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『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』第6話で気になった件【ネタバレ】|tonbori堂ドラマ語り

2017年5月17日水曜日

drama

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 今回のお話は11年前の宗教団体が引きおこした地下鉄爆破テロの犯人が都内の防犯カメラに偶然捉えられた事から始まります。その爆破犯、里見(山口馬木也)を確保し未然にテロを防ぐ事が今回、特捜班に与えられた任務でした。

CRISIS公安機動捜査隊特捜班/ロゴはイメージです
CRISIS公安機動捜査隊特捜班/ロゴはイメージです

CRISIS第6話の気になるポイント。

 まずは周辺の防犯カメラの映像の洗い出しから始めましたが里見の行方はようとして知れず、11年前の現場を見に行った田丸は現れる事で疑心暗鬼を生ずる事もテロの効果であることを稲見に語ります。一方、鍛冶局長は乾警視総監(嶋田久作)に呼ばれ事件の速やかな収拾を促されます。里見は教団が隠れ蓑にしている健康食品会社のビルに身を潜めていました。警戒レベルが上がった事を既に察知している里見たちでしたが、新たなテロに関して自信がある様子です。


 データ解析担当の大山が昔の知己から得た防犯カメラ映像で用賀に潜伏していることを突き止めましたが特定には至らず、燻りだすためにネットに目撃情報を流し反応を待つことに。反応してきたアカウントにハッキングして発信場所を特定し里見のいるビルをあぶりだしました。里見達はビルを退去しましたが、急行した稲見たちがワンボックスカーを追尾、ワンボックスはホームセンターの駐車場へ、そのまま店内に入る里見達。同じく店内に入った稲見たちに里見に付き従っていた男たちが襲い掛かります。激しい格闘戦の末彼らを打ち倒したものの、里見は既にホームセンターから逃げ出したあとでした。


 その鮮やかな逃亡や、11年間の潜伏期間中、全く足取りを掴ませなかった里見、何かを知っている風な田丸に何かを知っているのではないかと問う稲見。田丸は事件当時公安で聞いたある噂を語ります。実は里見は潜入捜査官であったが、なんらかの理由で寝返り、爆破事件を実行したというもの。当時の資料を洗い出して該当する警察官を特定できたものの姿を消した里見の行方は知れず、テロの標的も未だ分からない状況に特捜班のメンバーの焦りが募ります。田丸が公安の使う手として教団の所有している建物から現在使われていない物件を洗い出すことで里見の潜伏場所を特定したものの即席の警戒装置を設置した里見はまたしても逃亡。常に一歩先を行く里見の後塵を拝しつづけます。


 青沼公安総務課長は鍛冶局長にこれ以上藪をつつくのはいかがなものかと注進しますが、これは特捜班の通過儀礼という鍛冶はこれ以上、標的が分からない時はヒントを与えるようにいいます。また応援要請には応じるなと。あくまで特捜班で処理させる鍛冶局長の真意は?時間だけが過ぎていくなか、稲見が自衛隊時代にテロ対策の講義を受けた時、標的には2種類あり、一つはシンボル的なもの、駅やビルなど分かりやすいものと、もう一つは襲撃者の個人的な動機に関わるものという言葉を思い出し、田丸が11年前の事件当時の関係者で最近動きのあった人物を洗い出すとそれは乾警視総監でした。はたして里見のテロを防ぐことはできるのでしょうか?というお話でした。

地下鉄サリン事件

 やはり地下鉄テロと宗教団体いうとこの事件を思い出さざるを得ません。事件自体はドラマの設定の11年前ではなく22年前の1995年になります。阪神大震災が起こった年に重大な事件が起こったとして日本を震撼させた事件として今も語られるこの事件は、その前にあった坂本弁護士誘拐事件(のちに殺人事件)や松本サリン事件。他にも教団が起こしたテロ事案、拉致などを含めて全貌は未だなお解明されていない部分も多くあります。



 警察も当時最大の力をもってこの事案あたりましたが、事件になるまえの予兆を含めて見逃されたものなどがあると批判もあり当時の警察の捜査が適切だったかどうかも問われました。もっともオウム真理教は宗教法人として登録された団体でもあり立件化も困難と言われていながらも徐々に包囲されていったことによる暴走という面も有り、この部分は未だ議論の余地がある所です。現在テロ等準備罪が形を変えた共謀罪という批判が高まっていますがそういう話が公になってきたのもこの事件の影響と言えなくもありません。日本を大きく変えた事件の一つと言ってもいいでしょう。事件の概要を取り上げたドキュメンタリーなども多く、ドラマなどにも影響を与えています。

警察庁長官狙撃事件

 こちらも里見が実行しようとしたテロのモチーフになった事件ではないかと思われます。こちらも地下鉄サリン事件と同じくオウム真理教の関与が疑われていますが公訴時効を迎えた未解決事件です。



 被疑者や犯行を告白した人間もいますがいずれも決め手に欠け未だ実態がようと知れない事件の一つです。ただ犯行にコルト・パイソンという暴力団がよく使うようなトカレフやマカロフといったロシア製、またはトカレフの中国コピーである黒星でないこと。弾丸がほろーポイントという弾頭が潰れて破壊力を増すという弾頭が使われた事により非常に特異な事件として注目されていました。コルト・パイソンは次元大介のコンバットマグナムと同じく.357マグナムを使用する強力な拳銃で漫画『シティーハンター』の主人公冴羽獠(りょうは上手く表示できないかもしれません)が使用していることでも有名です。

潜入捜査官

 前回に続き潜入捜査官ネタを入れてきたことは驚きでしたが、今回と前回は対になったエピソードかもしれません。また警察のトップ、警視総監が事件に関わりをもっていたなど、次回以降のエピソードにも影響を及ぼしそうな予感がします。潜入警察官が寝返るという話よりは汚職警官がというのが定番ですが、『相棒』などでは時々、裏の任務に就いていた人間がそのまま悪の道へという話があります。劇場版『相棒2』はその元警察官がっていうエピソードでしたね。


 実際にこういった潜入捜査がどこまで行われているのかは実態は不明ですが、記録の抹消は前回も挙げた『ダブルフェイス』その元になった『インファナル・アフェア』でも知っているのは直属の上司のみというのがパターンです。ちなみにスパイ映画などでは、潜入捜査官を直接指揮する人物をハンドラーと言います。ペットの調教師、訓練士などにつかわれる用語ですがスパイ映画などで使われる場合はそういった潜入捜査官などをコントロールする人物を指します。


 1話にも登場していた教団に潜入中の林は一般人ですが公安はエスと呼ばれる協力者を一般からピックアップして協力させるというのはこれも先に挙げた『外事警察』でも描写されていました。そういえば田丸は外事の出身といっていましたが教団はソトゴト(外事)の担当ではなく昔世話をした(エスとして)というのは外事時代の話なのではないかと思われます。で今は管轄が違うということでもありますが。乾警視総監は元は青沼と同じく公安総務課長の職についていたそうですが公安総務課長はいわば公安の司令塔みたいな描写がされることも多く、これは公安警察の実態がよく分からずたまに漏れ伝わる情報から、キャリアポストで公安の事案の掌握をおこなっているからという話があるからです。また鍛冶は警察庁の警備局長で公安警察は警備局の指揮下にあるので事実上の警備公安警察のトップが鍛冶ということになります。

来週は平成維新軍、動く。

 ネット上でつながっている正体不明のテロ組織平成維新軍。坂本がとうとう動くようですがいったいどういったテロを起こすのか?予告では拳銃を所持していましたがどういうルートで拳銃をとか、いわゆる同時多発テロも予兆させる感じも有り来週も見逃せません。

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