物になったのはまた別の話ではありますが(^^;(当然tonbori堂の記憶だけに頼って書いているので当時の関係者はまた別の感想や想いがある事をお断りしておきます(^^;)まあそんなわけでPCが部室にあれば作画が捗るというのは確かにそうで、これも2巻に割と書き込まれていたエピソードでありましたがテンポ重視でさっくりと進んでました。(ちなみに入手先と金森氏のメシエピソードはそのまま、寝る子は育つのです(笑))とは言え生徒の部活間でのこういうやり取りってキッザニアって感じでそこまでキッズでもないしヤングアダルトキッザニア(長いわ!)ってとこですかね。こういうのは普通の学校でもやればいいしそういう発想を養うように出来れば面白いと思うんですが。それぞれ得意分野でサポートし、当然対価は支払うというシステムは健全だと思います。

音響部

 で、生徒会に報告にいった金森氏はそこでロボ研からのアニメーション制作依頼を報告します。まあここはそう拾ってきたかと。そこで制作時ミーティングで浅草氏がSEを付けたいと話していた事と音響部が繋がるあたりは上手いなあって思いました。実は入手済みの2巻には音響部は絡んでこないのですよ。でも美術部の背景(これは『そのマチェットを強く握れ』制作時にもネタふってました)の件など実制作をしているアニメのプロが関わっているのでそこかしこに制作の最適化を行っている部分が面白いですよね。音響部は部員1名の弱小部なのに部室を4つ占拠していることから生徒会より部室の明け渡しを申し渡されていました。金森氏はアニメの次の段階として音響が必要ということでその部とコネクションを築くため生徒会の代執行を肩代わりしバーターとして音響部を映像研部室に間借りさせることでSEを入手することに成功したのです。


 ここは割とハリウッド映画でもあるよなー、こういうのっていう展開で借金のカタにっていうの。あ、邦画でもありますよね。そもそもギブアンドテイクってのもアリなんですが物事をなるべくスムーズにすすめるために上手を取りに行く(あえてマウントとは言わない)のが金森スタイルなので。でも浅草氏の映像研の音響の実態は面白かった。歩くだけでSEが貧弱だとなんと悲しい事か…。石畳も草原も土の上も、草履もみんなポコポコって(^^;それに耐えられない百目鬼はついに吐いてしまいました(^^;しかしかなりピュアで登場時にいきなりゲロとか凄いキャラクターが出てきましたよね。こだわりが凄そうなので今後のアニメ制作にもいろいろ噛んできそうな音のスペシャリストの活躍に期待したいんですが…ところで百目鬼、男?女?いや性差どっちでもいいんですけれどね。下の名前が出てこないので少し気になっています。

やる気スイッチ

 以前も急にスイッチ入ってバリバリ書き出した浅草氏。でも不慣れなコミュニケーションでストレス溜まって外の空気を吸いに出たらいきなりロボットアニメを止めようと(笑)これはもうあれですね、「腹を割って話そう」案件ですよね(笑)だけど分からない話じゃない。ロボットアニメにはロボット警察もいるし、メカマニアから設定オタクまでとにかくうるさ型が多いってのは前回も書きましたけど、自分の作った世界に真摯に向き合っているからこその矛盾が気になりそっちに走ってしまう浅草氏(笑)でもそれは痛いほどよく分かる。でもここでも金森氏の言葉が胸を打つんですよ。


「あのねえ、あなたがダメだと思うから、この作品はダメなんですよ。他人なんて関係ない。監督なんすよ、あなたは。」
「あんたがこのロボットに満足出来ないなら「更に好き勝手描く」以外の選択肢は無いんすよ」(原作第2巻第12話「二人のスイッチより|大童澄瞳 著/小学館)

 今回はそこにさらに台詞が付け足されていますが、全ては浅草氏の考えた世界をつくりだすためにという部分はこのために美術部の協力エピソードと百目鬼の登場の前倒しがあってさらに一人では出来ないけれど主導するものの責任というのをズバッと現した名シーンになったと思います。次回はますます制作ヒートアップ…もありましょうが2巻のもう一つのあの名シーンが登場?するかも。

©2020 大童澄瞳・小学館/「映像研」製作委員会
※原作漫画/Amazon

『映像研には手を出すな!』OPテーマ/Easy Breezy|chelmico

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