ブラックプリンスの章完結の今号。いろいろなことが分かったとともに衝撃を受けた人も多かったかもしれません。またいろいろ考えさせられる台詞も多い重い終幕となりました。ジークの真名が明かされ、それが故にジークは国を捨て名を捨てたという事。そしてそれ故に茄里が皇女、「三色の娘」となったこと。背後に蠢くは元老院とバルバロッサ。
とは言えジークのとった行動はさらに衝撃的であったし、そこから発せられた言葉は「サイレン」のものだったのか、それともジークのものだったのか…。そうノルガン・ジークボゥの真名はサイレン、ドナウ・ガァ・トリハロン皇子が2つの帝国をまとめその初代皇帝になったときに名乗ったサイレンの名を継ぐ者という事がはっきりしました。
ブラウ・フィルモア王家の璃里から産まれたジークはフィルモア王家の血を引く高貴な人物というのは大体分かっていたとは言え、この状態でのこの流れと台詞。そして重傷を負ったうえで直、璃里にかける言葉がまたトリハロンとダブってくる。しかも本人も誰が言っているのかと…。これは詩女の託宣のようなものなのか?それとも超帝国の血を引くフィルモア王家の血が発現しているのか…。
※【月刊ニュータイプ2018年2月号『ファイブスター物語/FSS』の内容についてネタバレしています。】
ブラックプリンス
これはリブートの6巻に記載があったんですが、この魔導大戦、マジェスティック・スタンドから時の詩女に関してのストーリーにはクリス(永野護)が読んだ血液に関する本がヒントになっているとか。(それを持ってきたのは当時の担当、重信氏だったかな?)それが炎の女皇帝を産み出すことになったんだそうですが、そこから詩女ベリンへ、そしてトリハロンへという記憶の継承に連なる少年があまりにも大きすぎるものを背負わされたというのがある種、呪いにも感じられた人も多かったはず。
ただこれは想いは時には福音となり、時には呪いともなる。言霊のようなもの。そしてそれは血によって繋がれていくということなのかなと(血というのは人々の連綿と続くシステムとしての比喩)。そうなればモナーク・セイクレッドなども次々に腑に落ちる気がするのですが…どうでしょうか。
もっとも茄里とジークの身の上は璃里とショー・カムとの間に起こった事を描く「2羽の小鳥」でさらに明らかになる…のかな?ショー・カムはDESIGNS5リッターピクトに再掲されたスクールデザインズで追加されたイラストで明かされた情報しかないわけですが実は最近彼はバランシェの近親者じゃないかなとかという考えが頭に浮かんでいます。
その理由の一つはなんとなく若い頃のバランシェに似ているということ。第2に彼が病に倒れた時に頼ったのがバランシェということ。いやそこは当代きってのファティマ・ガーランドであるバランシェだからというのもあるんでしょうが…まあ基本的にF.S.Sの予想は難しいのでこのくらいに。
そういえば璃里、元老院とバルバロッサに対する怒りがMAXになったときにニーゼルの顔になっていましたね。そういう2つの顔をもつという感じもファイブスター物語のテーマのような気がします。天照はソープであったり、ラキシスはヤース城でモラードに真の姿を現しました。他にもエルメラは母であり王妃の顔とヤンキーの顔を(笑)ミースもそうです。ちゃあだって普通の女子高生の顔とコーダンテの跡継ぎであったりとそれぞれ全てがイコールという話ではないし表裏ってものでもないけどそういう見えている部分だけでは分からないよっていう事を暗に訴えている気がするのです。それは当然この『ブラックプリンス』にも言える事ですが。
しかし『花の詩女ゴティックメード』がここまで密接な関係をもってくるとは…製作途中にKADOKAWAの井上専務とやってたポッドキャスト『まもしん』ではファイブスター物語ではありませんといっていましたが(笑)思いっきりファイブスター物語の、しかも「第6話 時の詩女」に関連してるやん!ってなりますよね。14巻発売に合わせてまた全国ツアー(ドリパス上映)をお願いしたいところです。
花の詩女 ゴティックメードワールドガイド|永野護著|KADOKAWA刊|(C)EDIT/tonbori堂所有/リンクはAmazon |
ファティマ・パルスエット
今回はまたファティマ(オートマチック・フラワーズ)が兵器であるということをしっかりと描写した回でもありました。そりゃバランシェの超級ファティマならそれなりに騎士の戦いに割って入る事も出来ましょうが、基本ファティマは後方支援。そのため近くにストーキングして後方に控えて、脅威が去った後にすぐさま救護にはいるというまさに戦争映画でよく見る『メディーック(救護兵)』っていうアレでしたね。
そしてまあこれも当然と言えば当然なんだけどファティマは騎士が負傷した時の血液タンクであるという描写。これもGTM戦や騎士同士の戦闘で傷を負った時の輸血を考えれば騎士の胚から作られたファティマの血液は騎士への輸血には申し分がないとなる訳です。残酷なシステムのようにも見えますが戦闘兵器としてばまさに万能といえます。
それまでスーパーなファティマがメインをはってたり、ラキシスは実際ファティマじゃないけどそういった超級な方々がやっぱり目立っていましたが、連載再開後はいわゆる普通のファティマも活躍しているシーンが増えてきました。ですがパルスエットはその中でもノーマル・オブ・ノーマルのファティマとして騎士とは何かを改めてヨーンに教える立場になりそうですね。
追記:ダブルアライメントスーツは単独行動をする騎士とファティマには必須なスーツっていう感じで、内臓されているファーストエイドキットもかなりのもの。ある程度重傷でもなんとか救命できるようになっているようですね。これを持たせたシアン夫人の慧眼だったというべきでしょうか。単騎で行動する騎士のファティマにはそういった装備はサバイバルキットのように必要になってくるという事を示したエピソードでもありました。|追記終わり
そう言えばナイアスのブーレイとノイエシルチスがぶつかったときに肺に損傷を受けた騎士が溺死(破れた血管から漏れ出た血液で溺死)しそうになるところを助けようとするファティマが描写されていましたが、ファティマはGTMのメインCPUであると同時に救護兵でもあるまさに万能兵器だということがあらためて印象づけられました。
第14巻カバーイラスト発表
先月号で予告されていたカバーイラスト発表されました。今月の扉画がそうだったわけですが…うんこれハロ・ガロじゃねえ?(ヲイ!)とまあそれは置いといてもミラージュの黒十字が打ち込まれておりブリンガーシリーズの騎体とおぼしきGTMだということが分かります。となればこれは改変前の設定がスライドしているとすると氷の女王カイゼリンがファティマ・タワーの乗騎となったときに天照の元にカイゼリンが行った時の姿なのかなと考えるのが筋が通っているかなと。基本GTMはフレームとエンジンが重要で外部ヘリオス装甲や頭部はミラージュにいったときにハロ・ガロタイプに改修されたとかそういう事なんではないかなと考えています。
次はその前にいる妖精のような人物像はなんだろうという事ですが、これまでMH、GTMとファティマ、もしくはファティマというのは表紙カバーのモチーフと多いので、これもまたファティマなのかなと考えているんですが、今のところこれがカイゼリン(ゼノア・アプターブリンガー)と考えると、タワーなんでしょう。ただ発表されたタワーのイラストとは随分印象が違います。ですが、やっぱりこれはタワーなのかなと。何故なら彼女は特殊なファティマです。バランシェ・ファティマのように全ての制限を外され騎士以上のファティマと確か設定されていたのが彼女ですが、連載再開後にツバンツヒ姐さんが探索していたというショウメというセントリー・ブリッツ(旧サンダードラゴン)が転生した幼生の持つ命の水で作られたというほぼダブル・イプシロンであるラキシスと同じジョーカー星団の枠を外れた存在。それを現したイラストなのではないかと。
これが正解かどうかはスリーブに書かれたタイトル等で分かるかとは思いますが現時点でのtonbori堂の見解は以上です。ということで来月、予定通りならば2月10日店頭に並ぶはずですが未だ書店の販売予定の表に掲載されていないということでやきもきしている方も多く、tonbori堂のように「書店に平積みになるまで信じない。並んだ時が発売日」と言う方も😅とはいえ予告された日へ、後1か月切りました。今はただ待つのみです。
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