新米ヒーロー、ピーターの日常『スパイダーマン:ホームカミング』【ネタバレ】

ルーキーヒーロー、ピーター・パーカーがんばる。

Twitter|スパイダーマン公式アカウントのツイートより
ヒットしてなによりです。
ということで、そろそろ『スパイダーマン:ホームカミング』の事を書いておこうかと思います。既に青春映画に絡めて解説しているところが多く、確かにそっち方面で優れたブログエントリも多々見受けられますが、自分は基本的に『ダーティハリー』系以外の映画を観てこなかった人なのでこの映画で指摘されることが多いジョン・ヒューズの『ブレックファストクラブ』とか『フェリスはある朝突然に』とか観てない人なんです。

動画はYouTubeより|『スパイダーマン:ホームカミング』予告|SonyPicturesJapan

どっちかというと「おまえを一番最後に殺すといったな、あれは嘘だ」のみんな大好きマーク・L・レスター監督『コマンドー』とか青春映画でもウォルター・ヒル監督『ストリート・オブ・ファイヤー』なんかを観てた人なわけです。ちなみに今に至ってもジョン・ヒューズで観たのって『大災難』ぐらいかもしれません。あれは確か『大逆転』と同じかなあと思って観た記憶が。コメディだから同じと言えば同じなんですが。あとは脚本作品の『ホーム・アローン』これは地上波でクリスマス定番でというくらいですか(苦笑)

そんなわけで過去作へのトリビュート的な部分にはまったく気の利いた事は書けません。でも『スパイダーマン/ホームカミング』は面白かったといえます。何故なら今までのスパイダーマンの映画とまるっきり違っていたからです。

「スパイダーマン:ホームカミング」オリジナル・サウンドトラック
画像はamazonより サウンドトラックジャケット写真


今までのスパイダーマン(映画)

といってもライミ版しか観ていないため(アメイジングは観ていないのですよ、それはこれから説明します。)スパイダーマンというのは辛気臭いヒーローだなという想いがあるからです。別にそれがダメとは全然思っていなくて、どちらかというと悲壮感を背負って戦うヒーローはカッコいいというのはよく分かっています。実際ライミ版の重厚な作風とテーマとしての『大いなる力には、大いなる責任が伴う』というやつです。

スパイダーマン (2002)
画像はamazonより amazonビデオジャケット写真

特にライミ版のスパイダーマンは作風と言い主演を演じたトビー・マグワイアの演技とあいまって悩めるチェリーボーイという印象が凄く強いのです。もう一回言っておきますけどそれがダメってことじゃないですよ。とても好ましいと思います。

『大いなる力には大いなる責任が伴う』

ライミ版のスパイダーマンはこれがメインにあって、それに煩悶する様は若きウェルテルの悩みといっていもいいかもしれない悩みをピーターは抱える事になります。善き隣人である部分もあるんですがそっちがクローズアップされることとMJとの間で揺れ動く、それがライミ版3部作でしたね。

『アメイジング・スパイダーマン』を観ていない理由

それは結局ライミ版の悩めるスパイダーマンを踏襲しているようだからっていうのに尽きるんですよね。今はちょっと観たいんですが劇場で観なかった後悔ってのもあります。ただマーベル・シネマティック・ユニバース(以下)M.C.Uの世界にはまっていたこともあって、M.C.Uとは違うマーベルを観てもなあっていうのもありました。今から考えると狭いものの見方で反省しきりです。

但しX-MEN関係は別で彼らはウルヴァリンを中心にシネマティックX-MENユニバース作品を最初から観ているため欠かさず観ています。これは余談ですがそのため『LOGAN/ローガン』後どうなるのかちょっと気になりますね。(あれは外伝的とはいいますが、ヒーローのフィナーレをあそこまで鮮烈に描いちゃうとっていう部分で。)

M.C.Uスパイダーマン『スパイダーマン/ホームカミング』の魅力

で、トム・ホランドが演じるM.C.Uスパイダーマン(便宜上そう呼ばせていただきます)こちらは、予告編観てもお分かりのように凄く陽性なわけです。散々言ってますけどtonbori堂はアメコミほとんど読んでないけどアイアンマンからM.C.Uにはまってる人で、スパイダーマンっていうのは辛気臭い(コラッ!)悩めるヒーロー像っていうのが大きいわけです。基本アメコミヒーローは実写で知った人なので。

ですがアメコミベテランの方やアニメ版ではスパイダーマンっていうのは少年であり、そういう「大いなる力」や「大いなる責任」悩むこともあるけれど日々の授業や、ギークであるからこそのスクールカーストに悩みなどもあるけど、基本よく喋り、子どもの感性で街の、いやご近所の正義を守るヒーローなんだそうです。

この前ふりには『シビルウォー/キャプテン・アメリカ』でいささか唐突に出てきた感のあるピーターでしたが、それまでのピーター・パーカーと違う少年っぽさを前面に押し出してきていました。正直、ライミ版のピーターと全然違うじゃん!子どもじゃん!(ライミ版も最初がガキっぽいというかガキなんですけども)ってなったんですが、いやこれはこれでどんな話になるんだろうって却って興味を惹かれたのです。

『シビルウォー/キャプテン・アメリカ』では作風が重いので一服の清涼剤としてのリリーフをアントマンとともこなしていたのも良かったですね。(トム・ホランドは虫つながりでアントマンと共演したいそうです。スコットは西海岸でピーターは東海岸ってのはありますけどね。)

そして本編ですが、なるほどそういう作品として再構築してきたのかと。先に語った通り『ブレックファスト・クラブ』観て無いからそのリスペクトは分かりませんでしたが、学園生活とヒーローの二重生活をそこまでの悲壮感をもっているわけでなく、認めて欲しいと背伸びしている小僧感があってすごく心地が良かったんですよね。実際ライミ版でもそういうシーンあったけどそこはすぐに去り、その後起こる事でズーンとトーンが重くなってしまう。

『スパイダーマン:ホームカミング』ではそのくだり(所謂ベンおじさんファクター)を既に終わった事として描いているので、まだまだ背伸びしているというピーターの瑞々しさが心地良かったのです。って2回も言ってますね、まあそういう部分がとても好ましかったということです。

魅力的なヴィラン、ヴァルチャー

ハズブロ スパイダーマン:ホームカミング 5インチ ベーシック アクションフィギュア ヴァルチャー
画像はamazonより ハズブロ社製トイ|ヴァルチャー
そしていいヒーロー映画にはいい敵役、ヴィランが必要です。今回のヴィラン、ヴァルチャーことエイドリアン・トゥームス。

この人、元々はNYで産業廃棄物処理の仕事を興していて、『アベンジャーズ』でのチタウリとのNY決戦後の後始末のため会社を拡大、人も雇ってチタウリとソー、ハルクが突っ込んだグランド・セントラル駅の残骸処理を始めていたらいきなり、半民半官の機関、ダメージコントロール局が乗り込んできてトゥームスから仕事を奪ってしまい、彼らは失業してしまいます。

ダメージコントロールがトニー・スタークの出資だという事を知ったトゥームスは、金持ちどもが自分で壊して自分で直すなら、こちらもやってやると異星人のテクノロジーやS.H.I.E.L.Dとヒドラ、アベンジャーズとヒドラやウルトロンが戦った後に残った残骸を密かに回収したりして強力な武器を製造、こっそりと裏社会に売って利益を得ることにしました。

そしてトゥームス自身も空を飛べる強化スーツを纏いヴァルチャーとしてスパイダーマンと対峙することになります。このトゥームス。家では善き家庭人で、子煩悩な一面も有り、仲間は絶対に守る頼れるボスですが、反面、歯向かう者には容赦はせず、裏切り者も許しません。トゥームスの命令を聞かず暴走した挙句、仲間を抜けると言い放ったプライスをチタウリの動力源を利用した光線砲で粛清するシーンではトゥームスの覚悟は生半可なものではない事が分かるシーンでした。

だからこそクライマックスでピーターとトゥームス2人が直接対峙するその前段階で顔を合わせるシーンが凄くいいんです。今の生活を守るためなら鬼にもなる覚悟のあるトゥームス。憧れだけで、トニーに呼ばれて舞い上がって、とにかく認めて欲しいとまい進してきたのに取り返しのつかない事態を招きかけトニーに叱責され意気消沈したけれど、自分はまだまだ学生、学生の本分に戻ろうとしたピーター。その2人が運命のいたずらか、何故かホームカミングパーティの日に車に2人。トゥームスは手を引けと言いますが、ピーターは…。このシーンは『大いなる力には大いなる責任が伴う』にもかかってきている名シーンだと思います。(何故そうなってるかは映画でご確認を、観た人は分かりますよね)

あとトゥームス、パーソナリティはもしかするとNetflixの『デアデビル』のヴィラン、ウィルソン・フィスクakaキングピンに近いかもしれません。彼はサイコパスですが愛する人を守るために自分を囮にするしNYの街を愛していますからね。ヴァルチャーとキングピンが手を組んだら、さしものピーターでも街を守り切れないかも。

その時はマシュー・マードックakaデアデビルと共闘していただきたい気がしますが…NYを活動範囲としているヒーロー同士ですがドラマと映画…まあそれは妄想、夢想ということで(笑)

Netflix マーベル・デアデビル シーズン1DVDジャケット
画像はamazonより Netflixマーベル・デアデビルS1 DVDジャケット

この複雑なヴィラン、ヴァルチャーを、ティム・バートンが監督した『バットマン』で2度、ブルース・ウェインを演じたマイケル・キートン。性格俳優としても有名でティム・バートンの『ビートルジュース』で陽気な幽霊ビートルジュースをハイテンションで演じたり、『絶対×絶命』では高い知能を持つ凶悪犯を演じたり。最近ではアカデミー賞にノミネートされた『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』やマクドナルドを大きくした人物を演じた『ファウンダー』に主演したキートンがこの複雑で魅力的なヴィランを貫禄たっぷりに演じています。

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(字幕版)
画像はamazonより amazonビデオジャケット写真

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』は共演に『インクレディブル・ハルク』のエドワード・ノートン、『アメイジング・スパイダーマン』にグウェン・ステイシーで出演したエマ・ストーン。ストーリーもかつてヒーロー映画で一世を風靡した俳優が起死回生の舞台に挑む様を描いた作品で、いろいろ思うところある作品です。アメコミ映画が好きな方には毛色が違いますがおすすめしたい映画です。

ちょっと気になったところ。

今回M.C.Uでのスパイダーマンということならではの気になったところです。
それはトゥームスが奪取したチタウリの遺物。基本的にこういった遺物の管理は『0-8-4』として『アベンジャーズ』でお馴染みのS.H.E.I.L.Dの管轄でした。危険な遺物は秘密裏に回収され研究施設か、特に危険なものは太陽へ焼却処理と思われていたのが実はフリッジというアフリカのどこかの海岸に建てられた保管庫に収められているという設定がドラマ『エージェント・オブ・シールド』で語られていました。

『エージェント・オブ・シールド』シーズン1
画像はamazonより amazonビデオジャケット。シーズン1

ですが『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』でヒドラの浸潤によってS.H.E.I.L.Dは崩壊。ヒドラはフリッジを襲撃し、中に囚われていた危険な能力者達を解放し、兵器に転用できる遺物を奪取したことにより一時的に裏社会は混乱しましたが、その後ダメージコントロール局がどうやらそれを引き継ぎしているようなのです。

ダメージコントロール局はNY近郊の大きな倉庫にそういった『0-8-4』関係の遺物を保管しており、トゥームスが襲撃を目論んだのもその倉庫に搬入する輸送トラックの車列でした。

その辺りの詳しい経緯とか、あと元S.H.E.I.L.Dの要員の再雇用とかあったのかな?とかは非常に気になるところです。なにせチタウリの遺物は超危険で『エージェント・オブ・シールド』S1ではチタウリの遺物処理に関わった応援に来た近隣消防隊の隊員が未知のウィルスに感染し発電状態から死亡するという事件(エピソード)がありました。それを覚えていると、割と雑に扱ってるようで大丈夫か?それって思うシーンがありドラマではいろいろ大変なS.H.E.I.L.Dも本流の映画ではどういう扱いにんなっているのか?気になる所です。

そして『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』でS.H.I.E.L.Dは壊滅しましたが裏で活動しているのはドラマ『エージェント・オブ・シールド』シリーズで語られており『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』ではヘリキャリアを用意していましたからね。M.C.U年表ととも情勢どうなってるかを網羅したものが本当に欲しくなりました。

そういばトゥームスの部下で武器開発担当ティンカラーはこの一件では捕まっていないようなので続編登場あるかもしれませんね。実は『アイアンマン2』に出ていたハマー社も社長が逮捕されてもまだ健在のようで、Netflixの『ルーク・ケイジ』ではルークの鋼鉄の皮膚を打ち抜く威力のあるチタウリの技術を使った銃や装備を闇に流しているようでした。トゥームズのお得意様の一つかも?(ちなみにルークの鋼鉄の皮膚を傷つけた銃を開発したのは『アイアンマン2』のハマーの会社です。所在地はNYです。)

そしてダメージコントロール局はマーベル・エンタテイメント傘下のマーベル・テレビジョンとABCの方で、ヒーローが壊した街を直すドタバタコメディドラマとして『ダーメジコントロール』の企画が進んでいたのですが企画中止になった経緯も『ホームカミング』に登場することになったからかなというのも気になったところです。ちなみによく似たDCコミックス原作のドラマ『パワーレス』は先に制作されているようですがシーズン1で打ち切りとか。ABCの判断が良かったのかどうかは分かりませんがまだどういう企画で復活するかわからないので今後の情報待ちですね。

最後に

『スパイダーマン:ホームカミング』は80年代の青春映画リスペクトとか、新時代のとかいろいろありますが、カッコいい悪役に未熟なヒーローが挑むという少年ジャンプ的な話として多くの人に共感を呼べる作品だと思います。サブキャラクターも面白いし(ちょっと今回ネッドの事とかミシェルの話が書けなかったけど、また改めて)次の作品でも大いに活躍してくれそうだし、次のスパイダーマンではトニーは出ないとのことですが、M.C.Uならではのスパイダーマンの活躍を期待したいものです。

追記20170925:タイトルを『ピーターの日常『スパイダーマン:ホームカミング』【ネタバレ】』から『新米ヒーロー、ピーターの日常『スパイダーマン:ホームカミング』【ネタバレ】』に変更しました。

追記20180325:一部文章、(豆知識てきな部分や言い回し)を修正しました。

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