「ルパン三世」とは、モンキー・パンチ氏が1967年漫画アクションで連載された漫画を原作としてアニメ化したものです。TVアニメーションは1971年に放送されたシリーズを始めTVシリーズとして4度(外伝として峰不二子を主人公としたものを入れると5度)放送されています。今回のtonbori堂アニメ語りはtonbori堂のアニメサントラの棚から一掴みではありませんがLPに関してちょこっと書いてみようと思います。
ルパン三世 ルパン・トーク・ルパン
特に知られているのは1977年から1980年にかけて放送された通称赤ジャケットのルパン三世。このLPレコードは放送後に製作されたもので放送後にルパン三世たちがどうしているかというコンセプトで1982年に製作されたものです。
ルパン・トーク・ルパン/日本コロムビア/tonbori堂所有 |
SIDE-A
ルパン三世役山田康雄がナレーションというより語りを務めルパンファミリー5人の今と彼らの引き起こした事件を語る構成になっています。使用されている楽曲は当時のBGMで、今も使用されている耳なじみのあるものが多く、バラエティー番組やニュースなどでもBGMで使用されることも多いです。作曲は大野雄二氏。日本テレビ系のアクションドラマや初期の角川映画の作曲を多数手がけたジャズフュージョンミュージシャンでルパン三世セカンドシリーズから音楽を担当しています。
エピソードのメインはルパンがロサンゼルスでのアラブの大富豪邸宅からマリリン・モンローの遺産を盗む話。実はこのアラブの大富豪邸でのモンローの遺産っていう情報には裏があってというオチ。ルパンの軽妙な喋りの合間にルパン三世のBGMがシーンを彩るという構成でした。ちなみに現在のルパン三世の声はものまねタレントの栗田貫一が担当しています。ルパン三世役山田康雄が司会を務めていたお笑いスター誕生‼が縁で山田康雄が急逝した後に引き継ぎました。B面はファン投票第1位ヒロインのクラリスとの再会をルパンが語ると予告してB面へ
SIDE-B
ルパン三世がインタビュアー(女性、キャミィという名前)に対して答える形になっています。彼女をブッキングしたのは峰不二子。ここからも何かオチがありそうな予感がします(笑)これまでルパンと関わりの深かった女性の名前を聞かれるといろんな名前がでてきますがここで1stシーズンのゲストヒロイン、魔女リンダの名前も出てくるあたりは、山田康雄さんがアドリブでいれたのではないかと思われるのですが、どうでしょう。
その時に名前の出なかったことでキャミィが尋ねたクラリスとは『ルパン三世 カリオストロの城』のヒロインです。劇場用アニメ『ルパン三世 カリオストロの城』の監督はスタジオ・ジブリを後に率いることになる宮崎駿監督。公開時は先に公開された劇場用第1作『ルパン三世 ルパン対複製人間』ほどの人気を得ることができなかったとされていますが、公開時からクオリティの高さが評価され、再上映などが繰り返され、ファンの評価も高く、後のジブリ設立のきっかけの一つになったとも言える、宮崎監督の代表作の一つです。
宮崎監督はルパン三世の最初のシリーズでも演出を手掛けていたことがあり、特に後半の『七つの橋が落ちる時』『じゃじゃ馬娘を助け出せ』などなどスラップスティックなアクションコメディ色の強い回を担当していたとか。『ルパン三世 カリオストロの城』のルパンは、そのためかジャケットは赤ではなく1stシーズンの緑のジャケットだったりします。そしてインタビューの後半に服を脱いでくれといわれて、何故と問うとこれはルパン三世写真集を作るためのものでということで不二子が仕組んだものだったことが発覚、まっぴらごめんとインタビューを切り上げ部屋を出た後にクラリスとエレベーターで偶然の再会となります。ちなみにクラリスは未だに人気の高いヒロインでファンも多くクラリス役の島本須美さんがそのまま宮崎監督の『風の谷のナウシカ』のヒロインを務めています。
短く言葉を交わしただけでまた別れる2人。というエンドでお終いです。
「ルパン三世」ルパン・トーク・ルパンの感想
このアルバムはルパン三世の人気が極まっていた頃の製作されたアルバムです。とは言えフルキャストではなくルパン役山田康雄さんの語りだけでつなぐというのは若干の物足りなさを感じ得ません。ですが不思議とルパンマニア、ルパンファンなら許せてしまうのがこのルパン三世というキャラクターの不思議なところかもしれません。
ルパン三世のレコードはほモンキー・パンチ先生の書き下ろしなジャケットでサントラBGM集も発売されていますが、それらも含めてモンキー・パンチ先生の手によるものです。ジャケ買いする人もいるかもしれませんね。あとルパンの声をサンプリングしたい人には収録されている音源はBGMの他はルパンの声だけなのでそういう用途にも(えっ?)マニアックな逸品ですがそれだけに一般向けではありません。ですが聞けば懐かしさがこみあげるそんなアルバムでした。
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