ドリパス復活上映で何度目かの『花の詩女 ゴティックメード』を観た話。-Web-tonbori堂アネックス

ドリパス復活上映で何度目かの『花の詩女 ゴティックメード』を観た話。

2018年10月29日月曜日

anime FSS movie

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 この10月27日に大阪は北区梅田のTOHOシネマズ梅田の最大の規模を誇るスクリーン1で、ドリパス復活上映での『花の詩女 ゴティックメード』9.1ch特別版を鑑賞してきました。ここ最近の関西での復活上映は鑑賞しているんですが、飽きるという事は無いですね。



動画はYouTubeより|「花の詩女 ゴティックメード」劇場予告編|KADOKAWA|(c)EDIT/永野護

追記:2018.12.27

 現在角川シネマ新宿がEJアニメシアター新宿としてリニューアル。もともとアニメ専門として再出発していましたが、この度名称も変更しグランドオープンとなり、こけら落としとして『花の詩女 ゴティックメード』が期間限定で再上映されている模様です。既に上映は始まっており登壇イベントも売り切れ御免(いわゆるソールドアウトってやつです)となっているようですが上映自体は1/3までありますので帰省の際に関東へ行かれる方はいかかでしょうか。

詳しいタイムスケジュールなどは公式サイトでチェック。

リンク:EJ ANIME THEATER

今後もこの映画館ではいろいろありそうな予感もします。

ボークス イージーアッセンブル カイゼリン
撮影/tonbori堂/イージーアッセンブル カイゼリン/ボークス/(c)EDIT/永野護

 ちなみにボークスのカイゼリンも展示されていますのでぜひご覧いただきたいと思います。上の写真は今年京都で展示されたものを撮影したものですが、今回はポージングとっているもようです。

『花の詩女 ゴティックメード』を繰り返してみるという事。

 正直、連続して何度も何度観ると多分飽きは来るかもしれません。ある作品を大好きで毎日観ていた事がありますが、やはり繰り返してみる事で筋から何から頭に入ってしまって、あの頃はあんなに観ていたのにという作品もあります。でもこの『花の詩女 ゴティックメード』という作品は公開時に4週連続で観た後、ドリパス復活上映で1年~1年半のスパンで復活上映が入るので本当に観たくなったなあと思った頃に上映されて記憶が上書きされる、そんな感じです。

画像はAmazonより(リンクも)|ニュータイプ 2018年11月号|KADOKAWA刊『ファイブスター物語』連載中|扉で音響についてのプロダクションノートあり。
画像はAmazonより(リンクも)|ニュータイプ 2018年11月号|KADOKAWA刊『ファイブスター物語』連載中|扉で音響についてのプロダクションノートあり。




 そして見落としていたところが見つかる。今回はファイブスター物語/FSS連載の扉で音響制作の話(プロダクションノートのように)書かれていたので特に音を注意して鑑賞しました。あるシーンでは思わず耳を澄まして目をつぶってしまったという、映画を観に来ているのになにしてんだっていう事も(^^;でもおかげで色々分かった事もありました(良い子は真似しないでね)

環境音

 なうての音響制作のプロフェッショナル、坂口洋由氏が音響・効果を担当。扉の解説文によるとカプコンに所属されていたとのことで、『ストリートファイターⅡ』などを手掛けられた後、フリーとなってCM、ゲームの音響を主に手掛けられたとの事。その内容は扉文にゆずりますが、かなりの音がこだわりをもってつくられていることが記されていました。今回の鑑賞は、改めて(初見時もボルドックスとカイゼリンの起動音、Mk2、破裂の人形の飛行音とアイドリング音は衝撃でしたが)あらためて音(環境音)に注目すると、環境音がものすごく細かく行き届いているなという印象です。他の劇場作品でも作り込まれてはいるんでしょうが、70分の作品で120分超の作品並みに気を使った音作りがされているという事が今回改めて分かりました。

ベリンの声とカイゼリンの起動音

 後、何気ない部分も注意してつくられているんですが指向性も含めてサラッと作ってるのでこれは言われないと気が付きませんよねっていう部分も。扉で書いてあった起動音の鳴り響く中でボリュームを下げずにベリンの声もしっかり聞こえるという部分、ともすれば音が下がった様に聞こえるんですよ。今回もそうだったんだけどそれは今回の話を読んで納得しました。そこだけ下げててベリンの声の部分だけを下げて空けたので、そう聞こえる人もいるってことではないでしょうか。当然その音も鳴っているんですが聞こえるか聞こえないかで感じは変ってくると思います。歳が行くと高い音は聞こえづらくなるし、反対に若いといろいろな音が拾えます。映画はいろんな年齢の人が観に行くわけだから、そこだけを際立出せるのではなく音圧で勝負!みたいなところがあります。


 昔の劇場はスピーカーを前面とサイドから音を出すのが普通でした。私が映画館によく行きだしたころからサラウンドが普及したように思います。今はもっと進化してドルビー・サラウンドも進化しています。スピーカーを増やしそこで演奏しているかのような音響空間を再現する。5.1chが9.1chとかもそうですよね。この数字はスピーカーの数を指します。

ソース|5.1chとは - AV機器用語 Weblio辞書

ソース|9.1chとは - IT用語辞典 Weblio辞書

 前方、左右、後方にプラスしてウーファーが基本形です。『花の詩女 ゴティックメード』も5.1chデジタルサラウンドを念頭に音響設計されているので通常版で聞いてもそうだと思うんですが、相当に鳴らす環境は千差万別。あとスピーカーの性能にも左右されると思います。ちなみにTOHOシネマズ梅田で使用されているのはElectro-Voice(エレクトロボイス)という会社の特注品です。tonbori堂、このEVのスピーカーは持ってはいないものの実は先輩がクルマのオーディオセットのウーファースピーカーとしてつかっており、基本的に業務用の音響機器を作っていると聞きました。米国のメーカーで重低音が売りだと聞いた事があります。

ソース|製品紹介|Electro-Voice|Bosch Security Systems Ltd.

今回はオフ会も

 今回はわたくし、tonbori堂がお声がけして、梅田の大阪駅から連絡しているグランフロント大阪地下にある春水堂(チュンスイタン)でタピオカ鉄観音ミルクティーを頂くオフというのもやってみました。

台湾カフェ春水堂グランフロント大阪店入口
台湾カフェ春水堂グランフロント大阪店入口
タピオカ鉄観音ミルクティー
ツバンツヒがラキシスにあげたタピオカ鉄観音ミルクティー
(厳密にはあちらのはジョーカーの話ではありますが味は台湾の本店のだとか)

 最初は4名の方が表明されてて、前日までそうだったため、春水堂で座って少し話をしてから別の店へと思っていましたが、ドタ参OKということにしておいたのでtonbori堂を含め7名の方でという形になりさすがに春水堂のイートインスペースでは厳しいなとなりました。そこでルクア大阪11階のテラスに移動。少々風の吹きすさぶ中でしたが和やかな中で自己紹介をしました。


 ちなみにこの階にある大阪ステーションシティシネマ大阪で最初に『花の詩女 ゴティックメード』を初見した時の衝撃は忘れられません。主にカーテンコールの場面なんですが。あとゴティックメード、ボルドックスの登場からのカイゼリンの起動もですね。と少し余談でしたが、そこのテラスにて自己紹介などをしてから、当日ご参加いただいた知る人ぞ知るファイブスター物語フリークでF.S.Sファンサイトの運営もされている、タマモCフリークさんからお宝画像を見せていただいたり、観た後の感想を思い思いに語り合ったり。

タマモさんのサイト|タマモのFSSフリーク堂

その後メンバーの半分がインテックス大阪で開催されているガレージキットの展示会にということで残ったメンバーで場所を変えさらに話し込む事なんと5時間弱?かな8時半のお開きまでどっぷりと濃い話をいたしました。やはり好きな人が集まると視点も違うし、新しい気づきもあるし、ネタが尽きません。いい時間を過ごせました。もう一度この場を借りて参加の皆さまにはお礼申し上げます。

スクリーンで観るという事。

 最後にスクリーンで観るという事についても少し触れておきたいと思います。この『花の詩女 ゴティックメード』は原作者が円盤化(Blu-rayやDVDというパッケージソフト)にはならないよと度々明言しています。

ソース|花の詩女 ゴティックメード:伝説のアニメが上野で特別上映 永野監督「絶対円盤にはならないからね」 - MANTANWEB(まんたんウェブ)

 映画は映画館で観るもの。確かにそれは一理ある話だし、その事についてはいろんな方が、とは言えこう思うや、またはクリス(永野護)という事はよく分る。だけども円盤化する事でもっとすそ野が広がるのでは?というご意見もあるし、なにより実はまたアニメ映画を作る、そのためのマネタイズとして内容をリテイク(ストーリーはそのままで多分絵の方やさらに音響を家庭用にリセッティングしたリマスター版)を出すのではないかという考察をTwitterでフォロワーさんがされています。(ブログエントリにされています)

ソース|映画『花の詩女』ブルーレイはいつの日か #fss_jp - もえぎのhtnb

 それらはファンの希望的観測なんですけれどもtonbori堂は、これは永野護が作ったファイブスター物語の動画のメートル原器ではないかと思っています。つまり永野護作品の映像化に対するこれが基準であると。その上でこの作品、この前に先立って劇場版『ファイブスター物語』を観たんですが、やはり『花の詩女 ゴティックメード』は30年越しの劇場版『ファイブスター物語』への回答ではないかということです。


 だから絵も徹底的に手書きにこだわったんでしょう。劇場版『ファイブスター物語』は当時の最強スタッフを集めて製作された作品でしたから。ならばそこがマイルストーンであっても、あれは自分の作品ではない(もちろんメカニックは自分の産み出したものではあるけれどキャラクターデザインは敢えて作画監督の結城信輝が行った事も含めて)これこそがファイブスター物語であると。KADOKAWAの井上専務との宣伝ポッドキャスト『まもしん』でも散々『ファイブスター物語/FSS』ではないと言っていたのも劇場版『ファイブスター物語』ではないという事ではなかったのかと今にして思えばそう深読みしてしまうのです。


 なのでリメイクではなくリブートとしてこの『花の詩女 ゴティックメード』を作り上げ、作品自体もリブートした。だからこそ今の物語がある到達点に行くまで(魔導大戦の最後か?)パッケージソフト化は無いのではないだろうか…そう思っています。

新作はあるのか?

 それとともに『ファイブスター物語/FSS』の新作アニメを考えているというのは多分あると思うんですよね…。何せクリスは漫画家ではなくデザイナーって名乗っていましたしアニメに携わる人間という矜持が高い人なのです。それは以前のインタビュー、例えば15周年記念のF.S.Sイシューでの富野監督との対談でも監督を焚きつけるような事を言ってますし。


 もっとも今どのように思っているかは分からないけれど自分の名刺代わりの1本の作ったわけですよね。そしてそれは良くも悪くも永野護という人となりを浮き彫りにする作品であったことは間違いありません。だからこそ新作をまた作って欲しいと心から願うしそのためにドリパス復活上映でまたかかるのではあればまた観ますよと思います。何にせよ、まだまだこれから先もこの作品とは長い付き合いになりそうな予感がします。

追記:20181114:タイトルを『観た事』から『観た話。』に変更しました。ちょっとしたことですがその方が文章の収まりがいいと感じましたので、何卒よしなに<(_ _)>

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