『警視庁捜査一課9係』最終回を観終えて。｜『警視庁捜査一課9係』【ネタバレ】｜tonbori堂ドラマ語り

　シーズン12スタート前に係長、加納倫太郎役の渡瀬恒彦さんの訃報が飛び込んできてどうなるかと思わされましたが、既に撮影はスタート。初回は係長が過去映像（バンク）をつかって上手く編集し警察庁の対テロ部門に出向したことにしていました。

警視庁捜査一課9係/ロゴはイメージです

　その後結局係長が戻ってくることはなく、係長と絡みが期待された竹中直人さん演じる監察医黛教授との共演もなくドラマは終了しました。加納係長が出演しないということで離れていった人もいるでしょうが、あの9係のチーム感も好きな私はそのままドラマの視聴を続け、最終回を迎えたのですがちょっと違和感もあります。

9係＝チーム

　つまりチームワーク無いようである感じと、その要として係長がいたわけです。扇の要を欠いた状態でのシリーズは確かに何時ものシリーズとは違い、どうなるのかと思いましたが…、それぞれが係長の穴を埋めるべく努力していたと思います。それは監察医の早瀬川先生（原沙知絵）もそうです。

係長の不在を今後どうするのか？

　それだけに係長をどうするのか？ということです。来シーズンから別のキャストを加納係長として出演してもらうのでしょうか？いやそれはどうしたって違和感あります。大河ドラマで主役ではないですが、重要な役をしていた人が病気などの理由で別の人に代わるというのは聞いたことはありますが、人気シリーズのそれもメインの方がまったく別の人になるというのは。とは言え係長無しでこのままするにもやはり無理はあります。

　もう一つは、現実に即して加納係長は亡くなったとするものです。病死、殉職、どちらにするにしてもストーリーを上手く考えねばなりません。ですがこの辺りが良いのではないかなと私は思っています。やはり別の人が加納倫太郎ですというより、なんらかの理由で道半ばで倒れた係長の意思を継いだ人物がそれを継いで9係の指揮を執る。古臭い展開かもしれませんがこういうのがやっぱりしっくりきます。最終回の里見浩太朗演じる警視総監とのやりとりでともかくご苦労様でしたという意味と、係長の意思は受け継いでいきますというスタッフ、キャストの表明だったかなと思うのですが、それだけに来シーズンあるとしたらどう着地させてくれるのか。スタッフ、キャストさんには期待したいと思います。

何時ものレギュラーキャラクターと第8話と第9話のゲスト

　これはちょっと余談なのですが係長というか渡瀬さんの不在を強く感じてしまったというかスタッフ、キャストの追悼感かもしれないと感じたのは第8話と第9話のゲストでした。第8話の犯人役を演じた中西良太さんは『大激闘』や渡瀬さんの『十津川警部』シリーズでもお馴染みの俳優さんです。多分慕ってらしたんではないでしょうか。ドラマは違いますが『相棒』の内村刑事部長役、片桐竜次さんも渡瀬さんとは縁の深い俳優さんです。

　また9話のゲスト俳優、七瀬なつみさんは渡瀬さんのテレ朝のもう一つ看板シリーズ『おみやさん』で鑑識課員役で出演、縁の深い方です。そういったこともあったのではないかとちょっと邪推してしまいました。そういえばNHK朝ドラ「ちりとてちん」で共演した貫地谷しほりさんのスペシャル刑事ドラマが何故か延期になってしまいましたね。そういえば『おみやさん』新シリーズでも貫地谷さん共演してらっしゃいました。そういう意味でも子弟共演がまた再現されたと密かに喜んでいたのですが…。ちょっと話が外れましたね…。

　伊東四朗さん演じるベテラン鑑識の猪狩さん、田口さん演じる矢沢の奥さんで漫画家の早苗役畑野ひろ子さん、青柳と同棲している垣内妙子役遠藤久美子さんなど9係を語る上で外せない人たちやとうとう直樹と婚約した倫子ちゃんこと中越典子さん、先シーズンより参加の野際陽子さんや、以前のシーズンに出演していた放浪の画家役園田役中村俊介さんなども色を添えてくれましたが、やはり係長が要だなと思うためにリニューアルに近い事になるかもしれませんが、今までの登場人物たちも活きる方向でなんとか9係新シーズン、再起動を望みたいと思います。