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『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』第4話で気になった件|tonbori堂ドラマ語り

2017年5月3日水曜日

drama

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 今週放送の第4話。いやあ番宣予告で流れてたあの野間口演じる樫井と小栗旬演じる稲見が2人歩いてるシーンの背後でドーンはここで使われたのか!となった第4話でした。いや今回の4話、非常に重要な回かもしれません。

CRISIS公安機動捜査隊特捜班/ロゴはイメージです
CRISIS公安機動捜査隊特捜班/ロゴはイメージです

 そして泣ける回でもあります。世の中きな臭いからこそ、おおっ、なるほどってなる回でしたが、なんと脚本の金城一紀さん、去年の夏に上げていたとか。マジっすか!

(該当ツイートはリンク切れです。残念ながら削除された模様です。)

CRISIS第4話、今回の気になるポイント

 では気になるところ上げていきましょうか。今回はいろいろありました。

今回の任務は身辺警護。

 特捜班の今回の任務は身辺警護。基本的にこういうのは警備部警護課、または重要な証人などは刑事部や組織犯罪対策部、公安部のそれぞれの要員がガードするべき案件ですが特捜班にあてがわれたという事はようするにきな臭い案件という事。大っぴらに出来ないし、陽ではなく影。目立たなく遂行せよというものです。警護対象は有馬という航空宇宙学が専門の大学教授。1週間後に国外に出るのでそこまで身辺警護せよという任務。警護対象の有馬教授は昼間から酒をあおり、人事不省になるくらいに荒れている人物。警護に来た特捜班にも横柄な態度をとる人物ですが、プロの殺し屋に執拗に狙われる有馬教授には実は裏の顔があって…という展開でした。

殺し屋

 というかスイーパー(掃除屋)…の割にはやり方が派手すぎるきらいがありますが、サイドアームがリボルバーとかけっこう渋い。近藤公園演じる殺し屋は多分コルト。キングコブラかな?ハンマーにピンが無いのでコルト系だと思います。もう一人、浜田学の演じる方はミリポリの2inヘヴィバレルかチーフスペシャルだと思いますが、2人組で口径が同じの銃を使うなど手練れ感だしていましたね。ちなみにキングコブラは357マグナムで、チーフは38スペシャル。口径は同じでもチーフの弾はキングコブラに使えてもキングコブラの弾はチーフには使えません。キングコブラは『ルパン三世』の次元大介が使うコンバットマグナムと同じ弾を使います。

 脚本の金城さんいわく「洋楽キャラ」だそうで、『SP』ではリバプールクリーニング(ビートルズ)、『BORDER』ではサイモンとガーファンクル(サイモンは野間口さんでしたね。)今回は、石橋、石立という名前だそうで…ひょっとして…ストーンズ?ですかね。

爆殺

 このストーンズ、殺し方に美学があるようで『代表作』とか言って、用意したのが爆弾チョッキ。爆弾専門?なのでしょうか。隠れ家の武器庫にはAK47や手りゅう弾があったのですが、最近福岡の暴力団から摘発された銃火器もこういうのがあったので、少し前なら西部警察じゃねえんだからというツッコミが入るかもしれませんが、今はネットでいや福岡ではロケットランチャーも摘発されてるよって逆ツッコミが入るかもしれません(^^;

参考リンク|(cache) 事件:ロケット弾はロシア製「RPG26」/発射能力も- 毎日jp(毎日新聞)アーカイブされた 2013年11月5日 22:32:10 UTC

 無線地雷に爆弾ベストなど最近の流行りではありますが恐ろしい装置です。水銀スイッチ、ブービートラップなど爆弾を使う作品のネタがちゃんと抑えられていました。爆弾を使う映画と言えばコーヒーのBOSSでお馴染みトミー・リー・ジョーンズが爆弾犯を演じ、『トゥルー・グリッド』のジェフ・ブリッジスが元北アイルランドのIRAのテロリストで身分を隠して渡米し、爆弾処理班の警察官(めっちゃ無理がありますがリアル父親のロイドが叔父役で出演。足を洗いたがっていたジェフ演じるジミーを裏で手を回したという事になってます。)と対決するという映画がありました。『ブローン・アウェイ』っていう映画です。いわば洋画いぶし銀対決といったところでしょうか。中盤でジョーンズ演じる爆弾魔がジミーの叔父(つまりロイド・ブリッジス)を捕まえて今回と同じ状況になるシーンがあります。この件の結末も一緒。映画だとそういうショッキングなシーンを挟んでも、ラストは犯人と対決で溜飲を下げることができますが、ドラマでこういうヒキは日本では珍しいと思います。(『ブローン・アウェイ』ラストはジョーンズとブリッジスの対決で締めくくられます。)


 ちなみ海外ドラマでもこういうのは珍しい部類に入ります。正確にはそういう事になってもきっちり片はつける事が多いです。こういうヒキのもありますが、今回は冒険したと思います。それだけ救えない結末というのは重いストーリーで今後の展開にも影響をおよぼしてくるのではないでしょうか。それと爆弾映画と言えばやはり『ジャガーノート』に止めを刺します。ちょっと余談ですがこちらは爆弾処理映画の元祖と言ってもいいので一度ご覧になって欲しい作品です。

 今回はああいう結果になりましたが思えば樫井、初回では首輪爆弾を解除しているんですよね。リベンジの機会はあるのか?期待したいところです。今回は野間口徹演じる樫井が見どころをつくりました。『SP』の公安田中役で金城さんの作品の常連になった野間口さんは今回は匂いの共感覚を持つという設定もニヤリとさせられますね。

ミサイルとハニートラップ

 今回はミサイル(ロケット)のエンジン関係を盗むべく北?がハニートラップを有馬教授にかけてきたことが発端になっています。また相棒などでも時々取り扱われる題材、公安の自演次作やわざと情報を漏洩させるダブル(二重)スパイなど、公安でも外事課案件が取り扱われていました。公安を扱ったドラマと言えば田丸演じる西島秀俊主演の『MOZU』ですが、NHKで放送された『外事警察』も忘れがたいドラマでした。ラストの底知れぬ闇の深さでは『CRISIS』に負けていません。公安の魔物と言われる住本警部補と彼に人生を狂わされたSたちや翻弄される関係者。誰も信じるなとまるで『Xファイル』のセリフのような展開でした。

 この映画版はネタが東日本大震災後に大学から研究用の核物質が盗まれてという話で、今のちょっとヤバイ状況ともかぶってきます。その点からもやはり今はいろいろきな臭い空気感なのだなと。そのミサイルに関しては、これほどのシンクロニシティがまさか起こるとはという感じがしますが、全くの絵空事ではないでしょう。またハニートラップに関しても中国が仕掛けたりという話がたまに流れてきたりします。日本はスパイ天国とも言われていますが実際には銃弾が飛び交いナイフが閃くより、現ナマとハニトラが多いのかもしれません。


 それだけ技術はみんな喉から手が出るほど欲しいもの。日本の技術水準は往時より落ちたとも言われますが、それでも宝の山には違いません。特にロケットに関してはそれぞれ鎬を削る状態。相手の情報が掴めれば、それよりも良いものを。またはそれを改良して取り入れることも。こちらが勝っているのなら、さらに差をつけることも出来るわけです。21世紀は情報戦の時代でもあります。派手に撃ち合うだけが戦争ではないという事も派手なシーンの裏でしっかりと主張していたように思います。そんなハニートラップに陥った有馬教授を小市慢太郎が素晴らしい演技を披露。この方、関西の人らしいんですが、最初にこの人を認識したのは『救命病棟24時』の第3シリーズでした。確か大泉洋も出ててこの2人を知ったのはこのドラマからです。


 あと小市さんの演技もさることながら、別れた奥さん役を奥貫薫さんっていうのも、これ効いているかもしれません。Twitterのフォロワーさんが「薄幸女優」とおっしゃってたけどかなりの高確率で薄幸な展開が多いので、さらにずーんと重くなるという。

国家を信用するな

 これ先に上げた『外事警察』とか『相棒』でも同じような話が出てきますが、概念としての国ではなく『国家』という組織って話なのかなって感じました。組織というのは根腐れしたり末端が落ちたりするもの。こういう組織をリフレッシュするのは非常に難しく、アメリカでは大統領が変わるごとに主要スタッフは総入れ替えになります。(現場担当者はそのままだったり一部前政権から引き継いだりはあります)日本は官僚と政権は別になっていますし、さらに言えば政権与党が長く続けばそっちもいろいろ溜まるものがあるのでさらに澱む感じがありますね。金城さんが去年の夏に感じことが今の世相にシンクロしているのは恐ろしくもあり、今後の展開もさらに酷薄になりそうな予感がします。

来週は潜入捜査。

 4話にして役者が揃った感があります。(ロリコン官房長官、平成維新軍、掃除屋、そして稲見とイイ仲になる娘さんに、田丸と関係のあるS(スパイ)の奥さん。)ですがまだまだ仕掛けてきそうなCRISIS第5話。暴力団に潜入捜査と言えば、これも西島秀俊が出演した『ダブルフェイス』を思い出しますね。こちらは潜入捜査官と、暴力団側のスパイが警察に潜っているという話で元ネタは香港映画の『インファナル・アフェア』です。こちらも傑作なので是非ご覧いただきたい1本です。(当ブログでもエントリを立てております、良ければご笑覧ください。)

リンク|無間道に堕ちた者たち『インファナル・アフェア』(無間道)

 2話に出てきたロリコン官房長官(しつこい(^^;、石黒賢も出演ってことは政府絡み?もあって目が離せません。

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